ドイツ 週刊武春

本物のパンター戦車と88㎜高射砲をドイツの年金生活者が保管して家宅捜索

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世の中、ハタから見ていて「そんな事に、何も情熱を傾けなくても」って思ってしまう事が良くありますよね。

特にコレクション関係。
切手とかならまだしも、場所を取る大きなモノを収集して、遂には専用の倉庫まで作ってしまう人とか見ると、驚くやら呆然とするやら…。

今回ご紹介するのは、それが極まった感じ?

ドイツ北部の村の納屋に、78歳の年金生活者が第二次世界大戦中のパンター戦車と88ミリ砲を保管していた事が露見し、法律違反に当たるとして検察が家宅捜索を行いました。

地元メディアが一斉に書き立てたので、英語圏のメディアも動き出して報道しています。

 

キャタピラー以外は全部良好 移動には軍人が動員

その1つがテレグラフ紙です。
以下に、サイトより写真を引用させて頂きます。(ヘッダー写真も)

キャタピラーと機銃が無い以外は、ほぼ完璧な状態である事が分かります。
「ホンマ、ようやるわ」って所ですね。

見つかったのはドイツ北部のハイケンドルフ。
軍港で知られるキールの近所でして、裕福な人達がリタイアして暮らすような土地柄です。

当然、住んでいる人も穏やかで、平和そのものって感じだったのですが、そこに降って湧いたのが、このコレクション押収騒ぎでした。

ヘッダー写真を見ればお分かりのように、野次馬がカメラを持っていますね。

ドイツでは、こうした武器の保管は違法とされています。
だからこそ検察が動いたのですが、マシンガンならまだしも、余りの大きさに手を焼いた為、軍に依頼して運んでもらったのだとか。

つまり、写り込んでいる人達は検察の職員さんではなく、現役の軍人さんです。

約20人が動員された他、戦車の運搬用車両まで出動したのだって。
それでも、全ての作業が終了するのに9時間もかかってしまったというのだから驚きです。

軍の広報担当者は
「納屋にダメージを与えずに戦車を押収するのには骨折りだった」
と、異例の?コメントまで発表しています。

ご、ご苦労さんでしたね(汗笑)。

こちらの88ミリ砲の写真も異様な迫力です(サイトより引用させて頂きます)。

もう、弾を込めたら、上空の旅客機を撃墜できそうな。
ちなみに、押収物の中には魚雷もあったそうです、っておい!

 

押収品を取り返そうと弁護士動く

さて、最初に紹介したパンターは1943年製だそうです。
テレグラフでは「ビンテージ・タンク」だとしていますが、戦車にビンテージって(汗)。

南ドイツ新聞によると、キールの検察当局がコレクションの存在を知ったのは先月でした。

武器の保有が違法なのと、盗品なのではないかと?の疑いを持ったので、ベルリンの関係当局に通報し、対応を協議、そして家宅捜索&押収と相成りました。

もっとも、コレクターから依頼を受けたペーター・グラムシ弁護士は異論があるそうです。
戦車も高射砲も発砲は出来ない状態なので、武器には当たらないと言うのです。

実際、2005年に地元当局が調べた所「武器としては最早使えない」との鑑定が出ていたそうです。

つまり、一旦は片付いていた話。
「なのに、こうして大々的な押収をして全世界に報じるなんてどうよ」と憤ったグラムシ氏は、依頼主の意向で近く訴訟を起こす予定です。

これを裏付ける意見をしているのが、村長のアレクサンデル・オルス氏です。

「ここらが1978年に大雪になった際、武器を動かしていたのだから、驚かないよ」

コレクターさんとも顔見知りで「ある種のモノが好きだってのは知っていた。蒸気機関車が好きな人もいるだろ。この人は戦車が好きだったんだよ」と同情的でした。

ちなみに、コレクターは隠遁生活を送っていましたが、検察の厳しい取り調べを受けている最中なのだとか。

第二次世界大戦終結70年で、神経を尖らせているドイツ政府の勇み足って感じですかね。だんだん可哀想に思えてきたぞ。

南如水・記

【参考】
テレグラフ紙

 



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