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まり先生の歴史診察室 音楽家

未だ死因は謎のモーツァルト 最期の『鎮魂歌』は誰のため?

更新日:

【編集部より】

まり先生の書籍発売日が11/20に決まりました!

タイトルは『戦国診察室 お館様も忍びの衆も歴女医が診てあげる♪

戦国ネタに絞った代わりに、新たに大量の書き下ろし記事を投下し、アマゾンでの予約も始まっております。

皆様のご愛顧、心よりお待ち申し上げておりますm(_ _)m

戦国診察室帯アリ

戦国診察室 お館様も忍びの衆も歴女医が診てあげる♪

 

 

【本文ここから】

クラッシックを聴くと眠くなる馬ちゃん先生です。カンファレンスでも寝そうになってるのは秘密ですよ。

さてさて今回の患者さんは『モーツァルト』。

音楽に興味の無い方でもその名を知らぬ方はいないでしょう。数々の名曲を世に残した彼ですが、その死因は未だ謎に包まれています。

果たして真相は!?

モーツァルト・音楽室の肖像画でビビった方も多いハズ/wikipediaより引用

 

5歳で作曲とは、まさに神童の極み!

モーツァルトは1751年、ザルツブルクで宮廷作曲家の元に生まれます。

父は息子が天才であると見抜き早期から音楽教育を実施。その結果、3歳でチェンバロを弾き、5歳で作曲、6歳でマリー・アントワネットにプロポーズをするという神童に育ちます。ああ、最後のやつは違うか。

幼い頃の彼は父と共にヨーロッパ各地を演奏旅行で周り、最終的にはウィーンで亡くなります。古典派音楽の巨匠ということですが、私はこの辺の事情については薄暗いのでソーッと病気の話にうつりましょう。

 

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死の直前に舞い込んだ『鎮魂歌』の依頼……

晩年のモーツァルトは貧乏でした。

ウィーンではピアニストとして人気のあった彼ですが、言動が下品だったため良い仕事が来なかったご様子。そんな彼の元に『レクイエム(鎮魂歌)』の依頼が舞い込みます。依頼主の名前は秘密ながら、報酬は破格でした。

金に困っていたモーツァルトはこの仕事を受けます。が、曲の作製途中に亡くなります。死神からの依頼だったんでしょうかね。

出来過ぎた話に思えますがコレは本当のお話、タネ明かしは後にして、亡くなる前の彼の様子を見てみましょう。

1791年9月、オペラ『魔笛』の作曲を終えた頃からモーツァルトは体調を崩します。

11月に入り体調は更に悪化。発熱と浮腫が顕著になり、発疹が出現します。同月下旬よりベッドに臥せると、その後、約2週間で亡くなってしまいました。享年35歳。当時としてもまだかなり若いモーツァルトの命を奪ったものは何だったのでしょうか。

 

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推定死因がありすぎて

モーツァルトに限らず、歴史上の人物は死因が特定できないことがままあります。

しかし、彼の場合、35歳という若さや、豊かな才能もあいまって、様々な憶測を呼びます。ざっと挙げますと・・・。

『ライバルによる暗殺』
『妻による殺人』
『水銀中毒』
『生やけの豚肉にいた寄生虫』
『梅毒』
『連鎖球菌感染』

と、挙げるときりがありませんので、私が書きやすい、いやいや、現実的な死因にスポットを当ててみましょう。

感染症を中心に疑わしき病気を解説しました(≧∇≦)

 

粟粒熱(ぞくりゅうねつ)

ウィーン市の公式記録によるとモーツァルトの死因は『粟粒熱』となっています。粟粒熱は15-16世紀にかけて5回の大流行をおこした病気。強い疲労感と発熱などの症状を呈すし、しばしば死に至るのです。

ハンターウイルスが原因といわれていますが1578年を最後に発生しておらず詳細は不明。しかし、モーツァルトが呈した発疹は粟粒熱の症状として記載されていません。

 

連鎖球菌性咽頭炎からの合併症

2009年にオランダ研究チームが米学会誌に発表したのが『連鎖球菌性咽頭炎からの合併症』説でした。

溶連菌性咽頭炎自体はよくある病気で、通常は未治療であっても数日で軽快します。しかし稀に腎炎、猩紅熱、リウマチ熱、咽頭後壁膿瘍など重篤になる場合があるため、この病気を疑った場合は抗生物質を使用します。が、モーツァルトの時代にはモチロンそんなものはありません。

連鎖球菌感染では発疹を認める場合もありモーツァルトの発疹を伴う熱と一致します。論文において、浮腫は溶連菌による糸球体腎炎が原因と推測されています。

 

リウマチ熱

リウマチ熱はA群連鎖球菌(溶連菌)による咽頭炎に続けておこる全身性の疾患です。

溶連菌に対する抗生物質治療がスタンダードとなっている先進国では稀になりましたが、後進国ではまだまだ多い病気。関節と心臓に炎症症状をおこす場合が多く、大半は治癒しますが、少数は心臓に障害を残します。

また、リウマチ熱にかかった人が無治療であった場合、再び溶連菌に感染した時50%が再発します。そのため長期にわたり予防的治療として抗生物質を服用するのが常です。

モーツァルトは幼少時にリウマチ熱にかかったことがあり、再度の罹患により重篤となった説や、幼少時のリウマチ熱による心臓障害(弁膜症)があり心不全を起こしやすかったが、瀉血(しゃけつ・血を抜き出すという治療法)なんかしたもんだから火に油で心不全悪化で死亡説などがあります。

 

ライバルのサリエリによる暗殺(おまけ)

現在ではほぼ否定されていますが、モーツァルトを快く思わない宮廷楽長『アントニオ・サリエリ』が毒殺したという噂が流れました。可哀想なことに噂のせいで彼は重度のうつ病になってしまいます。

映画『アマデウス』もサリエリの暗殺説を元に作られていますが、レクイエムの依頼人は彼ではありませんし、晩年を精神病院で過ごしたのもフィクションです。

痛風で入院はしてましたけどね!

サリエリさんの肖像画・俳優の小林薫に似てると思うのは私だけ?/wikipediaより引用

 

モーツァルトにゴーストライターをさせようとした!?

さてさて冒頭に掲げた、鎮魂歌・依頼人の正体に迫りますよ。

モーツァルトにレクイエムを依頼したのはシュトゥーパッハ伯爵という金持ちの貴族でした。亡き妻に捧げるため有名作曲家に依頼したのです。

そして、ここまでならよくある美談なのですが、話には続きがあり……。

実はこの伯爵、アマチュア音楽家でもあり、自らの金に物を言わせて他人に作らせた曲を「作曲byオレ」として演奏会を開くのが趣味だったのです。

レクイエムの依頼人は死神どころか金持ち道楽者伯爵……もうミステリーのミの字もなくなりましたね。それにしてもモーツァルトをゴーストライターにするとは贅沢の極みですよね。途中で本当のゴーストになっちゃいましたけど((((;゚Д゚))))

まり先生の歴史診察室モーツァルト

日本でのゴースト騒ぎはすでに過去のものとなってしまいましたがお約束ということで……

 

イラスト・文/馬渕まり(忍者とメガネをこよなく愛する歴女医)
amebloはコチラ♪

【参考】

モーツァルト/wikipedia 頭痛大学 音楽の冗談 呼吸器内科医 老兵は黙って去りゆくのみ らららクラシック/NHK ONLINE オーストリア散策 粟粒熱/wikipedia AFPBBNEWS gooヘルスケア リウマチ熱/wikipedia Yahoo!JAPANヘルスケア MSD 芳ちゃんのブログ アントニオ・サリエリ/wikipedia

 

10月(予定)に当コーナーの書籍化!

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詳細はお待ちを

 

 





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