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八百屋お七は★1つ 色白美人が逢瀬を重ねて、放火に走り、最期は火あぶり江戸悲劇

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火事と喧嘩は江戸の華――。

なんて言葉がありますが、実際に火災が起きると木造建築が建ち並ぶこの街は本当に悲惨で、たとえば「江戸の三大大火」では以下の通り甚大な被害が起きました。

◆明暦の大火(1657年)→死者107,000人
◆目黒行人坂の大火(1772年)→死者14,700人
◆丙寅の大火(ひのえとら 1806年)→死者1,200人
※学研科学創造研究所より

むろん死者数だけでは惨状を語りきれず、焼け落ちた家屋や寺社仏閣も数知れずですが、同時代には他にも大きな火災があり、今回注目したいのがコチラです。

天和の大火(1683年)――。

読み方は「てんなのたいか」。三大大火クラスの死者3,500人を数えるこの火事では、同時にトンデモナイ事件が起きることになります。

その主人公が「八百屋お七」でした。

 

『もう一度火事になれば、あの人に会えるのではないか?』

八百屋お七とは、文字通り八百屋の娘です。色白の美人と評されていて、しかも勉強もできる。現代で言えば清楚系の高嶺の花といイメージでしょうか。

両親も、身分の高い人物との縁談を考えていたところで同大火が起き、彼女は大火から逃れるためにお寺に避難、そこで出会った寺小姓・庄之介と恋仲になるのでした。当初は手紙のヤリトリ程度だったようですが、若い二人がそれで我慢できるハズもなく、やがて逢瀬を重ねる仲に……。

しかし、時が二人を引き裂きます。

火事が収まり、庄之介と離れて自宅に戻ると、お七は病に伏せがちになり、やがてトンデモナイことを考え始めるようになります。

『もう一度火事になれば、あの人に会えるのではないか?』

おいおい……おいおいおーい!!!

これを純粋と見るべきか。キテレツと言うべきか。

江戸の火災は上記の通り大災害の原因であり、放火などは問答無用で極刑です。実際、彼女自身が逃げることになった天和の大火では大名屋敷や寺社もバンバン焼けて死者3500人に達したのですから、いかに火災が危険なのかは重々承知していたハズでしょう。

されど庄之介への思いは募るばかり。そしてお七はついに……

・自分の家に放火

焼くか! よりによって自分の家を焼きますか!

幸か不幸か、このときの火災はボヤで済み、大事には至りませんでしたが、一歩間違えれば洒落にならない状況です。現代日本でも放火が重罪なのは、江戸の家屋が非常に燃えやすかった流れを汲んでいるようで、人が住んでいる建物や乗り物に火をつける「現住建造物等放火罪」は「死刑または無期もしくは5年以上の懲役」という、殺人罪と同等の刑罰になっておりまして。当時であれば極刑を免れないのはご理解できるでしょう。

しかし、彼女の感情がそれを上回って放火を実行し、やがて逮捕されました。

・お七、火あぶりの刑

お七は鈴ヶ森刑場(現在の品川区南大井)で焼かれて死んでしまいます。奉行所では、若く美しい彼女がナゼそんな大それたコトをしでかしたのか理解ができず、正直に告白すれば「助けてやらんこともない」と話しかけたと言います。

が、庄之介の名前を出せない、出したくない彼女は一人で罪を被り、そのまま刑を受けました。

なお、先の「天和の大火」をお七の仕業と勘違いされる方も少なくないようですが、彼女の場合はあくまでボヤ。火あぶりの刑だったので思い違いしやすいのかもしれませんね。

お七の話は後に芝居となり、大ヒットしました。

ただし、この時代の「火事」はテーマとしてちょっとナイーブ。そこで時代が下るにつれて、お七は放火をせず、火の見櫓に登って半鐘を叩き「火事だぁ!」と偽ります。まぁ、これも重罪なんですけどね。振り袖で櫓に登るお七の姿は実に儚く、舞台映えするから用いられたのでしょう。

今回の判定、恋人に会いたい気持ちは分かりますが「火付け絶対ダメ!」で★1つ。

ちなみに、庄之介はその後江戸を出て高野山の僧になったとか。なんだか胸の苦しくなる話です。結婚相手は本人に選ばせなければなりませんね。まぁ、江戸時代の身分制度を今と同じ感覚で考えてはダメなんでしょうけど。

悪人度 ★☆☆☆☆
影響力(権力)★☆☆☆☆
悲恋度 ★★★★★

 

八百屋お七

 

イラスト・文/馬渕まり(忍者とメガネをこよなく愛する歴女医)
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【参考】八百屋お七/wikipedia




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