水野忠邦/wikipediaより引用

日本史ワル査定 江戸時代

出世欲が強すぎて家臣を切腹させた水野忠邦は星3つ! そして改革も失敗で

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水野忠邦は江戸後期の老中で『天保の改革』を行った人物です。

これだけ読むと高尚な方に思いますが、実は結構ゲスい御仁ではないでしょうか……。

早速、振り返ってみたいと思います!

 

賄賂&国替えのダイナミック忠邦

忠邦は寛政6年(1794年)、唐津藩主の次男に生まれました。

おにーちゃんが早死にしたため、そのまま世継ぎとなるのですが、水野家といえば先祖を辿ると家康の母・於大の方に繋がる名家です。
当時の唐津藩は6万石ながら、実質の石高は25万石とも言われ、大変恵まれた藩だったのです。

そこで跡を継いだ忠邦は「オレ、幕閣になって活躍したーい!」と思い立ち

・莫大な賄賂を使って出世

『奏者番』という、将軍と大名のあいだを繋ぐ中々の役職を貰いました。

さてここからもっと出世だー!と息巻く忠邦は
【唐津藩は長崎の警備があるから藩主が江戸詰だと困るよね〜】
という事情に気づいてしまいます。

どうしても出世したい忠邦。
家臣が止めるのも聞かずに「国替えよろしくお願いしまーす」と浜松にお引越しをするのです。

浜松藩も6万石ですが実石は15万石(5万程度では?という指摘も)ですから、唐津に比べて5分の3になっちゃった訳です。

しかもこの時、家老の二本松大炊が忠邦を諌めるべく腹を切っておりますから、「あ〜あ~!」と悶絶したくなるも、実のところ作戦が的中して出世を果たし、寺社奉行の職をゲットすると、トントン拍子で老中首座となるのでした。

老中首座というのは、内閣総理大臣みたいなものですね。詳細は以下の記事をご参照ください。

大老・老中・若年寄の違い、ご存知ですか?細分化された江戸幕府の役職

鎌 ...

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天保の改革っ!

さて、徳川家慶が12代将軍になり、大御所政治をやっていた子作り将軍の徳川家斉が死ぬと、忠邦は幕府の財政を立て直すべく改革をはじめました。
俗に言う『天保の改革』です。

忠邦は、家斉の寵臣を追っ払うと、鳥居耀蔵や遠山の金さんを登用。
改革のコンセプトは「享保、寛政の改革いいね!」でした。

どういうことか?というと

米マンセー!
贅沢禁止!
物価が高いのは商人がつるんでいるから!

となります。

米作りが大切だから都会にいる農民は田舎に帰れ(人返し令)と冷たいし。

お前らたるんでるから娯楽禁止な(贅沢禁止、歌舞伎など芸能の制限)と余計なお世話だし。

商人つるむなー(株仲間の解散)と経済に口出しまくりだし。

質素倹約をベースに幕府の財政を豊かにして、物価を下げようとするのです。しかし……。

幕府の財源として貨幣の質を下げたためハイパーなインフレが勃発。
物価が上がるは、娯楽は取り締まるわで庶民から大ブーイングを受けるばかりか、大名や旗本からも【上知令】への反発が酷く、わずか2年で失脚してしますのです。

上知令(あげちれい)とは、江戸・大阪周りは全部幕府の土地にしちゃう代わりに、本領近くに土地あげるね、という制度です。

 

裏切った腹心たちへの復讐だけは忘れない

確かにお米は大切です。
江戸幕府や諸藩にとっては命とも言えるでしょう。

しかし、このころ経済はすでに貨幣で回っており、お金の流通には細心の注意を払うべきでした。

【士農工商】なんて言われて蔑まれがちな商人ですが、結局、お米もお金に替えて生活が成り立っていることを考えると、どうしたって軽視できる状況ではないんですよね。

逆に、重商主義だった田沼意次は、最近になって評価されています。

田沼意次はワイロ政治家というより優秀な経済人!? 現代での評価見直し進む

一 ...

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ただし、これでめげないのが水野忠邦さんという御方。
失脚からわずか10ヶ月後にライバルの失敗が元で再び老中に返り咲き、またもやバリバリ仕事をやる――かと思いきや……。

・復帰後はスッカリやる気を失い、ボーっとして長期の病欠

・だけど自分を裏切った腹心どもの粛清はキチンとやりました

なんだか心の疾病を疑うような動きですよね。

結局、今度は1年あまりでクビとなり、領地も5万石に減らされた上での山形へお引越しとなってしまいました。

そうそう。
一般的には悪人でも地元の領地では名君ってパターンありますよね?

忠邦は残念ながらそれにも該当しません。
浜松で年貢を厳しくとりたてた上に、山形移封の際に借金を踏み倒そうとしたため、地元住民にめちゃくちゃ嫌われていたそうです。

なんだかなぁ……ということで悪人度は星3つながら、お引越し度は星5つということで。

まぁ、引っ越し大名の松平直矩さんには勝てませんけどね。

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悪人度 ★★★☆☆
影響力(権力)★★★★☆
お引越し度 ★★★★★

イラスト・文/馬渕まり(忍者とメガネをこよなく愛する歴女医)
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【参考】
『江戸三〇〇年 あの大名たちの顚末』(→amazon link
国史大辞典

 



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