スカーレット感想

スカーレット93話あらすじ感想(1/22)緋色の炎と赤い糸

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スカーレット93話
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作中だけの比較でもわかりますし、『なつぞら』のヒロイン一家と比べると残酷さがもっとわかると思えます。

あの一家は、妻も、夫も、娘を真ん中に挟んで、忙しくとも一致する雰囲気があったものですが。

この一家は全員揃っていても、あくまで謎の群雄割拠感があるというか……そういうのは、大河だけでええから――そう思う人がいるから、視聴率がそこまで伸びんのだと思う。ギスギスしてはいる。

※なんか燃えるしな……

 

光秀「心優しき八郎殿に、麒麟の絵皿を所望いたす!」

喜美子はあのカケラを見つめています。

薪だけで出る色合い。頬が緋色にすっと染まりつつある。燃えるような音も聞こえて来る。

「喜美子、どないしたん?」

ここで八郎は、後ろ手におむすびの皿を持って来る。

そこにあるのは、八郎の作った不器用なおむすび。

かわいい?
せやろか……。

喜美子は感謝してから、個展には食器セットを置くのかと聞いてきます。

作品と空間を分けると八郎。佐久間と柴田にも話したそうです。

「納得してくれはったん?」

「僕の個展や、やりたいようにやらしてもらう」

「そやな」

短い会話ですが、何かがおかしい。

・おむすびが怖い……
→砕けて、歪んでいる笑顔。関係性の象徴だと思うと、むしろ不穏すぎるから。

・下克上
→おむすびを作る側、食べる側の逆転。小さなところで下克上や。

・個展は食器を出す。作品と分ける
→これはもう、過去との決別に思えますよね。

・佐久間と柴田に、先に話している。だが、説得したわけではない
→喜美子の前に相談している。それに説得して協調路線に進んでいない。自分のものは自分のものだと、我を通している。こういう作家だったっけ? ジョージ富士川の徳とも比べましょう。

なにやら八郎の決別宣言のようなものすら始まっている。

団地見てきてん。東京でも大阪でも。帰りに万博で寄った(※劇中では翌年の設定)。

景気用なって団地も増えてた。ニュータウンや。

鍵っ子を見た。父母ともに働いている、ほんでも日ィが暮れたらいる。団地の窓に灯りがつく。

ライスカレーの匂いもした。うまそうやった。

あの灯りの向こうに、僕の作った和食器セットがあったらうれしいなぁ、思うて。

熱い瞬間や。

ジョージ富士川が言うとった。

心こめて、和食器セットぎょうさん作ったろやないか。

芸術を極めるんは、喜美子に任した――。

って、つらい!

もうこれは、ある意味出家宣言、剃髪した戦国大名!!

武田信玄はじめ、出家してからがむしろ本番というツッコミは、この際無視しまして。

八郎は、燃え尽き症候群だと思う。
熱くなるというけれど、彼の炎はポッとしていて、あくまで食卓を照らす。そういうほのかな灯りです。

「やめて。うちはそんなんちゃうわ」

喜美子は否定しますが。

「金賞目指すんやろ?」

「金賞は目指すけど……」

「何考えてん、言うてみぃ」

ここから、喜美子の熱い天下取り宣言が始まるでぇ!

 

信長「喜美子ッ、俺に皿焼いて来いよ!」

さあ、喜美子の番です。

狸の道を左に折れて、ずーっとずーっと、登っていくねん。

うちが大阪行く前の日や。道は荒れてて、足元悪くてなぁ。

この道でええんやろか。道間違えてへんやろか。

歩いて、歩いて、歩き続けて。

細い道を歩いて行くと、ようやっとパアッと道開ける。

そこから見える夕日が綺麗や。

お父ちゃんに教えてもらった。

そこで見つけたんが、このカケラや。

綺麗な夕日が映ってた。

映ってたように見えてん。

頑張りぃ言われてるみたいでなぁ。

明日から大阪や。負けんときぃ、よし行くでぇ! 思えた。

うちの熱い瞬間や。

明日から一人で頑張るでぇ!

あの……あんときの、あの気持ちを残したい。

何かに残したい。それがこの色や。このカケラの色や。

いつかな、こういう色合いを出して、誰かのことを励ましてあげたい。

頑張りぃ言うてあげたい。

夢や。

いつか叶えたい、うちの夢や。

そう不敵に微笑む喜美子。それを見つめる八郎の目は、戸惑うような、唖然とした顔なのです。

静かで情熱的な音楽が、響きはじめます。

折しも翌朝、夫婦で貯金した電気窯が故障。しかも修理屋も来ない。

 

大丈夫、あくまで燃えるのは窯やから……

あー、なんかすごいことになってきたな!

朝ドラで大河の予習できんか、コレ?

喜美子の大胆な宣言は、戦国武将も歩いていたような、そういう時代の色を再現することです。
でかい、なんという大志!

しかも見るものを励ます。
あまりに大胆不敵で、もう焼き物で天下取りに向かう、そういう意気込みすらある。

ほんまに『朝ドラで太閤記』やん!

そして八郎は、そんな『喜美子の野望』についていけない、唖然とした顔になっている。彼の炎はそんなに轟々燃えないからさ。

信長の天下取りについていけない――光秀はああいうバッドエンドになるわけです。

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それを一年間、『麒麟がくる』で描いてゆくわけですが。

これから突っ込む地獄のような、夫婦の危機感も、こう言って慰められるから、NHKは極めて有能です。

「ええやん……朝ドラやし、あくまで燃えるのは窯や。本能寺やないんやで」

2020年、NHKは燃やして燃やして燃やしまくるらしい。
受信料でドラカーリス、ええんちゃうか!

 

三津は鏡

三津は解釈がややこしい人物像だとは思えるのですが、それは彼女自身があるようで、ないと言いますか。

喜美子と八郎の心を映す、鏡のような不思議さがあると思えるのです。

鏡は自分からはそこまで動かないし、誘うわけでもない。
ただ、目の前にいる人の気持ちを映し出して、そこに不穏があると増幅させて、破滅にまで追い込みかねない。

有名なところでは、『アナと雪の女王』のハンス王子が該当するとされております。

※あのあかん王子やな

『ゲーム・オブ・スローンズ』のメリサンドルもこの系統。彼女を見る側が天下への野望を募らせればその野心を映し出す。

けれども、相手が巨悪の打破を目指しているのであれば、そのために力を使う。

※待っとったで!

黒島結菜さんを信じて託したスタッフも凄まじいものがある。

もちろん彼女自身も覚悟を決めていて、嫌われても仕方ないという趣旨を語る。

三津をどう解釈するか、これは怖いところでもある。

だって鏡なんですよ?

罵倒する書き込みそのものが、自分自身の何かを映し出すんですよ?

まあ、私は「ん〜、アレやな、鏡やな!」で終わりにしときますわ。

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文:武者震之助
絵:小久ヒロ

【参考】
スカーレット/公式サイト

 



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