スカーレット感想あらすじ

スカーレット98話あらすじ感想(1/28)業火高温のリミッターを外すときやで!

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スカーレット98話
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喜美子は、慈悲ともろもろを捨てる

喜美子はもう、八郎相手に攻撃の手を緩めるつもりは一切ない。

失敗の理由として、こう塞ぎに来るのです。

「一回目失敗したんは、よそに気持ちが行ったからや。三津と仲良う寝てるところ見てもうた。あんとき、温度上昇せんかて薪なくて、どうしようてハチさん頼ったんや。うちもわかるで。三津が言うてたこと。男やったらよかった」

男の八郎が、女であることを理由にしてきたから。

喜美子は、女としての自分の心を盾に持ち出してきた。なんという智勇兼備! これで相手は黙るしかない。

「次は失敗しいひん。25万、無駄にはしません、やらせてもらいます。大丈夫や、任しときぃ」

喜美子はそう言い切り、二回目の窯たきを終えます。しかし……。

陶器は割れておりました。

失敗です。

マツ、百合子、武志が食卓にいます。暗い空気が漂っている。失敗し、八郎も食事をしないらしい。喜美子は穴窯のお勉強。

暗い食卓ですが、武志はまた勉強してるでぇと明るいのです。

ふと百合子が気づきます。

「武志、何食べた、食べたよな? ニンジン!」

「ニンジン食べた!」

「武志ぃ〜!」

マツと百合子は抱き合って喜ぶ。これも、緊迫感の中での息抜きです。

「わかった、わかったハチさん! 二回目なんで失敗したか! 急激に温度上昇したから。次はじっくり焼けるようにしたらええねん!」

そう嬉しそうに工房へと入ってくる喜美子に、八郎は次はしばらく待てと言います。

25万、いっぺんに飛んでもうた。もう当分次はない。そう言われても、喜美子は積み立てたお金があると言います。

八郎は、それは武志の高校、大学へのしんがくのかね、いざという時のためだと言い切る。

「ほな借りてくる」

喜美子はあっさりそう返す。
八郎が唖然としていると、なかったら借りてくるしかないやんと喜美子は言い切るのです。

「借金してまでやることやないやろ! いったんやめや、穴窯は今やったらあかん、もう諦めえ」

八郎の説得は、届くのでしょうか。

 

焼き尽くす挑戦

超絶技巧を駆使する本作。朝ドラ15分でここまでやったら、もう限界に近いほどだとは思う。

『なつぞら』が北海道開拓史を入れて複雑になったとは言われました。悪いことだとは言わないけれど、ジェンダー関連はあれでもまだ甘いというか、優しかったと最近痛感しています。

「NHK東京、ええと思います。ジェンダーでもNHK大阪の本気と違いを見せな(アカン)」

『なつぞら』は、男性が女性を助け、共に手を取り合う。そういう世界観でした。【#HeforShe】の世界やで。

※男女協力して、北海道でジンギスカンをする。そういうことだべ

『スカーレット』は、男性が女性に対して何か間違ったことをした結果、焼き尽くす地獄が到来する。そういう方向に突っ込みつつある。

「ええんか?『なつぞら』の男になれんかったらコレやで?」

そうえげつなく突きつけてきて、怖い。

もう、【#性犯罪者はおまえや!】になってきた。こんな恐怖の世界で、まだ視聴率がここまでキープできているのがすごいとは思う。

※聞かんかい、ワレェ!

喜美子の実績はモチーフがおりますが、意図的な変化はもちろんありまして。

ジョーがモデル父より下方修正されていることは、指摘してきました。その理由が掴めてきたのです。

喜美子の今の行動は、ジョーに似てきている。

ジョーも事業で当てると言い、オート三輪を買い、無茶して怪我をした。そのうえで、喜美子が貯金として貯めていた金を使ってしまった。
それを早回しにするようなことを、今の喜美子はしている。

ジョーも酷いものがあった。けれども、喜美子のほうが焼けつくようなつらさを感じる。何がつらいって、八郎の言葉はまったく通じないことでもある。

三津のことだけではない。

八郎は、学費を姉に出してもらえた。

男性陶芸家として周囲から期待されて、当たった壁は自分自身と喜美子の才能くらいだった。世間という分厚い壁に当たらないどころか、そこで可愛がられる術を学んでしまった。

喜美子からすれば、世間という壁の一部になったからには、むしろ燃やす対象になってゆく。
理解するどころか、明確に対立してしまう。

喜美子に届く言葉を放てるのは、一体誰なのか?

喜美子だって、何もいきなりこうなったわけじゃない。どこかで彼女の気持ちに寄り添う誰かがいれば、こうはならなかったかもしれないのに。

武志が少女漫画を出してきた冒頭からして、挑発的だとは思う。

少女漫画の中にはあらへんで。何を期待してたん?
そういう煽りすら、うっすらと感じる。

今週の喜美子のセリフには、万感の思いがあって怖かった。

若い女をマスコットガールにする、そんなからくりはお見通しや!

中身は見てへんやろ? 世間に流されとるやろ? わかっとるで!

朝ドラは女のもんや、そう言うてバカにして。大河かて女の脚本家もスタッフもおるのに、大河は男だけのもんやと言い張って。

何が男の世界や!
もう燃やすしかないやろ!

女性スタッフが上位に並び、内田Pが矢面に立っている本作。その作品がここまで滅茶苦茶怒っているという意味を、世間は考えた方がええんちゃうか?

※なんでや……

どうして彼女がここまで怒るまで、気づかなかったのか?

痛み、苦しみ、熱気を感じないと、気づかない。慌てて【トーン・ポリシング】をしても手遅れや……。

喜美子一人の問題でなくて、周囲が絶望し、呆れ、愕然としているところまで本作は描いています。そういう困惑まで含めないと、生々しさが出てこない。

また2015年下半期『あさが来た』を持ち出しますけれども。あの作品で、ヒロインは「おなごならではの柔らかい心」を発揮せよとかナントカ、綺麗事を女子大でスピーチしていたわけです。

これは男性にとっても差別でしょう。「柔らかい心」を持つ男性だっているわけですからね。

喜美子の優しいどころか燃やす意思の前だと、あんなもん、笑てまうというか。比較すると、朝ドラの限界点も見えてくる。

女が望んだことというよりも、ああいうヒロイン像が当時の限界。それより高温だと、世間がついていけない。そのリミッターを本作は外すつもりのようだ。

そもそも、喜美子の行動は、昨年の放送事故ヒロイン夫の焼き直しにも見えるわけです。

あれにはほっこりきゅんきゅんできて、こちらが極悪非道に見えるとしたら?

世間と、見る方の意識もあるっちゅうことやないか?

NHK大阪は、なんか壮大な社会実験しとらんか?

そう思えてきたので、昨年の放送事故サブタイトルをもじって本作を考えてみたで!

「ちゃうで、喜美子」

「喜美子印の穴窯!」

「あとは登るだけやで」

「穴窯や、ハチさん!」

「10歩も20歩も前進や」

「できたで、ハチさん!」

「作戦を考えてくれへんか」

「きれいごとではあかんのか」

「見守るしかない」

「できましたで、喜美子さん」

「燃やさな、二人で」

『ゲーム・オブ・スローンズ』最終シーズンのサントラをかけても違和感がない、そんな『スカーレット』の業火に戦慄しかないわ……。いや、本作のサントラも最高やで!

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文:武者震之助
絵:小久ヒロ

【参考】
スカーレット/公式サイト

 



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