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黒田官兵衛百物語 黒田家 名脇役

本能寺の変で信長を刺した男を雇いたい長政と激怒した官兵衛【軍師・黒田官兵衛百物語51話】

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官兵衛に話を戻しまして、「黒田家譜」中に、黒田家が福岡藩主となってからの話しとして、息子の初代藩主・黒田長政が天野源右衛門という侍に1万石を与えて召し抱えたいと、父官兵衛に相談したところ
「我が家には源右衛門に勝る勇士がいくらでも多く居る、そうしたたことを行えば、家臣中に恨みを呼ぶ」
と官兵衛が激怒したという話しが収められています。

官兵衛を怒らせた天野源右衛門とは?

天野源右衛門は元、安田作兵衛国継と云う名で、明智光秀に使えた武将でした。本能寺の変で、森蘭丸、織田信長に槍を付けたと言われる人で、変後追われる身となったために改名していたのです。

この話しは、折よく、隣の肥前・唐津藩の寺沢志摩守広高が人を捜していたので、作兵衛は唐津藩に仕官したと云うことで終わっています。寺沢広高は関ヶ原の戦いで東軍につき、大谷吉継隊と戦ったことで知られています。

作家楠戸義昭の『戦国武将名言録』(PHP文庫)では、天野源右衛門と寺沢広高の二人について、別の話しを伝えています。

寺沢広高と安田作兵衛と名乗っていた若き日の天野源右衛門は親友でした。若い二人は、未だ野武士のような卑しい身分の侍で、立身出世の夢を追って野を駆けていました。

ある日、二人は誓いを立てます。将来、いっぽうが国持ちとなる夢をとげ、いっぽうが失敗したときには、国持ちとなったほうが、石高の一割で召しかかえることにしよう、と。

その後、広高は秀吉に仕え、順調に出世しますが、光秀につかえて信長に槍を付けて後の作兵衛は 、仕官先を幾度も変えながら変転の人生を送ることになります。
江戸時代に入り、広高は唐津藩主となるワケですが、その石高は封襲当初8万3千石でした。広高は、唐津を領し、国持ちの身分となると、早速、落ちぶれて流離する境遇にあった作兵衛を見つけ出し8千石で召し抱えました。若い日に二人の間で立たられた約束が果たされたのでした。

寺沢広高の逸話は湯浅常山「常山紀談」にもあります。

関ヶ原の直前、美濃赤坂で東軍が着陣していた夜、突然東軍が騒がしくなりました。寺沢の部下は「すわ、夜襲?」と騒ぎましたが、広高は寝そべったまま「俺には分かっている」と言うとそのまま寝てしまいました。

これは広高が侍6人、足軽6人の計12人を3班に分けて24時間偵察をさせていたからです。彼らに「どんなに小さいことでも報告するように」と命じていて、この夜はなんの連絡もなかったので夜討ちではないと判断したのでした。

「常山紀談」ではその度量を褒めているのです。

Frco Don・記

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つづく





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