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黒田官兵衛百物語 黒田家 名脇役

世界最大規模の戦争「文禄、慶長の役」での秀吉の占領政策【軍師黒田官兵衛百物語81話】

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後に清朝を樹立するツングース系の女真族は中国東北部(旧・満洲)からロシアの沿海州にかけて住んでいました。

ヌルハチという人物が1616年に女真族を統一し、チンギスハンでも知られる遊牧民族たちのリーダー「ハン」(汗)となり、清朝の初代の皇帝太祖となるのですが、その少し前、日本では豊臣秀吉が天下統一を果たした頃、この勢力を増した女真族は、北から中華帝国の明朝の屋台骨を揺らしていました。
一方、東のルソン、現在のフィリピンには、世界のほぼ8割を制覇したスペイン王国が東アジア地域全体の植民と貿易を統括する総督府を置いていたおり、明朝は四面楚歌。

明朝を滅ぼしたのは秀吉ではなくヌルハチだった(Wikipediaより)

弱っていた明朝

こうした国際情勢についての情報をわが日本国において、一人、集中して知る立場にあった関白秀吉にとって、朝鮮半島へ兵を出し、その先に君臨しつつも、揺らぐ明国を侵そうとの構想を持ったことは、当時の権力者ならば普通の感覚であったとも考えられます。

天智2年(663)の白村江の戦い以来、海外進出を放棄してしまい国際性を失っていた日本国が、再び、海外に出て、その統治について構想をめぐらすことを求められていました。当時の感覚からすれば、国際性を取り戻す契機でもあったとも言えます。

歴史に「もしも」は許されないといいますが、秀吉が朝鮮半島あるいは明国領内の割譲を受けることに成功していたとしたら、その後の日本列島の歴史は現在と大きく違っていたかと思われます。手だれの外交感覚を育て、日清・日露戦争、対米開戦を回避する歴史を歩んでいたかもしれません。

さて、わたくしの妄想は、ここで措くとして、秀吉による朝鮮出兵・文禄、慶長の役は、海外へ16万の兵力を投入するという世界規模でみても16世紀における最大の戦争であったということは事実です。

そのことについて、現代人の立場からどう評価するかは、歴史を見る上での立ち位置からそれぞれです。

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秀吉の占領政策は自治領?

その秀吉が半島・大陸侵攻後の占領地の統治についての構想を語ったことを、天正14年(1586)の3月に大坂城を訪れたイエズス会日本管区副管区長のガスパル・コレリョが記録しています。

豊臣秀吉150

「そしてもしもこの計画(朝鮮出兵・大陸侵攻)が成功し、シナ人が予に屈服し、服従を表明するに至も、予はシナ人を支配する以外には彼らになにも求めず、予自身はシナに居住せず、彼ら領土を奪うつもりはない。シナを征服した暁には、その地のいたるところ にキリスト教会を建設させ、シナ人はことごとくキリシタンになるように命じるであろう」

後半の「シナ人はことごとくキリシタンになるように命じるであろう」と語る部分は、この話を聞かせた宣教師コレリョへの気遣だろうと思います。

前半にある「シナ人が予に屈服し、服従を表明するに至も」「彼らの領土を奪うつもりはない」が、侵攻後の占領地に対する統治形体について考えを述べた部分です。

服従を勝ち取っても領土の簒奪はないとは、現代で言えば自治領?にあたるでしょうか。朝鮮出兵の、その後について、秀吉が語った唯一の史料です。

Frco Don・記

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つづく





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