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黒田官兵衛百物語 黒田家 名脇役

【軍師黒田官兵衛百物語92話】九州の関ヶ原の結末―安岐城・冨来城を落とす

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九州の関ヶ原――東軍の官兵衛が豊後奪還を狙う大友義統を撃退した石垣原の合戦が結果をみた二日後となる九月十七日。官兵衛は国東半島の東に位置する安岐城を再び囲み、攻城を本格化させます。

(前回「石垣原の戦い!黒田家と大友義統の両方に仕えた歴戦の勇士「吉弘統幸」の悲しき選択【軍師黒田官兵衛百物語91話】」はこちら)

 

安岐城の戦い

伊予灘を望む安岐城跡。豊後大友初代・能直の子・田原泰広築城といわれている

伊予灘を望む安岐城跡。豊後大友初代・能直の子・田原泰広築城といわれている

安岐城主・熊谷直盛は西軍の将として岐阜・関ヶ原にあり、一族の熊谷外記が城代として篭城していました。

東は伊予灘に面し、南は安岐川に落ちこむ谷を要害とする安岐城に対して、官兵衛は井楼を建て城中へ銃弾・投石・火矢を見舞う、亀甲車(戦車のようなもの)で城壁に損傷を与える、鐘・ホラ貝・銅鑼を鳴らすなどのことを昼夜にわたり繰り返します。

こうして官兵衛は城兵の神経をすり減らし、戦意をくだく策をとりつつ、家臣の馬杉喜右衛門を介して、城代の熊谷外記に対して降伏を勧告します。喜右衛門は小田原攻めで戦死する官兵衛の妹婿の一柳伊豆守に仕えていましたが、外記も伊豆守に仕えていたという縁がありました。

勧告に対して外記は、己の自刃とひきかえに、城兵の助命を申し出ます。

果たして、十八日に至り城は開かれ、外記を含めて守兵の命はすべて救われ、多くの者が官兵衛の臣下にくわります。外記は、一旦、浪人しますが、その後、官兵衛の弟の黒田利則に仕えました。

関ヶ原に出陣していた熊谷直盛は、次回に語る富来城主の垣見家純とともに岐阜・大垣城で十六日のうちに戦死しています。

 

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富来城の戦い

富来浦港。富来城の船泊の富来浦港。天保十五年(1844)に築堤された波戸がそのまま残っている

富来浦港。富来城の船泊の富来浦港。天保十五年(1844)に築堤された波戸がそのまま残っている

つづいて二十三日には富来城攻城が開始されます。三方向から苛烈に攻めつつ、一方の囲みを緩くした。「囲師一闕」の策をとりつつ、城内に対して大友義統の降伏や安岐城の開城を伝え、降伏勧告をそうそうにおこないました。

しかし、城外へ打ち出してきた城兵が官兵衛軍主力の攻囲線を破り、大規模な損害を与えるなど篭城兵の戦意は高かったようです。官兵衛の別の弟・利高が軍令を犯す抜け駆けをおこない、城中へと単独で兵を入れたものの、逆に撃退されるという身内の軍令違反に官兵衛が面目を失うという場面もあったといいます。

そうした状況のなか、富来城中への密使を運ぶ小早舟が捕らえられました。主・垣見家純の戦死を知らせる使いでした。
官兵衛は垣見家純の死を、兄である城代・垣見理右衛門へ知らせ、開城すれば希望する者は黒田家が仕官を受け入れる。また、帰農するのも自由だとの条件を示します。

官兵衛の申し出に富来城は十月二日に開城。開城後、安岐城同様に多くの者が黒田へ仕官しました。城代・理右衛門は、官兵衛に誘われたものの仕官を断り浪人します。

その後、理右衛門は筑前でひっそりと暮らしていたのですが、黒田の筑前入府後、理右衛門が領内にいることを知った黒田長政が、博多東郊の糟屋郡青柳の田畑を下すと理右衛門は帰農したといいます。

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あしたに続く





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