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月9ドラマ『信長協奏曲』ネタバレ感想レビュー最終回(第11話) 長政は腹を切り、サブロー信長は織田家を…

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最後までナイスな893大名・松永久秀さん

一方、こうした切ない思いなど吹き飛ばしてしまうのが古田新太さん演じる松永久秀だった。

松永は、現代のヤクザがタイムスリップしていった大名だけに、腹を括った姿勢で、サブロー信長に語るのである。

「しけたツラしやがって!長政討つのがそんなにつれーか? 戦国じゃあ、みんな色んなもん抱えて生きている。引くに引けねぇときもあるし、何かを守るために戦うことがある。長政も、厳しい選択だったんじゃねぇか?」

うーん、今回は聞かせる台詞が多いですね。いろんな思いがジックリ語られる時間が多く、そのぶん、これまで同ドラマが好きだった「倍返しだ!」とか「脱糞オナゴ大名」のようなおふざけキーワードが全然出てこない。

松永さんんも、もはやナイスなおじさんなのである。

「お前にできるのは、長政の思いに応えることだ。それが戦国の友情ってもんだ」

ドラマの流れを変えたり補足したり、なんだかんだで大活躍の松永久秀(古田新太さん)/信長協奏曲公式HPより引用

ドラマの流れを変えたり補足したり、なんだかんだで大活躍の松永久秀(古田新太さん)/信長協奏曲公式HPより引用

 

かくしてサブロー信長は、浅井・朝倉への出陣を決意。その夜、再び帰蝶に向かって思いの丈を明かすのであった。

「帰蝶、オレ、明日友だちを殺しにいくんだ。友だちに殺されるかもしれないんだ。
でも、オレ、間違えてないよね? 織田家を守るためにはこれでいいんだよな?」
「うつけ、己を信じるのじゃ。お主は、自分が正しいと思う道を進めばよい!」
「帰蝶、いつも背中を押してくれてありがとう。帰蝶が支えてくれたから、ここまでこれたよ。今まで、本当にありがとうね」

「あたりまえであろう!わらわは、お主の妻だからな」

合戦が終わったら城を出て行く――。そんな決意を密かに知っている帰蝶は、こぼれてくる涙をこらえながら、サブローの頬を両手で叩き、気合を入れる。

「明日は、しかと戦って参れ!うつけ!」
「うん、わかった!」

すべてを知りながら、それを隠して振る舞うのは辛いもんですな/信長協奏曲公式HPより引用

すべてを知りながら、それを隠して振る舞うのは辛いもんですな/信長協奏曲公式HPより引用

 

京極丸を落として久政・長政親子を分断

ついに浅井朝倉との合戦がスタート。瞬く間に朝倉義景は自害に追い込まれ、小谷城の戦いへと進んでいく。

小谷城は、いくつもの曲輪(守備兵が入る小さな囲い)が山全体に配置された天然の堅牢ながら、弱点がないわけじゃなかった。それは、浅井長政のいる本丸と、浅井久政のいる小丸の間に京極丸があり、ここが落とされてしまえば小丸と本丸の連携は取れなくなり、詰んだ状態となる。

史実的には、秀吉が京極丸を落とす大殊勲を挙げ、さらには本丸まで侵攻。その活躍を評され長浜城を任されるという、大出世のきっかけともなった合戦である。

が、同ドラマでの秀吉は、一刻も早く小丸にいる浅井久政を退治する気マンマン。万が一、浅井久政が織田軍に捕まったりすれば、秀吉との関係が表沙汰になってえしまうかもしれない。そこで秀吉は、自ら京極丸の攻略を申し出て、実際、闇夜に乗じた作戦で急襲し、これを瞬時に落とすと小丸では久政の首を取ってしまうのだ。

そして、そのままお市への救出へ向かうところは史実や原作などとほぼ一緒だが、一つだけ大きく異なることがあった。

 

燃え盛る小谷城へ救出に向かったのは!?

燃え盛る小谷城の中で長政とお市。

お市は「長政どのと死にます」と涙を流しながら語り、長政は「その言葉だけでもう十分じゃ。わしのぶんまで生きて、娘たちを幸せにしてやってくれ」と外へ出るように促す。いったんはその言葉を受け入れ娘たちを外にやる市だったが、再び城へ戻り、再度、長政と殉死することを訴える。

もしかしたら、実際にそんなヤリトリもあったのかもしれないっすよね…。

もちろん、それでも長政は追い返す。

「市! そなたと過ごした日々はまことに幸せであった。巡りあってくれたこと、心より感謝しておる」

史実でも、戦国で最も切ない夫婦かもしれません/信長協奏曲公式HPより引用

お市と長政。史実でも、戦国で最も切ない夫婦かもしれません/信長協奏曲公式HPより引用

 

最後の言葉を掛けて永遠のお別れを済まし、いよいよ切腹の姿勢になったところで、ドラマ独自の展開が待っていた。

なんと、サブロー信長が燃え盛る小谷城の中へ駆け込み、長政を救出しようとしたのである。しかも、池田恒興まで一緒についてくる始末。史実における信長は、自ら合戦の前線に出て鉄砲バンバン撃っていたという話もあるし、案外、ありえない話では・・・いや、やっぱりありえないか。

「長政くーん!」

サブロー信長が小谷城の本丸に着いたとき、まさに切腹しようとしていた瞬間のことだった。

「長政くん、もういい、もうやめよ!」
「信長どの、この勝負、あなたの勝ちだ」
「勝ち負けなんてどうでもいい!」
「死んでいった家臣たちが大勢いるんです!」

事ここに至っても主張は噛み合わない二人。もとより戦国の価値観と、現代の価値観のギャップを楽しむ漫画であるからして当然なのだが、それでもサブローは自らの主張を止めることはない。

「死んでいった人たちの分まで生きるんだ! 生きなきゃダメなんだよ!」

最後の声を振り絞るサブローに対し、また長政も最後の台詞を届けるのであった。

「信長どの、あんたとは短い縁であったが、実に楽しかった。もしも、このような時代でなければ、わしらは良き友としていられたのでしょうな。
酒を酌み交わし、夢を語らい、笑い合いながら、共に歩んでいけたんでしょうな。
どうか、そんな未来を作ってください。生まれ落ちた場所や家や立場で、人が争うようなことがない未来を」

一瞬、脚本を書いている人はブルーハーツの『青空』が好きなのかと思ったけど、ここはボケる場面でもなく、サブローはただ固まるだけ。そして月9ドラマとしては最後となるであろう切腹を、ついに長政さんが敢行した。

駆け寄り必死に「しっかり! しっかりしろ!」と声をかけるサブロー信長。
一方、すでに腹に刀を刺しており、「介錯を・・・信長殿の手で」と懇願する長政。

そういえば月9ドラマで最初の切腹は弟・信行だったな。柳楽優弥さんがとてもいい演技をしていたから、他のポジションに就いてればもっと面白かったかも。

なんて思っていたら、ついにサブロー信長が刀をとり、浅井長政の首を自ら切り落とした。「何かが弾け飛び散った、TOO MUCH PAIN」状態です。

信長協奏曲20141225-9

この後、長政を介錯したのはサブローだった/信長協奏曲公式HPより引用

 

ねぇ、帰蝶、オレさ、ずっと言ってなかったけど…

合戦から幾日が経過したのか。詳細は不明だが、ある朝の早い時間、サブローは岐阜城を後にした。

織田家を一人、ひっそりと去るためである。

律儀に城門で頭を下げ、背を向けて歩を進める、そのときであった。後は追わないと言っていた帰蝶が駆け寄ってきたのである。

「うつけ!出かけるのか?」
「ちょっと散歩に行こうかと思って」
「ならば、わらわも一緒に」
「一人で行ってくる」

んぐぅうううう。やっぱそうなりますよね。ツンデレ帰蝶ちゃん、可哀想><;

そして、互いに核心には触れずして、気持ちを探るようにして会話が進んでいくのだが、この曖昧な緊張感を打ち破ったのはサブロー信長の方だった。

最後になって思いを伝えるサブロー信長/信長協奏曲公式HPより引用

最後になって思いを伝えるサブロー信長/信長協奏曲公式HPより引用

「ねぇ、帰蝶、オレさ、ずっと言ってなかったけど…、大好きだよ、帰蝶のこと。
未来とか、そういうの全部ひっくるめても一番好きだよ」
「何を言うかと思えば、お主が考えておることなど知っておるわ」
「そか」
「ぜんぶ知っておる(影武者だということも含めたような)」

くぅううううううううう、切ねぇ!

しかし、サブローが織田家を去る決意は固く、静かにその場を後にする。

「じゃあ、行くね」
「たかが散歩だろ。うつけは大げさよのぅ」
「それもそうだ」

坂を下りていくサブローがその後振り返ることはなかった。帰蝶はただ涙をこらえるしかなかった。

帰蝶ちゅわぁあああああああああああああん!

 

背後にいたのは追い出したハズの恒興

田舎道を歩いていくサブロー信長。これまでのことを思い出しながら、しかし、相変わらずのんきに「腹が減ったなぁ」とリュックサックを開けると、中には帰蝶が作ったオニギリが入っていた。

思わず感情がこみ上げてくる。

サブローも、信長を演じるのがもはや楽しくなっていたのだろう。結局、離れたくはなかった様子。オニギリを握ったまま固まっていると、突然、背後から声をかけられた。

池田恒興だった。

「何をされているのですか」
「恒ちゃん…」
「こんなところで」
「思い出してたんだ。オレの信長生活、こっから始まったなぁって」

色々と想い出を語るサブロー信長。「織田家を出て行け」と言われた本人が目の前にいながらも、信長をやることは「すげぇ楽しかった」と笑顔で一言かえす。

そこで恒興が思いもよらぬことを語り始めるのである。

「かつて私はあなたに言いました。この池田恒興には夢がある、と。織田家が、その名を日ノ本中に知らしめるほどの大きな大名になること。それが私の夢であり望みでした。
その夢を叶えてくれたのはあなたです。織田家には縁もゆかりもないあなたが我々家臣を導き命を賭け、織田を大きくしてくれた。だから、今度は私があなたの夢を叶える番です。
今一度、戦のない世を目指してみませんか。光秀殿もぜひお戻りいただきたいと申しております」

くぅううううううううううう! 恒ちゃん、いい人!!!
やっぱり、そうだよね。戻ってくれないと、話が終わっちゃうもんね。

すでに原作からは大きく離れまくり、漫画ファンからは設定泥棒とでも言われそうな内容になっていたが、恒興で涙を誘うのは、真面目キャラを演じた向井理さんが良かったんではないでしょうか。演技のことはよくわかりませんけどw

ともかく、織田家への帰参を許されたサブロー信長は再び岐阜城へ戻っていくのだった。

しかし、時を同じくして城では大きな事件が発生していた。

 

ついに牙を向くリアル信長! 半兵衛を…

事件とは、岐阜城にやってきていた徳川家康(濱田岳さん)が、再び脱糞オナゴ大名とからかわれたことじゃない。

それは、秀吉の素性を探っていた竹中半兵衛(藤木直人さん)が、城に残っていたリアル信長に「秀吉は危険です」と報告したときのことだった。

半兵衛が突如、首を斬られたのである! 斬ったのは、リアル信長(明智光秀)。彼は、ここに至り完全に悪魔化していた。

手前の後ろ姿は、リアル信長。この後、目の前にいる半兵衛を斬殺する/信長協奏曲公式HPより引用

手前の後ろ姿は、リアル信長。この後、目の前にいる半兵衛を斬殺する/信長協奏曲公式HPより引用

 

そもそもサブローを呼び戻すよう恒興に命じたのはリアル信長であるが、それはあくまで「天下を取るためにサブロー信長が必要」と判断しただけで、いずれサブローを討ち、自分が織田家を乗っ取るつもりなのである。

その証拠は、サブロー信長とリアル信長が再会を果たしたラストのシーンで明確になった。

最後に映しだされた場面は、あの【本能寺】だったのである。

<ドラマ編信長協奏曲、了>

 

 

(過去1~10話のあらすじレビュー一覧はこちら)。

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