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『いだてん』感想あらすじ視聴率 第4回「小便小僧」

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水分を断ち身体を軽くする脂抜き走法とは

四三は焦っていました。
死人が出かねない距離を走り抜くために、強い体が必要ですから。

「これだ、これだ!」
本を読みながら何やら見つけた四三が、野口と橋本に語りかけます。

それは【脂抜き走法】というものでした。
簡単に言えば
・体重を軽くするために
・水分を絶つ
というもの。お茶も味噌汁もダメ!
そんな過酷な身体の作り方でした。

案の定、脱水症状で辛そうな四三に対し、三島弥彦天狗倶楽部はビールを飲む、飲む、浴びる!
五りんも麦茶を飲む!
古今亭志ん生は酒を飲む!

こういうサクサクしたテンポの演出は個人的に大好物ですが、トリッキーで混乱する視聴者がいるかもしれませんね。

酒を飲みたいがために「芝浜」の話を持ちだし、五りんや知恵の制止を振り切ろうとする志ん生。
落語の稽古と言い訳しながら、グビグビと飲んでおります。まぁ、実際そういう方なんですよね。

 

「これからはスポーツ時代だ」

舞台は弥彦の邸宅へ。
兄の三島弥太郎(小澤征悦さん)と母・三島和歌子(白石加代子さん)に「スポーツなんてとんでもない」と言い出します。

先の『不如帰』騒動の余波もあるようで。
「ねえねえ、三島家って死んだ警視総監は鬼だわ、奥様は怖いわ、息子はスポーツ狂いだわ、とんでもないって言うわよぉ」
なーんてなったら困るのだそうです。

女中のシマも、暗い顔です。
これも何もかも徳冨蘆花が悪いんですよ!

まぁ、三島通庸もなかなかのワルですけどね。

三島通庸「鬼県令」と呼ばれて~2019大河いだてん三島弥彦の父は精忠組のメンバーだった

弥彦は、もう社会人になるし落ち着くと宣言。
しかし同時に「これからはスポーツ時代だ」とも言い切ります。

スポーツには金がいる。国力をはかる手段になると言い出すわけです。

兄の弥太郎は冷たい。
日本経済が落ち込む中、スポーツで遊んでいる場合じゃない、と冷淡に退けます。

 

安仁子が日本語にするシュールな会話

先程、豚鍋の店にいた大森兵蔵と安仁子夫妻が、東京高等師範学校に赴任して来ました。
夫妻はオリンピックをやるんですねえと話し始めます。

ナゼか兵蔵が英語、それを安仁子が日本語にするというシュールな会話です。

そんな大森の指導のもと、羽田の運動場、四百メートルトラック作りが始まります。

そしてその現場にいたのが辮髪(べんんぱつ)のメンツたちです……って、ああ、これは苦力(クーリー)じゃないか!

清朝の辮髪の変遷を描いた図/illust by Kszkkk wikipediaより引用

やるなあ、こういうことをやるのか。

そうなんです。
日清・日露戦争後、こういう中国大陸、台湾朝鮮半島からやって来た肉体労働者がおりました。

彼らが持ち込み、郷愁と腹を満たした一杯が、ラーメンです。

ラーメンの歴史は明治維新後にスタート~日本の歴史と歩み、世界の食となるまで

こういう海外ルーツの人や肉体労働者、兵士らが町の片隅ですすっているもの。
それが日本でのラーメン拡散の始まりでしたが、どういうワケだかラーメンをテーマにした『まんぷく』では主人公の台湾ルーツを削除するなどして、ワケわからないことになっております……まぁ、朝ドラの話ですが。

 

三島は五輪に参加しない!?

嘉納治五郎のポケットマネーと借金を駆使しながら、大森夫妻も参加し、トラック作りが進んでゆきます。

凄まじい金額になっていそうですが、嘉納曰く「日本のためなら借金じゃない」と「これは国の借金だ」とノリノリ。
「三島弥彦くんのためだぞ〜」と話しかけるのですが、急にそっけない態度の三島です。

どうやら参加する気がない様子の三島。うええええっ!?

兄と母に反対されてどうにもならないのかもしれません。
天狗倶楽部らと共に「ジャッジで盛り上がるぞ〜」と言い始めてしまいました。

ちなみに天狗倶楽部のメンツは多士済々ですので、このトラック整備といい頼りになるんですよね。
ただの騒々しい【パリピ】ではない。

天狗倶楽部(てんぐくらぶ)が大河いだてんを盛り上げる!日本初のスポーツ倶楽部

しかも弥彦、兄と絶交してお金も出してもらえないんだとか。
嘉納、ここで倒れそうになります。大丈夫か〜!

「てんぐ! てんぐ! ててんのぐ〜!」
そう言いつつ、また倒れる嘉納。

可児が見守る中、病院で静養しております。大丈夫なのか〜!

それでも韋駄天の夢を見たと語る嘉納。
脚はカモシカ、顔はゾウ。優勝カップを持っていたのだとか。

 

走りたかったら走る――食べたければ食べる――

そのころ四三は、脂抜き八日目に突入し、体調に異変が起こり始めます。

野口も橋本も断念する中、変な幻影を見てしまう。
体重を測定しているとそのままぶっ倒れます。

韋駄天が〜〜!!

嘉納は韋駄天などいないと悟るし、四三は倒れるし。どうなってしまうんでしょうか。
結果がわかっていても心配です。

金栗は限界に達し、ついに水を飲み始めます。
五臓六腑に染み渡る!
止まらない、一杯じゃダメ!
って言いつつ、ナゼか古今亭志ん生まで酒を飲んでしまう。

ブレーキの壊れた四三は、徳三宝の器を奪って何やら食べ始めます(ご飯?かき氷?)。

走りたかったら走る――食べたければ食べる――。
やってみなけりゃわからない。それが四三を偉大なランナーにします。

古今亭志ん生は、自然に従って、酔っ払いながらも高座にあがるのでした。

自然に従え〜〜!!
経費がオーバーする中、日本初の五輪予選がスタート!

しかし四三は、会場にたどり着けず迷っていました。おいおい!

 

MVP:美川

美川はなんなんですかね、もう。
さわやかスポーツマンが周囲にいてもよいところを、ものすごくうっとうしい文学青年ぶりを披露するという。

しょうもない美川なんですけど、これを作り込むのはなかなか手間暇かかっていますね。
小さなセリフひとつひとつに、調べないと駄目な要素が練り込まれていて、頭が下がります。

神は細部に宿るというか、セリフが全部イイ!

でも、全体的に見ていると特に必要性もないし、スポーツ関係ないし、結局お前はなんなんだ、というポジションなのがなんともイイ。
こういう味のある脇役が見たかったんですよね。

 

総評

楽しいよね〜!
という評価が着実に定着しつつある『いだてん』。

古今亭志ん生昭和パートには辛い意見が目立つものの、金栗四三中心の明治編は概ね評判がよいところです。

テンポよし! 考証よし! ストーリーよし! キャラクターよし!
ここまでよいのに、素直にうなずけないのはどうしたものでしょうか……。

そんな本作の評価、なかなか難しいようですね。
というのも要素が二つあります。

・低視聴率→(いだてん視聴率
・高評価

視聴率という基準がそもそも時代遅れですので、これはもういかんともしがたい話です。
いっそのこと視聴率なんて基準は参考値程度にしたらいいと思いますが、なかなかそれが出来ないんですよね。
標準を決める数字が他にないんじゃ、どうしろっと話ですが。

もう無視してよい気がします。

本サイトとしてはニーズがある以上掲載するとのことですが、私は無視しております。

低視聴率に流れ欠けた第二回直後――各メディアでは叩きに走るかのようにも見えましたが、第三回で持ち直したためウロウロ戸惑っているという印象。
まぁ、他の記事を眺めるようにはしておきます。

私個人としては割と想定内だったこともあり、黙々と進めるだけ。
こんな朗報もありました。

◆宮藤官九郎の『いだてん』執筆記。「辛さのレベルは全然違いますが」

スポーツ誌『NUMBER』の中で宮藤官九郎氏がこう語っておられます。

田畑政治さん率いる競泳チームがメダルを獲りまくったロサンゼルス大会が翌1932年。俺のパソコンの中では「前畑ガンバレ!」の前畑秀子さんら若い選手達が、予選突破を目指し猛練習しています。

1932年ロサンゼルス五輪やるようです。
おぉ~!

事前に「西竹一を出さなかったら解散な!」と言い切っていたので、これは嬉しい話です。
出るよね?
出ないでロサンゼルス五輪はありえないよね?

西竹一をクリアしたからには、次のチェックポイントも注目です。

孫基禎(ソン・ギジョン)
南昇竜(ナム・スンニャン)

日本に併合されていた時代の朝鮮半島出身の2選手。彼らは、かなりポイントでしょう。
足下には金栗と同じ播磨屋の足袋を履いてもおり、同五輪に注目して、両選手を省いたら不自然です。

しかし、出さなければ出さないで、炎上の可能性も高い。
海外にまで広まったら、ワールドワイドで燃え上がりかねません。アジアだけでなく、世界規模で燃える危険性もありましょう。

どうせ燃える恐れがあるのでしたら【意欲的に挑んだ結果燃える】方がはるかに意義があるのではないでしょうか。
踏み込んで真摯に取り組む姿勢が評価された方がいい。

【スルーしたために燃えてしまう】場合は、ワールドワイドクラスの炎上になりかねません。

はい、そんな本作ですが。
そこまでお気に入りなのに、なんだか歯切れが悪くなるのはどうしてか……と、自分自身でもかなりショックです。

長い歴史の大河で、一年ぐらいは近代モノでもよいと思っておりました。
昨年のような壊滅的な幕末よりはるかによい、と。

ワイワイ盛り上がる大河もアリだよね?と無邪気に考えておりました。

けれども……やっぱり、日本史の時代モノで重厚なものが見たい。
その飢えと渇きにストライクを打ち込まれてしまい、ちょっと苦い顔になっています。

こんな記事があります。

『いだてん』は4話がラストチャンス!?~大河ドラマは複数回の視聴が前提で良いのか?~(鈴木祐司) - Y!ニュース

その中にNHKサイドからの分析がありました。

「宮藤脚本の世界というのは1回見てすべてが分かるというのではなく、何回か元に戻ってもう1回、NODか何かで見てもらうという楽しみ方になるだろうと思うので、1回1回のリアルタイムはそんなに気にしていない」

23日の定例会見で木田幸紀放送総局長はこう語ったそうだ。

やはりそうか……と妙に納得できました。

クドカン氏はテレビというフォーマットには向いていないのかなぁって。
しかも本作のように情報過多、舞台が飛ぶ、登場人物が多いとなると、決定的に不向きです。

どちらかというと、配信コンテンツ向きでしょう。
スマートフォンやタブレットで、すぐに止め、すぐに巻き戻し、何度も見てしまうコンテンツ向き。
本作はそのタイプど真ん中です。

ゆえに次のような見解には、個人的には否定したい。

つまり難しいことも言うが、観客の多くがついて来られる分かりやすさも蔑ろにしないという姿勢だ。本を読むように複数回の視聴を、特にテレビドラマのようなエンターテインメントの世界で視聴者に求めるのはどんなものだろうか。

わかりやすさを重視する。
言い換えれば、積極的に調べなければわかりにくいコアなネタは避ける――そんなスタンスが過去のものとなりつつある。

動画配信サービスなどの作品は、むしろ難しくて中毒性があり、ながら見できるようでできない。
要は、一度では消化できないコンテンツが増えています。

クドカン氏は、いずれ配信に移る……これは本作で確信できたことです。
そして何度も繰り返している【大河終末論】の現実性がますます強まることを感じます。

録画するなり、配信で見るなり、じっくり楽しみたい層は、スッカスカで見応えのない大河にはゲンナリしている。
一方で、そういう濃厚な大河はボーッと見られないから嫌いという層も確かにある。

二極化しているんですね。
ゆえに両方とろうとすれば間違いなく大河は衰退するでしょう。

まったり大河視聴者層にあわせて、ゆる〜い流れになってゆく。
そこから離脱した濃厚ドラマ派は、配信に流れて、もう戻ってこれません。

今が転機な気がしてなりません。
生まれ変われるチャンスはもう残り少ない――濃厚な歴史配信ドラマを見ながら、私はそう思ってしまうのです。

※『いだてん』も『八重の桜』もU-NEXTならネット(スマホ)で見れる!

※他にも多数の朝ドラ・大河作品も視聴できます(時期によって対象番組が異なりますのでご注意を)。

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

アマゾンプライムビデオで配信されている『MAGI』。
天正遣欧少年使節をテーマにした連続ドラマで、中世の荒涼殺伐とした世界観が、日本史、世界史を通じて描かれる。

【参考】
いだてん(→link

 



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