いだてん感想あらすじ 大河ドラマ・朝ドラ他

『いだてん』感想あらすじ視聴率 第9回「さらばシベリア鉄道」

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大森の咳はどうなっている?

さて、シベリア鉄道は出発十日目、全行程の半分過ぎ。
大森夫妻は相変わらずラブラブです。

金栗がその様子を冷たい目で見ています。
怒った安仁子は英語のレッスン開始で、金栗はダメだし、三島は、通りかかった美人を見て写真を撮りに行こうとします。

気になるのは、兵蔵が繰り返す咳ですね。

金栗は、西洋人の真似をしても猿真似だ。
日本人は日本人でなければ!

大森のような外人かぶれじゃダメだということを、ハガキで送っていました。
それを読んだ永井と可児は、やっぱりあいつは!とニヤニヤ(・∀・)

そんな二人を東京高等師範学校で見ている嘉納治五郎
どうすんだ?間に合うんか?

 

米国ではハウスボーイだった兵蔵

金栗は、大森兵蔵と語り始めました。

虚弱体質であった平蔵は、留学先で西洋人の体格にショックを受けた。
バスケットボールとバレーボール、そして妻を日本に持ち帰ったと語ります。

安仁子は、ハウスボーイだった兵蔵と大恋愛をしたのだそうです。ほほー。

将来の結婚相手が『ボーイさん』だと妻が思っていた。
そういう夫婦、実は大河では主役になっています。

新島八重と襄です。
襄は西洋人の家で靴を出していたので、「ボーイだべした」と八重はそっけなかったそうで。

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このあと、金栗と三島は、大島夫妻について語り出します。

いちゃつきに閉口していると愚痴る金栗。
三島は、兵蔵の咳について懸念を語ります。

東京では嘉納が、【大森夫妻選抜の理由】を永井と可児に語り出します。

大森は肺結核。
ナルホド……と実感せざるを得ないですね。

ショパンの死因 ちっちゃな頃から病弱で 19で肺結核と呼ばれたが実際は…

 

「これが彼の大和魂!」

オリンピックに関わることができるのは、今回だけ。
安仁子は、夫のことを思い、嘉納治五郎にそう頼み込んでおりました。

回想シーンは続き、彼女が原稿の束を差し出します。

「これが彼の大和魂!」

兵蔵は覚悟を固めて、研究を重ねていた。
それが嘉納から、永井と可児に見せられます。

永井も可児も感動するほかない! これは泣くだろ!

「はずかしいっ!」
「申し訳ありません!」

思わず苦悶の表情となる永井と可児。

これが正しい彼女の「内助の功」ですよね。
そうそう、こういうのが見たかったんです。

しかし、兵蔵の容態はよろしくないようで、なかなか体力が回復せず、看病についた安仁子も以降の自炊を中止していまいます。

こんなことで大丈夫か、と焦り出す金栗四三
監督は結核、嘉納は不在。三島はプレイボーイだし。

「こぎゃんこってオリンピックに出場してよかとですか!」

キレる金栗に、三島は予算を気にせずに食べようと食事を奢ります。
ったく、イケメンな上にナイスな奴だなぁ。

 

ワインで意気投合する金栗と三島

食堂車に出向いた金栗と三島。

洋食の中身がいいですね!
当時のメニューをきっちり再現しようとしているってわかるな、伝わってくる!

良かった。
NHKはちゃんとおいしい食事を作れるし、マナーもきちんと描ける。

メニュー調べて、調理して――料理の考証もかなり大変です。
とてもシッカリしているのが伝わってきます。

金栗は、三島のことを「とつけむにゃあ!」と言い出します。
あ、これは飲んで酔っ払った方がいいやつだな。言葉が出やすくなるのでしょう。

16才からの不敗伝説を語る三島。
短距離に切り替えて正しかった、長距離は金栗がいいと言い、
「きみのほうこそ、と、と……? とつけむにゃあ」
金栗を喜ばせます。

「三島さん、がんばりまっしょう!」
「スポーツを楽しむために活動する、元気の権化! フレー(奮えー)!フレー(奮えー)!金栗ぃー!!」

食堂車ではしゃぐ姿が微笑ましいですね。

 

 

列車は、サンクトペテルブルクへ到着。
バルチック海を進み、ストックホルムへ!

これも予算かかってますねぇ。
船、海外ロケ――本気が感じられる。

ついにストックホルムへ上陸した一行。
大使館の出迎えを受け、オリンピックで沸き立つ町をゆきます。

本番は一ヶ月後。
夜8時だというのにまだまだ明るい白夜にびっくりする一行は、ガイドのダニエルに出会います。

スタジアムを訪れ、驚く金栗と三島。
ここに、また長い年月を経て来るとは知る由もない金栗ですね♪

以下、ネタバレ注意。

マラソン競技中に失踪した金栗四三、ペトレ家に救助され都市伝説となる

あのポールに日の丸をあげると、決意を固める韋駄天です。

いだてん! いだてん! いだてん! いだてん! よっ、いだてん!

あれ?
ところで嘉納先生は?

団長不在かよ!

 

MVP:大森兵蔵と安仁子

これぞ当時の国際結婚ですねえ。

人種差別、身分差別。
この二つを乗り越えるって、大変なことですよ。

紀行の写真を見ればわかる通り、実はこの夫妻は妻の方がかなり年長、20歳差なのです。
それでもイチャイチャするって、これはもうそこには愛があるからなんだろうなあ、と思わされます。

安仁子の造形も好きです。
ちゃんと気が強い。
頭もいい。
そこが兵蔵の惚れ込んだところなのだろうと思わされます。

シャーロット・ケイト・フォックスさんが演じた国際結婚の妻といえば、『マッサン』のエリーです。
この造形と比較しますと、格段に良い。

どうしてもエリーは、日本人のマジョリティに優しい、妄想の中にいる金髪娘だったんですね。

当時のスコットランド人女性が持っていそうなもの。史実でのリタが持っていた知性もあまり感じさせない。
フォックスさんは演技力でカバーしていましたが、当時はかなり不満を抱いたものでした。

今回は、そういうことなく、きちんと気が強い方で安心です!

実は明治になってから、西洋の女性尊重思想を流入し、それはよいことだ、そんなふうに女性を愛したいと思った日本人はいたのです。

例えば新島襄の「三年東を向いていない女性がいい」は有名ですね。

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前述の山本権兵衛もそうした愛と誠意を持つ一人でした。

男尊女卑思想が強い薩摩隼人ながら、彼はそのことをよしとしません。
遊女を海軍のカッター船で連れ出し、妻の権利を示した7ヶ条の誓約書を読み上げ、プロポーズしたのです。

これからは一夫一妻。
そういう関係として生きると宣言され、彼女は感動のあまり泣き崩れたそうです。

昨年の『西郷どん』において西郷隆盛がフェミニストと強調されても、しらけたもんですわ。
しかし、山本権兵衛ともなればその通りだと思います。

そういう明治の男女の愛が、この夫妻にはしっかりとありました!

 

総評

書くことが楽しくて楽しくてともかくたまらない――クドカン氏のノリノリの感情が伝わってくる回でした。

書くことが“仕事”ではなあい。
円喬が言ったセリフに通じる情熱がある。

「飯を食うために書いているわけじゃない」
ってことでしょ。

古今亭志ん生若年期には、どうにもクドカン氏の考える脚本への熱いドグマがたぎっているように見えます。
短い出番だけれども、ものすごく心を掴まれてしまう。

よいものをとことん極めるために、脚本へ向き合っているんだ。
そういう芸術論が背後にあるからこそ、落語にせよスポーツにせよ、しっかりとしたものができているのだと思います。

ただ、そうなると不安が募る部分もありまして。
それは後半戦です。

田畑政治の物語は、クドカン氏のそんな作風とマッチするのか?

『いだてん』の話をしていると、
「おもしろいけれども、昭和パートがいらない」
「昭和パートは休憩時間」
という、赤裸々な本音も聞こえてきてしまいます。

これは別レビューで書いたのですが、
【クリエイター】と【プロモーター】
というタイプの差かもしれません。

【クリエイター】タイプ、
→不器用でまっすぐで、とことん全力疾走する金栗と若年期の古今亭志ん生はマッチする。

しかし

【プロモーター】
→タイプの田畑はちょっとなあ、どうかなあという気持ちになってしまうのです。

とはいえ、モロに【プロモーター】タイプであった太巻が素晴らしかったクドカン氏の作品だけに、期待はしているのですが。

巧みで熱がある――出来のいい作品を見ていると、まず脚本がしっかりしているということが伝わってきます。

脚本の熱気が、スタッフにも出演者にも伝わっている。
だから皆、熱気があっていい仕事となる

NHKドラマの中でも、全てが高い次元でマッチしている、ものすごいものを見せられている。
そのことが伝わって来ます。

 

今週のオマケ:大河が生き残るための改革とは?

はい、今週もこの時間です。

大河という放送枠について感じるアレコレをマトメました。
というか、長いですので、読む方は心してください。

こんなニュースがあります。

◆大河ドラマ、たばこダメ? 「受動喫煙を容認させる」「時代を表す手法の一つ」

この手の報道に対して、
「ポリコレがうるさくなったせいで……」
という言い訳にするのは、もうやめにしましょう。

海外では、そのあたりにきっちりと配慮しつつ、むしろ面白くなっている作品は山ほどあります。

例えば、『荒野の七人』リメイクの『マグニフィセントセブン』。
元ネタと比べて七人の人種構成が大幅に違います。

黒人がリーダー、メキシコ系、アジア系、ネイティブアメリカンもいます。

これを「ポリコレに屈したのか」というのはあやまりでして。

当時は黒人ガンマンも存在しましたし、他人種だっていてもおかしくなかったという事実があります。
アジア系の労働者だって、多く連れてこられておりましたからね。
むしろ、史実に忠実なんです。

んじゃ、なんでリメイク元は白人だけだったか?って話。

それは、
「白人以外は見たくない」
「白人以外を出すと売り上げに悪影響がある」
という、露骨なホワイトウォッシングど真ん中ですわ。

ホワイトウォッシングを軽視するなかれ~歴史的差別の問題は根深し

それに、ポリコレを度外視していた時代のコンテンツを今さら眺めて、面白いですか?と問われますと、難しいですよね。

『北京の55日』なんて、名作だというから楽しみにして見たのに、柴五郎の活躍は目立たないわ、アジア人描写がともかく酷くて、全然面白くありませんでしたよ。

『北京の55日』感想レビュー 古きハリウッド大作は“肌の問題”で色褪せてしまいがち

『ティファニーで朝食を』の、キテレツな日本人なんてのも、もういらんでしょ。

じゃあ、
「ポリコレのせいでつまらなくなった!」
「息苦しくなった!」
という嘘っぱちが主に日本国内でまかり通るのか、って話です。

海外でも、その手のオルトライトはおりますが、まぁスルーされていますね。
オルトライトまで扱うとキリがありませんので、そこはさておき。

これまで次のような対応だった日本の作品が厳しくなるのも当然です。

・抗議内容の中身を真摯に対応しない

・中身を真面目に考えていないくせに、面倒くさいから対応したフリをして誤魔化してきた

・別の要素でつまらなくなったことを、ポリコレに責任転嫁して自己責任から逃げてきた

・相手を傷つけたのは、自分であるにも関わらず、そこから逃げて「あんな些細なことでうるさい連中がいるから悪いんだ」と、被害者アピールをする

・抗議者を「空気を読めない痛い奴」、「つまらない奴」、「年寄り」扱いして来た

・そういう卑劣な逃げを許す層が存在した

・「俺らもポリコレを言張れば、気に食わない奴らを潰すことができるんだ!」とネットで重量投稿して嫌いな作品を潰そうとするアンチが発生した

とまぁ、コンテンツを守るため真面目に戦わなかったツケが来てるのです。

【オールオアナッシング】思考もありますね。
一部規制、レイティングすら嫌ってしまってドツボにはまってしまった。

一例が、コンビニエンスストアでの成人雑誌の扱い、ツイッターでのルール論争です

成人雑誌は、表紙に対する抗議があった時点で、隠すなり売り場を変えるなり、対処できました。
ツイッターだって、ワンクッションを置くサービスは多くあったものです。

それを、
「表現規制と戦ってこそ!」
と妥協を一切しなかった結果、全面禁止に至るわけです。

海外ドラマは、レイティングがハッキリとしています。
『ゲーム・オブ・スローンズ』のHBOは、局単位で未成年視聴を想定外としています。

R18レベルの話題作が多いけれども、これはレイティングをしっかりしてきたからこそ。

「未成年が見ることを想定していません。エログロくらい出しますよ。当たり前でしょ」
「ドラマを真似して危険? 知らんわ!!」
「嫌なら見なくていいです。まぁ、こんだけエログロだとね、流石にね」
と、ナゼ言えなかったのか?

彼らはその一方で、専門家のアドバイスもキッチリと取り入れております。

例えば『マッドマックス 怒りのデスロード』の場合、フェミニズム研究者が監修についているのです。
ただのヒャッハーバカ映画ではないからこそ、高評価を得ました。

海外では、ポリコレや疑問の声に、極めて真摯に対応して来ました。
歴史モノであれば、
【暗部を描いてこそむしろ高評価を得られる】
ものなのです。

それが大河ドラマは逆路線を暴走しました。
典型例が『西郷どん』であり、主人公の問題点をキレイキレイして、ホームドラマにおさめることばかりに注力していましたね。

西南戦争 リアルの戦場は悲惨そのもの~食は奪われ、死体は放置、全国規模で疫病広まる

なぜ、そんな、自堕落なポジションに甘んじてしまったのか?

原因は
【惰性】
でしょう。

どんな中身であっても、とりあえず日曜8時はテレビの前で時代劇を見てくれる――そんな習慣が続いている層がいれば、それでOK!という怠けです。

しかし、その層もいつまでいるのやら……。

若年層にとって大河は、ダサくてつまらない。
少なくともイケてるコンテンツではありません、まさに時代遅れです。

ちょっと考えればわかりますよね。
【惰性】だけのコンテンツなんて、面白いわけがない。

その点、海外では【惰性】とは無縁で、極めてシビアですから価値観のアップデートも早く、常に新鮮な驚きを提示してくれます。

もちろんスベることもあります。
大々的に打ち出したシリーズであっても、思った以上に伸びなければシーズンの区切りで打ち切り。
話がおさまっているかいないか、んなもん御構いなしです。

このままでは……この先の大河ドラマの寿命は、もってせいぜい10年でしょうか。

そう死神めいた予告を何度となくしておりますが、ただの願望じゃありません。

・惰性で見る視聴者層がいつまでいるのか?

・海外ドラマ鑑賞環境の充実

・テレビ業界そのものの時代遅れと、視聴者要求の乖離

この予兆、症状はもう出ていますよね。
炎上関連ニュースを見ていれば、察知できます。

それを深刻に受け止めて舵を切ることができる層。
そのまま船ごと沈む層。
見ていれば、これまた判別できます。

真摯に向き合わず、ガラパゴス的なエセポリコレ論で逃げ回って来た時間は、もう終わりました。

ゾーニングとレイティングの問題っつうのも、真面目にやってきていないでしょう。
最近のニュースから勉強できます。

◆Twitterが新規約で妄想禁止に? ネットで波紋 Twitter「ポリシーの変更はしていない」 - ねとらぼ 

これについて、
「妄想ってどういうこと? なんでも自由自在にエッチなことを想像する人まで断罪する気?」
と大喜利をして遊んでいる人もいますが、そんなことを超能力者でもないTwitterができるはずがない。

「妄想を投稿した」時点で、アウトって話。
過去にもあったでしょうが。
掲示板に誰かを殺したい妄想を書き込んで、逮捕された件が。

書き込めば、口にすれば、その時点で妄想じゃなくなります。
そういうことです!

◆「会田誠さんらの講義で苦痛受けた」女性受講生が「セクハラ」で京都造形大を提訴|弁護士ドットコムニュース 

「嫌ならその場で立ち上がればいい、訴えるなんてどうかしている」
というのも、無茶苦茶です。

大学の公開講座というのは、受講経験者があれば理解できるはずですが、学外の一般市民向けの講座です。
で、講座のお知らせチラシなり公式サイトには、きっちりとその中身を書かねばなりません。

その現物を見ましたが、過激な作家の作品例を印刷しているわけでもなければ、性的な講座をやるとも見当たらない。こんなのアウトでしょ。

学生と教員以外が利用できる大学の学食で、牛の解体ショーをやるか?ってもんでして。
それを学食側に抗議したら、のらりくらりと言い逃れされて、二度とくるなと追い出されたようなもんです。ちなみに大学側も、今回の件ではミスを認めております。

もしもこのクレームの時点で、大学側が真面目に誠意ある態度を取れば、そこで収まった可能性がある。
それがナメくさった態度で開き直ってごまかし、次の失敗もやらかしそうだから、話がでかくなった。
燃える場所には、燃料がある。

「牛肉を日頃食べているくせに大げさな」
「まずいなら食べずに立ち去ればいい」
「一応は食べ物だろ」
じゃないんです。

見せたらよくないものには、最低限の配慮をしろ。
海外ではそれが常識です。
どうして日本ではしないのか? しなかったのか?

面倒くさい。
表現の自由。
抗議する側が神経質なだけ。
俺は気にしない。

そう言い続けた結果、無残なまでに世界から孤立し、時代遅れになって周回遅れにもほどがある状況になっている。
その認識から始めねばなりません。

きちんと配慮すれば、ギリギリのものだってできる。
その配慮の時点でぶん投げれば、本当に終わりがやってきます。

もう、引き返せる時点は過ぎました。

「難しい時代になりましたね~」
と肩をすくめてクリエイターが被害者ぶっているうちに、何もかもが終わりを迎えるわけです。

表現が誰かを傷つけることがある。
それはある意味、当たり前です。

アレルギーや宗教タブーのある方がおります。
そういう人に対して、きちんと中身が何であるか示してことこそ、現在のあるべき飲食店であるはずです。

レイティングにせよ、ポリコレにせよ。いわばそういうアレルギー表示みたいなものです。

それを、
「俺には料理する自由があるんだ!」
「アレルギー持ちの奴がおかしいんだ!」
「アレルギーへの対処や配慮は、料理人を傷つける差別!」
と言い出したら、もうダメ。
調理師免許を取り上げようかな? って思いませんかね。

祖父母が、
「食べて治せばいい。昔はアレルギーなんてなかったし」
と、無理矢理食べさせて大変なことになる。そういう事例もあるほどでして。

今の表現界隈は、アレルギーの深刻さが問題化してきた――そういう時代と重なるのではないでしょうか。

私は「表現の自由だー!!」としか言わない人のことを、ついチベットスナギツネ顔で見てしまいます。

「昔はアレルギーなんかなかったんだ!」
と大差ないですやん。

「ポリコレにうるさい連中が見たら激怒必至!!」
と、このへん何も知らない一部が騒ぐ『ゲーム・オブ・スローンズ』だって、ちゃんと配慮しています。

例:デナーリスの未成年結婚を回避するため、同年代の人物ごとまとめて引き上げ

もう、
「あんたポリコレについて何も知らないんだね、ジョン・スノウ」
と言わざるを得ない。

『ゲーム・オブ・スローンズ』では、女性は酷い目にあいます。

「女はバカだ」
「女は子供だけ産んでいればいいだろ」
と、さんざんな言われようです。

んで、海外の女性やフェミニストは大激怒かって?

いや、そうじゃありません。
現実世界にある差別を、醜悪なものとして描けばプラス評価につながります。

(同作には性的暴行関連で、フェミニズム的議論になった箇所はたくさんありますけれども)。

大河を何が終わらせるのか?

それは傲慢と怠惰。
お勉強不足。
そのあたりでしょう。

大河ドラマの馬鹿げたポリコレ認識が、世界基準の三周遅れであること。
これは認識しておくべき話ではないでしょうか。

◆アカデミー作品賞『グリーンブック』が酷評される理由 | スパイク・リー「運転してる映画にいつも負けるな」 

この記事を読んでいて、思い出したことがあります。
昨年の『西郷どん』での奄美大島および愛加那関連描写です。

あれは、この記事にある「白人救世主」ど真ん中でした。
おざなりに差別を描きながら、主人公はそうじゃないと描く。

そんなものは史実ではありません。

奄美大島のことを西郷隆盛はどう見てた?黒糖地獄に美談はムリあり……

ただ表面的に差別をうっすらとなぞり、それに反対したマジョリティを描くことで、見る側を気持ちよくさせる。
こんなもの、どうして2018年に流せるのかと呆れ果てたものです。

これガラパゴスポリコレの行き着いた先なのか。
そこで止まっている限り、大河に未来はない。

世界のトレンドという話だけじゃありません。
そういう海外作品を見て育って来た世代は、違和感を覚えるのです。

そして、あまりの古臭さにげんなりして、大河なんて見なくていいと投げ捨てる。
世界と世代間の格差は深刻化しています。

こんなニュースが出てくるようでは、期待することも難しい。
大河だけではない。
テレビというメディアそのものが変わらないとなりません。

◆NHK大河ドラマ『いだてん』宮藤官九郎氏の脚本に自信も、途中打ち切りの可能性|ニフティニュース

古い視聴率という基準でしか、判断できない。
美人女優やセクシーシーンを入れれば、視聴率が回復できるという、あまりに古臭い発想。

そもそも『琉球の風』は、打ち切りではありません。
事実誤認をそのまま流すのは、いかがなものでしょうか。

スマホでエロい場面だらけの海外ドラマなんかいくらでも見られると、こういうヨタ記事を書く人読む人は学べないんでしょうか?

『いだてん』は愛すべき佳作です。
過去の大河ドラマには、そういう作品はありました。

しかし、大河という枠が生き残ることができるのか?

そしてそうなるべく動くのかと問われたら、答えは「否」です。

即答できます。
大河は、前述したような、海外では出来た生き残り策、よりよくするための工夫や努力を怠り、ブランドに甘えて努力を怠って来たように見えます。

今年そう言うのは気が引けますが、『花燃ゆ』や『西郷どん』はハッキリとそうでした。

フランス革命の話を思い出します。

処刑されたルイ16世は名君でした。
少なくとも凡将・愚将ではありません。

ルイ16世って素敵な人じゃん!無実の罪で処刑されてなお平和を願った王だった

それでも革命家は、こういう理由で処刑しました。

「彼は名君だが、王制そのものが悪だ。いずれ暴君暗君が回って来ないとどうして言えるんだ? 王制そのものを打倒せねばならな」

繰り返しますが、『いだてん』は愛すべき佳作です。
私は、この作品が処刑台に登るところを見たくないのです。

暗君中の暗君である『西郷どん』だったら?
もう一度あの苦痛と向き合うことを考えたら?
――となれば大河枠そのものが、もはや終焉すべきだという意見に、票を投じるしかありません。

では、改革すべき方策はないのか?
と問われたら、次のような打開策は多少なりとも有効だと思います。

・放送時間枠を夜10時あたりに移し、テロップで注意を出し、未成年視聴を考慮していないと言い切る

・一年枠ではなく、数年間で展開する(『坂の上の雲』形式)

・脚本家を複数チーム体制にする

・時代その他考証担当者を現在よりも多数つける

・クレームに対して真摯な対応を取る

このあたりが落とし所では?
と、ここまで書いておいて何ですが、そもそも受信料で大河ドラマを作ることは、公共放送として適切なのでしょうか?

NHKは商標利用に厳しいことで逃げておりますが、NHKがビジネスと無縁であるとは到底言えません。

「大河招致合戦」の背後には、観光業が見え隠れする。
そこでお金が動いているでしょ。

んで、この舞台地選びですが、明らかに偏っております。

戦国大河は、三英傑(織田信長豊臣秀吉徳川家康)の出身地である中部偏重傾向が圧倒的です。
東北、九州、四国? 何それおいしいの? ってもんで。

幕末はいうまでもない。薩長土ばっかり。肥前すらスルーです。
まぁ、たまに佐幕側も入りますけどね。

この幕末大河に関しては、あまりにくだらない記事に辟易したものです。
八重の桜』に対して、
「負けた側の辛気臭い話なんて、そもそも見たくない」
という叩き記事です。

負けた奴は黙っていろと言わんばかり。
そんなことあっていいんでしょうか?

要するに、特定の地域ばかりが、大河の利益を享受していると言える。

反対に、大河の舞台になりにくい都道府県もあります。

『琉球の風』で半年枠しか与えられなかった沖縄県。
そして、北海道です。

専門家がついてアイヌ大河をするならば、個人的にはものすごく見たい!
大河ドラマ『ゴールデンカムイ』を深夜枠でやってくれませんかね。

脚本:森下佳子
杉元:柳楽優弥
尾形:高橋一生
谷垣:尾上松也
白石:矢本悠馬
月島:井之脇海(※ロシア語を話すことを考慮して、聡明さで抜擢)
鯉登:菅田将暉
鶴見:橋本じゅん
キロランケ:宇梶剛士
土方:小林薫
永倉:前田吟
牛山:市原隼人
家永:柴咲コウ
梅子:貫地谷しほり
蝮のお銀:菜々緒
花沢勇作:三浦春馬
花沢幸次郎:吹越満
姉畑:阿部サダヲ
アシリパ:オーディション枠

『おんな城主直虎』だなっ!
というツッコミは、まぁそうなんですけど。

三浦春馬さんの後頭部を、死んだ目で狙撃する高橋一生さん。
脳汁噴射しながらマシンガン連射する橋本じゅんさん。
生姜醤油で脳みそを食べる柴咲コウさん。

見たくありませんか?

キロランケは、絶対に宇梶さんじゃないとできない役です。
彼ならできる! そう信じています。

まあ、でも無理でしょ。
「アイヌで視聴率取るなんて無理!」で、終わりでしょう。

受信料を徴収するならば、視聴率ではなくて、視聴者の利益や作品の価値を追求してこそだと思います。

・受信料は全国一律

・しかし、大河ドラマと朝ドラは舞台において商業的な利益がある

・にもかかわらず、その舞台地選定には偏りがある

早く見直して欲しい。
見逃されていた時間も、そろそろ終わりますよ。

 

 

 



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