活版印刷機/wikipediaより引用

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MAGI(マギ)感想あらすじTHE LAST EPISODE 終わりなき旅へ

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害意の待つ故郷へ

メスキータは、カブラルの命令に従って城を築き、キリシタン大名とともに戦うべきだと言い出します。
マルティノはそれもいいかもと言い出します。
値打ちのわからない連中が、活版印刷機を壊すような国に返りたくないと言い出すのです。

これがマルティノです。
彼の情熱と愛は、ひたすら知性に向いています。
女でもない、愛国心でもない、信仰心ですらない。知恵を追求できさえすればそれでいいのです。

マルティノは、本作でも屈指の現代的な考え方の持ち主です。

ただし、それゆえこの時代ではとんでもない人間だとわかります。
当時はおかしい人。歴史もので、現代的な考え方をする人をともかく善人であると描くことがありますが、そういうものではないでしょう。

ミゲルは、家族を失い、城もなくなり、どこか失望しています。

ジュリアンは母を恋しいと思っている。

マンショは母を探したくないかとジュリアンに問われ、探す気はないと答えるのでした。

ドラードは、このままでは戦いになる、止めなければというヴァリニャーノの言葉を伝えます。

ヴァリニャーノは命の危険を諭されても、向かうと言い出します。少年たちが彼に情熱を思い出させてくれたと。
ドラードは、使節団は嘘だという噂もあると語ります。
少年たちはヴァリニャーノについて帰国したいと語りますが、彼は止めます。少年たちを危険な目に遭わせるわけにはいかないのです。

少年たちがその残酷さに目を背けたくなった、宗教の違いゆえに殺す悲劇。
それが母国で待っているのです。
それでも彼らは、帰国したいと願い出ます。

海原を見る少年たちと、処刑へと向かうキリシタンたち。
どちらも信念のために進んでゆくとはいえ、その対比は残酷なものでした。

 

MVP:四人の少年たち

ヴァリニャーノが驚いた通り、たくましさや成長、戸惑いがきっちりと表現できておりました。
セリフや演出のみならず、演技にもその中身がきちんと入っています。

伊東マンショの肖像画/wikipediaより引用

本作の魅力。
それは、歴史の中にあること。
この四少年は、こののちに待ち受ける運命すら、包み込んで既に持っているかのように思えるのです。

そこに至るまでの経験、生まれもった性質、求めるもの。
そうしたものが、四人の中にしっかりと宿っています。

しかし、そのことを本人が知っているのか、そうではないのか。これもわからない。
このあとの展開は、明るいだけではないはず。そこまで含め、見守りたいと思っています。

 

総評

見終えたあと、どっと疲れが湧いてくる。凄まじいパワーのある十回でした。

マンショの、
「あなた方は、どうして簡単に答えを出すのです?」
という問いかけが頭を離れないのです。そうだ、そうかもしれない!

これが正解で、正義だというものを、人は求めすぎているのかもしれない。

確かにそれが宗教の存在意義でもありました。

太陽はナゼ東から西へ昇るのか?
空が青いのはナゼか?
どうしてこんなに苦しいのか?

わからないことだらけの人間は、それは神の思し召しであると言われたら、納得できたものなのです。

しかし人が、文明が、科学が、知識が進歩すると、神以外の答えが出てきます。

ガリレオがまさしくそうでした。
そうなると、宗教と対立してしまうのです。

少年たちの疑問は、まだ解決されていないのかもしれない。
だからこそ法皇は悩んでいたのではないか? そう思えて来ます。

こんな根源的な問いかけをされ、しかも問い続けてこそ祈ることと言われて、どうしたらよいのでしょうか。

ずっと問い続けることは、タフなことです。簡単な答えがあればいいと願ってしまいます。
そういう考えこそ甘いんだぞ、ちがうんだぞ、不誠実なんだぞ。そう言ってきたかのような本作。

本作は、こんな大きな問いかけをポーンと投げて来て、そのまま次のシーズンへと向かうと言うのです。
なんとまあ、勇気のあることか!

こんな奥深く、わかりにくい問いかけを投げたまま、さあそちらで頭を使えと言ってくる。
厄介な傑作を投げて来たなという気分で一杯です。

もっと本作について考えなければならない。
けれども、楽しみでならない。

そんな気分を噛みしめています。

MAGIアマゾンプライムビデオで放映中

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

【参考】
アマゾンプライムビデオ『MAGI』
公式サイト

 



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