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あさが来たレビュー

『あさが来た』ネタバレ感想レビュー第19週「みかんの季節」 台本書き換えがっかりぽん!からの回復

更新日:

おはようございます。いくらなんでも自分は千代を嫌い過ぎているのではないか?ナゼなんだ?と考えてみました。

どうにも千代からは人間らしさを感じません。どの人物も作者が創作したものではあるのですが、その中でも特に千代からは作為を感じるのです。アンチあさプログラム人格といいましょうか。ともかくあさを攻撃するために組み込まれたキャラという、不自然さがあるのです。

千代の反発はあさへの愛着への裏返しだとは思うのですが、それにしても自分は自分、母は母と割り切れていなさすぎるのでは?と。史実の亀子ともかけ離れていますし、一体この人は何なんだろうと思ってしまうのです。

ひとつの謎がとけました。
15週から「本作のクオリティは急落した」と感じておりましたが、その謎がとけたのです。

◆あさが来たの「五代さま」あまりの人気ぶりに台本の書き換えを依頼 LIVEDOOR NEWS 2月9日
http://news.livedoor.com/article/detail/11162372/

一部分を引用させていただきます。

仕掛け人であるNHK大阪放送局番組制作統括の佐野元彦さんは「会社に、五代をもっと生かしてほしかったといった電話がかかってきた」と反響に驚く。
(中略)
当初は昨年末で亡くなるはずだったが、あまりの人気に「脚本の大森(美香)さんに台本を書き換えてもらい、寿命を延ばしてもらった」(佐野さん)。

やはり、五代の出番を水増ししていたわけですか。15~16週と一週でまとめられそうな話をだらだら続けたり、五代が苦しんでいたり砂時計を見つめるカットを入れたり、周囲の人物が五代をやたらと持ち上げる台詞を吐いたりしていましたが、そうだったのかと腑に落ちました。

五代才助

五代才助

個人的な意見ですが、「もうちょっと見たい」ところで退場くらいが、一番おいしいキャラになると思うんですね。腹八分感です。五代は年末まではよかったのに、年明けから変になってしまい、特に15週の開拓使の一件があまりに支離滅裂で、最終盤はさっさと退場してくれと思ってしまいましたよ……世間では五代ロスなんて言われていたので、私がおかしいのかもしれませんが。

五代ファンにはよかったとしても、ドラマのクオリティは下がったんじゃないですかね。そしてその犠牲となったのは、銀行家としてのあさの活躍ならまさに本末転倒かと。
『マッサン』でもエリーの死をギリギリまで引っ張った影響で、戦後のニッカの躍進がほとんど描かれず、竹鶴政孝氏のドラマとしては中途半端な出来となっていました。

NHK大阪はまた同じ轍を踏むのかと思うと残念です。

 

2月8日(月)

千代は京都の女学校寄宿舎へ。あさと新次郎は、うめすら同行せずまさに夫婦水入らず、和歌山旅行へ出かけます。「新環境で不安な娘をおいて旅に出るとは何事か!」という意見があったのですが、十代にまで大きくなった子どもが成長し家を出たタイミングで、親が息抜きの旅に出るくらい、そこまで責めなくても……と個人的には思うんですが。そういえば正吉とよのも、お伊勢参りしていましたっけ。

ずっとスタジオ撮影だった本作も、久々にロケの風景です。輝くミカンが目にまぶしいですね。あさの洋装は、地元の子どもから蓑虫とからかわれてしまいます。その子どもの中には「ようにいちゃん」と呼ばれる少年もいるようです。そこへやって来て子どもたちをたしなめるのは、久々に本格的に登場した惣兵衛でした。やっぱり久々に彼を見ると懐かしくなります。

あさたちを迎えるはつがせっせと作るのは、おいしそうなサバの混ぜご飯。眉山家はそこそこ大きく、皆あまり老け込むこともなく元気に暮らしているようです。藍之助と先ほど「ようにいちゃん」と呼ばれていた養之助も登場。兄とは少しタイプが違って天真爛漫な少年です。はつはすっかり男児二人の母親の風格があります。

囲炉裏を囲み、皆で晩ご飯。はつの手料理に舌鼓を打ります。新次郎を演じる玉木さんの所作がきれいです。菊は大阪のお寿司が食べたいとこぼし、相変わらずだなと感じさせます。あさの洋服にも反応していましたし、根は大阪大店のお嬢様なんですね。だからこそ山王寺再興の夢が捨てられないわけですか。

眉山家に、来客用布団を貸し出してくれた庄屋さんがやって来ます。なぜかこの庄屋さんはあさの活躍を記した新聞記事を持参していますが、おそらく誰かから来客があさであると聞いていたのでしょう。まさか常に切り抜きを持ち歩いているとは思えませんので。
庄屋さんはおっとりとした和歌山訛りで眉山家について語ります。年配の肩なのか、徳川家の後ろ盾があったころを懐かしみ、東京の問屋の態度をこぼす庄屋さんと惣兵衛。そこであさが自分の思いついた解決策をぺらぺらと話し出します。ビジネスの話はやめろ、とここで新次郎が示します。あさが見せる口つまみジェスチャー、流石にこの年齢設定だと賛否両論の気がします。夫婦の時だけ使うならまあ、可愛らしいんですけどね。

庄屋さんはやたらと藍之助を褒めるのですが、褒め言葉にちょっと本人が釣り合ってないように見えるのは残念ですね……養之助の方が演技もうまいし、役者さん年上なんですよね。トレードして欲しかったと言いますか。養之助は兄ばかりが褒められている時や、兄の家出の報告が家に届いた時、ふっと陰翳のある演技をしていていいんですよね。普段の人なつこさとちがう複雑さを感じます。彼の心中が描かれることは今後あるのでしょうか。

 

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2月9日(火)

和歌山でミカンの収穫をするはつ。宮崎あおいさんは、このために片手もぎという収穫技術を覚えたそうです。

菊はあさに、藍之助の働きぶりについて聞きます。ほめられると喜ぶ菊ですが、丁稚から修行をさせたと聞いて怒ります。うちの神童に何てことをするんだ、と怒る菊は相変わらずです。それから菊は熱心に、藍之助を銀行で働かせてくれと頼みます。その言動からうかがえるのは、山王寺屋再興にかける強いプライドです。丸くなったかと思っていたと思っていましたが、山王寺屋のこととなるとプライドが再燃するようです。憎たらしいようで、それでこそ菊だという気もしますね。

はつは菊の態度を許して欲しいとあさに言います。ここで、はつによる回想が入ります。どうしても山王寺屋を再興したい、そもそもナゼ惣兵衛は大阪から逃げて商売を捨てたのか、と詰め寄ったようです。うーん、やっぱり藍之助の発音がなあ……。もっとも演じる森下さんはまだ若いです。奮起に期待しましょう。
それにしても藍之助は、自分の金融業に関わりたいという希望はよいにしても、どうして父の人生まで否定するのでしょうか。そりゃ、はつも怒りますわ。ここは室賀正武さんに「黙れ、小童ぁ!」(『真田丸』の西村雅彦さんです)と一喝してもらいたいところ。

はつは自分の仕事に誇りを持っているとしみじみ語ります。手についた鋏タコが苦労を物語ります。それなのに息子はその気持ちも苦労もわからない、悔しいと吐露するはつでした。
新次郎相手に惣兵衛は、藍之助のことをさほど怒っていないと言います。かつて親の押しつけた道に反発していた過去もありますし(しかも出奔つきで)、我が子の意志を縛れないと思っているようです。彼は金融業の適性が本当になかったんですね。

京都の高等女学校では、千代がルームメイトの田村宣と口論になります。千代が聞こえるように「こんなルームメイト、マジサイテー」みたいなことを言うのでなんなんだ、と思うのですが。この宣もやたらギャンギャン相手を威圧する系残念眼鏡ヒステリ娘、千代を正面きってつまらない子と言うくらいなので、どっちもどっちだと思いました。宣は千代とは正反対で、女子教育とあさに心酔している意識高い系、テンプレ通りのウーマンリブ系ヒステリックキャラですね。キャンキャン犬の喧嘩みたいにやめてくれよ、もう。千代もそうですが、藍之助、宣、最近の若手追加キャラはみんなテンプレの使い回しで、げんなりしていまいます。
しかもこの三人に共通するいやな点があります。それは「自己主張しながら相手の価値観や人生を頭ごなしにけなすこと」です。これはあさに対する千代への態度にもあらわれていますが。対立を作るためにそうしているのでしょうが、「人は人、私は私」と思えず、相手をけなし罵倒するのは本当にどうかと思ってしまいます。

『あまちゃん』でアキが、ユイから「アイドルになりたい!」と初めて聞かされた時。あまりに無謀な夢だと内心あきれたアキは、「何言ってんだ、こいつ?」と困惑しつつも、その気持ちをユイには悟られないようにしていました。天然で結構ひどいことを言ってしまうアキでも、そこはやっぱり本音を隠したわけですね。そういう気遣いがないんだよなあ。
和歌山で、惣兵衛はあさに話があると言います。

 

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2月10日(水)

惣兵衛と話すあさは緊張しています。なにせ、以前話した時は印象最悪だったからです。
惣兵衛は藍之助の金融業における才能を尋ねます。あさは真面目な勤務態度で有望だと答えるのでした。あさは、惣兵衛は一家皆で仲良く働いていいな、私は働きすぎて一家団らんできなくて、と朝食の席につこうとしたら椅子がなかった話をします。あさのこういうアリバイというか、ちょくちょく挟む「本当は普通のお母さん」アピールに最近胃もたれが。史実の広岡浅子のような、隙がなくどっしりと肝の据わった女実業家では視聴者のウケが良くないという、制作側の打算が見え隠れする感じがあるというか。

そしてその様子を新次郎が盗み聞き。加野屋の住居構造によって盗み聞きしやすくなっているんだとか、朝ドラのお約束だとか、偶然居合わせたのだとか、そう脳内フォローしてきたのですが、腕組みしてニヤニヤしながら狙いすまして盗み聞きするのはちょっと流石になあ。

さらにあさと惣兵衛の会話に新次郎とはつが加わった様子を、菊と栄達がさらに盗み聞きするというコンボ展開。菊は、あさが嫁ならば天王寺屋はつぶれなかったのかもと言うのを、栄達が即座に否定する流れです。

さて惣兵衛は一家全員を呼び出して、ある宣言をします。今は一家が一致団結するとき。親のいいなりになろうとしたかつての生き方を振り返り、しかし今を生きる者には様々な道があると語り始めます。藍之助の行く道も応援しようと言います。ここで藍之助が土下座して大阪に行って商業の勉強をしたいと頼むのですが……この発音、昨年大河の「禁門の変」を思い出すんですけど。ここで養之助も土下座し兄を応援。この兄弟、役者トレードできないかな……。

はつは「もう嫌や」とため息をつきます。そして、そんなふうに言われたら応援するしかないとあきらめ、三年の期限付きで許可を出します。やっぱり宮崎さんの笑顔は素晴らしいです。

 

2月11日(木)

京都の女学校寄宿舎では、あさを褒める宣に、千代があさの実像を語ります。それにしてもヘアメイクさんのせいか、演じる人のせいなのか、千代の頭がやたら大きく見えるのが気になるところ。女学生の頭にリボンは定番ですが、お下げとかの方がよかったのでは。千代と宣も役者さんをトレードできたらなあと思ってしまい。

和歌山であさは出立前、はつから手作りの外套をもらい感激します。帰り道で新次郎があさの手を握り語り合うのですが、確かに最近夫婦のスキンシップが増えていると思います。綺麗な音楽を流しながらイチャイチャする場面が水増しぽくよく入る感じですね。夫婦は温泉にもよって帰ります。

帰宅したあさは、京都から戻った千代に再会します。あさは千代にミカンを渡し、国語の教科書を貸してくれといいます。何でも随筆の依頼が来たから参考にしたいとか。国語の教科書に掲載されているのは、良妻賢母としての山内一豊の妻が掲載されているとか。千代が友達の話をしたので、あさは大喜びします。今日のあさによる「普通のお母さんアピールタイム」はここですね。

銀行の店先には、トラブルメーカーの萬谷が酒の臭いをプンプンさせてやって来ます。相変わらず担保なしで借金させろと暴れながら迫る萬谷。ブラックリストにでも登録して出入り禁止にすべきかもしれません。と、思っていたら「閻魔帳」というブラックリストに萬谷が掲載されていたようです。あさがその一覧を見ていくと、意外な人物の名前が。

 

2月12日(金)

ブラックリストに載っていたのは、まず萬谷。次に暇をもてあまして仕事を邪魔する山屋。娘が心配すぎてうろうろする工藤。そしてヨロヨロワカメこと女性工員をニヤニヤしながら眺める謎の男でした。

世間は明治27(1894)年、日清戦争に湧いています。

庶民ははじめこそ血税=徴兵に嫌気がさしていましたが、こうなってくるとむしろイケイケドンドンになっているようです。この日清戦争の勝利で日本は莫大な賠償金をせしめ、世間には「戦争=悪」ではなく「戦争=よいこと」という発想が浸透していきます。その風潮は、太平洋戦争の敗北まで続くこととなります。

さて、例のワカメ男こと成澤が、強引にあさに会いたいとやって来ます。あさは炭坑の仕事があり留守ですが、成澤は粘りに粘り、ついに面会を勝ち取ります。このあたり、原作ではもっとシリアスなのですが本作はやけにコメディタッチです。

成澤の目的は?

そして五代亡き後のイケメンメンターの地位を獲得できるのか?

果たして……。

 

2月13日(土)

新次郎は千代の女学校を訪問します。そこへ千代と宣が通りかかります。二人は芝居がかった口調でわざとらしい会話をしています。もう二人は卒業間近。どういう経緯があったかはすっとばして、ともかくこの二人は親友ということになっております。さらっと日清戦争始まっていましたしね。

一方、銀行では成澤が、あさと女子行員を雇った加野銀行をベタ褒めしだします。女子がどのような働きぶりなのか、観察に来たそうです。

ここで女子行員の働きぶりが回想で入るのですが、デパート店員みたいに一列並んだ挨拶、花瓶を運ぶ様子なので、「ええ~、そこまで女子行員にバッチリお金扱わせているかあ? 職場の花扱いじゃん」とちょっと思ってしまいました。すみません。原案本の成澤の出会いから、残念ながらこのへんは改悪されているというか、五代の二番煎じエキセントリックメンターを狙って滑っている感が。「ワオ!」とかそんな感じがします。しかもあさに倒れかかり、投げ飛ばされてしまいます。彼をこんなドタバタ変人にする必要性をあまり感じないのですが。

そこへハトがやって来て、彼の正体は女学校で先生をしていた人物だということが判明。新次郎が帰ってくると、またふらりと出て行きます。

千代は父の言葉を思い出していました。新次郎は、誰もがあさのような女になればいいと思っているわけではない、あさ自身もそうだと言います。そもそも千代が店を手伝うあさのプランが脱線していて、本来千代は婿取り路線でよかった気がするんですけど。千代の適性をもうちょっとふまえて進路考えるべきでしたね。

栄養失調で倒れた成澤は銀行で介抱され目を覚まします。それから成澤は女子教育に関心があるかとペラペラしゃべり出すのですが、まずそこから何故話が入らなかったのかという疑問が。日本初の女子大学を設立したいと迫る成澤ですが、「あんさんに出来ることとは思えない、私は忙しい」とあさは断ります。成澤は日本広しといえど、女子教育に関心を示すのはあさしかいないと言います。

新島八重「呼んだが?」
津田梅子「私のことですか?」
大山捨松「梅子さんのことは私が助けますよ」
楫取美和子「せわぁない」

いったんは成澤を追い払ったあさですが、帰り際に押しつけられた教育論を泣きながら読み感動します。来週からは女子教育編です。

総評: 今週はあさと千代がいがみ合う展開ではないので、かなりマシに思えました。

そしてスタジオから和歌山の屋外ロケになり視界も開けた眉山一家パートは、やはりよいですね。キャスト面での不満はチラホラありますが、今週は持ち直しました。

あさの事業もやっと新展開がありそうですし、千代も新環境になりました。だらだらした親子対立から、少し風通しがよくなりそうです。

 

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