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花燃ゆレビュー

【悲報】幕末主要イベント桜田門外の変、ナレーションで終了!【花燃ゆ感想マンガ】第18回「龍馬!登場」そして「直弼!退場」

更新日:

こんばんは、武者震之助です。今回第18回のサブタイトルは「龍馬!登場」です。そして松陰亡きあと、第2部開始です。

今回は文が松下村塾の様子を語るところが始まります。穏やかなアバン、そこだけ雄壮なOPを経て、いよいよ本編となります。

松陰の死のあとの重大イベントと言えば、桜田門外の変です。どう井伊直弼(なおすけ)が退場するか、期待が高まります。

ある意味で期待を越えまくる「桜田門外」

と、言いたいところですが、本作は文ちゃんのおにぎりが大事ですからね。松下村塾のイケメンたちがどうふるまうか、文がどんなスイーツを作るかに尺を割くに違いありません。文は落ち込む玉木文之進を励まし、塾をやめないよう励まします。

文のあとは準主人公枠の小田村伊之助が難しい顔をして、萩におります。ところが松下村塾は危険だからと、一旦ここは離れるようにと頼まれます。

こうした役者の出演ノルマを消化したあと、いよいよ井伊直弼が登場し、庭を見ると珍しい雪だと感想を漏らします(常に初夏くらいの衣装と演出の本作では、季節感があるだけでも貴重です)。桜田門外の変と言えば季節外れの雪が有名です。さらにこの雪を背にして、血を思わせる不吉な赤い椿が咲いており、緊張感があります。おにぎり周辺はグダグダでも、きっと歴史的イベントは重厚な大河らしく描いてくれるはず!

……そう思っていた頃が私にもありました。

しかし!

響く銃声。「旦那様!」と駆け出す井伊家の奥方らしき婦人。雪の上に落ちる赤い椿。シャアによるナレーションとテロップ。書状で事件を知り驚く杉家の面々、

【悲報】幕末主要イベント桜田門外の変、ナレーション処理にて終了

やってくれたなあ! これじゃむしろ桜田論外の変だぞ!? いや本当にコレ、演出したスタッフも涙目だったんじゃないかと思いますね。桜田門外の変はその重要性だけではなく、雪が舞い落ちる中で散る鮮血がとても絵になる場面なんですね。そこをこの処理とは。雪に落ちる椿とか、色合いに気を遣ってあったような気がするのは、せめてもの心意気でしょうか。

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サークルの元姫(現在人妻)がまた姫になりたくてサークルの再開に奔走

さてこの事件を知った文は、犯人が水戸および薩摩藩士と知って一安心です。それに対して久坂玄瑞が「俺ら先を越されたぜ!」と怒るわけですが。

まあその、なんですか。先週までの安政の大獄で、吉田松陰をメインターゲットの事件みたいに描いていた弊害が出てしまっています。要するに水戸藩士や薩摩藩士が何故あんなことをしたのかわかりませんよね。このドラマ、初心者向けとうたいながら徹底的に幕末好き以外は切り捨てる方向ですよね。

ここで久坂は梅太郎から「おまえ、その事件のことを知っていたのか?」と詰め寄り、百合之助が、松陰の残した『留魂録』からの「人の人生は四季がある」と言い出します。ここで滝が「死んだ井伊直弼の奥さんはどんな気持ち?」と言うわけですが。この人の言うことはいちいち何かずれていて不気味なんですよね。こんなどうでもいい杉家リアクションに時間を割いて事件はカットですか。これも日曜夜八時に血腥いことをやると女性が逃げますから、というズレた気遣いの結果ですか。日曜夜八時のNHKは歴史スペクタクルが見られるというのが、大河の存在意義だったはずですよねえ。来年の『真田丸』まで待たないといけないんですかね。

こうした中で寿も厄介者の兄がいなくなって一家団らんができるとほっとしています。史実と真逆ではありますが、彼女は言動に一本筋が通っているぶん、毎週分裂気味である文や、わけがわからない滝よりはかなりましに見えます。ここで伊之助が帰ってきて寿がいなくなり、わざとらしいことこのうえありませんが、伊之助と文二人きりタイムになります。寿にはここでまったく気遣いを見せない伊之助ですが、義妹には気分を損ねていないか丁寧に語り出し、寅次郎を守りきれなかったと謝ります。感動的なシーンにしたいんでしょうね。まあ、そうと言えなくもない気がしますよ。伊之助がメインで謝っているのが寿ではなく文ということを見ないようにしなければね。

そんな中、入江と野村兄弟は釈放されてきました。なぜ釈放されたのかわかりませんが、そんなことよりイケメンを揃える方が大事なのでどうでもいいのでしょう。入江のルックスからして、多分特殊な交渉術でも使ったんですかね。それならば極秘事項のため、視聴者に見せられなくても仕方ない。

ここでしんみりと、イケメンによる松陰のものまねつきしんみり回想タイムです。いろいろと松陰をフォローしていますが、こいつらがしていたこと(だいたいおにぎりとスイーツ)を思い出すと、どうでもよくなってきます。スタジオ撮影の屋内でしゃべっているばかりで、激動の幕末がまだ始まっていないように思えるのですが。もう五月ですよ、五月。龍馬だったら海軍作っているころですよ。

さらにしんみりは続き、文は夫の久坂に「また松下村塾を始めてね」と言います。この人、本当に自分がテロ計画を密告して塾を潰したことを忘れているんだなあ(【花燃ゆ感想マンガ】第14話「さらば青春」さらばおにぎりこんにちは愛国無罪のテ口)。また自分がおにぎりを作るサークルの姫にならないと、生きがいを感じられないんだろうなあ。

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大河にヤンキー路線は定着

ここでノルマの伊之助無双タイムです。

藩の上層部は、松陰や井伊直弼の死を受けてクールダウンする方向に持って行きたいようです。ここで伊之助が待ったをかけます。

「そんなこと言うけど、それだと怒れる若者がもてあました熱の持って行き場に困るでしょ!(要約)」

そんなヤンキーの理屈で、ちゃんと練られた政策をちゃぶ台返しって、本当にこいつはたいした根性ですよね。なんかデジャヴ感があるのですが、よくわからない理屈を熱っぽくヤンキーぽく怒鳴るだけでリスペクトされていた昨年の官兵衛です。本作の伊之助はいらんところに顔を出すところは江、人の功績を横取りするところは『天地人』の直江、そしてヤンキー交渉術は官兵衛という、駄目大河主人公を悪魔合体させた人物になっております。

ここで場面は城から遊郭(あるいは料亭)にうつります。伊之助たちが酒を飲んでいると、久坂が怒りに燃えて乱入して来ました。ここで通商条約が何故悪いのか、久坂がプレゼンを始めます。ここでうっかり久坂が松陰の名を長井雅楽から聞いてブチギレて場の雰囲気は最悪に……。

こうやってキレる若者をなだめさせて、小田村の大物ぶりを強調させる手にもうんざりですよ。小田村はどこまで大物をダシにするのでしょうか。

このあと久坂覚醒。俺たち草莽が国を変えてればいい、と言い出して塾を再開します。今週はもうここから始めてよかった気がしますよ……。そしてやっと塾でおにぎりを配れるようになった文、復活!

(ちなみに主演の井上さんは、おにぎりを握ってばかりのワンパターンに不満があるようです。参考⇨・井上真央:これからが本領発揮「ようやく自分の足で…」と前向き 「花燃ゆ」後半に突入  

ところが文は、松陰の作品を写本し、お金を集めようとか、死を前提として活動する塾生に不機嫌になります。

「物騒なことやめてよね!」

「おまえは武士の妻だろ、覚悟決めろよ!」

「そんなこと言うけどぉ、私はあなたとラブラブ生活したいのよぉ!」

あれー、文の性格、寿に似てきていないか?

序盤は姉妹の知能や覚悟にくっきり差をつけて、志より家族優先の姉を浅はかな存在として描き、妹とは違うとさんざんアピールしてきましたよね。どうなってしまったんでしょうか。松陰の志を理解していた文なら、その後継者となろうとする夫を応援してもよいはずですが。最近の文はすっかり松下村塾のブレーキ役です。これではたたイケメンにチヤホヤされたくておにぎりを握っていただけの存在になってしまう! それでいいのか!?

すっかりむくれた文は家の前をふらふら歩いていると、あやしげな川井サウンドが鳴り出します。どうやら不審な男が家を伺っております。果敢にも棒を持って立ち向かう文。

「グッドアフタヌーン、文」(すみません、朝ドラのせいで言い出しそうで……)

期待の坂本龍馬の登場ですが・・・

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男の正体は、久坂玄瑞に文を届けに来た坂本龍馬でした。ここで傘を取った瞬間、ちょっと考え込んでしまいましたね。

イケメン大河でこの龍馬、いいのか。せめてもうちょっと若作りメークにするとか、清潔感は出せなかったのか、と。『花子とアン』のおとうにしか見えないんですが……。

参考例:世間が求めるイケメンな坂本龍馬のイメージ

 

 

 

 

そしてこの龍馬の出番がうんざりするほど長い。

桜田門外の変、長州藩の動向をさっと流して、龍馬がべそべそ泣く文を慰める場面を延々とやるこのバランスの悪さ。視聴者の見たい龍馬は活躍する姿であって、おにぎりマネージャー相手の慰め役ではないと思うんですけどね。この、とりあえずメジャーな人物なので長々と出しましたという手抜き感も問題ですが、伊ノ助にも龍馬にもイケメン塾生にもニヤニヤしながら接する文からは、健気な妻としての清楚さも失われていることに、スタッフはお気づきでしょうか? しかもニヤニヤしながら、夫に龍馬のことを話すんですから、もう呆れます。短気な夫なら離縁ものです。とってつけたようにこのあと久坂が文を大事に思っているというような台詞を言い抱きしめますが、文にそんなことを言う価値はないと思えてしまいました。恋愛ドラマとしても落第点です。

あと来週予告の高杉新婚夫妻から、昨年の長政&糸夫妻と同じオーラが出ていました。もう嫌な予感しかありません。

追加キャストでラスボス徳川慶喜がまさかのお笑い芸人枠に!

さて、公式サイトで追加キャストとして新選組の近藤勇と沖田総司が発表されていました。沖田にはやっとこさ追加イケメン。正直、朝ドラの印象も強い賀来さんは、松下村塾メンバーでよい気がします。

なぜこのキャスティングが気になるかというと、長州メインでありながらあまり接点がない者も含め、他藩や敵対組織の人物をクローズアップしているからです。現時点で、長州の重要人物の描写すらおざなりなのに、なぜこんなことをするのでしょうか?

おそらく、彼らが幕末で人気のある人物だからでしょう。知名度が高く人気もある人物に焦点を当てることで、ライト層の取り込みを狙っているのでしょう。昨年の『軍師官兵衛』における濃姫や土田御前、『天地人』での愛姫がこうした例としてあげられると思います。

ところが、往々にしてこういった知名度はあれど主役ストーリーにからまない人物を押し出すことは、ドラマ自体の魅力をかえって削ぐことになりがちなのです。どうにも散漫になってしまいます。今週の龍馬推しで既にそうなっています。

と、思っていたところにこんなニュースが。

 

・<どぶろっく>「花燃ゆ」でまさかの大河デビュー 一橋慶喜と島津久光の大役に(まんたんウェブ) - Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150501-00000043-mantan-ent

 

本当にこれは大河の滅亡を見ているようで気が重たい。足利義昭を見守る細川藤孝もこんな気持ちだったのでしょうか……。

過去の大河にも芸人や歌手枠はありましたが、ここまで重大な役に当ててくることはありませんでした。徳川慶喜といえば、長州藩にとっては倒幕の最終目標、いわばラスボスです。ラスボスがお笑い芸人……しかも、過去錚々たる美男俳優が演じてきて、大河ドラマ主役にもなったことのある超重要人物ですよ。クールな美形を配置して、敵ながら人気が出るようにしてもよかったはずです。本作のコンセプトはイケメン大河ですよね。歴代慶喜の中でもルックスがさほどでもない部類に入るでしょうに、これではコンセプトが迷走しています。

ここで考えてみますと、どぶろっく以外の俳優も朝ドラでNHKに縁がある方とか、地元に縁がある方が多いですね。

参考:大河ドラマ「花燃ゆ」に山本譲二が出演

そういう事情のある人か、今回くらいしか大河に縁のなさそうは芸人を起用しているわけです。話題作りのためとか言われていますが、もう万策が尽きて芸人枠しか追加キャストを引き受けてくれないのではないか、と思います。

大河ドラマの宿命として、放映前に決まっていたキャストは豪華でも、夏あたりから前半メインキャストが退場し、キャストクレジットがスカスカになる夏ばて、秋枯れ現象が起こります。ここで追加キャストをどうするかが決め手となります。例えば昨年は、過去大河出演経験のあるベテランを起用するという、過去の蓄積がある大河ならではの手を使っておりました。

 

今年も松下村塾のイケメンたちは、これから次から次へと退場します。

・東出昌大、『花燃ゆ』クランクアップ「人間として大きな経験に」 | ORICON STYLE 

おにぎりポスターのイケメンも、最終的には一人だけになるんですよね。

そこで新たなイケメンを追加しなければいけないわけです。

慶喜の件にしても、重要な役であることをスタッフが知らないはずがありません。クールなイケメンにオファーを出していたとは思うんですよ。

 

「是非とも大河に出て頂きたいのですが」

「やったあ、大河に出るのは夢だったんです。田舎の祖父母も喜ぶだろうなあ。それに真田っていうのがいいですよね。馬に乗った殺陣とかあこがれちゃうなあ」

「い、いえ……今年の『花燃ゆ』の徳川慶喜役です。慶喜といえば大物ですよ!」

「せっかくですがそれはちょっと……来年の『真田丸』なら、もちろんやりますよ。スケジュールも空けますよ! ぼくも好きなんですよねえ、あの時代!」

 

みたいな、そんなやりとりが第一希望、いや、第十八希望あたりまであったのではないでしょうか?(あくまで武者の妄想推理です)

大河といえば、決して撮影環境はよくありません。ギャラも安いと言われています。

 

参考:劇団ひとりが「花燃ゆ」への不満を絶叫「待ち時間5時間ってなんだ!」

 

それでも大河に出れば役者として箔が付く、お茶の間での知名度があがるなど、デメリットを上回るメリットがあったわけです。それが今作の場合はもはやない、と。

このようにキャストすら揃わないとなると、戦争シーンなんて入れようもありませんよね。幕府側トップの慶喜が芸人枠という時点で、もう他がどうなるかなんてわかったようなものではないですか。これからは貴重な戦闘場面も一昨年の使い回し、他の場面は前半の回想使い回し、スタジオ撮影で文たちのガールズトークや伊之助と不倫ばかりになって、ますます見所がなくなっていくでしょう。

 

視聴率・評判が悪い→出演辞退者続出→お笑い枠や歌手枠に頼る→ますます評判・視聴率が下がる

 

こんな悪循環に陥っているのです。大河ドラマ枠まで死ぬかはわかりませんが(死んで欲しくもありませんが)、今年の大河はもはや死兆星が頭上に輝いています。いっそ介錯=打ち切りを、という論が出てくるのも残念ながら当然でしょう。打ち切りは無理でも、数ヶ月早く終わらせる方向に調整してもよいのでは。

・大河を骨太な激動歴史ドラマに戻せ…低調『花燃ゆ』の挽回策は「原点回帰」(産経新聞) - Yahoo!ニュース 

今更本作で原点回帰は無理でしょうから、来年そうするということで早め終了はありかと思います。

 

もっともNHKも無策ではないようで。

・東京新聞:くすぶる「花燃ゆ」 浮上できる!? 脚本家、女性3人体制で巻き返し:放送芸能(TOKYO Web) 

実はこれ、ノベライズ執筆者に一人脚本家が追加されていたことから予測されていたことなんですね。追加決定のタイミングは放映開始まもなくではないでしょうか。

そしてこの脚本協力といった増強、実はあまりうまくいったためしがない気がするのです。船頭多くしてなんとやらにならなければよいのですが。現時点で既にすりあわせがうまくいっていないようで、伏線の回収や設定の整合性でおかしくなっていますしね。

それより何より、

・大河ドラマ「花燃ゆ」チーフ・プロデューサーが語る"女性を主人公にした理由"/<視線の先>インタビュー 

幕末の歴史はすごく難しいのではないかと考えました。尊王攘夷(じょうい)といった言葉が飛び交う男たちの権力闘争は、家族で見るのは難しいのではないかと。もう少し家族で見られるものにするためにはどうしたらいいのか。もちろん大河ドラマなので、歴史的なことは失わないようにしなくてはいけません。そこで女性を主人公にすることで、仮に歴史を知らなくても、日常生活に近いところで共感して見ていただけるんじゃないかなと思ったんです。

こういう意識の人がトップでは、どうあがいても死兆星は消えないと思います……来年に期待がかかりますね。

武者震之助・記

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