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花燃ゆレビュー

花燃ゆ感想マンガ第22回「妻と奇兵隊」最前線に立つ文、おにぎりで異国船を撃退なるか?

更新日:

こんにちは、武者震之助です。新聞のラテ欄や予告で「おんなが異国を撃退! 驚きの反撃!」的なことがあってとてもわくわくしています! 兄・松陰のように夜陰にまぎれて外国艦に乗り込み、おにぎりを振る舞う文。「オニギリオイシイデース」と感動する外国人たち。しかしそこには罠が……! そんな展開でしょうか。

それでは見てみましょう。

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山口県のおもてなしはおにぎりで定着でOK?

まずアバンでは先週攘夷を実行したと語られます。先々週の英国公使館焼き討ちが翌週スルーされたことを考えるとまだマシです。

文のもとに攘夷を喜ぶ現地民が、御礼の品を携えやって来ます。そこで文の振る舞う握り飯に大喜び。ええっと、当時の長州における最高のおもてなし料理はおにぎりなんでしょうか。何か他にないのでしょうか。それはさておき、この喜ぶ民のことは頭の隅にでも入れておいてください。

「あいつらめ、尻尾巻いて逃げ出しおった!」

と喜んでおりますが、攻撃したのは風を待つ民間商船などですからね。それを警告なしに撃ったわけですから。丸腰の通行人を殴ってヒャッハー!しているようなものです。

そのヒャッハー!が済んだ久坂は酒に気持ちよく酔っ払い、月を見上げて文とイチャイチャタイム。膝枕でくつろぎます。あのセンス最低の番宣ポスターの絵を再現するかのような場面です。ここで久坂が「松陰先生は褒めてくれるかなあ」とつぶやき、文も「きっと褒めてくれますよ」と言うわけですが。

しつこいようですが、こいつがやらかしたことは、警告なしで商船を含む船を一方的に砲撃というヒャッハー!行為です。ま、このドラマでの松陰先生はヒャッハー!思想に生きてそれに殉じていますから、きっと褒めてくれそうですね。

しかしこの行為に異国も当然やられっぱなしではなく、アバンの最後では不穏な砲撃音が鳴り響きます。さあ文はどう反撃するのかな?

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外国の反撃で倒れていく兵に「まぁ、しゃあない」とヒロイン

アバンの後、異人の反撃に逃げ惑う民の姿が! なんとあっという間に砲台が占拠されております。ここで下関が反撃により壊滅的な打撃を受けたとナレーションが入ります。ドラマでは絶対に描きませんが、被害を受けたのは下関だけではありません。

先週と先ほどのアバンで、領民が攘夷を頼むと懇願し、成功すると浮かれていましたね。

ところが、外国からの反撃で領民が巻き込まれると、民を無視して藩の軍勢は逃げます。それに反発して一揆を起こし、外国艦隊を手引きする者もいたといいます。奇兵隊にせよこのことにせよ、長州藩が一丸となって倒幕や維新に向かったわけではありません。

そういったことを本作では当然無視し、いきなりわざとらしく「かあちゃん、かあちゃん」と呻く血まみれの少年藩兵が倒れています。その手を握って「せわぁない」を繰り返す文。いや、おまえ、ここでそれを言うか。(*世話ない=西日本中心の方言で「大丈夫」「さしつかえない」「心配はない」の意味、日本国語大辞典より)

と、ここで町民らしき数名が「なんでこんなことに巻き込まれるんだ! 異国なんかと戦を始めるからじゃ!」と抗議します。うーん……予想に反して住民の巻き添えを描いただけマシなのかもしれませんが。民がさんざん攘夷攘夷とあおった場面から数分でこれですか。

文は危ないから萩に帰れと夫の久坂に怒鳴られシュンとします。海を見つめて何事か考える文。

場面は切り替わり、今週のノルマ伊之助無双です。下関戦争の結果を受け、海岸防備を固めると進言しております。この程度でノルマを消化したとは思えませんので、また出番があるのでしょうか。

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奇兵隊のブラックな真相

文が萩に帰って来ました。文は父・百合之助から防塁となる「台場」作りをしていると聞きます。どうやら壮年男子は戦争に駆り出されているため、高齢の百合之助すら手伝わねばならないようです。

久坂は藩上層部および殿に軍備増強を進言します。ここで伊之助と高杉晋作が同席しております。散切り頭の高杉は、久坂の考えを一蹴。身分を問わず町民や農民からも隊士を募り、「奇兵隊」を組織すべしと進言します。

この場面、おにぎり作りやイチャイチャしている場面より格段にマシです。しかし典型的な「幕末ロマン」をなぞった問題のあるものであると言わざるを得ません。

平民まで隊士にしたと言うと開明的な平等を感じますが、実際のところ徴兵ノルマが化されていて、徴兵される側の民には歓迎しない向きもあったようです。ドラマを見ていると高杉は武士をかび臭いと言っておりますが、史実の彼は武士であることに強いこだわりがあり、農工商と同じだと考えていたとは思えません。奇兵隊においても、武士とその他の区別は厳密に分けられており、平等で差別のない、革命後のフランス軍のような組織とは別ものです(ちなみに、そうした差別的な部分を解決しようとしたのが赤禰武人(赤根、あかねたけひと)なのですが、彼は不可解な非業の死を遂げ、名誉回復すらされなかったという経緯があります)。

さらに、奇兵隊の終焉は悲惨なものがあります。維新の動乱が終結すると、用なしになった奇兵隊は論功行賞や身分差別の問題を解決しないまま、一方的に解散を命じられます。武器を持たされ武士の心意気をたたき込まれた隊士たちはこれに納得できず、藩に対抗します。彼らに手を焼いた藩は強引な粛清を行い、百人以上を処刑しました(脱退騒動)。

庶民を利用し、いらなくなったらあっさり捨てる。まさに「狡兎死して走狗烹らる」ですね。奇兵隊とは、身分差別のない、ホワイトで夢あふれる組織ではまったくないわけです。さらに言うと、高杉晋作=奇兵隊というイメージが強いものの、実際に彼が奇兵隊に関わったのは最初期の数ヶ月ほどです。

奇兵隊がファンの夢で美化されるのは、たいていの作品で粛清や内部抗争もちゃんと描かれる新選組以上ではないかと個人的には思います。本作もその路線を踏襲していますね。

そもそも明治維新後の長州出身者たちは、自分と同郷の者の便宜ばかりをはかり、佐幕派諸藩出身者を冷遇したわけです。本当に実力だけで人材を抜擢し、その人物の背景を問わない考えが浸透していたとしたら、そんな不平等は起こらなかったでしょう。美化された奇兵隊や、低い身分から出世した伊藤博文の印象が強いのでしょうが、そこはもうちょっと冷静に見た方がよいのではないでしょうか。そういえば今作では、士分が塾生の大半を占めた松下村塾も、やたらと低い身分の者が多かったと強調しておりましたね。

おにぎりマネージャーではだめだ!これからは土木女子!

夫である久坂が敗戦の責任を問われる中、文はおにぎりを握る気力も失ったのか、台場作りの現場をうろうろしております。文はここで「今できることをしたい!」と自分探しを始め、台場を手伝うと言い出します。文の心意気に杉家の女たちもついて行くと言い出します。

高杉の元には豪商・白石正一郎が。彼は私財をなげうって長州藩の維新を支えた志ある豪放な商人として知られています。これも相当美化されたイメージで、幕末の動乱の最中に事業を傾けまいといろいろ奮闘するうちに、自然と巻き込まれてしまった方が史実に近いのではないか、なんて話も。でもそうした説明も何もなしにいきなり彼を出してどうする気ですか。さんざんビギナー向け連呼しておいて、本当に不親切なドラマです。

ここから川井サウンドを背景に高杉が軍事教練を行います。やっと世間に広まっている高杉のイメージに近づいて来ましたが、銃の構え方が二年前の某ヒロインの方が様になっていたような。二年前は今作みたいに「構え方がいいんじゃね?」みたいな曖昧なものではなく、実践的なアドバイスでしたしね。きっと脚本家がきっちり幕末の銃器について調べていたんでしょうね。今作の脚本チームは壁ドンをいかにしてシナリオに入れ込むかではなく、そういったところで努力すべきでした。

一方文たちは台場工事を始めております。ここで早速高杉の妻・雅も参加。ちなみにこの「女台場」は大がかりなスタジオセットだそうですよ。大河といえば潤沢な予算を使い、豪快な野外ロケを行うのも魅力だったりしますよね。シナリオ面では褒めるところのない昨年の『軍師官兵衛』でも、水攻めの場面はスケール感あふれる野外ロケで大河の醍醐味を感じさせたものですが。

今年は既に六月に入るところ、折り返し地点の見せ場でも、スタジオセットなんですね……一体どこに予算が消えたのやら。

本当に無名の文が台場工事を仕切ったのか?史実はこう

それよりももっと大きな問題があります。

まるで文が皆を鼓舞し参加させたかのような「女台場」ですが、もちろん史実とは異なります。

公式サイトの説明通り、武士の妻や奥女中が工事に活躍したのは事実です。しかしそれにはちょっとしたからくりがあります。工事に際して女性が絹物を着てもよいというお達しがあったのです。質素倹約を旨として贅沢な絹など日頃着られない奥様方はおおはしゃぎで絹物を身につけ工事に出向いたとか。いわば「萩ガールズコレクション」状態です。

これがあまりに盛り上がりすぎ、風紀が乱れていると問題になりました。藩ではしまいに「今ある絹物は着てもよいが、この工事のために絹物を新調してはならない」と制限をかけたほどです。こんなチャラチャラした集まりに自分の妻が参加しては嫌だと考えたのか、高杉が妻・雅に「おまえは工事に行くな」と書いた書状も残っているそうです。

ドラマのような健気は話というよりは、むしろ微笑ましい話かもしれませんついでに身も蓋もないことを書きますと、この台場は防衛ではまったく役に立っていません。

「女台場」は美談といえばそうかもしれませんが、必要以上に国防意識に燃えた女たちと強調するのはいかがなものかと思います。万事控えめで逸話がほぼ残っていない文となると、こういう話まで潤色しまくって彼女の手柄にして、しかも「おんなが異国を撃退!」とまで煽るとなるとねえ。話を盛りすぎではありませんか?

ドン!これが親子最後の別れ!←誰よあなたたち?

ドラマでは唐突に文の叔父・文之進とその息子が出てきて別れる場面が挟まります。ここでナレーションが重々しく「これがこの親子最後の別れであった」と言い出しますが、この人誰でしたっけ? そういうナレーションは、視聴者が思い入れのある人物に使わないと置いてけぼりになるだけなのですが。

女台場の場面はだらだら続きます。よい着物がなくて恥ずかしいからと参加を渋る人のために、椋梨の妻にまで借りに行ったりします。

そういえば二年前のドラマで、髪振り乱し汚れボロボロになった着物で、不発弾に濡れた布をかぶせて消火活動をしていた女性たちがおりましたっけ。あの記憶がまだ薄れていないうちに、こんなものを女の反撃だの活躍だの言われたところで、もうどういう顔をしたらいいかこちらもわかりませんよ。奥女中まで参加したとか何とか言われたって。それこそ二年前の作品では最初から藩主の姉が女性たちをまとめていましたよね。「志」と書いた赤い布なんか意味ありげにぴらぴらさせたところで、だから何なのだとしか思えません。

この合間に古くさく手垢のついた高杉のイメージプロモビデオみたいな場面がダラダラ入ります。先週の久坂演説でも思いましたが、長い台詞がある役者さんは発声練習をもうちょっとした方がよいと思います。志ある志士というより、友人の結婚式ではしゃいだスピーチをする新郎友人みたいですよ。このドラマって、よく知らない人の結婚披露宴に招かれた客みたいな、そんな気分にさせられますよね。どうでもいい思い入れのないカップルのイチャイチャっぷりをホームビデオで見せられ、寒い余興に手拍子を打たされ、スピーチを聞かされているような気分にさせられます。しかも引き出物の皿には、花を背景に新郎新婦が膝枕する写真がプリントされているという。

高杉がフィーバーしている一方、攘夷に無残にも失敗した久坂はどうしているかというと、

「もっともっと攘夷をする!」

と言っております。あれだけ完膚無きまで叩き潰されてお前は何を言っているんだ。テロのやり方しか知らない哀しい若者なのか。

しかも久坂の行動原理って、味方が死んだから報復をするという終わりのないものなのですね。反省の前に報復って最悪ではありませんか。ますますテロリストの理屈ですよ。戦争を泥沼の連鎖に引きずり込む理屈ですよ。しかもこういう人って、報復の口実にするため味方の犠牲が出ることを本心では望んでいるようなところがあるから危険です。彼のような人物にとっては、松陰が非業の死を遂げたことは利用しやすかったことでしょうね。久坂はこのあと、小倉藩が真面目に攘夷をしていないと言いがかりをつけて、攻撃を仕掛けるなど、ますます先鋭化してゆきます。

ドラマに話を戻しますと、松下村塾の龍虎と称された久坂と高杉は、音楽性の違いからバンドを解散方針に相違が生じて一旦袂を分かちます。

次回予告で耳の聞こえない敏三郎が奇兵隊に入ると言い出しております。障害のせいもあってか、一生ひっそりと短い一生を終えた彼を、ことあるごとに引っ張り出して揉めるのはネタ切れなのでしょうか。来週も期待できそうにありません。

今週の大河報道いってみよう!

さて今週の大河報道は。

・【花燃ゆ】田中麗奈、お姫さま役「うれしい」 | ORICON STYLE http://www.oricon.co.jp/news/2053210/full/

芸人とかそういうのではなく、ちゃんとした若手女優さんが追加。うれしいよで、こんな駄作に出て欲しくないなあという複雑名気持ちも。

ひっかかるのが、

奥のお姫様の役ですが、形式とかしきたりとか、通常の枠からはみ出している人

です。制作側は女版高杉晋作だと思っている雅もあの惨状ですので、文三号がまた出てくるのかと困惑を感じます。出しゃばり女戦隊!花燃ゆレンジャーでも最終的には結成できるかな(文レッド!雅ブルー!銀姫イエロー!)。

 

・井上真央、孤軍奮闘 視聴率UPへ健気な責任感 NHKのLINE公式アカウントに毎週、自ら見どころ書き込み - ZAKZAK http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-news/news/20150527/enn1505271145014-n1.htm

いくらがんばっても見どころがそもそもないドラマじゃなあ。

さて、こんなニュースもありますが、

・低視聴率にあえぐNHK大河「花燃ゆ」 いよいよ最後の一手を検討 - リアルライブ http://npn.co.jp/article/detail/28577855/

どうやらこの予測は外れそうな気がします。それというのも、公式発表で「文の出世物語」で女性取り込みを狙うそうで。

・花燃ゆ:“大奥”編の変化で起死回生なるか? 文が物語の中心に - 毎日新聞 http://mainichi.jp/mantan/news/20150528dyo00m200031000c.html

これは……キャッチフレーズからビジュアルまで、すがすがしいまでの『篤姫』二番煎じですね。「志まげませぬ」は「幕末男子の育て方。」よりは断然マシですが、未見層からは二番煎じ、ドラマを見ている層からは文の志ってそもそも何だと突っ込まれる気がします。兄や夫の思想を理解しているか否定しているか、それすらブレブレの文。初回からぶれないのはおにぎりを振る舞うマネージャー魂と、いつどんな時でも義兄に色目を使う点くらいですかね。

そしてこれ。

 なお、“大奥”に入った美和についてはあまり知られていないため、制作陣は、資料を探しながら、美和の軌跡を追ったという。一方で、「花燃ゆ」はドラマでもあるため、創作も加えながら、ドラマチックな展開を目指しているようだ。

創作を加えたドラマチックな展開って……それあかんやつや! 大河ファンは大奥の外で繰り広げられる政争や歴史のうねりが見たいです。それなのに今後もずっと延々と文無双。中学生の書いたドリーム小説展開が待ち受けるというこの宣言。異例の出世っていってもおにぎりがおいしいからとか、殿様が「この者は何かを持っておる」とか言い出す、どうせそういうマネージャー讃美かスピリチュアルな展開なんでしょう!?

それにしても。女性の取り込みを狙うって言いますけれどもね。文みたいなコネ採用のお嬢様が、上目遣いの健気さアピールだけでのし上がっていくのって、むしろ女性に嫌われる要素じゃないですか。大河枠だからこそ、退屈な日常とは真逆のスケールの大きな物語が見たいというのは、男女問わず共通する欲求だと思うんですけれどもね。これだけ盛大にコケておいて、まだそっぽ向いた女性にちらちら目線を送るなんて本当にみっともない話ですよ。

早く来年になーれ!

武者震之助・記

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霜月けい・絵





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