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花燃ゆレビュー

花燃ゆ感想マンガ31回「命がけの伝言」伊之助との愛を芽生えさせるために幕末関係なく奮闘します!キリ

更新日:

こんにちは、武者震之助です。

7月30日、NHKBSプレミアム『英雄たちの選択スペシャル』にて、会津藩VS長州藩をテーマに取り上げました。『八重の桜』、『花燃ゆ』からの映像や音楽が使用され、また朗読をヒロインの父である松重豊さん、長塚京三さんが担当しておりました。

なかなか見応えのある番組で、会津側のコメンテーターとして参加していた『八重の桜』の脚本家である山本むつみ氏が、幕末史や時代背景を把握し理解しつつ、配慮をきちんとしながら書いていたことがわかったのが、何よりの収穫でした。

歴史にあまり詳しくない別のコメンテーターが、会津藩の「什の掟」は思考停止だと発言したところ、山本氏が「思考停止の言葉だと思われないよう、凄く気を付けていました」とフォローしたところは流石でしたね。このあたり「幕末の思想は現代人にはどうせ理解できない」と逃げまくっている『花燃ゆ』とはまったく違うのですね。誠実なアプローチを感じます。今更言っても仕方ないことですが、山本氏が最後まで脚本を手がけていたらと残念でなりません。(参考:「視聴率ワースト4も福島で20%越え NHK大河ドラマ「八重の桜」の内容を褒めて落とすレビュー」

え、『花燃ゆ』の脚本家ですか? いませんでした。残念ながら当然ですね。

また映像ストックとしての『八重の桜』は、今後十年は利用できるのではないかと思いました。今年のチープな映像とどこでどう違ってしまったのでしょう。若松城を狙う砲撃、城を上から撮影したように見えるCG、どれも真面目に作ってあります。
しっかり作った映像といえば2000年の『葵』があり、昨年の『軍師官兵衛』でまで使い回されていました(もっと正確に言うと、『官兵衛』の関ヶ原で素晴らしかったのはほぼ『葵』再利用場面のみでした)。大河の価値や意義というのは視聴率だけではなく、このように映像ストックとしてのちのちまで使用できるものを残すこともあると思います。おそらく一昨年のスタッフは、そこまで考えて丁寧な映像を作っていたのだと思います。今年はそういった「遺産」を残せるのでしょうか。『八重の桜』が最後の良心的な幕末大河だった……となることは避けていただきたいところです。

番組そのものに話を戻しましょう。会津と長州双方をテーマとしたわけですが、結果として『八重の桜』の脚本と映像のレベルが今年をはるかに凌駕するとまた証明されてしまったわけで、ある意味公開処刑でした。以前の『刀剣乱舞』がらみの『ヒストリア』でも感じましたが、その年放送している大河ドラマを、関連番組が処刑する構図は異常事態ですね。今NHKでは、一体何が起こっているのでしょうか?

今後『ヒストリア』では以下の放送日程とのこと。

第227回放送予定 伊藤梅子と夫・伊藤博文(仮)

平成27年8月26日(水)22:00~22:43 NHK総合

第228回放送予定 “逃げの小五郎”とよばれて 長州のヒーロー・木戸孝允の青春

平成27年9月2日(水)22:00~22:43 NHK総合

『ヒストリア』が大河関連を放送するのはまったく珍しいことではありませんが……

「長州ヒロインなら伊藤梅子の方がはるかにマシでは?」

「伊之助捏造横取り無双するくらいなら、ちゃんと桂小五郎を活躍させようよ」

と思えてくるこのラインナップ。公開処刑続行のようです。

ま、『花燃ゆ』よりくだらないものなぞこの世界に存在するとは思えないので、関連番組すべてが公開処刑人になるのも致し方ないことでしょう。長州ファンの皆さんは関連番組で溜飲をさげてね、というありがたいお心遣いですかね。

それにしても、ヒロインの美和も小田村伊之助も、『ヒストリア』1回分のエピソードもない人たちなんですね。その二人をメインで一年間持たせる大河ドラマを作るって、やはり無茶苦茶だったのではないでしょうか。そういえば今開催中の『花燃ゆ』展(毎年恒例の大河関連展示)でも、見に行った方の感想によれば、杉文関連は数点だけとか。幕末の史料って、戦国やそれより前と比較してもかなり残っているものなのですが、それでもこんなに少ないとは。やはり主役にするには厳しかったのではないでしょうか。

フィクションヒロイン×フィクションヒーローのおはなしだよ~

hanamoyu20150802

さて、本編です。

今回は要約すると、「劇中捏造ナンバーワンの小田村伊之助が処刑されそうなのを、劇中捏造ナンバーツーの美和が止めるため右往左往する」です。どうでもいいわ。

先週もそうでしたが、今週も時系列的にデタラメもよいところで、まったくもって史実にかすりもしない展開です。そもそも小田村は投獄されたとはいえ、そこまでVIP扱いでもありません。本当に心底どうでもいい回です。

・「花燃ゆ」大奥編スペシャル企画・異例の女性記者オンリープレスミーティングに行ってきた - エキレビ!

こんな会を開いて「史実なんです」とスタッフは言い張っているようですが、面の皮が厚いにもほどがあります。奥にあがったのは史実でも、時系列を無茶苦茶にしてありえないことばかりを描いているくせに、どの口でそれを言いますか。

 

アバンでは長州藩の粛清と、松島剛蔵と小田村伊之助にも危機が迫っていること、それに美和が気を揉んでいることが紹介されます。

OPが終わると銀姫の懐妊がどうこうと盛り上がっております。また他の女中たちはなぜか徹底的に美和をマークせねばならないという、わざとらしい会話を交わします。

場面が変わると椋梨夫妻の悪企み中。奇兵隊など諸隊を解散するそうです。このあたりの政争場面ですが、椋梨がともかく悪いと一方的に描くばかりです。ちなみに椋梨らいわゆる俗論党に関する史料はあまり残存していないとか。なんだか一方的な欠席裁判的というか、最近は避けられるタイプの悪役描写の気がします。

そんな中、伊之助の兄・松島剛蔵が処刑されます。伊之助は、なぜか義妹の美和に情感たっぷりの手紙を書き、妻の寿経由で渡します。本来寿が伊之助の妻なのですが、本作だとまるで美和と伊之助の間をとりもつキューピッド役なんですよねえ。寿はなぜか美和に頭を下げて、美和に向けて伊之助の助命嘆願をします。最初に書いた通り、このあたりはすべて創作です。

高杉は動揺する同志に対して煽って回ります。高杉もなあ……久坂よりは断然マシではありますが、どうも高杉晋作というよりは、低い声に三白眼で凄む柄の悪い不良高校生にしか見えないんですよね。そういう演技を指導されているのかもしれませんが。スタジオ撮影の暗い室内で、高杉らが青臭い理想論語ってばかりいるこのあたりの場面は、まったく盛り上がりません。

そうこうしているうちに、伊之助斬首が決定したそうです。しかも幕府をなだめるためだとか。伊之助の首にそんな価値があるのかと驚きましたが、このあといつもどこかずれた滝が「同じ長州人同士で殺し合ってどうするの?」とか超絶上から目線のコメントをしていてびっくりですよ。それは今ここで言うべきコメントなのか。滝って、大河にありがちな現代人や神視点で偉そうなコメントを言う平和主義者の究極進化形ですね。

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毒を盛るか、泣き落とすか、、、どうでもいい

場面が変わると奥御殿へ。なんだかよくわからないのですが、都美姫が椋梨を呼び出したようです。そうでもしないと美和が歴史にからまないからなのでしょうが、無理矢理過ぎます。

意地悪女中一号が美和にここで、椋梨来訪を美和に告げ、さらに殺鼠剤を手渡します。いやー……美和が椋梨に毒を盛るかどうかとか、心底どうでもいいんですけど。

椋梨が都美姫と語り合っていると、美和がお膳を掲げてしずしずと入ってきます。椋梨はここで何故か美和に酒を勧めます。ここで美和が酒を飲むかどうか、固唾を飲んで見守らねばならないのか。つ、辛い……。

そしてここで美和が、

「お願いです! 伊之助様を助けて〜〜〜! これからの長州藩を背負って立つ方なの! なんなら代わりに私の命をあげてもいいからあ」

と絶叫しだします。うぜえ。これが美和の奥御殿での活躍ですとか言うつもりじゃないですよね? それにしてもしれっと何ほざいてんだ。小田村がいつ長州藩を背負って立つ存在になった!?なんなんでしょう。この太陽がまぶしいのも小田村様のおかげですレベルの持ち上げっぷりは。

美和は椋梨への嘆願のせいで一時幽閉されます。そこへ銀姫がやって来て、伊之助に会ってこいと美和を外に出します。しかもここで美和が「私の初恋の人なのぉ」とか言い出すんですよ。馬鹿かおめーは! 義兄です、だろそこは!

かくして美和は奥御殿から伊之助の元へ向かいます。気持ち悪い。うん、気持ち悪い。
寿の手紙を差し入れるところも気持ち悪い。寿は美和の伊之助が好きで好きで仕方ない気持ちに気づいているのでしょうか? 実の姉の夫にこれだけまとわりつくヒロインが、どうしようもなく気持ち悪いことにスタッフは気づいているんでしょうか? 甘ったるい恋愛ドラマにドキドキしてね♪と煽っておいて、中身は姉の夫にぞっこんですよ。どういう神経しているんだ。
旦那様がなぜ死んだのか調べるために奥御殿にあがるとか喚いていたのに、どう見ても今回の伊之助のピンチの方が焦っていましたしね。旦那様と久坂に呼びかけつつ伊之助を心配するところとか、最低最悪です。

それにしてもねえ。妹相手に土下座させられ、心尽くしの最期に話す相手が妻ではなく妹にされた寿の立場がまったくないなあ。本作のスタッフは、歴史オンチとかそういうレベルではなくて、人間の心の機微とか理解できていないのではないでしょうか。

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「私の初恋の最強の維新志士様を助けてね、NHKさま」

この牢屋の場面で美和が伊之助を至誠そのものだの、歯の浮くような台詞で褒めまくっていることにも失笑。伊之助がいなければこの国はどうなってしまうのか、とか言うわけですが、まあはっきり言ってどうにでもなりますよね。本当に彼一人が欠けたら日本史が変わってしまうレベルなら、今日まで埋もれていたわけがないと思うんですよね。どうしてここまで伊之助を「わたしがかんがえたさいきょうのいしんしし」にするのでしょうか? 政治的な胡散臭さ以外に、何か明確な理由ってあるんですかね。このへん突っ込むと、コーラを飲んだらゲップが出るくらい確実に炎上しますが、わからないんですよ。政治的理由抜きに小田村伊之助をここまで褒め殺す理由が。

(しかもご丁寧に、この場面での美和の言葉は壁紙にまでなっています。どういうことなんだ http://www.nhk.or.jp/hanamoyu/special/kotoba/index.html

さてついに伊之助処刑の朝ですが、看守が機転を利かせて引き伸ばし工作をします。

この引き延ばしと高杉挙兵がタイミング的にあったため、間一髪伊之助は助かるようです。あれ、高杉の挙兵って今週これだけ?

高杉無双は来週までおあずけのようですが、既に予告編でしょうもない奥御殿ごたごたが出てきていたので、正味五分あればよいところではないかと予測します。つまり、来週も期待できないと。いつものパターンですね。

武者震之助・記
霜月けい・絵

「じゃあ、武者の薦める歴史大河ドラマってどんなよ?」というリクエストにお答えしての書き下ろしレビューです。↓

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「花燃ゆよ!これが本当の「女の園」だ!太い流れを描いてこその大河である英国版女の園歴史ドラマ『TUDORS』レビュー」





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