初の日本代表として五輪の旗手を務める三島弥彦(1912年)/wikipediaより引用

いだてん感想あらすじ

いだてん大河キャストを3行でスッキリ解説!直前予想も大公開【常時更新】

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『いだてん』直前予想 by 武者震之助

クドカンこと宮藤官九郎さんの脚本で、どうしたって期待の高まる『いだてん』。

『実際のところ面白くなりそうなのか?』

本サイトで大河・朝ドラのレビューを担当させていただいている私が直前予想させていただきます(※記事末にこれまでの予想結果を掲載させていただきます)。

まずは視聴率の予想から申しましょう。

「これまでの最低視聴率12.0%『花燃ゆ』を下回る」

理由は以下の通りです。

時代の流れ

大河ドラマの視聴率は、近年低下傾向にあります。

ドラマ配信サービス隆盛となる中、定刻通りにテレビの前で待つ習慣そのものが時代遅れとなりつつあるからです。
担当編集さんはU-NEXTのNHKオンデマンドを利用しており、もはやテレビを見てないとのことです。

BSでの再放送も考える必要がありましょう。
結局【視聴率という基準そのものが時代遅れ】です。

海外のように、視聴者数で判断すべきでしょう。

時代劇ではない

大河ドラマは、どうしても時代劇であるというイメージがあります。

過去、そのイメージ脱却をめざした期間がありましたが低迷。
元の時代劇路線に復帰しました。

前年の呪い

前年の低迷を引きずることでしょう。

せっかく真田幸村真田信繁)→井伊直虎井伊直政という良い流れが出来ていたのに、昨年は西郷隆盛大久保利通という英雄を扱っておきながら、あまりの出来の悪さに撤退した方も少なくないはずです。

オリンピック歓迎ムードどころかシラケモード

前回の東京オリンピック未経験者は、いくらその恩恵を力説されたところで、さしてピンと来ません。
長野五輪では、ボランティアの苦い経験を持つ人もいるわけです。

そして2020年の東京オリンピックは、問題山積みです。
高騰する費用。ボランティアの強制……盛り上がるどころか、悪印象を抱いている人も多いことでしょう。
メディアはイケイケですが、町の声を聞くと期待薄なのです。

前回の東京オリンピック前は、日本が戦争の影響で世界のスポーツから弾き出されていて、それが好転する!という流れゆえに全国民が大歓迎だったことでしょう。

今はどうか?
んなこたぁーない。
人によっては五輪と同じ4年間隔で開かれるサッカーW杯を楽しみにされている方もおられるでしょう。

他にも、メジャーリーグ、フィギュア、テニス、なんならNBAだって日本人が世界を舞台に活躍できる時代!

趣味も多様化し、ネットで世界中と同時に繋がることもできる時代に、オリンピックだ、万博だ、と言われたところで、だから何だとしか言いようがない。

そんなことをする金があるなら、もっと別のところに回そうよ!
そう愚痴りたくなりませんか?

笛吹けど、踊らず。
そんなシラケムードの中、無理にオリンピックを盛り上げようとする本作なんて知らんがな――という層もソコソコいそうな気がしてなりません。

 

脚本の好き嫌いが分かれる

宮藤官九郎氏は、個人的には好きでも嫌いでもありません。

『あまちゃん』は夢中になりましたが、演劇や映画作品では
『ちょっと自分にはあわないぁ』
と感じたものもありました。

彼の作風の好き嫌いは、かなり分かれるもの。
大ファンである友人からその魅力をさんざん聞かされたものです。

ここまで夢中にさせるクドカンさんはスゴイな、と痛感しました。
彼の作風は、民法なりネット配信なり、好きなファンに届くのであれば、最適でしょう。

しかし、大河ドラマとなるとそうではありません。

エッジの効いた作風を見たいファン――それ以外の視聴者に届けなければならないのです。

この試みは、朝ドラの『あまちゃん』ではプラスに出たかのように思えます。
ただし、これは熱狂的なファンが盛り上げていた、という熱量の影響もあるわけです。

視聴率にしても、そこまで高くありません。確かに前作『純と愛』の悪影響があったかもしれませんが、実は『あまちゃん』の評価自体も分かれていたりします。

「今まで朝ドラなんで見なかったけれど、『あまちゃん』は欠かさず見た!」
こんな意見をよく聞きました。

その一方で……
「何十年も見てきた朝ドラの視聴をやめたのは、『あまちゃん』という作品があまりに理解できなかったから。私にはあわない」
という話も、耳にしました。

もちろん私の狭い範囲の話かもしれませんが、朝ドラや大河という保守的な価値観を持つコンテンツにとっては、マイナス要素です。

エッジの効いた革新性が、ただのおふざけとみなされ、バッシングに繋がる可能性があります。
あの『新選組!』と『真田丸』を手がけた三谷幸喜さんですらそうです。

史実に則した描写ですら、勝手に悪ふざけだと誤解される。
ろくに見てもいないのに、アイツのことだからふざけた作風だろうと叩かれてしまう。

三谷氏は大河ファンであり、思い入れも人一倍あり、かつ時代考証の意見を取り入れながらも、そんなくだらないバッシングにさらされたのです。

こうしたことを考えると、作家としての個性が確立している宮藤氏の起用は、正直厳しい評価の一因になりかねないと危惧してしまいます。

いったんマトメましょう。

◆一定以下の世代は、オリンピックという時点で興味を失う

◆一定以上の世代は、クドカンさんの世界観についていけない

そんな最悪の事態すら招きかねません。
これはクドカンさんや役者さんの責任ではなく、企画を通したNHKさんにあります。

 

クセのある熱烈作品になりそうな

何度も言いますが、私も編集も
・ドラマの成功
を心の底から願っています。

理由は至極シンプル。

私は単純に楽しみたい。
編集さんは数字を稼ぎたい。

しかし、視聴率以外の要素を想像してみても、あまり盛り上がりを感じられないのです。

例えば金栗四三(中村勘九郎)や田畑政治(阿部サダヲ)の故郷。
現時点でご存知の読者さんはおりますでしょうか?

知名度の低さはいかんともしがたく、そうなると観光地への貢献、関連商品の売れ行きもパッとしない可能性もあります。
結果次第では、大河ドラマ枠の存続にも関わる深刻な問題となるかもしれません。

ここまで不利な状況で『よく挑めるものだなぁ』と首をひねってしまうほどで、商品としてのウケる要素は感じられません。

2020年大河を明智光秀の『麒麟がくる』にしたのは「大河の基本は戦国だよ!」という保険アピールな気もします。

このへんで、改めて結論を書きましょう。

◆『いだてん』は、2012年『平清盛』や2013年『八重の桜』と同じタイプ

◆視聴率面とマスコミ評価では苦戦する

◆しかし根強いファンがつく

◆視聴率は取れてもこだわりの薄い2014年『軍師官兵衛』とは逆の作品となる

『平清盛』や『八重の桜』は私も大好きな作品です。
それゆえ『いだてん』に対しても期待感はあります。

実は、ここまであげた悪い要素も表裏一体。
前年の不調の反動ゆえに、より一層面白く見えることもあるでしょう。

明治から昭和にかけて、しかもスポーツや落語といった文化に光が当たるとなれば、ワンアンドオンリーのものとなり得る。
クドカン作品ともなれば、熱狂的なファンだって望むことができる。
エッジの効いた作品として、愛されるものとなる可能性はあります。

ただし……それもある条件を満たすことができれば、ではあります。
それは何か?

キーワードは【1940年のオリンピック】問題です。

 

開催されなかった東京五輪――どう扱う?

前半の金栗四三について、不安要素はないと考えています。

しかし、後半の田畑政治に関しては大きな不安があります。

幻の東京五輪」こと1940年の東京オリンピック――。
それは、招致までこぎつけながら、戦局へ向かったがために開催されなかった悲哀の歴史です(以下に詳細記事がございますのでよろしければ後ほど)。

幻の東京五輪(1940年東京オリンピック)はナゼ開催されなかった?広がる戦火と万博&冬季五輪

今や正月の風物詩。

金栗四三が尽力した「箱根駅伝」ですら、戦火の中では「最後の箱根駅伝」と呼ばれた悲しい運命もありました(以下に詳細記事ございます)。

最後の箱根駅伝 ゴールの先には戦場が…幻の第22回大会(昭和18年)を振り返る

数少ない戦時中興行が行われたスポーツである相撲でも、戦火の影響がありました。

関係者は勤労奉仕に参加し、力士や行司も戦死を遂げているのです。

相撲の歴史1500年をスッキリまとめ 明治維新で一度滅びかけていた!?

戦死を遂げた悲運のアスリートとして知られる沢村栄治/wikipediaより引用

落語も、戦争の影響で禁止演目が出来たほど。

落語の歴史をスッキリ解説! 起源は戦国時代の御伽衆で、元祖は江戸時代の安楽庵策伝

ナレーターの古今亭志ん生も、慰問先で取り残され自殺を考えています。

古今亭志ん生(ここんていしんしょう/美濃部孝蔵)83年のパンクな生涯

宝塚歌劇団も解散。

被爆死したタカラジェンヌもおりました。

戦火の中の宝塚~原爆に苦しみ死んだ者もいた それでも復活を遂げた

このように戦争と娯楽の関係は切っても切れない。

東京に五輪をなんとしても呼びたい、そう願う田畑の脳裏に、あの幻の大会に参加出来ずに命を落としたアスリートの無念がよぎらなかったはずがありません。

金栗だって、かつての自分のように駅伝や五輪を目指していたのに、戦地に散った若者の無念に涙したはず。

古今亭志ん生だって、戦地での苦労や死を覚悟したことが、脳裏にあったことでしょう。

実は開催されていない1940年東京大会こそ、とても重要な要素になるのではないかと思うのです。

この要素について私が不安になったのは朝ドラのせいです。

 

2018年下半期朝ドラ『まんぷく』

『まんぷく』における太平洋戦争描写の無茶苦茶さは、異常なほどでした。

それまでの朝ドラにあった戦中の苦労はろくに描かれない。
戦死者の描写すらない。

空襲に遭い、死ぬような奴は運が悪い人たち、生き延びた自分たちは勝ち組だ――とばかりに戦死者の無念を思うどころか、戦中の苦労すら語り合いません。

開戦に至るまでの経緯、戦中の統制、戦後の苦難もよくわかりません。

朝ドラなんてそんなものでしょ、とは言わないでください。
カーネーション』や『ごちそうさん』では、戦中生活をしっかりと描きました。

戦後、日本が国際社会からどんな目で見られたか。
『まんぷく』はきっちりと描けたはずなのです。

東京五輪に至るまで、田畑らが苦労した大きな原因として、国際社会の冷たい目線があったはずなのです。

GHQの厳しい対応が描かれた『まんぷく』では、そのあたりを扱うことができたはずなのですが、これがまったくよくわかりませんでした。

朝ドラと大河は違います。

しかし、NHKに
『あの戦争の惨禍を最小限に抑えるという空気が蔓延していたとしたら?』
と考えるとどうしても不安になって来ます。

そのあたりの暴露本は、現在品切れになるほどだそうです。
以下の記事をご参照ください。

NHKは誰のために「忖度」を繰り返すのか 「権力とのなれ合い」は歴史的伝統:PRESIDENT Online - プレジデント

報道部とドラマ制作は別物――そう信じかったこともありました。
しかし、2018年の大河ドラマと下半期朝ドラからは、あまりに不可解な歴史修正が見られたゆえに、どうしても疑念を抱かざるを得ません。

もしも、『まんぷく』のような戦争描写になったら?
日本は何も悪くないのに、ネチネチと外国が文句を付けて来ただけ!
そんなしょうもない描写にされて、田畑の苦闘が誤魔化されてしまったら?

そんなとき、言うセリフは決めてあります。

『硫黄島からの手紙』と『アンブロークン』でも見よう!

戦争とオリンピックについて描いた映画があります。

『アンブロークン 不屈の男』です。

 

1936年のベルリン大会で活躍し、東京大会を目指していたルイス・ザンペリーニ。
しかし戦争の結果、五輪選手としてではなく、捕虜として日本の地を踏むことになるという、そんな話でした。

田畑がロサンゼルス大会で、その金メダル獲得に興奮したバロン西こと西竹一
彼は硫黄島で戦死を遂げており、その死は『硫黄島からの手紙』で描かれています(以下の記事に詳細あります)。

西竹一(バロン西)42年の生涯を解説!世界のセレブに愛された貴公子の凄絶な最期

ベルリン大会でも奮闘し、東京大会を目指していた中での、無念の死。
金メダリストとして世界を魅了したアスリートとして、どれほどの無念であったことでしょうか。

 

ここまでの状況を踏まえまして、私が本作で最も重要な人物であると考えているのが、西竹一です。
彼の出演が大々的にアナウンスされれば、祝杯をあげてもよさそうです。
まったく出てこないようでしたらば、再びこう叫びたくなります。

「エエからもう『硫黄島からの手紙』と『アンブロークン』でも見よう!」

あらためてマトメます。

・視聴率面では史上最低を更新しかねないほど不利
・ドラマとしてのクオリティは、前半における不安要素はない
・ただし、後半の幻の東京大会と戦争描写に関しては不安がある

2018年ほど大きな嫌な予感はありません。
しかし、楽観視できるとも言いかねる状況です。

一言で表すなら残念ながら「凶」。

ただし、前半は期待大ですし、後半も覚悟次第では「大吉」になる可能性もあると思います。
私の予想が外れることを願っております。

 

武者のこれまでの事前予想

大河ドラマ

2014年『軍師官兵衛
好材料が多いように見えるけれども、コケるダメ戦国もの臭さがある。
『天地人』、『江〜姫たちの戦国〜』ほどにはならないでしょう。
予想結果→○

2015年『花燃ゆ』:これはもう駄目だ! 制作発表の時点で負け戦だーッ!
予想結果→○

こんな「花燃ゆ」はいやだ!始まる前からやばい7つの悪夢

2016年『真田丸』:脚本家の映画がコケたというけれども、よい予感もある! 時代考証もしっかりしていそうだ
予想結果→○

大河ドラマ『真田丸』は鉄壁なのか?恒例の大予測 by武者震之助

2017年『おんな城主 直虎』:主人公の知名度が低いといえども、メインビジュアルに強さがみなぎっている。これはよさそうだ、期待を感じる
予想結果→○

大河ドラマ『おんな城主 直虎』を、毎年恒例の大予測! 今年は期待しつつの吉凶混合運也 by武者震之助

2018年『西郷どん』:主演俳優辞退、モテ推しの時点で終わった……『花燃ゆ』との「幕末大河最低最悪薩長同盟」締結おめでとうございます
予想結果→○

2018年大河ドラマ『西郷どん』を率直予想! 大いに期待したいけど悪夢が頭をよぎるのです

大河ドラマ『西郷どん』超直前予想! BLやモテ要素で、やっぱり不安は拭えない

 

朝ドラ

2017年下半期『わろてんか』:題材が鉄板で、まさか外さないでしょ!
予想結果→×

2018年上半期『半分、青い。』(※記事なし):ちょっと予測がつきにくい。けれども、マイナス要因はあまりないように思える。メインビジュアルがとても素敵。
予想結果→○

2018年下半期『まんぷく』:台湾ルーツ削除の時点でハイ、解散。解散ね!!
予想結果→○

まんぷく事前予想~台湾ルーツ消失でマトリックスの【青いピル】はもう懲り懲り

だいたい当たっているのではないでしょうか。

もちろん私の見方を皆さんに押し付ける気はなく「同じ感覚を共有できる方にとって」という話です。

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

【参考】
NHKPR
amazon
ウィキペディア
深谷市

 



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