いだてん感想あらすじ

『いだてん』感想あらすじ視聴率 第21回「櫻の園」

更新日:

男の香水がそんなにおかしいことではない

はい、このあとも時代考証破綻&金栗の無知。

永井が服装を指摘します。香水がいいってさ。

香水をシュッシュッて、昭和のコントでもあるまいし、こういうのやめませんか。

そんな風に雑につけてどうするんですか?
制汗スプレーではありません。体温の高い場所につけて、なじませます。

香水を愛用していて、このつけ方。
永井までバカになりましたか。

「男が香水なんて〜!」という金栗の台詞も、もう残念の極みすぎます。

西郷どん』に出てきた桐野利秋は、フランス製香水を愛用していたことで知られております。
当時だって男が香水をつけることは、別におかしいことでもありません。

当時のおしゃれさん、ましてや金栗のように西洋のマナーを身につけた人物ならば、知らない方が不自然です。

三島が香水をつけていても、別に不自然ではないと思いますよ。

どんだけ金栗は無知なのだろうか?

 

シャンナイというより知恵ないスクールでは?

このあと、女学生が金栗の噂をしています。
アブノーマルだから「あぶさん」を筆頭に、当時の隠語が立て続けに出ています。

うーん、そこはかとなく漂う、このアリバイ感……。
知識をガーッと列挙するのは【時代交渉をしています】というアピールにも見えてきます。
今まで、こんな雑なこと、していなかったのに急にどうした。

そしてリーダー格の富江がご忠告だって。
手下を含めて、4人でしずしずと、金栗に歩いて来ます

「もうおやめになってください、みっともない!」

富江は、この学校はシャンナイスクールと呼ばれていると言います。
美人(=シャン)がいないスクールだってさ。

「これは一本取られたばい!」と笑い出す金栗です。ここでしょうもねえ、容姿を褒める世辞を言い出す金栗でした。
褒めようが、けなそうが、セクハラはセクハラですが……。

◆オバマ大統領、「ずば抜けて美人」と呼んだ州司法長官に謝罪

本作は、意図的に当時の価値観の違いから、無神経な発言とされるセリフでも入れておりました。
そうではありませんね?
書いている側も、本気でフォローになると思っているのではありませんか。

ここで金栗は、嫁の貰い手がなくなると迫られるのです。

「君らもそぎゃんね。さっさと嫁にいきたかばい」

そう呆れています。
女性とはスポーツに無理解だとここで示されるのですが、なんで金栗が被害者ぽい顔をしているのか。うーん、イライラ。

当時の未婚女性が、どれだけ生きづらかったことか。
女学校教員のくせに、そこはまったく無頓着かい。

「女はやる気ないんだよぉ〜、俺のせいじゃないもん」

そう居直るようです。
津田梅子に根性を叩き直してもらえば?

6才で渡米した津田梅子が帰国後に感じた絶望~それでも女子教育に生涯を賭けて

それに、スポーツ指導者としても無能の極みですね。
指導する側の適性を見極めないって、こんなのいらんわ。

そういう相手に、槍投げをしろと頼み込む。
女学生の描き方も、全然面白くもないし、無個性です。

これがあの天狗倶楽部や小梅を描いた脚本って、何かの冗談としか思えません。

この槍投げのしょうもない無理無理ラッシュで時間を使うくらいなら、美川の悲しみでも掘り下げて欲しいところです。
こんなお寒い、ただ女学生コスプレを見てウハウハしたい、そんな層に媚びてどうしますか?

はぁ……志の消えたドラマになっちゃったな、もう。

槍投げの場面は、しみじみと最低のドラマになったと痛感しました。
適性や動機を見極めず、ノリで進めて、叫んで盛り上げる。女子の見た目ジャッジで盛り上げる。

もう、話になりません。
もっとシャンになるって、そんな動機で女子スポーツやれって?

冗談もほどほどにしてください。

適性を見極めずに、全員に同じことをやらせて悦に入る。
生徒ではなく、自分の満足感のために指導する。
そういうダメスポーツ指導者感満載で、絶望的です。

この描写は悪質の極みです。

スポーツは健康美人になれるアピールって、最悪なんですよ。

スクール水着やブルマでウハウハする。スポーツがエロいと盛り上がる。
そうやって学校に押しかける変質者のおかげで、スポーツに悪印象を抱いた。断念した。
そういう女性がどれだけいるか、本作チームはご理解いただいておりますか?

播磨屋がこのあと、竹早のTのユニフォームを作るのでした。

ここも無茶苦茶です。
なんなんでしょう、この個性ゼロのモブ女学生は。
同じようなセリフを使い回されてもな。描き分けしてくれって。

このあとも、永井がじゃじゃ馬と叫んだりしまして。
嘉納は神宮競技場の話。
まとめて撮影している感が、随所から漂っているのは何でしょう?

 

増野はやりすぎ

このあと、シマは見合い相手に断っています。
まだ家庭には入れないとシマは告げるのでした。学校も、走ることも面白くなったそうです。

シマもいいけど、小梅が見たいんだよな……。

ここでシマは、女子陸上を目指したいと訴えます。
まだ何も成し遂げていないと告げるシマに対し、結婚して子供を産んだ人は、出場できないのかと増野は尋ねます。

無理ではないとシマから聞き、増野は子供連れて応援するといいます。

やめてくれとシマは言うと誤解していましたが、
「続けてください。仕事も、走るのも。結婚のために何も犠牲にして欲しくないです。もうそんな時代じゃない」
そう言うのでした。

こんな物分かりのいい男が戦前にいたと、五りんも感動しています。
ん?
五りんがちょっとおかしいぞ?

シマは職業婦人の走りだった、と語られます。
当時の「飲む・打つ・買う」とは違う。泣いたと五りんは語ります。

五りんのご両親ですね。
こんなに簡単に、ここまで引っ張った展開をバラさなくてもいいでしょう。雑な仕事だな。

かくして、シマと増野は結婚。
脚を出してもお嫁に行けたと、喜ぶシマなのでした。

仲人をつとめた金栗夫妻と、写真撮影で逆転する二人。
未来を祝して、明日を祝して、写真が撮影されます。

ここで五りんは、大正11年に結婚していると語るのでした。

美濃部は見合い写真を見ています。

増野は、ドラマオリジナルだそうです。『八重の桜』の新島襄とは違うわけだ。
金栗の最低ぶりを補うにせよ、やりすぎです……。

 

MVP:小梅

小梅はお見事です。

浅草のファムファタル。美川、見抜けなかったんだね。
純情捧げたね、それでこそ美川だ!

 

逆MVP:金栗

まさか金栗が、最低スポーツマンの要素を煮詰めたような奴になるとは想像すらできなかったことです。

金栗のよいところ?
西郷どんよりマシってくらいかな。

女性視聴者さんに聞きたいですが、金栗から女子体育を教えてもらいたいですか?

この積み重ね、大失敗の気がするんですよね……。

・ラザロの死が身近だったわりには、学んだとは言い難い安全性への配慮

・妊娠育児中のスヤへの思いやりが感じられない

・シマへの塩対応

・ストックホルムオリンピックで、女子選手がいたいのに気づかなかった?

マルグリット・ブロクディス/wikipediaより引用

テニスシングル金メダリスト・ブロクディス

こういう雑な対応しないでほしいです……。
現実逃避の結果、たまたま見かけた女子選手からビビビときたって、もうこれは室賀正武(『真田丸』)になりますわ。

「もうこれ以上、お前の思いつきに振り回されるのはごめんだ!」

いくら劇中で、金栗が優れた指導者扱いされていても、全然ピンと来ないのです。

わかりあった師弟の姿としては、円喬と美濃部考蔵の方がよほど美しいでしょうに。

もう、これでいいわ……ドラカーリス。

 

チート枠:増野

彼は一言でいえばチートです。

そうなった理由も思考プロセスもろくに描かれていないのに、ここまで出来上がっているとやりすぎです。

ぶっとんだ人物がいてもいい。
当時の価値観から図抜けた人物がいてもよいものです。

ただ、それも丁寧な描写あってのもの。

現在放映中の朝ドラ『なつぞら』には、性格がぶっ飛んだ人物が多数登場します。
どうしてこんな性格なのか。
思考プロセスが理解できますし、背景も描かれていますし、ちゃんと失敗して無神経なこともやらかします。

こういう思考プロセスをたどれば、そこまでぶっ飛んでいないと見ていて頷けます。

もう一例、『MAGI』の原マルティノ。
当時としては異常なほど、現代的合理性をもつ人物です。

それでも彼の思考プロセスはわかりますし、相似形のある人物も登場します。
そして彼は、その時代から浮いているし、空気も読めない奴だとわかるのです。

そういう緻密な人物描写はどこに消えたのでしょうか。

 

総評

本作はすごいことになって来ましたねぇ。
未知の領域に踏み込みつつある。

【体育会系+サブカル】

という、相容れない両者がミックスする、すごいものが生成されつつあるなぁと。

箱根駅伝のシーンが象徴的であった、ともかくスポーツは感動すべきだという押し付け。
そういう体育祭に入り込めないのが、サブカルというか文化系とかオタクという、そんな先入観ってあると思いますけどね。

いやいや、そう遠くないでしょ。
そう示す世界に入りつつあると言いますか。

実はオタクや文系でも、ノリはあるでしょ。
飲み会で一人つまんなさそうな顔にしていると、弾かれて暗い奴だとのけものにされないと言い切れますかね。

ハッシュタグで騒ぐとか。
イラスト投稿して盛り上がるとか。
ちょっとでも推しに疑念を呈したら、アンチ認定でボコボコだとか。

大差ない。皆応援するならお前もやれ。そこは同じなんですよ。

体育会系か。そうでないか。
そこでは分断されるかもしれませんが、空気を読めという圧力はどちらも一緒でしょう。

感想を漁っていて感じたのが、まさにこの空気です。
序盤から応援していたあのキャラがなんか面白いことを言ったとパーッと日曜夜に盛り上がる。楽しいね!って文化祭のノリです。

しかし、それって大河でしょうか。

平清盛』のイラスト投稿あたりから、SNSでのノリが重視されるようにもなりました。
そこを完全否定するつもりはありません。
そういう一点突破主義は、本来の大河的なものとしてよいのでしょうか。

一年という異例の長期スパンで引っ張る。
一点突破ではなく、大河のような流れを俯瞰的に見る。伏線を楽しむ。そういうものが特性であったはずなのですが。

クドカン氏は本来、伏線を重視する、緻密な作家だと思います。
それが瞬間跳躍力のようなネタとギャグのキレがよいせいで、軽視されるのではないか。ネタ狙いばかりになるのではないか。

ファンもそれを後押しして、大河本来の持ち味を損ねないか。

そもそも大河にこの題材とスタッフは向いていたのか?

そういう疑念が先立つ自分は、体育祭でも文化祭でもしらけきっている、真のぼっちとして、眺めるほかありません。

誰がどう盛り上がろうと、私は私自身が納得せねば、祭りに参加できないのです。

◆『いだてん』追加キャスト、サブカル祭りに落胆の声

本作がらみでネットニュースを見ています。

ちょっと傾向が変わってきました。低
視聴率による叩き記事だけではなく、金栗本人の功績を称えるような、そんなものも増えています。

これはテコ入れしましたね?

妙な話ではある。
大河が扱う人物を代替的に掘り下げる記事は、通年もっと早いものです。
それこそ年明けあたりでしょう。

それをこの時期ときた。
序盤の低視聴率、一桁を出したあたりから焦って、テコ入れをしたのではないかと推察してしまうのです。

これは朝ドラ前作にもあった現象です。
視聴率がどうにも伸び悩んだのか、放送期間の一ヶ月を切ってからも、しつこいくらいにNHK関連番組、NHK主催イベント、提灯記事が出ておりました。

実際の視聴率や視聴者の反響はともかく、提灯でピカピカと照らすことで、ドラマの不発をごまかしたい誰かがいる。
そう感じたわけです。

そうなっていませんか?
本作も、受信料で提灯を灯していませんか?

本作には序盤でついたファンもいます。
彼らの熱気がなんとか維持できて、提灯で照らせば、こういう評価だったと言うことはできる。

「低視聴率であったが、革新的で、若年層には受けていた。そんな斬新な作品」

それが今ではどうですかね……その道も、かなり厳しくなって来たとは思います。

6月末スタートの田畑パートあたりから落ちることはなんとなく想像がつきましたが、金栗パートで低落した。
これはなかなか厳しいと思います。

そもそも正しい受信料の使い方ですか?
ドラマそのものではなく、マスコミに投げるって。私は到底納得できませんが。

そして今週の「是非もなし」ニュースです。

◆肉感的な水着を披露!?「いだてん」復活の鍵は上白石萌歌の水泳シーンにあり! | アサ芸プラス

VODでいくらでも水着どころか、全裸が見られるこの2019年に、水着程度でテコ入れだといちいちはしゃぐネットニュース……是非もなし。

とはいえ、金栗の無神経な容姿ジャッジ、シャンナイスクールで笑っていた方には、朗報なのでしょう。

こんなことを言いたくはありませんが、本作はこの道でもう決まりでしょう。

※二年連続こんなことしたくなかったぞ!!

ある意味、昨年よりもはるかに辛い。
『西郷どん』のようにどこにも褒めるところがなければ、しらけきった目で全部燃やせますからね。

しかし、本作はよいところを避けなくてはいけませんし。
ファンもしっかりついている。

やりにくいこと、このうえありません。

 

ティリオン気分で愚痴ろうぜ

ここでドラカーリスして、車にピアノをぶつけて終わりでもよいのですが。

ちょっと策でも提案してみますね。

ちなみに気分は、『ゲーム・オブ・スローンズ』最終回のティリオンね。
ネタバレ含めるから、気をつけてくださいね。

1 王朝という輪を壊せ

「伝統ある王朝だと思って期待した俺が、バカだった。そもそも最近は暗君ばっかりだったもんな。名君だった人は、個人的に資質があっただけ。王朝そのものはもういらんわ。輪を壊せってかぁ!」

わかる解説シーズン8第6話 最終回!ゲームオブスローンズ感想あらすじ

確かに『真田丸』はよかった。
『おんな城主 直虎』も。

だからといって大河に期待するのは、愚かだった。
作品単位でよいものがたまに出るだけだ。

そうやっと気付きました。

2 陣容が変わりましたね?

あれほど緻密だったとは思えない雑な展開。
登場人物の設定も狂っている。

顔グラと武将名は同じなのに、能力値が今川義元から今川氏真になっている。
『信長の野望』で、そんなバグが発生したような、そんな本作です。

変わったのは登場人物?
それとも作り手?

変えるにせよ、もっときっちり考えないと、バレますよ。

作品全体の整合性や作風すら、統一できているとは言い難い。
一体、何が起きておりますか?

「援軍として、朝ドラを撮り終えたNHK大阪スタッフを呼びました!」

「もうこの船は沈みますので、有力な将兵は『なつぞら』に移動します!」

という現象が起こっていても、何ら不思議はありません。

3 バッジを投げすてましょう

クドカン氏降板論には反対でしたが、今はむしろ賛成です。

このまま彼名義でこの作品が作り続けられるとなると、今後のキャリアに悪影響がおよびかねません。
VODにだって行けるほど人気も実力もあるクドカン氏を、穴の空いた船に乗せ続けることは、無慈悲ってものでしょうよ。

彼には、大河脚本家というバッジを投げ捨てていただいた方がよろしいのでは?
余計なお世話でしょうが、そう思うのです。

後任者ですか?

・『天地人』&『花燃ゆ』アンカー

・『江 姫たちの戦国』

・『龍馬伝』

・『西郷どん』

このあたりからで、いかがでしょうか。
器用な方を集めました。

本命は『龍馬伝』あたりかな?
知名度もキャリアもありますし、バッジを受け取る側として、ふさわしい方でしょう。

4 監修者を呼びましょう

作品そのものの立て直しはできません。
とはいえ、今週際立っていたジェンダー観の化石ぶりは、悲惨なかつ悪影響を与えかねません。

ジェンダー監修に、上野千鶴子氏をつけてはいかがですか?

◆上野千鶴子「私が東大祝辞で伝えたかったこと」 MeTooと東京医科大問題で世論は耕された |東洋経済オンライン

『マッドマックス 怒りのデスロード』戦術ですね。

こういう本が売れているのに。

◆女性店長がみる「キム・ジヨン現象」 文学が社会に果たした役割

八重の桜』と『おんな城主 直虎』が進めた歩みを、大幅に交代させる大河が二年連続とは。
一体何をしているのでしょうか?

負け戦となったら、もう逆転は考えないことです。

どうやって撤退するか。そのことだけに集中しましょう。
可能であれば、の話ではありますが。

 

文:武者震之助
絵:小久ヒロ

【参考】
いだてん/公式サイト

 



-いだてん感想あらすじ

Copyright© BUSHOO!JAPAN(武将ジャパン) , 2019 All Rights Reserved.