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『バーフバリ 伝説誕生』踊って何が悪い?インド映画で歴史ワクワクの原点回帰を

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私はトンデモ歴史モノが大好きです。
しかし、残念なことに数はあまり多くありません。

そこで敢えて範囲を広げて「歴史ファンタジー的な叙事詩的映画もセーフ」という基準を作りました。これならば『里見八犬伝』も含まれることになります。

そして本作『バーフバリ 伝説誕生』も。

叙事詩的映画にはまるで歴史的要素がないかと言われると、実はそうでもなく。その国の人々が親しんできた伝説や歴史物語が根底にあります。
衣食住や生活描写も、同じくその国の過去を基にしているわけです。なのでセーフ。

本作の場合、古代インドのマヒシュマティが舞台とされていますので、ほぼ伝説に近い歴史もの、という分類になります。

多くの方に馴染みのないインド映画ですが、食わず嫌いは損をしちゃうのでは……ということで、レビュースタート!

amazonより

Amazonプライムで500円の有料配信されています(2017年11月25日現在)

基本DATA info
タイトル 『バーフバリ 伝説誕生』
原題 Baahubali: The Beginning
制作年 2016年
制作国 インド
舞台 古代インド南部、マヒシュマティ
時代 紀元前6世紀頃から紀元前5世紀頃
主な出演者 プラバース、ラーナー・ダッグバーティ、アヌシュカ・シェッティ、タマンナー
史実再現度 史実を基にした叙事詩的映画、マヒシュマティは「十六大国」のひとつで仏典やジャイナ経聖典に記述がある
特徴 インドの歴史と映画は素晴らしいぞ!

 

あらすじ 選ばれし勇者、その名はバーフバリ

古代インド、マヒシュマティ王国。
老女シヴァガミは、大事な幼子を抱えて逃げだそうとしていた。

しかし、追っ手の数は多い。
敵の矢は容赦なくシヴァガミの体に突き刺さった。
神の加護を願いながら、シヴァガミは急流に飛び込み、腕を高く掲げて赤ん坊を捧げ持った。

腕だけ突き出した状態で、シヴァガミは赤ん坊を川沿いの村にたどり着かせ、滝の上を指さすとそこで息絶えた。

時が流れて25年——。

赤ん坊は、シヴドゥという青年に成長していた。
彼の育ての母サンガは、いつまでもシヴドゥに穏やかな暮らしを送って欲しいと願う。

しかしシヴドゥは、そんな母の願いを知らず、滝の上に登ろうと繰り返すのであった。

そんなある日、シヴドゥは滝の上から流れて来た仮面を拾う。
その持ち主であろう、女神のように美しい女性の幻を見たシヴドゥは、ますます滝の上を見たいと願うのであった。

ついに滝へと登るシヴドゥ。そこに待っていたのは、幻の女性そっくりな女戦士と、数奇な運命であった。
彼の顔を見た人々は口々にこう叫ぶ。

「バーフバリ……!」

バーフバリとは何者なのか?
シヴドゥは己の出生の秘密を知ることになる!

 

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これが古代インドの世界か!

インド映画といえば、唐突に歌い踊り出すという印象が強いと思います。
それはそうですし、本作でも唐突に歌い踊り出します。

しかし、それがおかしいとか、それだけが見所で中身なんてないのでしょう?と断じてしまうのは大きな誤解です。
むしろ踊って何が悪いのか、私はそう言いたい。

そんなものは些細な問題、表現手法の違いであって。問題は何を描くのか、ということではないでしょうか。

本作が描くのは、古代インドの雄壮で絢爛豪華な世界です。
まるで神像が動いているかのような美男美女。
VFX技術を駆使した迫力あふれる映像美。
キレのあるアクション。

こんなとんでもない展開があっていいのか、と思わされる部分もあります。
冒頭のシヴァガミが腕を突き出して赤ん坊を救う場面からして、とんでもありません。

ツンデレ気味に、ヒロインと主人公が戦いながらメイクを施し、その結果ヒロインが「私ってこんなに可愛らしかったの?」と驚く愛のメイクダンス。
雪山をソリで滑り落ちながら接近する主人公とヒロインのドキドキ逃避行。

こういう見ていて「凄い!」と思える表現は、このラージャマウリ監督の持ち味です。
彼の、蠅に転生した主人公がヒロインを悪から守る『マッキー』、里返りした貧しい青年が隣家から命を狙われる『あなたがいてこそ』も、大傑作です。

映像技巧は凝っているものの、ストーリーは驚くほど素朴で単純、ストレートです。
典型的な貴種流離譚で、どこの国の伝説神話にもこれと似た話はあるはずです。

愛、冒険、裏切り、出生の秘密、仇打ち。
21世紀になってこんなにストレートでよいのかと少々戸惑うほどですが、素直に力強く展開するためその戸惑いはかすかなものとなるでしょう。

 

ド迫力の合戦シーンといえば本作である

VFX技術の発展により、現在では大迫力の合戦シーンはよく見られるようになりました。
十年前では考えられないような映像もあります。

そうなると、もう人馬が激突するような合戦シーンではなかなか感動しなくなるのです。
迫力があるだけではなく、もっと斬新で、息を呑むような、今まで目にしたことがないような合戦シーンが見たくなります。

本作はこんな贅沢な悩みを叶えます。
インドの大地を覆い尽くす大軍同士のぶつかり合いは、迫力満点。
ここで、敵軍に巨大な布を飛ばして被せ、そこに火矢で火を放ち燃やすという、前代未聞の場面が登場します。

人間の発想というのはここまで自由で、こんな映像まで作れてしまうのかと、あっけにとられる場面です。
これを見ないで合戦シーンを語れるだろうか、と二~三日は考え混んでしまうほど圧倒されます。

 

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歴史映画ってやっぱり素晴らしい!

本作を見終えたあとは「バーフバリ! バーフバリ!」と叫びたくなるのですが、それだけではなく
「歴史映画っていいですねえ」
と心の底から思えます。

この気持ちは、初めて歴史もののスペクタクル大作を見た時に感じたものと同じです。
あれから多くの歴史映画を見て、なじみのある時代の衣装や背景に対しては、かえって慣れてしまって感動が薄れてしまうようになってしまうのです。

インドの雄大な自然、きらめく甲冑、武器、象兵、古代戦車、華麗な衣装、武術、戦闘場面を見るうちに、初めて歴史映画を見たときの新鮮な喜びを取り戻しました。
この世界には、こんなにきらびやかで壮大な歴史、物語があって、その上に私たちは生きているのだという喜び。
そんな喜びを本作は取り戻させてくれました。

映画なんてたくさん見てきた、歴史ドラマなんて見飽きている。
そんなあなたこそ、本作での原点回帰をオススメしたいと思います。

しかも本作は前編でしかないのです。
さらなるアクションと驚きに満ちあふれた後編『バーフバリ 王の凱旋』もあります。

もはや本作を見ずにこれからの歴史スペクタクル映画は語れない。必見の一作です!

著:武者震之助




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【参考】『バーフバリ 伝説誕生

 



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