おんな城主直虎レビュー

『おんな城主 直虎』感想レビュー第3回「おとわ危機一髪」 弱い! 弱いぞ井伊一族、大丈夫か!?

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ラスボス・寿桂尼さんの登場! 優雅なれど何か恐ろしい

直平の元に向かった直盛。案の定、鶴丸が人質とされています。
鶴丸は「人質にするなら弟も捕らえるべき、自分一人だけなら父は見捨てるだけだ」と落ち着いた口調で言います。直平は笑顔で頷き、出かけようとして直盛に止められます。直平、もしや子供以下の智謀……?

こうしてとわが人質になる朝となります。
南渓は義元に直訴するため、あとをついて来ました。
ここで出迎えたのは小野政直。南渓は門前払いされます。そしてここでも言い返せずそのまま見送るしかない南渓。昨年が『信長の野望』智謀パラメータ平均80マックスカンスト直前の真田一族なら、今年はせいぜい30から50台の井伊一族ということなのでしょう。
そしてラスボス感漂う寿桂尼がついに登場!

雪斎に続き、井伊一族が束になってもかなわない智謀の持ち主が出てきました。政直の元に、鶴丸誘拐の報が入ります。政直は本当に我が子を見捨てるのでしょうか。鶴丸誘拐の件が義元に知られたら、事態は悪化することでしょう。
義元は能の稽古中で政直は面会できず、雪斎と話し合うことになります。

とわはついに寿桂尼と対面します。頭巾が淡いピンク色で着ているものも上品です。今年は女性の出家姿が長期間描かれることになるので、こうした衣装にもおそらくこだわりがあるでしょう。出家の身ながらファッションリーダーとしての地位も保ち続ける、それが寿桂尼なのでしょう。すごく優雅で、綺麗でもあります。が、やっぱり何かが恐ろしい人です。

同じ京都の貴族出身でも寿桂尼と昨年の真田昌幸正室・薫では身分の差がかなりあります。こう書くと薫さんには大変失礼ですが、寿桂尼からは「姫君の中の姫君」という尊いオーラがにじみ出ています。今にして思えば薫さんは庶民的でした。

 

今川家といえば蹴鞠、蹴鞠といえば今川家

寿桂尼は待ち時間に蹴鞠でも見るかと誘います。
今川家といえば蹴鞠、蹴鞠といえば今川家くらいのイメージがあります。
蹴鞠を見守る子供の中には瀬名の姿も。瀬名はいつも蹴鞠を見守り、勝てば龍王丸の妻にしてもらうと頼みこんでいる様子です。瀬名ちゃん……何かすごく駄目な子というか、不幸になるしかない人生を驀進している気がするのですがどうしたものでしょう。

寿桂尼から龍王丸に勝てば褒美をもらえると聞いたとわは何かを考えているようで、いきなり龍王丸に挑みます。
「誰じゃこいつは」と当惑を隠せない龍王丸。見ているこちらも当惑しています。
なんだか少年漫画のような展開になりますが、とわは案の定負けます。そしてその弾みで頭巾が取れて、じゃりじゃりの剃髪姿があらわに。皆がたまらず笑い出します。めげずに再戦を挑むとわ。って、スポ根展開かい!
そこへ雪斎と小野政直もやって来ます。とわはめげずに挑みますが、またも失敗。何度も何度も挑み続けるとわ。本当にこれはスポ根展開ではないですか。大河としてありなのかと突っ込みたいのですが、顔をあからめて蹴鞠を続けるとわがかわいいのでなんだかこれもありかと思えてきました。

幾度もしつこく勝負を挑み、ついに勝利! とわはすかさず褒美が欲しいとすがりつきますが、龍王丸は「あつかましいにもほどがある!」と突き放します。それはそうでしょう。とわはスタミナ勝負に持ち込んだようなものですから。ここでとわは怒りのあまりラフプレイ、タックルで龍王丸を倒します。見かねた政直が止めに入ります。

そしてこのタイミングで義元が登場。とわはまったく空気を読まず褒美を要求します。
義元は直接話さず、扇でお付きの者に「何が所望だ」と言わせます。とわは井伊に戻して欲しいと訴えます。ここで雪斎が「よい戦いをした者には褒美を取らせるのが武門のならい。褒美を取らせるべきです」と進言。寿桂尼も口添えします。なんとここで義元が去ってよいとの判断。

優しい、昨年と比べてなんて優しいんだ!(昨年は去らせると見せかけて刺客を放つイメージ)なんととわの出家と本領安堵が求められました。まさかの蹴鞠ファンタジスタ展開に驚きを禁じ得ません。今年の大河は珍味だ!! 今川様優しい!!

とはいえこれにはからくりがあり、鶴丸が人質に取られていること、井伊に恩を着せて三河攻めに働いてもらいたいという今川の思惑もありました。そんな思惑を抜きにしても今川家はかなり優しいのではないでしょうか。

駿府からの去り際、南渓は寿桂尼に取りなしてくれた礼を佐名に告げます。佐名は二度と来て欲しくないと告げるのでした。
まさかの蹴鞠ファンタジスタでおとわは危機を脱しました。めでたしめでたし。しかしとわが出家して隙を見て還俗なんてそんなことができるのか、南渓の策が通じるのか不安はあるのでした。

井伊家は最悪の事態は回避したように見えますが、借りを作っただけで何も解決していません。

 

MVP:南渓

雰囲気が凄そうなだけで、実は大して策がないとバレた南渓和尚。このレベルを井伊家一族の知恵袋にしている時点で「大丈夫なの?」と視聴者をハラハラさせる役所でした。当然、雪斎相手に歯も立ちません。猫を抱いていないと本領発揮できないのかも。むしろ逆MVPかも。

総評

昨年や他の大河が「主人公一族にはこんなすごいカードが揃っているんだ」と見せ付けるのが序盤ならば、今年はむしろ「こんな弱いカードしか手元にないけどゲームしなきゃいけないんだよ」と見せて来ている印象。あえて地方の小大名で始める『信長の野望』の縛りプレイのようなと言いますか。そこがむしろ今作のスリルなのかもしれません。

直平は暴走、直盛はおろおろ、南渓は見かけ倒し。そりゃ小野一族にしてやられるわ、というところ。今川家も本気を出せばいつでも潰せるけれども、それより飼い慣らして使おうという気持ちがあるからこそ、井伊家は存続しているわけです。昨年とは違うスリルがあります。
ミラクルな子供が暴れ回ったら何となく決着というありがちな展開にも、裏があるわけでして。とわの機転というよりも大人の事情で何とかなっただけとネタばらししているのはよいと思います。そんなにうまくいくわけない、という不満も回収します。

そして今週は、憂いを帯びた佐名が今週の「苦い現実」パートでした。「お手つき」の会話は独特のギャグセンスを感じました。好みは分かれるところでしょう。

今週はのちの今川氏真である龍王丸、のちの築山殿である瀬名が登場した回でもありました。

瀬名の暴走ぶりはすさまじいです。愛する人のためなら暴走するというのは昨年のきりと同じですが、こちらはバッドエンドが見えています。彼女の場合、龍王丸の人柄が好きというよりも、シンデレラ願望ゆえの熱ではないでしょうか。思い込みが激しく暴走する性格がどう空転するのか、今から楽しみです。昨年よりスロースターターですが、今度が気になります。

瀬名の後の姿・築山殿

武者震之助・記
霜月けい・絵

 

登場人物の史実を解説!

井伊直虎(柴咲コウさん)
井伊直盛(杉本哲太さん)
新野千賀(財前直見さん)
井伊直平(前田吟さん)
南渓和尚(小林薫さん)
井伊直親(三浦春馬さん)
小野政次(高橋一生さん)
しの(貫地谷しほりさん)
瀬戸方久(ムロツヨシさん)
井伊直満(宇梶剛士さん)
小野政直(吹越満さん)
新野左馬助(苅谷俊介さん)
奥山朝利(でんでんさん)
中野直由(筧利夫さん)
龍宮小僧(ナレ・中村梅雀さん)
今川義元(春風亭昇太さん)
今川氏真(尾上松也さん)
織田信長(市川海老蔵さん)
寿桂尼(浅丘ルリ子さん)
竹千代徳川家康・阿部サダヲさん)
築山殿(瀬名姫)(菜々緒さん)
井伊直政(菅田将暉さん)
傑山宗俊(市原隼人さん)
番外編 井伊直虎男性説
昊天宗建(小松和重さん)
佐名と関口親永(花總まりさん)
高瀬姫(高橋ひかるさん)
松下常慶(和田正人さん)
松下清景
今村藤七郎(芹澤興人さん)
㉙僧・守源

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