『おんな城主 直虎 完全版 第壱集 [Blu-ray]』/amazonより引用

おんな城主直虎感想あらすじ

『おんな城主 直虎』感想レビュー第4回「女子にこそあれ次郎法師」 かぶをガブッ!で子役編は締めくくり

 


南渓和尚の忠告に従い、竜宮小僧のようにふるまう

次郎は鶴丸の言葉に発奮し、南渓に竜宮小僧になる宣言をします。
どうすればよいか問う次郎に、南渓は「竜宮小僧になりたければ、竜宮小僧のようにふるまえばよい」と言います。何事かふっきれた次郎は走り出します。次郎と鶴丸のやりとりを見ていた直盛が寺に来て、南渓に「自分も変わらなければならない」と決意を語ります。

次郎は市場を観察し、商人の水汲みを手伝います。自分は竜宮小僧だと名乗る次郎を見て商人はおもしろがって売り物の饅頭を施し、おとわも勢い良くかぶりつきます。よい笑顔です。

その晩、レンタル僧侶の傑山が直盛の元へ。小野政直が山道を歩いていると、親の仇を狙う刺客が政直に斬りかかりました。
そこへ割って入ったのが井伊直盛と傑山です。

政直を刺客から救った直盛は、この男は親の仇ではないと諭します。刺客に腰抜けと罵倒されながらも、政直を庇う直盛。こうして政直に恩を売った直盛は、直満の領土を半分あきらめるように迫ります。
渋る政直に直盛はもう容赦はしないとさらに迫り、なんとか条件を呑ませたのでした。

慎重で温厚な直盛としては精一杯の賭けでした。彼は鶴丸から父を奪いたくない、とも思っていたのです。左馬助の言う通り、直盛は本当によい父です。
昨年の主人公父は謀将としては素晴らしく、父親としては時折外道でした。今年は父親としては素晴らしく、謀将としては物足りない人物です。

修行中の次郎に、瀬名(後の築山殿)から手紙が届きます。次郎のスタミナ粘り勝ち戦法で龍王丸に蹴鞠で勝った瀬名は、なんと今川家の妻の座を得たそうです。しつこく蹴鞠勝負を挑まれた龍王丸(後の今川氏真)が気の毒です。

次郎は元気はつらつと、鶴丸はますます聡明に、そして瀬名は儚いシンデレラドリームを抱きしめて、育ってゆきます。
しかし、亀之丞の生死は不明なのでした。
芸人の吹く笛の音を聞き、亀之丞を思い出す次郎。元気いっぱいの彼女ですが、胸の底には切ない思いがあります。
それから九年、次郎は成長しました。唄うように読経しながら、彼女は井伊を歩いてゆきます。

 


MVP:次郎(とわ)

こんな子役にけなげな演技させたくらいでMVPには選ぶものか、と思っていましたが蕪を盗んでかぶりつくところで陥落。新井美羽さん、素晴らしかったです。今までお疲れ様でした!!
時点は千賀。きつい女子と言われてからの台詞がずしりと胸に響きました。
先週の佐名もそうですが、井伊家の女性がきつい物言いであったり、何か不満を抱えているような顔をしているのは、井伊家の男性陣が軒並み頼りないからだと思いますね。夢見がちな男とリアリストの女というのが今年の特徴なのではないでしょうか。

 


総評

子役編の締めくくりは、可愛らしい次郎法師の修行場面中心で、先週までの大人のどす黒い事情は若干少なめになりました。
投げ飛ばされたり、蕪にかじりついたり、そんな奮闘ぶり。そして竜宮小僧を目指すという動機付けがメインです。そんなわけで先週までと比べるとちょっと落ちるというか、ほのぼのしているとは思います。

主役である次郎法師のキャラクター性が掘り下げられたのはよいことです。
そこまで頭が回り先を考えているわけでもなく(むしろ聡明キャラは鶴丸)、一日で脱走してしまう駄目なところもあり、盗み食いもしてしまう行儀の悪さもあり、お調子者の一面もあるという、でこぼこして欠点もちゃんとあるところが好印象を持ちました。
やると決めたことを即座に投げ出すところ。妻になれなくても愛する人のために奮闘するなら俄然燃えてしまうところ。こうした点は昨年の型破りヒロインのきりを思い出しました。

そんな元気印の次郎法師が柴咲コウさんにいよいよ交替。

唄うように節を付けて読経する姿にわくわくしましたね。
楽しみといえば、予告の瀬名もでして……「今川様の妻になるの!」から九年を経て般若顔になっていました。一体この人はどんなふうに闇墜ちをしてしまったのか。瀬名の夫となるあの人物も来週は登場します。楽しみですね。

瀬名の後の姿・築山殿は菜々緒さんが演じる


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【参考】
おんな城主直虎感想あらすじ
NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』公式サイト(→link

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