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真田丸レビュー

「黙れ小童、特別展じゃ!」 武者震之助の大河ドラマ特別展『真田丸』レビュー

更新日:

 

こんにちは、武者震之助です。今回は『真田丸』レビューの特別編として、今年の大河ドラマ特別展レポートを書かせていただきます。

大河ドラマ特別展とは、その年の大河ドラマをテーマとした史料を集めて開催される催し物で、都内の江戸東京博物館、ゆかりの地にある博物館が会場となり、今年は東京、長野(上田市立美術館)、大阪(大阪歴史博物館)を巡回します。

もしかすると「大河ドラマ館」と混同している方がおられるかもしれませんので、以下に簡単にまとめましょう。

 

◆特別展
会場:江戸東京博物館(東京)他、ゆかりの地二カ所の博物館・美術館など
開催期間:各会場二ヶ月程度で巡回
料金:会場の特別展料金(1,500円程度)
展示物:ドラマゆかりの史料
音声ガイド・図録:あり
お土産コーナー:あり
今年のサイト:http://www.nhk-p.co.jp/event/detail.php?id=578

 

◆大河ドラマ館
会場:ドラマの舞台となった土地に数カ所(作品によって異なる)
開催期間:どの会場でも放送年、ほぼ一年間
料金:500円程度
展示物:ドラマの衣装、パネル、再現セット、ポスター、キャストのサイン色紙など
音声ガイド・図録:なし
お土産コーナー:あり
今年のサイト:http://ueda-sanadamaru.com/overview/

 

大河ドラマ館はあまり大きな声では言えないのですが、がっかり施設、意外と見るものがない……という声を毎年チラホラと聞きます。

一年限りの箱物ではなく、もっとあとにまで残るものを作って欲しい、などという意見も(ドラマ終了後、一部地元資料館に移す場合もあるそうですが)。見応え、コストパフォーマンスは特別展の方が上でしょう。報道ではドラマ館の方が扱いが大きいのですが、マニア的には特別展こそおすすめです。

大河ドラマ特別展『真田丸』

大河ドラマ特別展『真田丸』2

会場には真っ赤なパネルが飾られ、大型モニターには番組特別映像が流れ、気分を盛り上げます

 

「音声ガイドを借りて、大ばくちの始まりじゃ!」

今回、音声ガイドナビゲーターを真田昌幸役の草刈正雄さんがつとめております。これは借りるしかあるまい! お値段は520円です。

しかし、30分昌幸ボイスが聞こえると思わないでください。あくまで草刈さんはナビゲーターで、メインの解説は藤村紀子さんです。草刈さんの声による解説は、そんなにじっくりとは聞けません。藤村さんの声も聞き取りやすい美声です素晴らしいのですが、ご注意ください。解説のみならず、『真田丸』の劇中に流れる音楽も使われていて、気分を盛り上げてくれます。

大河ドラマ特別展『真田丸』3

結構短いんじゃ、昌幸ボイスは

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「いよいよ展示の始まりじゃ!」

音声ガイドイヤホンを耳にセットし、展示室に入ります。いよいよ展示の始まりです。

今更説明するまでもないとは思いますが、念のため書きますと、真田信繁の生涯をたどる史料が時系列にそって展示されているわけです。

最初の方には、前半部は武田信玄・勝頼の二代にわたる武田家の品もあります。武田二十四将図、川中島合戦屏風、武田勝頼・同夫人・信雄画像などなど。この武田勝頼一家の肖像画を見て思わずちょっと涙ぐんでしまったのは、やはりドラマの影響があるでしょう。

私が日頃史料を見るときは淡々としているのですが、感情を動かされ、描かれた当時の人々のことを想像してしまうのは、それだけドラマそのものの力があるのだと思いました。毎年開催する大河ドラマ特別展ですが、資料の内容以上にドラマの出来や鑑賞者のドラマへの情熱が見終えたあとの満足感を左右するのではないでしょうか。こうした史料は、長野県まで行かなければ見られないものが多いので、まとめて見られるのはよい機会ですぞ。

そして展示物は徐々に「天正壬午の乱」へ。領地変遷パネルがあるのですが、ここで改めてこの複雑怪奇な国盗りをきっちりと、エンタメに昇華させた本作はすごいんじゃないかと。もう、このへんはぐちゃぐちゃです。ぐちゃぐちゃ。

 

さらに進むと、関ヶ原へと向かってゆきます。

このあたりから真田関連のみではなく、石田三成の書状や「直江状」が出てきます。石田三成の書状は、昌幸・信幸・信繁三者に宛てたものが展示されています。三成と真田家のつながりはもちろんのこと、何としても味方を増やしたい三成の苦悩がわかります。さらに第二次上田合戦に参加した秀忠所用の扇なども。

殺伐とした合戦に関するものから、一転して華やかな展示物が。真田家ゆかりの女性が愛用した品々です。

この分類で一番多く残っているのは、信幸正室である小松殿愛用の食器や懐剣。国立博物館に所蔵されている大名家の姫君愛用お嫁入り道具と比較すると、素朴ではあります。それでも十分美しく、また保存状態も良好です。藩祖正室愛用の品として、きっと大事にされてきたのでしょう。小松殿といえば勇猛果敢なイメージが先行しがちですが、美しい食器を愛する女性でもあったのですね。

そこから進みますと、蟄居中の昌幸・信繁父子の貧乏生活ゾーン。「焼酎を送って下さい、蓋をしっかりして下さい」という文言が記されたもの、体調が悪くなり弱気になっているものなど、信繁のわびしい蟄居生活がわかる書状が続きます。

 

そしていよいよ大坂の陣ゾーン。

きらびやかな豊臣時代の大坂図屏風が目を引きます。そこにあるのは破壊される前の大坂城です。明日をも知れぬ命の中、信繁が姉に宛てた書状からは死を覚悟した悲愴な覚悟が伝わって来ます。

戦場の生々しさが伝わってくる展示物も。フランキ砲、鉄盾は実戦で使用され、かつ戦国のしめくくりを飾った武器です。展示のはじめに、鉄砲が威力を見せ付けた長篠の合戦屏風がありました。あれから四十年、飛び道具はフランキ砲にまで進んだわけです。城址から発掘された皿には繊細な絵付けが施されており、持ち主をしのばせます。この皿を使っていた人は、戦場でどうなってしまったのでしょうか。

頭蓋骨が損傷した戦死者の遺骨も。この骨は二十歳前後の若武者のものです。生前の彼はどんな人物であったかはわかりません。わかるのは、彼が脳天をずたずたに斬られ亡くなったことのみ。戦いの凄惨さが時を超えて伝わって来ます。

そして審神者(さにわ)の皆さんが見逃せないのは、脇差骨喰吉光模。この骨喰藤四郎見たさに訪れた人も多いのでは。

最後の一角は、真田信繁が幸村として、伝説になり昇華されてゆく過程が転じされています。『難波戦記』、『真田三代記』などの講談では、だんだんと荒唐無稽になり、しまいには秀頼とともに薩摩に落ち延びる幸村が描かれています。失意の中戦場に馳せ参じ散った男は、庶民の願望を一身に集める英雄となっていったのです。

展示物の最後を飾るのは月岡芳年の錦絵です。会場を出ると、出演者が満面の笑みを浮かべる『真田丸』ポスターが。真田伝説はまだまだ続く、と言われている様な気分になりました。

 

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「土産じゃが、えらいことになった!」

展示会の外はお土産コーナー。元々真田は戦国グッズナンバーワンの人気武将です。

上田紬グッズ、六文銭チャーム、トートバッグ、ポストカード、ノート、ふせん、落雁、羊羹、コーヒー、スナック菓子、蒔絵シール、侍箸、ダンボール甲冑シリーズ、マニキュアなど、もりだくさん。戦国グッズ好きにはたまらない品揃えです。

真田家って人気があるから既にグッズが多数ありますし、赤と黒という色あわせで展開できますし、なんといっても六文銭が図案化しやすいから、グッズ向けなんですよね。戦国グッズ仕入れのために来るのもありなのでは。

 

そんな中、審神者(さにわ)の皆様が殺到したのか、骨喰藤四郎関連グッズは既に完売しておりました。人気の高さを感じます。

個人的にツボに入ったのは「熟考ブレンド まったくわからん」。

長考する時に向いているそうです。どういうことかまったくわからん、と言いたくなりましたが、プロがそう仰るならばそういうことなんでしょう。こういう遊び心あるお土産がうまれるのも、ドラマでキャッチーな台詞が多いからなんだと思います。

もうひとつ「真田家のおやつ」シリーズ。

夏の陣だけにナッツか……ダジャレですか。

総評「わしゃ決めた! 特別展に行く!!」

いかがすべきか、特別展行くべきなのか、とくじ引きしたいほど決めかねている方。行って損はありません。ドラマの世界をより深く理解し、序盤の展開を反芻し思いにひたり、耳元からは昌幸ボイスを聞く至福のひととき。さらにはネタとして楽しめるお土産まである。これを行かずしてどうしろと言うのでしょうか。

と、北条氏政に上洛をすすめるくらい強引なコメントでしめさせていただきます。東京の方、会期終了の6/19まであと少しです。上田、大阪の方、これから是非ともおでかけの候補地に。皆様も体感できる『真田丸』を是非とも楽しんでください!

 

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文:武者震之助

 





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