真田丸レビュー

『真田丸』全50話の感想レビュー38万字を一挙公開!

更新日:

 

第16回「表裏」 茶々NOTEに書かれたらおしまいや!

こんばんは。今年の上田真田祭りのゲストがとてつもなく豪華であると話題になっています。

http://www.uedade.jp/travelguide/festival/uedasanadamatsuri

真田昌幸役〉 草刈正雄氏
〈高梨内記役〉 中原丈雄氏
〈堀田作兵衛役〉 藤本隆宏氏
〈真田信尹役〉 栗原英雄氏
〈小山田茂誠役〉 高木 渉氏
〈与八役〉 今野浩喜氏

こ、これは!

たまりませんね。観光の貢献しております。草刈さんは中川大志さんとともに九度山の祭りにも参加するそうですぞ。参加者がSNSで流している写真を見ると、本当に楽しい祭りになったようです。

目次

目次

マイナーな人物に光が当たるのは大河の良きところ

さて今週のニュースから。

信州人・軽快問答:松代真田家十四代目当主・真田幸俊さん 中3で家継ぎ焦りも /長野 – 毎日新聞

http://mainichi.jp/articles/20160419/ddl/k20/040/072000c

彼の大学の先生が家臣の子孫だった、という話は何度読んでも面白いです。

そして今週の「黙れ小童」案件です。

大河ドラマ「真田丸」 歴史ファンの批判受けNHKトップの“現場介入”浮上

http://www.tokyo-sports.co.jp/entame/entertainment/532188/

問題はこの箇所です。

「上杉景勝と人質の信繁(幸村)が仲良く語り合うのはドラマである以上、目をつぶるとしても、局にはもっともっと細かい演出について批判が届くようになっ ています。史実を変えることはできませんので大きな脚色はしていませんが、町娘が飲み屋でワインを飲んでいたり、徳川家康が必要以上に優柔不断だったり。 最近、歴女といわれる歴史ファンの女性も増えてきましたが、そういうファンからするとコメディー要素が強すぎるみたい。戦国時代を必死に生きた武将たちの 緊張感が伝わってこないという気持ちがあるようです」(NHK関係者)

これ、NHK関係者ではなくて、女性セブンの記事の受け売りですよね。

町娘が立ち飲み屋でワイン? 歴史学者語る大河『真田丸』の違和感

http://jisin.jp/serial/%e7%a4%be%e4%bc%9a%e3%82%b9%e3%83%9d%e3%83%bc%e3%83%84/social/23675

東スポさん、ろくにドラマ見ないで記事書いているんじゃないかな、という疑惑が。歴女のせいということにしておりますが、女性セブンで批判している方は男性だと思うんですけどね。

ただし先週の視聴率が18パーセントを超えるほど好評であるためか、毎年恒例「視聴率テコ入れのために女優の入浴シーンを」という記事は、今のところないようです(『精霊の守り人』の方で使われているようですが)。

こちらはよい「小童」案件。

長野)室賀氏の墓訪ねる 京都から本家の家族:朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/articles/ASJ4L358HJ4LUOOB008.html

(北陸六味)西村雅彦さん 「室賀ロス」実は私かも:朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/articles/ASJ443TVNJ44PUZB00B.html

こんなふうに、ドラマをきっかけにマイナーな人物に光が当たるのはよいことですね。

間違いなく序盤イチのキャラクターでした

間違いなく序盤イチのキャラクターでした

 

お気楽な会社員どころかフツーにブラック企業なんでは?

さて本編です。信繁の大坂城ライフは転換期を迎えます。

上杉景勝の供としてついて来たはずが、その景勝が越後に戻ってしまいました。さらに今後、徳川と戦になったとしても、上杉は真田を助けないと言い切る秀吉と三成。信じられない事態に驚愕する信繁。ここで先週の「景勝の苦い一杯」の意味がじわじわと効いてきます。

秀吉は信繁を馬廻衆に加えます。なんでも一名欠員が出たそうです。こうして秀吉は、やすやす人質兼手駒として信繁を手に入れたのでした。ここで信繁はきりに上田に戻れと言うのですが、きりは一緒にいたいのにと大反発します。ここまではっきりと、ヒロインが自分の言いたいことを言うのは、いっそ突き抜けた爽快感がある……かもしれません。

馬廻衆は、親衛隊のようなもの。ここで信繁は立花権三の交代要員とわかります。何でも元気だった権三は頓死してしまったようなのですが。確か彼は、先週茶々と目が合っていた美男子ですよね。オリキャラなので、早々に死ぬのかもしれないと思っていましたが、こんなにあっという間とは。

信繁の上司は平野長泰という男でした。片桐且元と旧知の間柄のようですが、陰では且元を「抜け作」呼ばわりしています。この長泰、えらそうなわりにあまり仕事はできなさそうというか、やる気がないというか。

ここで信繁は、権三の死因を長泰に尋ねます。彼曰く、加藤清正が権三を井戸に突き落とし、殺したのではないかということ。動機は茶々と仲の良い権三に嫉妬した秀吉の依頼ではないか、ということです。なんだこのブラック職場は! 堺雅人さんが「お気楽なサラリーマン生活です」とインタビューで説明していましたが、むしろこれはヤクザなのでは……? これはミスリードです、まったくもってお気楽じゃないから!

堺雅人「真田丸」大坂編は「コネ入社の楽しいサラリーマン生活」

http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2016/04/06/kiji/K20160406012351880.html

それにしても茶々は、とんだ猛毒の棘を持つ花ですな。

 

 

秀吉は堺の千利休から、輸入品を買い求めます。秀吉はどうにも美的感覚に乏しいようですが、彼の甥であたる秀次はセンスがあるようです。

秀次の見立てで、秀吉は華やかな若い娘向きの帯、落ち着いた年配女性向けの帯を購入するのでした。先週の時点では無能のように思われた秀次ですが、少なくとも美的センスは優れているとわかります。頭が悪いというよりも、自分が興味関心を見いだせないものにはまったく学ぶことに身が入らないタイプかもしれません。政権の後継者ではなく、そこそこの役職だったら幸せになれたのかも。太平の世では、こういう心優しくて芸術センスに秀でている君主は、それなりの君主になったりするものです。

秀吉は早速、妻の寧に秀次が選んだ帯をプレゼント。寧はどうせ秀次がみつくろったんでしょう、と見抜いてしまいます。秀吉は何だよう、なんでだようとちょっとすねて見せます。

寧の居室で信繁が目にしたのは、チャッカリと寧付き侍女になったきりの姿です。きりちゃん、空気が読めないようでちゃんと就職先を見つける才覚あるんですね。二人の様子を見た秀吉は「ん、おまえらできてんの?」と信繁に言います。そりゃ、あれだけのセクシー美人ですからね。秀吉や秀次ならとっくに手を付けていることでしょう。

秀吉は寧に、まもなく九州征伐で諸大名の妻が人質として大坂にやってくる、その世話を頼むと言います。さりげない会話で、西国は毛利、長宗我部も支配下に置かれ、あとは九州のみだとわかります。

寧はとまどいつつも、夫の頼みを引き受けます。秀吉は寧に抱きついて大喜び。これには三成、信繁も目のやり場に困ります。それにしても鈴木京香さんの寧がしっとりとして気品があって、実によいのです。彼女は急激に出世した羽柴一族の中でもちょっと異質で、ちゃんと出世に気品が追いついているのです。上品さと庶民性を両立させられる鈴木さんの演技が光ります。

 

茶々の笑みは死のフラグ! デススマイルに気をつけよ

さらに秀吉は、若い娘向けの帯を茶々に贈ります。天真爛漫な茶々は大喜びしたまではよしとして、それを信繁に見せ付けに行きます。

この天真爛漫さが、毒を含んでいて何とも怖い。

そういえば竹内結子さんがインタビューで信繁と茶々のちょっとしたロマンス云々言っていましたが、これはラブコメどころかホラーサスペンスですから。

竹内結子:大河初出演 「真田丸」版・茶々は「ボディータッチ多めで」

http://mantan-web.jp/2016/04/17/20160416dog00m200030000c.html

この場面で茶々が「そういえば権三が死んだって本当? 井戸に落ちたの? ちょっとがっかり」と軽く言うのも怖いです。BGMもおどろおどろしい。この茶々の笑みは死をもたらす笑みです。

長泰は馬廻衆詰め所で信繁に「茶々様がらみで死んだのは権三が初めてじゃないぞ。死んだのは三人目、気をつけろよ」と告げます。助言というより、おもしろがっている感じもします。

 

これでも「賤ヶ岳の七本槍」と称された平野長泰

信繁は三成と二人きりになると、このゴシップ好きな駄目上司・平野長泰について尋ねます。

三成曰く、長泰は賤ヶ岳七本槍の一番残念な人、とのこと。さらにここで三成、検閲済みの信繁書状を彼に突き返して「何でもかんでも家に書いて送るな」と釘を刺します。まあ、そうなりますよね……信繁を切り札として大坂の動きを探るという真田の作戦は、完全に空回っています。三成は、これからは秀吉の許しがない限り、大名は戦ができないと宣言します。

こうした関白による停戦令は、少し前までは「惣無事令」として表現しました。現在では諸説があるため、停戦する命令はあったとしながらこの言葉は使わないようです。

信繁は三成から城の見取り図を書き留めず暗記せよと、命令されます。信繁から襖一枚隔てて、三成と吉継が堺について何やら語りあっています。どうやらこの二人は、堺の強力な商人たちを掌中におさめたいようですが、その障壁となるのが千利休とのこと。堺の商人のトップにありながら、さらに秀吉ともパイプがある。利休経由で商人の要求が秀吉に伝わってしまうわけで、これが邪魔になるわけです。利休の周辺は、今後きな臭くなりそうです。

馬廻衆詰め所では、また長泰がゴシップを信繁と話そうとします。そこへ茶々の乳母・大蔵卿局がやって来て信繁を呼び出します。こ、これは怖い!

 

ブラック企業羽柴コーポレーションで唯一マトモな男が登場

信繁はびくびくしながら茶々の元に向かいます。

なぜ、茶々は気に入っていた権三の死を悼まないのか。と信繁が大蔵卿局に尋ねると、茶々は哀しむのをやめたのだという説明が。茶々の生い立ちは作中では語られませんが、有名な話ですので視聴者の補完に任せているのかもしれません。

茶々は信繁に妻が居ないのかと尋ねたり、帯をつけたところを見せ付けたりして、距離を縮めようとします。

信繁は必死で逃げようとします。

さらに信繁は「このことは関白殿下にはどうか内密に」と念押し。茶々は大事ない、任せてと笑顔を見せますが、この軽率そうな姫君をどこまで信じてよいものでしょうか。これはもう小悪魔どころですまされない、だってあの魔王の姪ですからね。

信繁は茶々の部屋からの帰り道、権三殺害現場の井戸をじっと見ます。ヤバイ、この職場ブラック、と悩んでいると背後になんと、権三殺害容疑のかかる加藤清正登場! おまえも権三と同じようにしてやろうか、と襲いかかってきます。

とっくみあいになり善戦した信繁ですが、やがてつかまれ井戸にオトされそうに……。そこを間一髪止めたのは、豊臣秀長(秀吉の弟)でした。地獄に仏とはまさにこのこと。ブラック企業「羽柴コーポレーション」で唯一まっとうな役員が助けてくれました。

秀長は、うちには生まれながらの大名がいないんだ、どうにも出世と気持ちがついていかなくて、と気さくに語りかけてきます。この人がいなくなったらこの一族はぶっ壊れるという、穏やかな説得力があります。秀長は「ああ見えても清正は悪い奴じゃないから」とかばいますが、気に入らない奴を井戸に落とす奴をそう言われても、ねえ。ブラック企業ほどアットホームだと強調したがるとも言いますが。

 

 

その頃浜松城では、本多忠勝が愛娘・稲に薙刀指導をしていました。先週出てこなかっただけで、随分長いこと徳川家を見ていなかった気がします。

そこへ家康がやって来ます。主君に愛娘を紹介する忠勝の目は、もうとろけるよう。「武器を持って走ったらいかん、転んでこの美しい顔に怪我でもしたらどうする!」と、もうメロメロ。娘が可愛らしくて仕方ない様子の忠勝です。大坂城のブラックぶりを見たあとだと、この素直な愛情表現は癒やしです。オアシスです。

正信に促された家康は、秀吉の許可を得たら真田討伐だと宣言します。ここで稲も、真田討伐に行きたいと張り切ります。これには家康も、「その心意気だけで十分」と笑顔。似たもの父娘ですね。それにしても、真田を叩き潰すと意気軒昂な稲を嫁に迎える人物のことを考えると、ちょっと何とも言えない気分に。

ここで上田情勢。真田の面々は家康の動きを警戒しています。

大坂編になってから上田の場面を見ると、それまではそうでもなかったのに、急に時代遅れで取り残された田舎のように思えてきます。スタッフの狙い通りでしょうね。

昌幸は、ここは上杉の援軍頼みだと言います。そこへ高梨内記が、上杉からの書状を持って来ます。なんと上杉は、援軍を断ってきました。

「ありえん! 上杉とは堅い絆があったのに!」

って、今更お前が言うな、昌幸さんよ。思わず画面に突っ込みました。

これでもう、真田は四面楚歌です。信繁青春編、ドラマの春のパートで散々策を弄し、生き残りを図ってきた真田家。そのためならば冷徹な謀殺も厭わなかった真田家。それが時流の読みを間違ったために、絶体絶命のピンチです。上田合戦での勝利も、ファインプレーに過ぎなかったのでした。

 

 

ここでいつも正解をさらりと言う信幸は、家康は秀吉の元についたのではないかと言い出します。さらに信幸は「父上がさっさと上洛しないからこうなるんだよ!」と怒ります。これはまさに正論です。信幸は、こうなったらもう最後の頼りは信繁だと言うのですが、その信繁がそれどころではないことは、視聴者としてはわかっているわけです。

信繁は秀吉に呼び出されます。長泰は「お茶々様の件だな、お前もう死ぬな!」と煽ります。

しかし秀吉の用件はそうではなく、家康から真田攻めの許可を求めてきたことについてでした。この家康の書状は本心なのか、信じられるのか、と尋ねる秀吉。信繁はこれは家康の本心ではない、家康を信じてはいけない、これは全て真田に勝つための算段に違いないと言います。

三成は冷たい目で「真田を守るための詭弁でしょう」と言い返します。秀吉は穏やかな口調で、ここは信繁の言うことに一理あると認めます。家康に一杯食わされるところだった、と秀吉。信繁はほっとするのですが、果たして。

真田攻めはなくなったと安堵する信繁。馬廻衆の詰め所で秀吉は人の話を聞くから素晴らしいと感心していると、片桐且元がやって来ます。浜松に使者として行くから、天候を教えてくれとのこと。

且元はここで「おぬしにはつらいことになったけど、これも戦国の世の定め」と言い出すので驚く信繁。且元の口から、真田攻めになると知った信繁はパニックに陥り「今、徳川に攻められたら真田はひとたまりもありません!」と叫び駆け出します。なんとか秀吉と三成と話しをしたいと城を歩き回る信繁ですが、誰の影も見かけません。そんなとき、信繁の目の前にあらわれたのはにっこりと微笑む茶々でした。彼女を鋭いまなざしで見る信繁。彼はこのジョーカーを、大ばくちに使う気でしょうか。

 

今週のMVP

平野長泰。なぜあの賤ヶ岳七本槍でありながら、ここまで彼は影が薄いのか。どこで他の面子と差がついたのか。もうきっちり説明できているではありませんか。ゴシップ好き、やる気なし、部下が厄介ごとに巻き込まれるとどこかうれしそうで、上司=片桐且元の悪口をぬけぬけという。こういう奴どこの職場にも一人くらいいそうです。ここまで無能でどうでもよい人物だからこそ、生き延びることもできるのかなと思えました。ギスギスした黒い大坂城で、ちょっとだけ息抜きできるのは彼の出番くらいです。

次点は、これから活躍の局面がありそうなので保留にした羽柴小一郎秀長で。この時点で、彼の不在が豊臣政権を悪い方向に導くという未来が見えました。

 

総評

 大坂編に入ってから、ますますギアが入り、本領発揮のおもしろさが出てきました。合戦よりも室内で会話している方が面白いというのが、三谷さんカラーの気がしますが、本当にこの室内で顔をつきあわせてごちゃごちゃしているのが実に面白いのです。

そしてちらちらと小出しされていた、大坂城内部のブラックぶりがいよいよ表に出てきました。悪意なく気に入った相手を追い詰める、毒を持つ花の茶々。お気に入りの者が死んでも哀しまないという設定も、不気味です。秀吉の意志を先回りして必殺仕事人をしている加藤清正。残酷ではありますが、秀吉本人に目を付けられたら。ターゲット家族まで巻き込まれるからと先回りしているのかもしれません。それでも十分恐ろしいんですけどね。

そしてやっぱり秀吉が怖い。

「表裏」と言えば、まず昌幸の顔が思い浮かんでいたわけですが、秀吉の表裏使い分けが見事すぎて、むしろ昌幸の策が子供のお遊戯レベルに思えてきたという、この恐ろしさ。あれだけわくわくしながら見てきた、昌幸の智謀すら全国レベルの権力者の前ではすっかり輝きが失せてしまっています。

昌幸や信繁が考えた策はまったく通じず、歯が立たないまま跳ね返されてしまいます。ここまでうまく、ほぼ会話劇なのに秀吉の強さ、怖さを描いたというのはやはり今年の大河、うまいです。

運命の女・茶々も表裏のある人物です。軽いと批判されていた彼女ですが、今回からはむしろその軽さが恐ろしさにつながっているとわかり、見ていて本当にぞっとします。恐ろしいヒロインです。こんなヒロインを見ていると、表裏がないきりがマシに思えてくるかもしれません。

来週以降も、新キャストが投入されておもしろい展開になりそうです。清水ミチコさんの旭も、シルビア・グラブさんの出雲の阿国も、そう来たかとうなるセンス。実に楽しみです!

第17回「再会」 秀吉のお母ちゃん&姉ちゃんの人質が絶妙すぎるだでぇ!

こんばんは。先日の上田真田祭りが盛り上がったようです。

◆「安房守ぃー」草刈さんに歓声 上田真田まつりで武者行列 | 信濃毎日新聞[信毎web]
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20160425/KT160424FTI090007000.php

ニコニコ超会議も盛り上がったとか。

◆[ニコニコ超会議2016]哀川翔「超・真田丸」ブースで後藤又兵衛の甲冑姿披露 13年ぶり大河への思い語る | マイナビニュース
http://news.mynavi.jp/news/2016/04/29/138/

◆草刈正雄「Twitter実況のみなさん、愛してます」 ファンへの感謝と真田丸にかける思い
https://www.buzzfeed.com/hikaruyoza/kusakari-sanadamaru?utm_term=.wymzgkPbJG

それにしても今年は、大河叩き報道が少ないです。現場のチームワークも抜群のようです。

◆「真田丸」作兵衛役 藤本隆宏が明かした視聴率好調の秘密
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/180588

 

 

そんな盛り上がる連休の中、今週の放送がスタートします。

今回は真田絶体絶命の危機から始まります。先週のラストでは信繁が茶々に何か頼むかと思いましたが、ミスリードだった模様。

上田の昌幸らは、いよいよ今度こそ真田を全力で潰しに来る徳川勢を迎え撃つ準備を勧めています。信幸は、弟の信繁は何故手紙を寄越さないのかと訝しんでいます。

ついに登場! 主役感、満載ですw

 

秀吉は大名の官位をあげるよう、朝廷に頼んで来たそうです。官位に差があると配下の者たちが同席もできなくて寂しいからだそうで。こういう台詞を聞くと、秀吉はフレンドリーな上司に思えるのですが……信繁は秀吉を、何故徳川の真田攻めを許したのかと問い詰めます。

しかし秀吉も三成も、信繁必死の訴えをことごとくスルー。秀吉は信繁に「おもしろいもの」を見せてやるからついて来るよう促します。

浜松城では、秀吉の使者である片桐且元が「表裏比興の真田昌幸を成敗し、首を刎ねよ」という秀吉の有名な書状を読み上げます。且元の存在に反応しているのが本多忠勝です。名高い賤ヶ岳七本槍に会えて嬉しいと語る忠勝と、忠勝が褒めるほどの武者に見えない且元の対比が笑いどころでしょうか。

秀吉は信繁に、出雲の阿国の舞を見せます。信繁はそんな気分ではないと固辞しますが、ここで秀吉がネタばらし。家康の顔を立てるために真田攻めを許可したけれども、すぐ中止を命令するとのこと。気の毒なのが、腹芸ができないから、という理由でこのからくりを知らされていない片桐且元でしょう。

そしてここで阿国の舞が始まります。

阿国を演じるのはシルビア・グラブさん。踊りのプロだけに踊りの動きは美しく、また小道具、衣装、舞台装置、照明、どれをとってもこだわりが感じられます。この凝った舞台すら、秀吉と信繁の会話の背景にしか過ぎません。秀吉は茶々が信繁を気に入っていることを見越し、信繁に茶々に変な虫がつかぬよう監視しろと命令します。これまた胃痛がしてきそうな役割です。

信繁は舞う一団の中に、よく見知った顔を見つけます。なんと、本能寺の変ののち、明智の軍勢に追われて琵琶湖の断崖から身投げした姉の松ではありませんか!(第六回)

 

 

夜明け前の浜松城では、就寝中の且元の元に本多正信がやって来ます。家康は秀吉による真田攻め中止令を且元に突きつけ、一体どういうつもりかと怒ります。ああ〜、且元さんの胃壁が削られる!

且元を怒鳴りつけた家康ですが、ここはなんとかぐっとこらえます。秀吉の底意地の悪さに怒り心頭。面子を潰された家康は、秀吉に応じて上洛はしないと正信に言い切ります。それにしても家康、随分と大物感が出てきています。

家康をたしなめる重要な役どころ・本多正信さん

上田では、徳川が攻めてこないと知って、昌幸が命拾いしたと安堵しています。新しき策で迎え撃つと言い切っていたのは、ただのハッタリだったようです。

ここで昌幸今週の勘違い劇場開始。「きっと真田を買っているんだ! 上田をさらに鉄壁の城にするぞ!」と言い出します。ひとり状況を正確に読む信幸は、上洛した方がよいのではないかと言います。昌幸は「粘れば粘るほど真田の価値は高まるぞ!」と哀しいほどの勘違いをします。信幸のあきれきった目つきが辛い……。

寝所に戻った信幸は、これで大丈夫なのかと妻のこうに愚痴をこぼします。鏡をじっと見つめるこうは、口元に熱のはな(口唇ヘルペス)が出ていないかと尋ねます。信幸は心配そうに妻の口元を見て、「あまり触らないほうがよいと思う」と返します。ここで甘えるように信幸にしなだれかかるこう。それにしてもおこうさん、すっかり健康になりました。ちょっと下世話な話ですが、登場当時の彼女はあまりに病弱過ぎて、到底世継ぎを作ることはできそうになかったんですよね。それがだんだんと回復しているのですが、これは何かの伏線でしょうか。

霜月けい真田丸真田信幸

 

 

茶々のお目付役となった信繁は、相変わらず天真爛漫な彼女に振り回されます。この場面で茶々は、寧が植えた茄子を引っこ抜いて来ます。茄子は「成す」に通じることから、反映の象徴とも言われています。その茄子を茶々が引っこ抜くというのは、何かの象徴かもしれません。

秀吉は家康が上洛しないことに動揺。三成は人質を出したらどうかと提案します。既に秀吉は妹の旭姫を家康に嫁がせ、人質としています。となると、妹以上の価値がある人質が必要となります。もはや残っている旭以上の人質は、実母・なかのみ。秀吉は母に頭を下げて頼みこみ、なかも承知するのですが、寧や秀長は猛反対します。

秀次は物見遊山気分で行けば、と能天気なことを言い出します。秀次って、空気を読めているのか、読めていないのか。この場面は山田昌さんの演技が絶品過ぎて圧倒されます。とりが昌幸の頰を撫でる場面はかなり悩んだそうですが(第二回)、秀吉は大げさな仕草で母に抱きつきます。

演出や台詞回しが軽いと批判される本作。男性は時代劇らしいのに女性は現代劇と言われますが、その理由は公の場と私的な場を分けているからとのことです。男性がちゃんとしていて女性がだらしないのではなく、男性の方が公的な場に出ることが多いので、そう見えるわけです。

例えば女性でも、家康とその重臣と話す場面の多い阿茶局は序盤からかなりキリッとした言動でした。反対にバッシングの的である「きり」は、私的な場での出番が多くなっています。きりと比べて梅がしっかりして見えたのも、彼女と信繁の間には身分の差があったからでしょう。身分の差を意識していないきりとの会話では、梅もかなりくだけた言動をしていました。

このようにTPOにあわせた行動を取る本作において、秀吉はかなり奔放に振る舞っています。彼自身の出自もあるでしょうし、貴人であるからこそ周囲に対して無礼であることを恐れずに振る舞えるのでしょう。また、彼の訛りが出る場面は、家族や親しい人と話す時が中心です。彼の言葉使いでもどれだけ相手に心を許しているかある程度わかります。

今回のミッションは信達の調略!

 

 

信繁は、寧の侍女となったきりからこの人質について報告を受けます。そこに茶々がやって来て「二人はいい仲?」と聞きます。信繁は茶々を追い払うためなのか、咄嗟にこの問いかけを肯定してしまうのですが、そんな策すら気づかずニッコリするきりが気の毒ではあります。

ここでの茶々、相変わらず何を考えているのかわからない、ちょっと怖いリアクション。そこへ三成が信繁を呼びに来て、とりあえず茶々の前から退出できることに。ホッとする信繁なのでした。

三成は、家康が人質をどう扱うか信繁に確認するのでした。信繁の祖母・とりが以前家康の元で人質として囚われていたため、聞きに来たようです。三成も彼なりに、なかの身を案じているのです。家康が人質に危害を加えることのないよう、念には念を入れるわけです。

そこへ清正と正則のヤンキー子飼いコンビ登場。

「おめえ、なか様を人質にするとかナメてんのかあ?」

と三成にくってかかる二人。まるで不良高校生のようです。

吉継は「これは殿下(秀吉)の意図なんだから、三成にくってかかるのは筋が違うよ」とフォロー。しかしそれでも清正らは「殿下の意向だあ? どうせ三成が焚きつけたんだろ? この冷血野郎がよお!」と怒り狂っています。正則が「俺が人質になるってばよ!」には「お前にそんな価値はない」と冷たい三成の切り返し。この場面に、のちの関ヶ原の伏線が張り巡らされていますね。

ちなみに三成を演じる山本耕史さんは、三成の「人を不愉快にさせる何かを持っている演技」として、目を合わせないということを心がけているそうです。

ヤンキーコンビが出ていったあと、信繁は「ツンツンしていないで大政所を守るつもりって言えばいいのに!」と三成に言います。三成はツンツンしながら「別にあいつらに好かれても仕方ないし。バカと話すと疲れる」と吐き捨てます。ああ三成、おお三成、見ていて切ない! 彼のツンデレぶりは、同じタイプの兼続、親友の吉継、本音を知った信繁あたりしか理解できないのでしょうか。

真田丸直江兼続霜月けい

 

 

一方、浜松城の家康は、秀吉が実母を人質に出すことに驚愕します。しかし本当に母親かわからないではないか、と家康が言うと、正信は顔がわかる人がいますよ、と言います。その人とは、家康の継室となった旭姫です。この旭の輿入れは、あっさり会話で済まされておりまして。ここでその旭が出てくるわけです。

清水ミチコさんが強烈な存在感で、旭を演じます。

家康はなんとか妻の機嫌を取ろうとするのですが、旭はむすっとした顔のまま扇で口元を隠し、阿茶局経由で話すのみ。家康は「事情はどうあれ夫婦なんだから」と歩み寄ろうとしますが、旭は取り付く島もないのでした。家康が「せめて笑ってくれないか」と頼んでも旭はむすっとしたまま、阿茶局経由で「これでも笑っている」と返すのみ。

この旭姫というのがなかなか悲劇的な人物で、夫と幸せに暮らしていたところを、政略結婚のために兄から無理矢理離縁され、家康に再婚させられてしまいます。その心労もあったのか、その僅か数年後には世を去ることに。秀吉の出世は周囲の者を幸福にしただけではなかったのです。

そしていよいよ、なかが浜松に到着。旭は母に駆けよって抱きつきます。扇で口元を隠していた仕草とはうって変わって、彼女の出自がわかる所作です。この場面から、秀吉に振り回されその出世についていけない家族、振り回される像が見えてきます。家康はなかと旭の母娘対面を覗き見て、なかが本物だと確認。これは上洛するしかないと腹をくくるのでした。

真田丸徳川家康霜月けい

 

 

信繁ときりは、阿国一座にいる藤の髪飾りをした踊り子をじっと見ています。そのお藤という女こそ、松そっくりな踊り子なのでした。阿国の舞踊指導では、丹田に力を入れろと言います。これがのちの伏線となります。

阿国は、元は出雲の巫女だったのが、いつの間にか舞踏集団になっていたと信繁に説明します。この場面で阿国は、きりに踊りのセンスがありそう、くるっと回ってみてと言います。ここできりがぎくしゃくと無様に回ります。この長澤まさみさんの、プログラムが間違ったロボットみたいな動き! 阿国は勘違いだったと即座に言います。何だかんだで、長澤さんはきりの残念さをよく演じていると思うんですよね。

阿国に頼み、藤の髪飾りの踊り子に会う二人。阿国は身寄りの無い女性を踊り子にしているから、記憶喪失の松を拾ったというのはありそうなことです。藤の踊り子は二人を見て、人違いだと笑って去って行きます。阿国の言う通り、他人のそら似なのでしょうか。

真田丸松霜月けい

その夜、信繁が書状を書いていると秀吉と三成がやって来ます。秀吉は家康が怖いから、前の日に会ってリハーサルをしたいと言います。いやいやいや、そんなわけはないと思いますが。

秀吉の真意はともかく、信繁に頼んで家康と会いたいと言いに来たのでした。

 

 

信繁と再会した家康は、当たり障りのない話を始めます。

しかし上田合戦の話になると、家康はピキピキピキ……明らかに怒っているのがわかります。内野さんの細やかな演技が光ります。信繁は秀吉が会いたがっているという本題を切りだします。

そこで信繁の後ろに控えていた秀吉がサプライズ登場! 驚き「うわああ!」と叫ぶ家康です。

ここで秀吉は、家康相手に明日のリハーサルをし出します。秀吉の一方的な要求に、「芝居は苦手じゃ……」と若干引き気味の家康。信繁は大まじめに、「丹田に力を入れて深呼吸すればいいよ!」と阿国からのアドバイス。そういう問題なのでしょうか。

秀吉は家康のとまどいをよそに、陣羽織を要求するパフォーマンスを家康に要求。どんどん複雑化する脚本にますます困惑する家康。有無を言わさず迫る秀吉。腹をくくったのか、家康は承諾します。その間でニコニコ笑顔の信繁。この手を握って笑う秀吉と家康、徳川北条同盟以来の意見一致場面です。

信繁は三成から今夜のことは他言無用と念押しされ、さらに没収されていた手紙を返されます。信繁の手紙も、信幸の手紙も全部没収済みでした。これでは連絡が取れないわけです。

三成は「お前一人で騒いでいたけど、俺の言った通り徳川の真田攻めなんてなかっただろ。もっと物事の裏を読め」と信繁にアドバイス。さらに「薄っぺらい小僧のくせに、上杉や徳川に取り入って殿下に気に入られるなんて。何者だよ」と主人公持ち上げっぽい台詞を言います。

この典型的な主人公を持ち上げる台詞が例年ほどいやらしく聞こえません。史実でも足跡がよくわからない信繁が、確かに上杉や豊臣に気に入られていると思われる要素があること。謎めいた生涯であったにも関わらず、日本一の兵と評され四百年の間伝説の英雄であったこと。こうした裏付けがあるから、この台詞も納得できるのです。

 

 

次の場面は、信繁に書状を書く信幸です。

昌幸は信幸が諫言してもまったく聞かず、上洛する気ゼロ!「秀吉が滅びる日も近いぞ!」とか言い出します。

これはもう駄目です。信幸の焦りもわかります。信幸は弟から返事がなくても、手紙がどこかで止められているかもしれないとは疑わないようです。

思い返してみれば、徳川家臣となった真田信尹(昌幸の弟)とは連絡がきちんと取れているのです。それをふまえ、まさか手紙が止められるなんて予想もできないのかもしれません。あるいは、止められるとわかっていても送らざるをえない心境なのか。

そしてここからは、秀吉に謁見する家康です。昨晩のリハーサル通りの芝居にざわめく周囲の者たち。家康の芝居はガチガチで、秀吉もわざとらしいです。プロの役者のへたくそな芝居が見られる貴重な機会です。

ここで信幸の「教えてくれ、源次郎!」という声が重なります。この声は弟に届かないとわかっているだけに、何とも哀愁があります。

 

今週のMVP:大政所なか

もう何も言うことは無いくらい完璧ではありませんか。「上善は水のごとし」の言葉通り、うますぎて逆にひっかからない。印象に強く残らない。それくらいさらっと、ナチュラルに、出世した息子の母を演じていました。方言がうまいのはそりゃ当然です。

次点は旭と阿国。旭はもう今週の笑いどころをかっさらったと言いますか。仏頂面が不機嫌顔の猫として有名なグランピーキャットそっくりなので、気になる方は是非画像検索してみてください。直江兼続や真田信尹がイケボと言われていますが、阿国もイケボ枠に入ると思います。キャピキャピした声ではなく、まさしく丹田から出していそうなアルトの美声が素晴らしい。所作、演技も堂々としていて、技能一筋で生きている女の逞しさが出ていました。

 

総評

今週は完全につなぎ回です。そして伏線がたっぷり盛り込まれていました。

  • 寧の植えた茄子(=成す)を無邪気に引っこ抜く茶々
  • 三成・吉継・信繁VS清正・正則という、関ヶ原の戦いと同じ構図の対立
  • 家康の手を取り、頭を下げて頼みこむ秀吉。「芝居が嫌い」と言う家康
  • 戦術は優れていても戦略を見誤る昌幸、その父の過ちを見抜く昌幸

どれもこれも、今後の展開を知っているとなかなか面白いものがあります。そしてこの中で、のちに唯一立場が逆転する伏線があります。家康の手を取り頼みこむ秀吉です。この「芝居」は、秀吉が死の床でもう一度家康相手に繰り広げます。芝居が下手であると言った家康ですが、完全な芝居で秀吉を信頼させ裏切るのです。

今週昌幸は、家康よりも秀吉の方が曲者だと言いました。私には逆に思えました。先週は秀吉の強さが際立っていましたが、今週は家康の成長ぶりがわかりました。家康は結局膝を屈して家康に降ったようでいて、実のところ秀吉がかなり家康に譲歩しています。

家康がなぜ、秀吉を翻弄するほど強くなれたのか。そこをじっくりと掘り下げているのが本作です。本作では本能寺の変以降、秀吉がいかにして天下を手にしたのかほぼスルーしてきました。

一方で、徳川家康が旧武田領をめぐるサバイバルゲーム「天正壬午の乱」において、最大の受益者となる過程を描きました。第二話で家康が本多正信に言った台詞を思い出してください。「生き延びられれば十分じゃ」というものでした。当時の家康は、信長のもとで働く一大名に過ぎませんでした。それが北条、上杉相手に戦い、旧武田領の大部分を手にし、秀吉相手に退かぬ大大名にまでのしあがったのです。

家康は決して、不如帰の声を待つだけの男でもなければ、餅がつかれてこねられるのを座して待つ男でもない。本作ではそうはっきりと示しました。本能寺の変のあと、大きなチャンスを手にしたのは秀吉だけではなく、家康もまたそうであったのです。

さらにこのチャンスを手にした勢力に、実は真田も加わっています。旧主である武田が滅び、春日信達、穴山梅雪らは破滅への道を歩んでゆきました。そんな中、真田は天正壬午の乱、第一次上田合戦をしぶとく生き延び、力を蓄えました。

徳川と真田。このふたつの勢力は、武田領をめぐるサバイバルの中、時に協力しあい、そして時に対立しながら、名声を高め力を得ました。まさに運命の敵同士です。

その過程を本作では丁寧に描いて来たのです。しかしその運命は、ここに来て別れ始めます。大局を見て妥協をしつつも進路を模索する家康と、成功体験に拘泥し過ぎて時代に取り残されそうな昌幸。成功と失敗の分かれ目が、今まさに作中で表現されています。

第18回「上洛」 小さくなった昌幸の背中……武田の誇りは二度死んだ

こんばんは。劇中の真田昌幸は腰が重く、なかなか上田から出ようとしません。
しかし昌幸を演じる草刈正雄さんはフットワークが軽く、ありとあらゆるイベントに出没しているようです。江戸東京博物館の『真田丸』特別展では、音声ガイドも担当しているとか。

今年は本作関連のニュースも軒並み好意的です。上田、大阪、九度山から、石田三成ゆかりの滋賀、信繁の子が匿われた白石まで、全国各地で盛り上がっています。

君も真田丸 笑顔で参陣 白石城にパネル設置 | 河北新報オンラインニュース http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201605/20160503_15039.html?style=print

白石なんてドラマ内ではおそらく出てこないのに、これはすごい。

そんな中、昨年あてがはずれたこの場所も大盛り上がりだ!

【GWは群馬で】

「花燃ゆ」燃えず…「真田丸」展は約1カ月で1万8000人 群馬の「上州沼田真田丸展」
http://www.sankei.com/premium/news/160503/prm1605030011-n1.html

なんかこう、群馬はいちいち「昨年と違って今年はいいぞ」と前作を足蹴にして褒めるあたり、よほど昨年が駄目だったんだな、と遠い目に。確かに駄目でしたけど。

 

大名は自らなるもの、奪い取るもの 

さて今週です。真田昌幸は、石田三成から大名に取り立てられると言われましたが、大名には力づくでなるものではないか、秀吉に屈する気はないと断ります。

信繁は、阿国の元で稽古する踊り子・藤を見つめます。失踪した姉・松と瓜二つの藤。記憶喪失の彼女は、松が匂い袋を手にしているのを目に留めます。それは夫の小山田茂誠が作り、夫婦おそろいで持っていた思い出の品です。

藤こそ姉だと確信した信繁は、茶室で記憶喪失という現象はありえるのかと千利休に尋ねます。利休は人の心は謎、私とて何もかも知っているわけではないと返答します。平凡なドラマならばむしろ利休が何か深いことを返しそうなところですが、本作は肩すかしをくらわせます。

上田の昌幸の元には、上杉家より直江兼続がやって来ました。兼続は相変わらずの美声、立て板に水の勢いで上洛を促すのですが、すらすらとスムーズ過ぎて冷たく感じてしまいます。景勝本人ならば、もっと情のこもった説得ができると思いますけれども、流石にそこまで暇でもないハズ。わざわざ兼続を寄越すことこそ、景勝の誠意でしょう。

いよいよ窮した昌幸は、母・とりの肩を揉みながら去就を相談します。とりはさすが真田幸綱(幸隆)の妻にして、怪物じみた息子たちを育ててきた母です。「ここは頭を下げ、牙や爪を隠して秀吉につき、相手の勢いに翳りが見えたら寝首を掻けばよい。卑怯者で何が悪いのか」と実に戦国らしい助言。

昌幸は迷いをふっきり、上洛を決めました。

真田丸直江兼続霜月けい

 

太政大臣になった秀吉 寧の前では喜び、茶々の前では……

昌幸の上洛決定を受けて真田家では軍議を開催。家臣たちは動揺し、中でも北条相手委に暴れ回った矢沢頼綱は「沼田はどうなるのだ!」だだっ子のように暴れて大反対します。

逆に一番喜んだのは信幸です。その夫を見守る妻のこう。こうの出番はここだけですが、以前は取り落としていたしゃもじをしっかりと握って給仕しております。やはり彼女は、虚弱体質から立ち直りつつあります。

霜月けい真田丸真田信幸

信繁は阿国に藤を引き取らせて欲しいと頼み混みます。阿国は、藤は手足をぐにゃぐにゃ動かすだけでへたくそと踊りを酷評。人気のない藤を引き取ってもらえるならむしろありがたい、とあっさり承諾します。藤本人は阿国一座ナンバーツーだと断言しておりましたが、認知の歪みがあるようです。信繁はきりに頼んで、藤をしばらく北政所の侍女にしてもらえるよう言います。きりは信繁の意図をすぐに察しました。この作品最大の問題児もしっかりしてきたと思うと、感慨深いものがあります。

きりと藤が寧のところにいると、秀吉が太政大臣になったと大喜びで駆け込んできます。かの織田信長、かの源頼朝も越えたと喜ぶ秀吉ですが……場面が切り替わり茶々の前となると、秀吉は別に嬉しくないと本音を吐きます。ただ天下平定がしたいだけだから、そのあとは返上するとのこと。本妻にはとりつくろって、気になる若い女の前で本音を吐くという、さらっとゲスいことしておりますな。もっとも、糟糠の妻である寧は夫の気持ちなんてお見通しかもしれませんけれども。

 

あれほど輝いた昌幸と出浦の策謀が急速に翳りゆく

上田で上洛を前にした昌幸は、何やら企んでいます。出浦昌相は俺が明智光秀になってもいいぞ、と昌幸に返します。この自信がいつまで持つのやら。冷や冷やします。

それにしても、室賀正武謀殺のころ(第十一回)はあれほど輝き、格好良かったこの二人の策謀が今や痛々しいとは。まるで小物同士の悪企みにしか見えません。この二人が変わったわけではなく、むしろ彼らは変わっていません。ただ、変わった時代についていけないのです。

仕事のできすぎる出浦

仕事のできすぎる出浦

天正十五年二月、昌幸一行は大坂に到着します。真田名物頰ぺちぺちしながら再会を喜ぶ信繁と信幸にほっとしたのもつかの間。信幸はちっぽけな古寺が宿舎であることに怒り出します。信繁は昌幸とも感動の再会を果たしますが、毛皮を着た昌幸の浮きっぷりが恐ろしいほどです。

昌幸のトレードマークとなった毛皮は、信州においては、ほれぼれするほど格好良いものでした。それがこんなに悪趣味に思えるようになってしまうとは。

この再会を素直に喜べない理由のひとつに、昌幸と信繁の間に深刻な断絶が生じていることがあげられるでしょう。秀吉に対して敵愾心を燃やす昌幸は、信繁に大坂城をどう攻めるか尋ねます。この会話は父子の断絶も表現していますが、のちに息子が攻めるどころか守る側に回ることを考えるとなんとも皮肉な話です。しかもそのとき大坂城を攻めたのは、真田のようなちっぽけな勢力ではなく、堂々たる天下人となった徳川家康というのが何とも。俺ならどう攻めるか考えた結果を基に作られるのが、のちの信繁の戦法となるのかもしれません。

霜月けい真田丸真田信繁

 

キャバクラで図々しい振る舞いをする上司のようだ

ここからは信繁、必死の工作開始です。まずは石田三成に古寺ではなく城に泊めて欲しいと頼みますが、すげなく断られます。一方で大谷吉継は、真田昌幸が気になるようです。

信繁はきりと干し柿を食べながら休憩しつつ、藤について相談。この場面で傑作なのは、きりが信繁の汚れた口元をぬぐってぺろりとその指を舐め、信繁の手をしっかり握るところです。特に前半の指を舐める動きが、さりげないようでわざとらしく、どうにもがさつです。これをドヤ顔で「私ってかわいいでしょ!」とでも言いたげにするのが最高。長澤まさみさんのウザかわいさは絶品です。それにドン引きしている信繁も最高のリアクションです。きりは賢い振る舞いもできるようにはなっていますが、やっぱり残念さも残しています。

上田に残されていた薫は、夫の昌幸が自分を置き去りにして上洛したことに拗ねています。とりになだめられる薫ですが、これはのちに昌幸が薫に膝枕されながら謝るフラグでしょうか。

真田父子は、妓楼で吉野太夫の舞を見ながらうっとり。昌幸はもちろんのこと、信幸はすっかり目がとろけて夢中になっております。この信幸の表情がすっかり魂を抜かれたようでなかなか迫真の演技。昌幸と信幸は、都会の洗練された女性がタイプですからね。薫を初めて見たときの昌幸も、こんな反応だったのかもしれません。

昌幸は吉野に酒をすすめますが、吉野はちょっとひきつった顔をして断ります。うわ〜っ、あの最高に格好いい昌幸が、キャバクラで図々しい振る舞いをする上司みたいに見えてしまって辛い!

ついに登場! 主役感、満載ですw

廊下に出た信繁は、吉野に例を言い勘定は絶対に石田様ではなく自分に回してね、と念押し。このおもてなしだけで一体いくらかかるんでしょうかね。つまり、これも秀吉によるサービスではなく、信繁必死の工作なのでした。もうこのあたりのトホホぶりがたまりません。

昌幸が厠に立つと、信繁と信幸の兄弟だけが残されます。秀吉が乱世を終わらせようとしていると信繁は説明します。以前レビューで、現在は「そういう法令はなかった」とされている「惣無事令」が出てきます。考証担当者曰く、中世から近世への移行として敢えて出したそうです。信幸はもう戦では暴れ回る日は来ないのか、我等は産まれるのが遅すぎたのかもしれない、と嘆きます。確かに信幸の戦歴も、弟や兄と比べると知名度が低いだけでかなりのものです。この台詞に違和感があるのは、視聴者は以前昌幸が述べた「信幸は治世においてこそ能力を発揮する」という信幸評を知っているからでしょう。信幸は、己の資質に気づいていないわけです。

一方、厠では、昌幸が窓から大坂城を見つめ何か考えています。ここでの昌幸の気持ちはまったくわかりません。しかし、この城の威容が彼の考えに何か変かを与えているのは確かでしょう。

 

秀吉とご対面!と思ったら、そこに居たのは秀次

翌日、昌幸は秀吉へ献上する品を自慢げに点検します。上物だ、わしが欲しいくらいだと昌幸が得意げに信繁に語っているところへ、石田三成と片桐且元が献上品の事前チェックにやって来ます。

「全体的に梱包の色合いが地味。もっと派手な箱に入れ替えろ」といきなり駄目出しをする三成。さらに昌幸が自分でも欲しいくらいだと評した毛皮をつまみ、

「なんだこの臭いは。臭いは何とかならんのか? 奥につっこんでおけ」

と言います。片桐且元も鼻を近づけ顔をしかめます。

毛皮とはそういうものだと怒る信幸ですが、昌幸はもういいから献上しないと言いかけます。三成は奥の方にでもつっこんでおけ、と吐き捨てます。まあ、一応、そのままじゃNGになるものを、何とか見栄えするようにした気遣いとも言えなくはないかもしれませんが。三成さん、もうちょっと言い方ってもんがあるでしょ。

昌幸の毛皮は、衣装担当者が思いつきで取り入れたものだそうです。それを脚本で生かすとは流石です。昌幸の象徴でもあり、格好良さが話題であったこの毛皮がこんな仕打ちにあうとは……まさに諸行無常。

そしていよいよ秀吉とご対面と思ったら、そこにいたのは何と秀次でした。本人は頑張っているけど、お飾り感満載の秀次に昌幸の目も泳ぎます。腹の中は煮え来るかえっているでしょう。完全に馬鹿にされきっています。

 

清々しく欠点のない大谷吉継 爽やか演技がキラリと光る

対面が終わった昌幸は、まさに屈辱の極みです。怒りをぶちまける信幸以上に、無言で座り込む昌幸の背中が小さく見え、心が痛みます。昌幸はあんな礼儀知らずの秀吉の元では、天下なんてすぐ終わると悔し紛れに吐き捨てます。

これも一理あると言いますか、確かに豊臣政権は人心という要素をないがしろにし過ぎた気がします。そしてその悪癖は、大坂の陣での滅亡まで続くのですが。そこへ大谷吉継がいそいそとやって来て、多勢に無勢でありながら敵を破った、武勇の誉れ高い昌幸に会いたかったと言います。楠木正成の再来とまで褒めちぎられて、昌幸もまんざらではない様子。本当に吉継のさわやかさにほっとさせられます。

それにしてもこの大谷吉継、出番はこれまでさほど多くはないものの、本作でも屈指のさわやかキャラではないでしょうか。大坂編から出てきた三成にせよ、清正にせよ、どこか欠点がある人物ばかりの中、彼は清々しいほど全うで欠点がありません。演じる片岡愛之助さんはくせの強い役が印象的ですが、こうした端正で品のある役柄も実に似合っております。

失意の父と兄を見た信繁は奔走します。彼は茶々に頼みこみ、なんとか昌幸と秀吉の対面を叶えるようとりはからいます。信繁は父が本気を出したら、伊達や北条、徳川まで味方につけて強大な敵となって立ちはだかりますよ、と秀吉を恫喝。ここで秀吉は「恫喝してんのか?」と信繁に問いかける台詞が実に恐ろしい。このとき見せる笑顔が完全にサイコパスの表情でぞっとしました。

 

これからは大大名の与力となれ! 徳川の下に付け!

信繁必死の工作の甲斐があって、やっと秀吉と昌幸の対面が実現します。

秀吉は三成が臭いと吐き捨てた献上物の毛皮を身にまとい、人なつこそうな笑顔で、昌幸の手をしっかりと握り、昌幸の臣従を喜ぶそぶりを見せます。しかし目だけは笑っていない!

さらに秀吉に促された三成は、「これからは最寄りの大大名の与力となり、その命令に従え。真田は徳川の与力となるように」と非情の指令を出します。こ、これはバッドエンド……! 突き落とし、持ち上げ、もう一度突き落とす、これが秀吉の手の内! 秀吉は上田に帰る前に徳川家康を訪ねろ、明日には出立しろとさらに続けます。上洛した仕打ちが屈辱、さらにこの仕打ちとは。実に苦い。

この知らせに大喜びなのは、第一次上田合戦以来、真田が嫌いで仕方ない家康です。正信と二人でこの知らせには大笑いします。

昌幸は息子二人に背中を見せながら、武田滅亡からこれまで、騙し騙され、裏切り裏切られ、知略の限りを尽くして戦ったオチが、秀吉の家臣である徳川の、そのまた家来かよ、と自嘲します。確かにこれは本作序盤の展開をひっくり返す結果です。わしはどこで間違ったかと尋ねる昌幸。あの偉大な父の背が本当に小さく哀しく見えます。父に翻弄されっぱなしであった息子二人が、父をかばっているのです。

 

一言発するたびに「(笑)」の文字が見える家康だった

ここで信繁がバッドニュースのあとのグッドニュースを持ち出します。それは松が生きていたということでした。死んだと思っていた松と再会した昌幸と信幸ですが、相手はまるでわからない様子。信繁の提案で、真田の郷の思い出を順番に語ろうと言い出します。

昌幸「わしはお前が小さいとき、よくおんぶして裏山に行った。わしがおんぶすると、お前は必ずしょんべんするんだ!」

信幸「沢蟹で姉上に鼻を挟まれました!」

きり「二人で高い木に登って、二人であれはイケメン、あれはイマイチとか品定めしましたね!」

信繁「姉上にもらったひからびたカエルが怖かったです!」

二周目でまた昌幸がおもらし話を始めたところで、藤は話を止めさせます。

きりに促され、縁側に出た藤。そこできりが「かかとがカサカサになっちゃった」とつぶやくと、藤はそれを見て「かかとかさかさ女子トーク」(第四回)を思い出します。ここで彼女はやっと記憶を取り戻し、松としていよいよ復活を遂げます。ありがとうきりちゃん、まさか「かかとかさかさトーク」で記憶が戻るなんて思わなかったよ! この松との再会のくだりは創作でしょうが、最悪の時期にほっとする、真田一族家族の絆が見られて随分と救われました。

翌朝、昌幸と信幸は約束通り駿府に向かいます。

家康「面をあげられよ、真田安房守(笑)」

ここ、内野さんの語尾にもういちいち(笑)と入っているように聞こえて、役者ってすごいと思いました。本当に家康、いやらしくて最高の高笑いです。

 

今週のMVP:真田昌幸

本作の信繁青春編では、あまりに昌幸が素晴らしくて、毎回MVPとなるので敢えて選びませんでした。殿堂入りしていました。

しかし、今回の昌幸は、序盤のどの回よりも素晴らしかった。ギラギラと輝いていた頃よりも、輝きは鈍り、背中は一回り小さくなっているのに、それでも素晴らしいのです。いや、だからこそ素晴らしいのでしょう。

以前草刈さんが自分は根暗だから、昌幸も暗くなると語っていました。

大河「真田丸」を支える草刈正雄という男(dmenu映画) – Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160404-00010000-dmenueiga-movi

その意味がわかった気がします。暗い面が見えたからこそ、昌幸はさらに魅力的になりました。見ていて胸がざわつくような、そんな存在感が出てきました。

いやあ本当にため息しかありません。

あの草刈さんですよ、どこからどう見ても格好良くて、各地の祭りで見た人がもう素晴らしいと絶賛する、言うまでもなく格好良い草刈さんですよ。その草刈さんが、吉野大輔に酒を勧める場面では、うっとうしいおっさんに見えてしまった。

もう本当に、下り坂に入った昌幸の演技は絶品です、今ままでもそうでしたけれど、もう形容が困るほど素晴らしい。文句なしのMVPです。

 

総評

誰かが退場したわけでも、主人公が肉体的に酷い目に遭わされるわけでもない。それなのに、この哀しさは何なのでしょう。この哀しさの正体は、突き詰めてゆくと昌幸が時代に追いつけないことに由来するのだと思います。

真田昌幸はどこから間違ったのか?

「最初からでしょ!」というツッコミもあり、確かに私も同意しかけたのですが、そうではないと思います。昌幸の策は、序盤は確かにうまく機能していました。武田家滅亡後、旧臣たちが右往左往し、滅びた者もいた中で真田が生き延びることができたのは、策があったからでしょう。

昌幸のあやまちは、策が必要ではなくなった、あるいは別局面での策が必要であるステージに移行したにも関わらず、それに気づかなかったことです。

先ほど「誰も死なない回」と書きましたが、象徴的な意味で死んだ人物はいます。武田信玄です。信玄の後継者である勝頼が滅びても、信玄の薫陶を受けた昌幸は縦横無尽に動き回り、活躍してきたわけです。信玄の薫陶と武田旧臣の誇りを胸に、昌幸は暴れ回ったわけです。その信玄のカリスマを知り受け継いだ最後の人物である昌幸が、完全に敗北し翻弄されるしかない。信玄から続いた武田の誇りは、二度目の死を迎えたわけです。

そんな哀しく辛く、圧迫面接を受けているかのように胃がキリキリする中、暗雲から差し込む光のような存在が女性たちです。昌幸の頑なな心を変えたとり、マイペースなこうや薫、ウザかわいらしさで和ませるきり、そして家族愛という原点に皆を引き戻した松。前半有用であった策が無用となった今、前半いらないと言われてきた彼女らが光を放つ構成は、何とも巧みだと思います。

第19回「恋路」 成就はすなわち政権崩壊の始まり也

こんばんは。「惜しいかな後世、真田を云いて毛利を云わず」という言葉があります。大坂の陣において獅子奮迅の活躍を見せた真田幸村のことは絶賛しても、毛利勝永のことは誰も言わない、という嘆きです。

悪質なNHK大河では、主人公を持ち上げるためにライバルや敵をカットするのは哀しいことによくある手段です。ところがご安心ください、本作では出ますよ!

◆[岡本健一]「真田丸」で20年ぶり大河出演 “大坂五人衆”の毛利勝永に
http://news.mynavi.jp/news/2016/05/08/092/

このニュースで目を引くのが、既に劇中衣装を身につけていることです。後半追加キャストは衣装なしでの紹介がほとんどですが、もうこの岡本さんの場合、しっかり着ています。そして格好いい!

そしてこんな驚きの情報も。

◆松本幸四郎「真田丸」で再び呂宋助左衛門に!38年ぶり異例の同じ役 ― スポニチ Sponichi Annex 芸能
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2016/05/15/kiji/K20160515012579980.html

それにしても本作は、後半追加キャストが豪華です。これは吉兆です。大河ドラマは夏頃から視聴率がジリ貧になる、夏枯れ現象が起こります。毎年夏頃になると、物語上大規模な戦乱などが起こり、人気あるキャストが大量に抜けるのです。新キャストは主人公の子供世代になり、主演より年下でキャリアがまだ浅い役者ばかりになりがちです。さらに昨年のように明らかな地雷作品ですと、役者が出演を避けると思われます。

今年は昌幸、信幸、徳川勢、上杉主従らは終盤まで出演します。さらに主演の堺雅人さんが驚異的に若く見える四十代であることから、主人公の年下世代に三十代を起用しても不自然ではありません。堺さんが十代の信繁を演じることには批判がありましたが、実のところこのような配役は終盤以降プラス要素になるのです。

つまり今年は夏枯れなし! 宣言が出せると思います。真田信繁という比較的短命かつ人生最大の見せ場が最終盤という人物を選んだメリットは、あとになればなるほど実感できるでしょう。

夏枯れは視聴率だけではなく、興味本位の否定的なニュース増加にもあらわれます。ところが今年は、むしろここにきて史料率の伸び悩みを考察する系、視聴率テコ入れに色気を入れる系、出演者同士の不和を妄想しておもしろおかしく書く系の記事がほぼ消えました。

◆約30年の時を越えたオマージュにファン歓喜! 視聴率19.1%、復活傾向の『真田丸』第18話ざっくりレビュー!!
http://otapol.jp/2016/05/post-6638.html

◆「イッテQ!」の視聴率抜いた「真田丸」にNHKがお祭り騒ぎ? #ldnews http://news.livedoor.com/article/detail/11511938/

◆何とユニーク!『真田丸』の見られ方~1000人追跡調査が暴く意外な視聴実態~
http://bylines.news.yahoo.co.jp/suzukiyuji/20160515-00057696/

と、全体的に好意的です。

 

武具の蔵へ探検デートは破滅の予感が漂うね

さて、今週は「祝言」に続いてトキメキサブタイトル第二弾「恋路」。

先週、上洛した真田昌幸・信幸父子は、茶々の取りなしによって秀吉と対面できました。取りなしを頼んだ信繁は、その御礼として大坂城を案内して欲しいと茶々に頼まれます。

侍女の扮装をした茶々は、信繁に蔵探検デートを提案。なんでも秀吉が茶々に入ることを禁じた蔵があるそうで、そこを探ってみようということです。蔵には一体何があるのでしょうか? 青髭のようなシチュエーションを一瞬連想しましたが、蔵の中身はただの武具です。

蔵に入った茶々は、父(浅井長政)、兄(万福丸、『江 姫たちの戦国』では登場せず)、母(信長の妹・市)を秀吉によって実質的に殺された前半生を淡々と語り出します。大半の視聴者も、そしておそらく信繁も既知である事実とはいえ、本人から改めてそう語られるとぞっとします。

霜月けい真田丸真田信繁

親しい者をたくさん失った、自分が死ぬのも怖くないと語る茶々。血のにおいのついた長巻を「一体誰の血を吸ったのかしら?」と眺めていた茶々は、手を滑らせ長巻にぶつかりそうになります。そこをはしっと信繁が抱き留めます。ボディタッチに当惑する信繁ですが、茶々は甘ったるい声で秀吉から側室になるよう言われた、と語り出します。

死を恐れないという茶々、人の血を吸った武具に吸い寄せられた彼女は、自らの魅力に惹かれた若者を死にさらすことで、ギリギリのスリルを楽しんでいるのかもしれません。何とも哀れであり、かつ恐ろしくもある女性です。答えをはぐらかした信繁に、茶々は帰りましょうと言います。

やっと恐怖のデートからの解放です。二人が廊下を歩いて行くと、きりが寧にもらったカステラを持って走ってきます。ウザキャラだったきりが、最近はすっかり癒やし系です。

それにしても蔵でデートって、場所が場所だけに意味深です。茶々の自害する場所も大坂城の蔵です。

 

小悪魔なんてレベルじゃない歩く死亡フラグ

秀吉は寧に膝枕しながら、茶々を側室にしたい、あれの母(信長の妹・市)にも惚れておったと語ります。寧は流石に呆れます。実質的に茶々の父母を殺したようなものなのだから、小細工せずにアタックしてみたら、とアドバイスします。

秀吉は三成、茶々、信繁らの前で京に聚楽第を作る計画を語り出します。ここで建物に金箔瓦を使うと説明がありますが、豊臣政権期に建てられた城からは金箔瓦の出土例があるそうです。大名が権威を示すために用いていたのではないか、とのこと。

ここで茶々は、信繁が一緒じゃないなら京には行かないと言い、信繁の手を取ります。そしてそれを見ている秀吉の表情が、今日も目だけ笑っていないのがサイコパスのようです。ホラーです。上田合戦よりも胃痛が酷くなりそうです。茶々は小悪魔なんてレベルを通り越し、爆弾娘というか歩く死亡フラグみたいになっています。

かつて浅井家に仕えていたという片桐且元は、信繁を呼び出し茶々様に手を出すなと釘を刺します。そんな関係ではないと訂正しようとしても、聞いてもらえません。

 

信幸と稲(忠勝の娘)が縁談! 現妻・おこうは里へ返せ

昌幸一行は家康の駿府城にいます。昌幸の弟・信尹は、徳川家で結構うまくやっているようです。月代を剃った頭と洗練された衣装から、彼の徳川家への溶け込みぶりが見て取れます。その弟経由でしょうか。ちゃっかり城の絵図面まで手に入れた昌幸は、駿府城を攻めるシミュレーションまでしています。

ここで記憶を取り戻しかけている松姉と信幸によるコント。

真田丸松霜月けい

「ここはどこ? 私、思い出せない……」

「いや姉上、だってここ初めて来る場所で」

「やだ〜早くいってよぉ!」

「それでこそ姉上だ〜〜〜!」

と、しょうもないやりとりではあるのですが、ストレスまみれの大坂城の場面にはない癒やしを感じることができて大変ありがたいものを感じます。

一方家康は、真田の動静を探る者が欲しいと本多忠勝に打ち明け、忠勝の愛娘・稲を真田家に嫁がせたいと言い出します。子煩悩なイクメンである忠勝は、目の中に入れても痛くないほどの娘を差し出せと言われ、苦しみ抜きます。柱をガンガン殴りつけ苦しむ忠勝は、信幸が厠に行くあとをつけてじっと後ろに立ちます。名高い猛将・本多平八郎に見られながらの用足しという、結構厳しいミッションをこなす信幸です。私なら出るものも出なくなりそうですが。

家康からのこの縁談を持ちかけられた昌幸は、すでに信幸には、昌幸の兄(信綱)の忘れ形見であるこうが正室だから、と渋ります。しかし家康はますます強く迫ります。信幸は何も言えないのですが、おこうを離縁しろと言われた時は表情が動揺しており、彼の妻への強い気持ちがわかります。

真田一家だけになった場面で、信幸は泣きそうな顔で断ってくださいと父に頼みます。しかしこの父は「この縁談は使えるな」とノリノリです。このあとの展開を考えると、昌幸は後悔しそうですが。ここは泣いてくれ、と昌幸は息子に迫ります。それにしてもこの縁談のBGM、やたらと雄壮です。

ついに登場! 主役感、満載ですw

忠勝も娘・稲の説得に苦労します。吉田羊さんはいつもより高いトーンの発声で、若い娘らしさを出しています。トーンは高くても凛としてキャピキャピしていないのは流石です。

頑固な稲は父の説得にいったんは折れた……かのように見えたのですが、「やっぱり嫌!」と父を突き飛ばしてしまいます。

どう説得したのかは謎ですが、次の場面では信幸と稲が顔を合わせます。当人同士は堅い表情ですが、周囲は「これは良縁じゃ〜」「おめでとうございま〜す」と前のめりです。

気の毒なのはおこうさんでしょう。彼女と同じように、正室には落ち度がないにも関わらず、政治的な理由で一方的に強引された女性と言えば、二年前の『軍師官兵衛』の黒田長政夫人・糸がそうでした。ところがあの作品ではそうありのままに描くと主役の官兵衛が悪く見えることを恐れたのか、糸がおかしな言動をするように描き、糸側に離縁の原因を押しつけていました。そうした姑息な手を使わず、主人公の父であっても悪いときっちり描く本作は誠実です。

霜月けい真田丸真田信幸

 

三成「清正は九州征伐に向かうから大丈夫じゃ」

大坂城では、ゴシップ好き上司・平野長泰がくっちゃくっちゃとスルメのようなものを食べながら、信繁と茶々様あやしいよね~と噂を流しまくります。この危険なゴシップを加藤清正や片桐且元が聞き出し、ついに秀吉の耳にまで入ります。おまけに蔵デートの一件を且元が秀吉に報告してしまい、信繁は釈明する羽目に。なんとか口舌で乗り越え、かえって且元が怒られる結果になりました。

しかし、これで信繁の疑惑が晴れたわけではありません。茶々に呼び出され、今度は花見デートをすることに。茶々は無邪気な様子で、亡き母が好きだった山吹を信繁に手渡します……大丈夫でしょうか。この場面を見ている加藤清正を前にして、開き直ったのか信繁は見せ付けるようなポーズをします。

信繁はきりにデート疑惑を追及されます。しつこく「綺麗な人だし、男なんだから、やっぱ気になるでしょ?」ときりからせっつかれ、「まあ少しはときめいちゃった」とデレる信繁。実はきり、なんと秀次に頼んで信繁の噂の火消しをしてもらおうとしているのでした。きりちゃん、最近本当にしっかりしてきたなあ。

秀次はきりの頼みならばと上機嫌ですが、清正の誤解を解くのは無理と言い切ります。しかしここできりにまた念を押され、対策を考え石田三成に書状を書く秀次です。本当に彼は気さくで人がよい性格です。

秀次の書状を受け取った三成は「これ以上不可解な連続殺人が起こったら困るから」とかなんとか言い訳しつつ、清正を九州征伐に送り込んで殺人の隙を与えないように言います。二人の話を聞いていた大谷吉継は、清正の九州行きは既定路線だったとネタ晴らし。さらに将来的に秀吉は、朝鮮経由で明を攻める気だ、と大きな計画もちらりと漏らします。

 

ラスボス秀吉がよくもわしを騙したな!(ゴゴゴゴゴ……)

聚楽第はついに完成し、秀吉、茶々、信繁、三成、大蔵卿局らが到着。その席で茶々は「また蔵デートしよっ」と、つい漏らしてしまいます。溢れだす秀吉の殺気、誤魔化そうと雑談を始める周囲、関わりたくなさそうな顔で去って行く三成。下がらせられる大蔵卿局。取り残される疑惑の男女である信繁と茶々。

そして、ラスボスの風格の秀吉(ゴゴゴゴゴ……)。

よくもわしを騙したな!と信繁につめよる秀吉。互いにかばい合う信繁と茶々。史実をわかっていても、もう重ねて四つにされるんじゃないか、今週で最終回じゃないか、と思ってしまうほどです。何が恋路だ、これじゃ地獄だ!

秀吉はここで茶々を呼び、信繁を完全に無視して口説きモードに入ります。おっと、これは聞かされる信繁もきつい。「これからお前を幸せにする」、「今まで見てきた忌まわしいものの何倍もの美しいものを見せる」、「それが償いだ」、「茶々は天下人の妻となってくれ」、と告白タイムです。さらに2016年現在もおなじみの、若い相手と不倫するゲスおやじ定番テンプレ台詞「妻にはもう女を感じないんだ、いやらしいことをするならお前がいい!」も披露。

しかし、ここで最重要であるプロポーズは、茶々には「死ぬ時に一番幸せな女だったと言って欲しい」という言葉でしょうか。この場にいる男で茶々の最期に殉ずるのは秀吉ではなく、信繁です。さて彼女は死の直前に、幸せであったと人生を総括できるのでしょうか。

 

「同じ日に死ぬの」に対して否定はせずに……

こうしたすったもんだを経て茶々は、秀吉の側室になることが決まりました。寧もこの報告には複雑な顔です。季節は桜が満開の春、うら若い茶々は愛くるしく、聚楽第の景色は絢爛豪華です。それなのになぜこうも不吉なのでしょうか。

茶々は信繁の配置替えも了承し、「かっこわるい」とちくりと嫌味を言います。さらに彼女は信繁の顎を手に取り、私たちは不思議な糸で結ばれている気がする、離ればなれになってもあなたは戻ってくると言います。さらに彼女と信繁はこう続けます。

「そして私たちは、同じ日に死ぬの」

「……遠い先であることを祈っております」

ここで信繁は、「そんなわけない」「遠慮します」など、否定の言葉は口にしないのでした。

茶々は山吹の押し花を信繁に渡して、別れを告げます。

信繁から報告を受けたきりは、「あの方が怖い」と勘の鋭さを見せます。さらに茶々の渡した山吹をなんと飲み込んでしまうきり。てっきり梅の六文銭とともに信繁が最期までお守りにするのかと思ったら、あっさりきりの胃の中に消えました。きりちゃん、GJ! 突拍子もないけど、おもしろい子ですね。これで信繁と茶々の没する日がずれてしまうのかも。

茶々が大蔵卿局に側室になることを決めた理由を語る場面では、桜が吹雪のようにひらひらと散っていました。そして装いを改めた茶々が、いよいよ秀吉の側室となる日は雷鳴が鳴り響き、桜が雨に打たれています。

三成は「この縁組みは信長公を越えるということ。これから殿下はどこに向かうのか」とつぶやきます。

ここで名物となった、死神ナレーションが響きます。幸せそうな秀吉と茶々の上に、「これは間違いなく、秀吉政権が崩壊に向かう一歩であった」と重なるのでした。

 

 

今週のMVP

これはもう文句なしで茶々。

茶々は哀しむことをやめたと言いますが、実のところ彼女の宿命についても、制作側は気づくことをやめているような作品もあります。あまりに悲惨な彼女の境遇を無視し、うまれながらの悪女とし、秀吉を堕落させる女として描く作品です。しかし、彼女に一体、どれだけの選択肢があったというのでしょうか。本作の彼女は、不幸な生い立ちと、自ら意図しないにも関わらず、周囲を破滅に巻き込む毒の部分、両方あるキャラクターとしてきっちりと成立しています。最期のときまでこの哀しさと可憐さを持つ女性として、本作の彼女は歩んでゆくのでしょうか。

キャピキャピしすぎと批判的な声もあった竹内結子さんの演技ですが、今週まで見るときっちりと演技プランがあってのものとわかります。衣装も立場も変わる来週からは、落ち着きと威厳が増した姿が見られそうです。

 

総評

ロマンチックなサブタイトルに反して、中身は苦い今週でした。そして兄弟それぞれが、運命の女より、むしろ女の姿をした運命とも言うべきヒロインに出会う週でもありました。

甘い恋心が入り込む隙もないような、BGMまで殺伐としていた信幸と稲の縁談。

甘ったるくも毒に満ちていて、いったんは消えたように見えながらも、信繁を死へと導く茶々との淡い恋。

大河で恋愛を描くことそのものが悪いのではありません。このようにのちの歴史や主人公たちの運命を描く展開であればむしろ大歓迎です。大きな歴史のうねりには、こうした恋や人情が流れる小さな支流があります。

それにしても恋路が気の毒であるのは、真田兄弟よりもむしろ茶々です。親の仇のような男に抱かれ庇護されて、その夫の死後は気高い未亡人であることを求められる茶々。恋する機会があったかどうかもわからない彼女の人生に、疑似恋愛でもよいから信繁がちょっとしたロマンスを添えるのは、それはそれでありなんじゃないかと思いますよ。物語はまだ折り返し地点でもないのに、既に心は大坂の陣で彼女や信繁がどう振る舞うのか、気になってしまうのだから今年の大河は実に求心力があります。

先が読めぬ恋路にはまっているのは、作中の人物だけではなくファンもそうかもしれません。『真田丸』という作品に恋してメロメロ、そんな視聴者は今このときも増えています。

第20回「前兆」 落書きから始まる殺戮キャー

こんばんは。またも新たな出演者です。

高橋和也「真田丸」で“大坂城の松岡修造”宇喜多秀家役「情熱的に」 ― スポニチ Sponichi Annex 芸能 l

「真田丸」信繁3人目の妻役は岸井ゆきの!大河初出演「緊張で土偶に…」 ― スポニチ Sponichi Annex芸能 

「真田丸」新キャスト決定 「みいつけた!」オフロスキー役の小林顕作ら

 

さらにニュース自体はここではリンクを張りませんが、芸能人で「黙れ小童!」を使用する例があるそうです。

そしてこんな珍事が。

大河ドラマ:観光客「えっ真田丸の城、滝の上にないの?」 毎日新聞

今年の放映前「高度なVFXは実写と見分けつかないんだから、『ゲーム・オブ・スローンズ』くらいバリバリ使っちゃえ!」と書いた記憶があるのですが、私が言うまでもなく今年は多用しているようです。そして区別がつかない人も大勢いる事態になっているようです。ちなみにこのタイミングでOPに使用したVFXメイキング映像が公式サイトで公開されていますので、興味がある方は是非ご覧ください。

 

こう「またみんなで一緒に暮らせるのね」 信幸「・・・・・・」 

今週は、昌幸一行が上田に戻るところから始まります。松は母や祖母らと感動の再会を果たすのですが、ここでこうが「また皆で一緒に暮らせるのですね」と言ったため、信幸の顔がひきつります。

信幸は稲との結婚の件について話すため、こうに頭を下げるのですが……おこうは健気にも、どうか頭を下げないで欲しい、たとえ離縁だとしても、と言います。そしてはたと、夫の意図に気づいてしまうのです。

しかしこうは驚きも怒りもしません。あまりにあっけない反応に、信幸は拍子抜けします。ここでも夫を気遣い、悩み抜かれた末なのだろうから、と理解を示すこう。しかしこらえきれず、「一体何故離縁されるのでしょうか」と泣き出します。政略結婚のため離縁しなければいけないと言う信幸。二人は感極まって抱き合い、悲運を嘆きます。

霜月けい真田丸真田信幸

この話を聞いたとりは、この離縁はあまりに酷いと怒ります。ここまで乱世の女としての生き方を示してきたばばさまです。薫に「茂誠(松の夫)は死んでいますね」とあっさり言ってのけたばば様です。その気丈な女性が、この話はあんまりだと怒りを隠せないのです。

考えてみれば、とりにとって二人は孫同士です。こうは亡き長男・信綱の子。幼くして父を亡くした孫娘のこうが、とりにとってはいじらしくかわいらしくて仕方なかったのでしょう。

が、しかし。

「いやあ、わしは断ったんだけどね、源三郎がさあ、どうしてもって言うからさあ」

しれっと大嘘を言う昌幸。こいつはゲスい平常運転だぜ! 昌幸の嘘には慣れきっていましたが、今回ほど腹が立ったことはありません。貴様は姪が可哀相じゃないのか。もう昌幸を殴りたい。私が信幸ならパンチを入れてますね。こんな状況でも父を殴らない信幸は偉いと思います。かくしてこうは、里に帰されることとなります。ここで松が、

「あなたのことは正直よく覚えていません。めげずに生きていてね、生きていればいいことあるからね」

とフォローになっていないフォロー。こうも「わざわざ言わなくてもいいです」と返します。確かにいらん一言です。

薫はこうに体を大事にするようにと労り、とりは感極まった様子で孫娘を抱きしめます。

真田丸松霜月けい

 

ゲスい昌幸の平常運転

そしていよいよ。本多忠勝の娘・稲が輿入れします。姫の後ろで天然パーマの付き人がフルフルしています。お前のような付き人がいるか! どう見ても忠勝です。

祝言での夫妻のカチコチした顔は、信繁と梅の時と比較するとなんとも。娘の身を案じ、鼻水まで垂らして号泣する天然パーマのお付きこと忠勝を見て、薫は「今度の嫁はずいぶんと使用人にまで慕われているのね」と驚きます。昌幸は「あれは父親だから」とネタばらし。薫が入れてあげなくてはと気遣いますが、「せっかく化けているのだからそっとしておこう」と昌幸からは言われてしまいます。それにしても忠勝さん、お茶目過ぎます。本人は真剣なのでしょうが。

嫁いだのに敵地にいるようで、まったく打ち解けぬ様子の稲。ここで不便はないかと聞かれた稲は、「本当によいのですか?」と何度も念押ししてから、夫に寒いと言います。妻というより、人質だと自分を考えているかのようです。そこで信幸が、廊下にいる侍女に声を掛けると、聞き覚えのある返事が……なんと女中は里に戻ったはずのこうでした!

こうは薫の情けで侍女として仕えることになったそうです。とりもかわいい孫娘のことですから、このことを歓迎します。

「いいじゃん、おこうを側に置けるなら」

昌幸はまたもいい加減な調子でそうまとめようとしますが、信幸は「できるわけないだろぉ!」と叫びます。確かにこれはちょっと気持ちの整理がつきませんよね。でもどうせ、誰も信幸の言うことなんて聞いていないんだろうな。

今週のほのぼのパートはこのあたりで終わります。あとは殺伐秀吉パートです。天皇のもとで大名に臣従を誓わせた秀吉は、いよいよ信長越えを果たしたと有頂天です。

ついに登場! 主役感、満載ですw

 

ほのぼので始まったが殺伐秀吉パートへ

しかし我が世の春を謳歌する秀吉にも、大きな悩みがあるとほくそ笑む家康。それは後継者問題です。ようやく天下を手中のおさめたといえど、それを誰に譲るのか頭が痛いだろう、と本多正信に言います。

天正十七年(1589)の正月を迎え、寧はじめ貴婦人たちが集い、世間話をしています。ここでの阿茶局は「たいした生まれでもないのに、天下人の妻としてよくやっていますね」と、高度な嫌味に聞こえなくもない褒め言葉を寧に言います。寧は軽く受け流しています。

さらに阿茶局は、マイペースに菓子を食べまくる様子を見て、あれは妊娠しているのではないかと寧に伝えます。寧は笑いながら即座に否定するのですが、阿茶局はこういう勘は当たるのです、と軽く反論します。

このとき寧と阿茶局の、妊娠に対する意見は何故食い違ったのでしょうか。勘の差、あるいは妊娠体験の有無といった単純な話でもなく、寧は茶々に子供が出来て欲しくなかったのではないかとも思います。そしてそれは単純な嫉妬といったことではなく、もしも子が産まれるようなことになれば、天下に災厄の種が蒔かれることを危惧したのではないでしょうか。これはこのあとの寧の言葉から推察できます。

阿茶局の勘は当たり、五十四才の秀吉初の子(本作での設定、他に子がいたとの説もありますが信憑性は低いとか)ができたことになります。秀吉は喜びを爆発させます。

この懐妊については民の間にも知れ渡ります。そしてある夜のこと、誰の子かわかえらないと揶揄する落書きが門前に書かれます。

書かれた落首は、

ささ絶えて 茶々生い茂る 内野原 今日は傾城 香をきそいける

などとあります。

見つけたら即座に消せばよいものを、偶然通りかかった片桐且元が秀吉に報告したばかりに最悪の展開に……激怒した秀吉は、犯人を見つけ出せと息巻きます。

多忙な石田三成にかわって、信繁とまるでやる気のない平野長泰の捜査が始まります。書くのに使ったのは消し炭、梯子を持ち歩いていたはずだ。月明かりがないのだから一人は松明を持っていたはず、つまり単独犯ではない。と推理する信繁。このあたりの推理はミステリ仕立てです。

捜査結果を三成に報告すると、三成は大谷吉継と刀狩りについて会話しています。刀(武器全般)の没収、とかして大仏を作るのだと説明する三成。本作は日本史の勉強にも役立ちますよ。

と、この会話を聞くと「刀狩りって素晴らしいなあ」と思えるわけですが、庶民はどうだったかと言いますと。その答えはあとで出てきます。

 

秀長さんピンチで歯止めはいよいよ効かずに

信繁と三成の推理から、尾藤道休という本願寺に逃げ込んだ門番が怪しい、ということになります。道休は背中を打ち痛め、寝込んでいるそうです。現場には梯子の段とみられる木片がありました。梯子から落ちて背中を打つのもありえることです。この時代、寺はアジール(俗世の法体系とは別の場所0としての機能を果たすため、犯人だろうと逃げ込まれた側は匿わねばならないのです。

こうなると捜査は行き詰まります。そこで三成は病床の秀吉弟・秀長に、本願寺宛に一筆書いてもらうよう頼みます。ここで秀長という、秀吉政権のブレーキ役はもはや壊れかけていることが示されます。

こうしてやっと捜査を続けられることになった信繁たちは、道休から事情聴取を行います。乱暴者と言われる彼は、山村に産まれながら農業が嫌いなごろつきでした。足軽になるくらいしか取り柄のない道休でしたが、刀狩り例で戦もなくなり、仕事を失ってしまいます。やっとのことで門番の職を見つけたものの、それも誰かと戦うわけではないと嫌気がさしていたそうです。

彼もまた、乱世の申し子なのでしょう。こうしたあぶれ者が足軽として戦ったからこそ、乱世は成り立っていたのです。そして彼はまた、「成功しなかった秀吉」とも言えます。秀吉ほどの才知に恵まれなかったあぶれ者は、彼のように乱世の終わりとともに存在意義を失っていったのでしょう。刀狩りは、道休のような者にとっては災厄だったのです。

門番の仕事すらまともにする価値がないと腐っていた道休。彼は当日も、他の勤務日も小屋で酒を飲んでいたそうです。こうなるとますます怪しいのですが、彼は絶対に犯人ではありませんでした。彼は字を書けないのです。

道休ではなく、犯人は道休が真面目に警護しないと思った者、ということになります。つかみかけた犯人捜しがまた振り出しに戻ったと、三成に報告する信繁。この話を横で聞いていた吉継はついに立ち上がります。

「たかが落書きではないか。ばかばかしい」

そう諫めようとする吉継を、三成が止めに入ります。三成は吉継よりも、秀吉のことをよく知っているのです。情がないと加藤清正に酷評された三成ですが、親友の危難は断固として守る熱さが見えてきました。

秀吉は怒り心頭です。こうなったら門番全員を解雇し、磔にすると言い出します。誰も秀吉を止めることはできず、門番たちは牢へ収監されます。このままでは捜査担当者も危ないぞ、と長泰は焦り出します。

信繁はきり経由で、秀次に取りなしを頼みます。きっちりと信繁の依頼をこなすきりは今週もよくやってくれます。きりの頼みならばと聞いてくれる秀次も、また安定の好青年ぶりです。直球勝負で「馬鹿なことはするな、って言えば!」と言うきり。ストレートではありますが、視聴者の意見を代弁しています。それはちょっとと渋る秀次に、信繁は「天下万民の好意を裏切るな」と諫めたらどうか、と秀次にアドバイスします。

秀次はその言葉通り諫めたようですが、まったく効果はなく、秀吉はますます怒り狂います。「自分を馬鹿にするのは構わん、だが息子を馬鹿にするな、犯人どもは耳をそぎ、鼻をそぎ殺してやる」と息巻く秀吉。こうして門番たちは磔にされたのでした。息子のためなら流血をいとわないと息巻く秀吉、そしてそれに怯え何もできない秀次。この状況は、このあともっと凄惨なかたちで繰り返されることになるでしょう。

真田丸豊臣秀吉

 

オールフォアワン ワンフォアオールの三成の苦悶

信繁が三成に抗議に行くと三成は酒を飲んでいました。三成と話しあうことができずに廊下に出た信繁に、三成の妻・うたは「夫はずっとああして酒を飲んでいます。そして酔えぬと言うのです」と打ち明けます。彼女の言葉は少ないものの、その短い一言に深い意味をこめる才知があります。苦渋の三成が盃を傾ける前には、「大一大万大吉(一人が万人の為に、万人が一人の為に尽くせば天下の人々は幸せになれる)」と書かれています。秀吉に才能を見いだされた三成は、主君のもとでこの理想をかかげ、万人のための天下を作り出すため邁進してきたのでしょう。ところがその理想からかけ離れてきてしまっている。天下を獲った秀吉は、万人のことなぞ気に掛けず、自分と我が子のことしか考えていない。自分はどこで間違ったのか、三成はそう自問しつつ苦い盃を重ねているのでしょう。

門番たちの凄惨な死なぞ気にせず、秀吉は生まれてくる子に木馬を用意して大はしゃぎです。信繁ときりは寧を見かけ、現状の悲惨さを訴えます。寧は、秀吉は痛いところを突かれた、茶々の腹にいる子が自分の子か、秀吉自身が一番疑っているのではないかと推理します。

きりは、秀吉はおそろしい、人が変わったのではないかと寧に言います。寧はよくそう言われるけれども、それは違うと否定します。

寧は

「秀吉は昔から怖い人、ずっと冷たい人、信長より恐ろしい男だった」

と語ります。そうでなければ天下など取れない、と。阿茶局に夫の出世にも善し悪しがあると語っていた彼女ではありますが、その真意がわかるとぞっとします。

先週秀吉が、寧は戦仲間であり女としては見られないと語った意味も見えて来ます。寧はあまりに夫の残酷な一面を見すぎてしまい、素直な愛情だけを感じることはもうできないのでしょう。秀吉は茶々の前から血の臭いがするものを消し去るようにしていました。己の血なまぐささに気づいたら、女は自分を愛することができなくなるとわかっているのかもしれません。しかし秀吉はもう破壊と暴力衝動を抑えることはできなくなっています。遅かれ早かれ、茶々も彼の残酷な本性を知ることでしょう。

 

道休は死んでいた こうなったら罪をかぶせるしかない!?

秀吉は犯人が名乗り出るまで、くじ引きをして町人を磔処刑すると言い出します。三成、吉継、信繁はこの知らせに戸惑います。そのとき、本願寺から道休が死んだと知らせが入るのでした。実のところ、自然死ではなく自害です。本作も死因をはっきりとさせていませんので、責任をとったゆえの自害かもしれないと思わせます。

信繁は道休に罪をかぶせ、無実の人がこれ以上巻き込まれないようにしようと言い出します。危険な賭けではありますが、三成と吉継も腹をくくって信繁の案に乗ります。実休の首を吉継が切断し、工作を行います。ここで手慣れた様子で首を切り取る吉継の姿から、彼の武人としての像が垣間見えます。

霜月けい真田丸真田信繁

犯人の首を見た秀吉は、これで怒りがおさまったかと思ったらそんなことはありませんでした。犯人の一家親類も斬首、家を焼き払い、近隣の住民を磔にしろと吐き捨てる秀吉。ここで三成が諫めにかかると、信繁も口を出そうとします。ここで三成は信繁を一喝し、口を出すなと止めます。兼続の言っていた「熱いもの」が三成からあふれ出しました。

秀吉は必死の諫言をする三成に「佐吉(三成)は狂ったのか」と返します。三成は熱い口調で、「佐吉は正気だ、乱心されているのは殿下です」と詰め寄ります。三成に切腹を言いつけようとする秀吉のもとに、寧がやって来ます。

「怒れば怒るほど人は本当のことだと勘ぐるのだ、それがわからないほど耄碌したのか」と諫める寧。「産まれてくるのは自分の子なんだからでーんと構えろ、どうしても心配なら茶々に聞いてみなさい」と続けます。ここで秀吉は「そんなおそろしいことができるか!」とうなだれます。

おそろしいこと、ですか。

秀吉にとっては、無実の人を殺すことよりも、茶々に腹の子が誰か聞くことの方がおそろしいということです。自信に満ちあふれ、天下を我が物とし、先週は茶々を日本一幸せにすると語っていた秀吉。しかしコンプレックスも抱えているのです。

そこに茶々本人が入ってきます。艶然といたずらっぽく笑う茶々。

この子の父は源次郎です、と洒落にならないことを言ったあと「殿下の子に決まっておりまする!」と言い切る茶々。

地獄のようなひとときを経て、ここでやっと秀吉は茶々を追いかけ去ってゆくのでした。

真田丸石田三成

 

信繁「落首の犯人は誰だ?」三成「決まっている、民だ」

寧はせめてもの罪滅ぼしに何か町民にしようと言い出します。信繁が金をばらまいたらどうかと提案し、三成はちょっと下品だと難色を示しますが、寧はそれがよいと賛成します。まあ、そのお金だって出所をたどれば町民の出した税金のわけで、それで恩着せがましくされてもな、とは思うわけですけれどね。

そしてお気づきになりましたか? 秀吉は茶々の元に嬉しそうに駆けよって行きましたが、「殺すのはやめにした」とは言っていません。史実では道休は自害を強要され、かくまった僧侶は殺され、秀吉が指示した通りに道休の縁者や近隣の者は殺害されています。フレーム外では殺戮が続いているのです。

結局のところあの落首の犯人は誰だろうかと尋ねる信繁。「決まっている、民だ」と三成は返します。「大一大万大吉」を掲げ、民のためを思ってきた三成にとって、民に背かれることほど苦しく哀しいことはありません。しかし、彼が秀吉に忠義を誓い続けるということは、民に憎まれるようなふるまいを執行しなければならないのです。これから三成は、民の殺戮をすべく手配しなければなりません。秀吉は、道休関係者殺戮をやめるとは言っていませんから。

こうした混乱と殺戮を経て、秀吉と茶々の子である「捨」が誕生します。産まれたそのときから、たっぷりと犠牲者の血を吸った赤子です。親の目にとってはこのうえなく無垢な赤子でも、民にはそうは見えないでしょう。

 

今週のMVP

こう。

寧とかなり迷いましたが、もうこうが好き過ぎてつい。一番本作で好きかもしれません。稲までのつなぎだろう、ネタキャラだろうと思っていたら、どんどんチャーミングになっていき、自分の中で彼女の存在が大きくなっていきました。今週は本当に気の毒で、かなり感情移入しました。自分の姪で嫁なのに、へらへらいつもの調子だった昌幸が本当に憎たらしく思えて、自分の中でこうがこんなに大きくふくれあがっていたのか、と驚いてしまいました。

長野里美さんの演じ方が本当にいじらしく、うっとうしく、かつ愛おしく思えます。彼女が退場しなくてほっとしました。侍女としてまさかの再登場おめでとうございます。目立つことはなくとも、これからもちらちらと顔を見せてください!

 

総評

前半部の上田パートをのぞくと、ずっと意がキリキリと痛むような、辛い回でした。上田合戦よりも緊張感がありましたが、考えてみればあの合戦の真田方死者より、今回処刑された人数の方が多いんですよね……。

結局のところ、信繁は何ができたのか? 犯人も見つけられず、門番の死を止めることはできず、実休を利用した策をもってしても殺戮を最小限に抑えることはできませんでした。『軍師官兵衛』の官兵衛のように、秀吉を諫めて一瞬でも改心させる役割も、寧に持っていかれています。本作の信繁は無力です。彼はありとあらゆる場面に顔を出し絡んではいるものの、与える影響は軽微です。その聡明さは随所で示されるものの、その知能をもってしても、できることは限られているのです。だからこそ例年のように、主役が悪目立ちしないのでしょう。そのぶんカタルシスは減っているかもしれませんが、それこそ本作にふさわしいとも言えるのではないでしょうか。

『天地人』のような出来の悪いドラマでは、主役が西軍につくせいもあってか秀吉の悪事をぼかしました。そうでなくとも、多くの作品で秀吉は人が変わったという解釈がなされてきました。ところが本作ではそれをひっくり返し、糟糠の妻である寧があれは初めから怖い人だった、だからこそ天下を取れたのだと言います。

そんな怖い人間のもとに人が集まり、天下を獲らせてしまったのか。

だからこそ怖いのです。秀吉は渦のようなもので、人を引き寄せるのです。初めはその魅力によって、権力の座にのぼりつめてからはその力によって。引き寄せられる人は、抵抗することなどできません。ですから、「こんなひどい男なのになぜ彼は味方したのか?」と問いかけることは無意味です。秀吉の前で選択肢はないのです。信繁の乗った船は巨大な渦に引き込まれ、飲み込まれて沈む運命にあります。

しかし、その渦に巻き込まれずに波を乗り切った男がいます。それこそが徳川家康です。そして本作を最初から見ていれば、実は彼こそ人が変わったのだと気づくはずです。信長の元で働き、「生き延びられれば十分じゃ」とつぶやいていた家康。伊賀越えでみっともない姿を見せていた家康。ところが今は貫禄たっぷりです。家康はこれからも成長し続け、豊臣という渦をものともせず天下をつかみ取るのです。

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