西郷どん感想あらすじ

『西郷どん』感想あらすじ第16回「斉彬の遺言」

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武士における切腹の意味とは

井伊は、密勅の存在を察知します。

一応出てきますけど、どうも本作の脚本家さんは、密勅がどういうものか、どれほどマズいのか、そして井伊直弼にとってどれだけ腹立たしい代物か、曖昧な理解のままシナリオを書いている気がします。
品川宿のイチャイチャを描く時間があるなら、そこをやればいいのに。

京都に引き返した西郷どんは、一橋派の面々と落ち込みます。

橋本左内もどんよりしていますが、本作における彼の政治工作って、遊郭で本を書いていただけなんですよね。
嗚呼、福井の生んだ若き秀才が、ナゼこんなことに。

一方、西郷どんは、月照に「死ぬつもりか?」と問われます。

月照も尋ねるのはいいにしても、切腹したところで血と内臓が出るだけ、と言ってしまうところが物足りない……。

なぜ切腹か?って、単に死ぬだけではなく、武士にとっては赤心を見せるとかいろんな意味が込められているわけで。
そういった侍の心をわからん奴だなあ、と残念なことになりましたね。ナレーションで説明しても良さそうなところです。

 

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月照のコメディ山伏 タイミング間違ってません?

そしていよいよ「安政の大獄」開始。西郷どんと月照は、薩摩へ落ち延びることになりました。

ここでお虎による、ややコメディ寄りの山伏コスプレ入門。
あまり見られなかったお笑いシーンが急に来て、ビックリされた方もおられるかもしれません。

いや、月照にやらせるというのは悪い取り組みではないと思ったのですが、安政の大獄から逃れようとするタイミングで?という……。

それでも演じきってしまう尾上菊之助さん。
時代劇における歌舞伎俳優の強さが出ていましたね。

別れ際、橋本は西郷どんに薬を渡し、目をキラキラさせながら国作りへの希望を語ります。

また、空虚なポエムです……。

達成されなくてもいい曖昧な学級目標みたいなことばっかり並べて、何が言いたいのでしょうか。
本作の登場人物には、具体的な目標・目的が感じられません。

公式サイトでは【バディ】とかなんとか呼ばれていた西郷どんと橋本左内。
もうすぐこのコンビも見納めですが、具体的に何をどう目指していたのか?わかりやすく教えて欲しかった。

橋本は、このあとチンピラに捕まりそうになります。
刺客が襲って来るだの、チンピラにやられて捕まるなど、すごく安っぽい場面が多いんですよね。そのわりに緊迫感がないですし。

 

8時40分に現れた そう、それは亡霊の……

一方で西郷どんと月照は……やっぱりコチラも緊張感がない。

月照は、あれほどしつこく山伏の指導をされたのに、結局、普段の格好のほうがよい、ということで落ち着いてしまったし、会話も平気で薩摩弁。
人相書きまで出回っているというのに普段と変わらないのでは?

しかも夜中、うろうろして腹を切ろうと思い詰めるんですよ。
本作は漫画チックな場面が多い割に、まったく緊迫感がないのです。どういう演出プランなんだろう。

西郷どんが悩んでいると、蓑虫みたいな格好をした島津斉彬の亡霊登場です。

嗚呼、やってまった!

時計を見たら、案の定、8時40分です。

この時間帯に、これぞという場面を入れるのはもはや定番。
西郷どんは追われているにも関わらず、薩摩弁で喚きます。

緊張感さん、仕事をしてください。

もういっそ、殿様の亡霊呼び出しをデフォにしてしまいましょう。

呼び出しアイテムは、殿から貰った短刀です。
セーブポイントで使うと、すごくリアルな亡霊が出てくるシステム。

って、これは朝ドラの『わろてんか』方式ですね。

高橋一生さんが演じたことで爆発的な人気となった、前作『おんな城主 直虎』の小野政次
そんな人気キャラを回想場面でもほとんど出さず、結局、最終回ラストだけだった前作は偉かったと思います。

こんな死後すぐに出てきたら、余韻も何もないでしょ?

10秒考えたらわかる愚行をナゼ平気で行ってしまうのか……。

 

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MVP:亡霊(北村藤吉)

前回の朝ドラ『わろてんか』に登場した、ヒロイン夫・北村藤吉。
彼は、仏壇の前でヒロインが鈴を鳴らすと、黄泉の国からすっ飛んできて、的確なアドバイスをする素晴らしい亡霊でした。

本作の島津斉彬も、藤吉ぐらい頑張ってドジっ子西郷どんを支えてあげてくれたらなぁ。

まだまだケン・ワタナベを見たい人は大勢いますからね。

 

総評

第一回で「武士のくせにお菓子を盗みに行くとかないわ。これ、基礎的なところがおかしい」とツッコミましたが……。

今回も、当時の武士としての規範を丸無視でした。

徳川斉昭松平春嶽
「朝早くから来ているのにご飯も出ない〜」
っていうのがほんとうに、もう。

「武士は食わねど高楊枝」
ですよ。
お腹すいたとか、美味しいものを食べたいとか、軽々しく言っちゃいけないんですよね。

あの場面でお腹がすいたとブーたれていた松平春嶽は、まだ若い日に、農婦の食事を食べてその貧しさに驚き、自分の食事をとことん質素に切り詰めました。
そういうストイックな人物なのです。

ロケ弁が不味いと文句を言う、ダメなテレビ局スタッフじゃないんですからね。
こういうレベルの話をわざわざぶっこんできて、盛大にコケる。もう慎まれた方が……。

月照の「切腹なんて、血が出て内臓が出て、グロいだけですやん」も酷いです。
武士の心根なんか何も理解しない、というか最初からアタマにないから、こういう台詞がポンポン出てくるんですね。

それにしても。
西郷どんの家族が立て続けに3人亡くなった回で、思い入れがないため何の感慨も湧かない、と書きました。

彼らより詳しく描かれたにもかかわらず、「安政の大獄」関連での退場人物にも、やっぱり何の思い入れも湧きません。

橋本左内も月照も来週退場ですが、何も響くものがないんですよねえ。

島津斉彬もそうだったので、諦めていますが。

 

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蛇足:命を賭けると連呼する胡散臭さ

特番で渡辺謙さんも突っ込んでいましたが、本作はことあるごとに、
「命を賭けて!」
「命がけでやる覚悟があるのか!」
と言っている気がします。

一橋慶喜が井伊直弼に啖呵を切った時もそうですが、本作の登場人物は、
【理屈や行動が正しいか、利益にかなうか】
よりも、
【一生懸命かどうか、命がけかどうか】
を重視しているように見えるのです。

こういう命がけだというタイプには、二種類います。

本当に命がけである人。
これはごく少数です。幕末ならば、現在よりは多かったでしょうが。

もうひとつは、失敗したら言い訳して、なかったことにするタイプ。
弁解が身についているため、深く考えずに言葉にする。そして、こちらのほうが断然多いのです。

こういうタイプの言葉は、実に空虚です。
本作の西郷どんも、そういうタイプに見えます。

西郷どん、島津斉彬、橋本左内、一橋慶喜。誰もが具体的に、命を賭けて何をするというのか?サッパリわかりません。

美しい国、誰もが米を食べられる国、異国に負けない国にしたい。
そういう、青臭い美辞麗句はやたらと言います。

しかし、具体的にそうするために何をするかの説明はなし。

あとは、自分の一生懸命さと意識の高さをアピールするだけなのです。

具体的に行動をしたとしても、一生懸命アピールすれば、ナゼか相手が納得するパターン(篤姫による徳川家定説得)ばかり。

それが通じない井伊直弼のような相手には、手も足も出ない無能のように見えます。

俊才の誉れ高い橋本左内ですら、一橋派のためにやることといえば慶喜ほっこりエピソード集という薄い本を遊郭で作るだけです。
もう、無能の極み。

本作では西郷どんがよく走ります。
これも一生懸命やっているぞアピールなのでしょう。
山の中の道を転げ回りながら走る場面は、薩摩へ急いでいることをアピールなんて、無能にしか見えないわけです。

エクセルマクロで計算する人を汚い卑怯者と責め立て、裏紙で筆算してそれをセルに書き入れる自分がいかに一生懸命か自画自賛するような――本作は、そんなレベルの話ばかりです。

一体、何がしたいのでしょうか。

著:武者震之助
絵:小久ヒロ

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