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絵・富永商太

豊臣家 その日、歴史が動いた

豊臣秀吉の見た真夏の夜の夢

更新日:

ネタに困らない人といえば伊達政宗と先日伏線を張ったばかりですが、今日の主役は違います。
慶長三年(1598年)の8月18日に亡くなった豊臣秀吉です。

秀吉の経歴については「何を今さら」という気もしますので、夏に相応しい?話から始めましょうか。

秀吉の出世のきっかけになったのはもちろん信長ですが、部将として出世した後も、天下人になってからも秀吉は信長を恐れていた節があります。
「あの信長なら誰でも怖いだろ」と思われるかもしれませんが、秀吉の場合はちょっと違います。
なぜなら、天下人になる過程で信長の孫を利用するわ、本能寺の変の翌年には信長の三男・信孝に自害を迫るわで、いつ信長の祟りがあってもおかしくなかったのです。
それでも天下を取ってからは、そんなことも忘れかけていました。

が、ここであの世からの奇襲が!
なんと、信長が秀吉の夢に出てきたのです。
しかも、どこから見てたんだとツッコミたくなるような解説付きで。
「お前、オレがいなくなったとたんにいろいろやってくれたみたいだな?孫の後見はともかく、息子同士を戦わせて殺させるわ、オレの可愛い可愛い妹のお市まで殺してくれたな?いい度胸してんじゃねえかククク。歓迎してやるから今すぐこっち来いよ」
そう言いながら信長は秀吉を掴み、どこかへ引き摺っていこうとしたそうです。

しかし秀吉もまだまだ心残りがありますから、タダで連れて行かれるわけにはいきません。

「お、お、お許しください!!!」

そう叫んで飛び起きた秀吉に、周りの人はビックリ仰天。
夢だったと気付くまで、部屋の隅であらぬ方向を見上げてひたすら信長に詫び続けていたそうです。
化けて出た信長も恐ろしいですが、茫然自失の秀吉も周りから見たら相当怖かったでしょうね……。(なんとなく創作っぽいですがそれも夏の怪談としてお楽しみくださいませ)

イラスト/富永商太

えげつないけど、意外と達筆?

実は秀吉、織田家以外にも結構酷いことをしています。
最たる例は中国攻めで行った数々の策。
三木の干殺し、鳥取城の飢え殺し、高松城の水攻めと、おぞましいほどの作戦を実行しています。
いわゆる兵糧攻めや水攻めです。
特に鳥取城のときは凄まじく、兵糧も水もなくなって飢えも限界に達した城内では、雑草や馬・牛を食べて凌いでいたといいます。
それもなくなった後は、何と死んだ味方を……。
そこまで降伏しなかった城側も城側ですが、そこまで追い詰めた秀吉もひどいものです。

さて、最後にちょっといい話を。
秀吉というと農民出身ということから、文化面には疎そうなイメージがある人も多いのではないでしょうか。
ところがどっこい(古い?)、秀吉は意外と書道が得意だったといわれています。
確かに、秀吉直筆とされている書状を見ても、他の由緒ある大名達に勝るとも劣らないきれいな字を書いています。
数多くの分野で活躍した北大路魯山人(1883-1959)は「今三筆(書道に優れた三人)を選ぶとしたら、秀吉も間違いなく入るだろう」とまで言いました。
辞世の句も
「露と落ち 露と消えにしわが身かな なにはの事も 夢のまた夢」
と、とてもきれいですよね。
口に出して読んでも語呂が良く、この句が好きだという方も多いのではないでしょうか。

秀吉を見ていると、「天下を取るほどの人は、あらゆる意味で規格外でなければいけない」という気がしてきます。

秀吉のサイン。上手でしょ~

秀吉のサイン。上手でしょ~

参考
http://blog.livedoor.jp/zuihitu/archives/51021923.html
http://mainichi.jp/graph/2013/05/11/20130511k0000m040028000c/001.html
http://museum.city.fukuoka.jp/je/html/351-360/359/359_01.htm




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