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その日、歴史が動いた

この人もしかしてヒッピー?慶應義塾創始者・福沢諭吉の無法地帯ぶり【その日、歴史が動いた】

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本日はちょっと趣向を変えまして、とある本をメインにお話したいと思います。
これです。

福翁自伝 (講談社学術文庫)

これは明治三十四年(1901年)の2月3日に亡くなった福沢諭吉の自伝です。
慶應義塾大学の創始者であり、また同校が屈指の難関であることから「福沢諭吉もカタい人だったに違いない」なんて思いがちですが、”福翁自伝”を読むとその考えが一気に吹っ飛びます。
ちなみに以下諭吉や他の人の発言は全て(ネタ方向への)意訳です。あしからずご了承ください。

そもそもまともに読書を始めたのが14~5歳というのですから、もう常人とはスタートラインが違います。マイナスの意味で。
お父上はさほど身分の高い武士ではないかわりに真面目な学者肌の人でしたが、諭吉が生まれたとき「普通に暮らしてても歴史に名を残せないから、この子は寺に入って偉い坊主になればいい。坊さんなら庶民からでも大僧正になれる」と言っていたそうです。
諭吉が2歳にもならないうちに死別したため、諭吉は直接父親と話したことはないはずですが、”福翁自伝”からはこのエキセントリックな発想が血に乗って受け継がれた事がはっきりわかります。

何せご家老が気に入らないからといって藩を出て行き、兄が亡くなって一度は家を継いだにも関わらず、「私は学問がしたいので出て行きます」と言って本当に出て行くというファンキーぶりです。
お母さんも相当変わった人だったようで、「私は寺に入ることになっていたのだから、もう死んだものと思って諦めてください」と言い放った諭吉に対し「おう、どこででも死になさい」と引きとめもしませんでした。
仮にも武士でありながら、家にこだわらないにも程があります。

このように、普通の人だったらとっくのとうに天からも見放されているような言動ばかりの諭吉なのですが、不思議とお金や協力者に困る事はありませんでした。
”福翁自伝”に載っているだけでも、「路銀(旅費)が尽きかけて船の運賃をちょろまかすために何とか頭を巡らせていたら、たまたま居合わせた人が助けてくれた」とか、「江戸に出てきたら、知り合いの知り合いが面倒を見てくれた」という類の話は何回も出てきます。
類稀な強運と見るべきか、何かしらの神様によほど好かれているのか……。

ただし、学問に対する熱中振りはすさまじいものでした。
・「知り合いが持っている本がどうしても欲しい。でも手に入らない。(ピコーン!)じゃあ借りて全部書き写せばいいじゃん」→本当に実行する
・昼夜を問わず勉強し続け、寝るときはその辺で居眠りしていたので何年も寝具を使わなかった→「そういえば、枕って使ったことないな」と何年も経ってから気付く
などなど、ソレ体壊すだろというようなことも、勉強のためなら平気でやってしまっています。
ただしその間「大酒を飲みすぎてほぼすっからかんになった」とか「遊女に皿をぶつけて三味線を壊した」といったどう考えてもろくでなしなエピソードも入るんですけども。

”福翁自伝”はあまりにもツッコミどころが多すぎて書ききれないほどですが、末尾には「若者の気品を高め、文明の名に相応しい国にしたい」と極めてまともなことを言っています。人間歳を取ると性格が丸くなるっていうのは本当なんですねえ。
一万円札に選んだ人は若い頃のエピソードを知ってたんでしょうかね。

電車の中で読むと、おそらくページをめくる度に腹筋を鍛える事になるので通勤・通学時にはオススメできませんが、いろんな意味で面白い本ですので未読の方はぜひどうぞ。
冒頭のような現代語訳でざっくりつかんでから原典を読むのもいいでしょう。

長月七紀・記

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この記事の参照にしたのは、数ある福翁自伝からちくま新書のこちらです↓





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