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樋口一葉/国立国会図書館蔵

女性 その日、歴史が動いた 明治・大正・昭和時代

樋口一葉が小説家の道を選んだ意外な理由とは?

更新日:

現金を持ち歩かない主義の方はともかく、お財布の中にはやはりお札にスタンバイしていてほしいですよね。
親しみをこめて「諭吉が3人いる」「野口さんしかいないや……」なんて言い方をすることもあります。

が、そのお札に描かれている人物については、顔と名前以外知らないという人も結構多いのではないでしょうか。
今回は(おそらく)お札の人の中で最もナゾに満ちた人物のお話です。

明治五年(1872年)のあす3月25日、樋口一葉が誕生しました。五千円札に描かれている女性ですね。

 

お札の選定基準って意外と曖昧?

国語や歴史では「”にごりえ””たけくらべ”を書いた女性作家」の一言で済まされていることが多いため、その作品の中身や一葉自身についてはほとんど知られていないように思います。
まあ、他のお二人も「慶応義塾の人」とか「手に大火傷した学者さん」くらいしかわからないという人も多い予感がしますが。

ちなみに選定基準としては「明治以降の人で写真が残っており、肖像画を作りやすいこと」「歴史上で功績のある人」といった結構テキt……曖昧なもののようです。

男性が多いのは、シワなどによって複雑な顔立ちにしやすく、偽造防止に役立つからなのだとか。この辺の時代だと、男性のほうが写真を撮る機会も多いですしね。でも、どうせならお札が変わるときに選定の理由とかも宣伝すればよかったのに。

いかんいかんまた政府へのダメ出しになってしまいました。
気を取り直して、樋口一葉の生涯を見てみましょう。

 

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執筆活動わずか数年で肺結核に・・・

作家として名高い一葉ですが、実は執筆活動をしていたのは4〜5年程度の短い期間でした。
なぜかというと、24歳というあまりにも若すぎる死を迎えたからです。

死因は当時死病とされていた肺結核で、名声を得た直後のことです。もし結核にかかっていなければ、もっと多くの作品を残していたのでしょうね。

一葉の文才を見抜いたのはお父さんで、生活が苦しい中からお金をやりくりして文学の私塾へ行かせていました。が、この私塾の生徒はほとんど政治家や軍人の身内で、いわゆるお嬢様学校のようなところだったため、あまり身分の高くない一葉は肩身の狭い思いをしていたそうです。

生徒なのに、女中さんのような雑用もしていたとか。そんな扱いする先生も先生だ。

 

姉弟子が小説で「ひとやま当てた」なら私にも!?

しかし、このときの姉弟子さんが結果的に一葉の作家デビューのきっかけになりましたので、彼女の忍耐は報われました。

一葉は極度の近眼の上、家事が嫌いだったので、家の中でできる他の仕事を探していたところ、姉弟子さんが小説で一山当てたのを知り、「同じお師匠様についていたのだから、私だってできるはず」と執筆を始めたのです。

これが20歳のときのことで、その後数々の雑誌に寄稿し、森鴎外や幸田露伴などの評価を得て女流作家としてこれから活躍するであろう……と目されていたところで亡くなってしまいました。

近代では作家として地位を固めた初の女性でしたので、もっと長生きしていれば今頃はそれこそ漱石らと同じくらいの知名度になっていたかもしれませんね。

手元のピー年前の教科書によると一葉は「女性の悲哀を描いた作家」ということで紹介されておりまして、実際に彼女の小説は「複雑な家庭環境もしくは身分の差によって、恋愛や結婚に一悶着起きる女性の話」が多くあります。

もしかしたらこのテーマ選びは、一葉自身も結婚に関するトラブルに見舞われた経験があるかもしれません。
明治時代は数々の文豪が登場し、作品名と作者名をひたすら暗記させられてイヤな思いをした記憶のある方も多いのではないかと思いますが、そのうちの一人……のお兄さんと婚約しかけたことがあるのです。

お相手は、夏目漱石のお兄さん・夏目大介でした。漱石のお父さんと一葉のお父さんが同じ職場の上司と部下だった時期があり、その縁でということだったそうです。

が、一葉パパが漱石ダディに何回も借金を頼んでいたため、「親戚になったら家ごと持っていかれるんじゃなかろうな」とキケンを感じた漱石ダディがお断りしたのだとか。

 

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漱石と一葉 ドリームコラボもあったかも・・・

この時代の結婚ならよくある話といえばよくある話ですが、一葉も大介も何も悪くないのがかえって後味の悪い話ですね。もしこの結婚が成立していたら、漱石と一葉がお互いの作品に影響を与え合うなんてこともあったのかもしれません。暗記はややこしくなりそうですけど。

この他一度婚約した相手が多額の結納金をせびってきたため破談になったりと、自身もあまり恋愛や結婚には恵まれない人でした。

漱石の胃病その他病歴が作中に反映されていることもありますし、このあたりの「作家自身と作品の共通点」を探してみると、少し覚えやすくなるかもしれませんね。その時代に書かれた小説から当時の生活を窺うこともできますので、こういう勉強の仕方もアリだと思います。

地理と歴史と国語あたりは絡めて覚えると結構イイんじゃないかと思うんですが、先生方が困るからダメなんですかね。

長月 七紀・記




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参考:樋口一葉/wikipedia

 




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