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フランス王ルイ11世の遍在する蜘蛛が最強かも/Wikipediaより引用

欧州 その日、歴史が動いた

世界のアダ名がパネェ! 「美男王」に「禿頭王」、「失地王」と来て「遍在する蜘蛛」なるものまで

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中間管理職の悲哀が語られるようになって幾星霜が過ぎましたが、組織のトップもまた気楽なものではありません。
重役出勤とか接待ゴルフでのんべんだらりとできるようになったのは現代の社長・会長くらいで、それまでの国王とか大貴族のお偉いさんというのは心身ともに苦労の塊のようなものです。
特に中世(全世界共通で17世紀くらい)までは、ヘタをするとあっという間に失脚したりブッコロされたり幽閉されたりするのがザラでしたからね。

「隣の国の王様は従兄弟だよ!」なんてことが珍しくないヨーロッパでは、それに拍車がかかることもしばしばありました。

1345年(日本では南北朝時代・興国六年/康永四年)、ポルトガル王フェルナンド1世が誕生しました。ポルトガルの歴史自体はまた日を改めて扱うとしまして、彼を始めとしたヨーロッパの王様についてお話しましょう。

ポルトガル王フェルナンド1世/Wikipediaより引用

ポルトガル王フェルナンド1世/Wikipediaより引用

 

美男王とあだ名されるぐらいのイケメンだった 

というかこの人結婚のゴタゴタと領地争いやってたくらいで大きな功績がちっとも(ry 特筆するとすれば、「人妻に横恋慕して無理やり離婚させてモノにした」→「市民大暴動」→「なぜか王妃(正妻)が鎮圧させる」という摩訶不思議な事件があったことくらいでしょうか。
ダビデ王もびっくりだよ!
※ダビデ王……若い頃は大男ゴリアテを倒した英雄だったが、後に色ボケして人妻をモノにするため旦那さんをわざと生きて帰ってこれなさそうな戦場に送った人。当然神様に天罰をくらった。旧約聖書の登場人物。デイヴィッドなどの人名の元ネタ。

まあそれはさておき、フェルナンド1世は「美男王」とあだ名されるくらいイケメンでした。イケメン無罪ですかわかりますん。
もしかしたら、このあだ名に聞き覚えのある方もいるかもしれません。それもそのはず、「美男王」とか「端麗王」なんてふうにイケメンぶりを称えられた王様は何人かいるのです。
【美男王】はシャルル4世(フランス)、【端麗王】はフィリップ4世(フランス)のあだ名です。

他にも言動がアレだったので「狂王」というほうが多いものの、ルートヴィヒ2世(バイエルン)もイケメンで有名でした。彼は絶世の美女・エリーザベトと親戚だったので、そういう家系だったといわれています。

ちなみに女王の場合、美しさを称えられたという人はあまりいないようです。女王に付いた人物がそう多くないというのもあるでしょうが、男女差別の証左でしょうね。
前述のエリーザベトを始め、ナポレオン3世の皇后・ウジェニーなど、皇后や王妃であれば何人かいるのですが。お若い頃は綺麗でも、王という重職と出産のプレッシャーでか、大分ふくよかになられてしまうことが多いですし。

端麗王と呼ばれたフィリップ4世/Wikipediaより引用

端麗王と呼ばれたフィリップ4世/Wikipediaより引用

 

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禿頭王とか肥満王、長身王などの切ないものも…

なんでヨーロッパの王様ばかりこんなあだ名が付くのかというと、理由はものすごく簡単です。基本的に聖書から名前を拾ってくるので、同じ名前の人が多すぎるのです。
加えて、ヨーロッパでは別の国の王様を兼任するときに現地の名前を持つということもよくあったので、わかりやすいあだ名でもつけないと「コイツ誰だっけ? あー、あっちでも王様やってたヤツね……ややこしいわ!」ということになってしまうのです。

異名を持った女王が少ないのは、そもそも同じ名前でなおかつ女性君主が少ないからなのかもしれません。
”エカチェリーナ”(ロシア皇帝)や”イサベル”(スペイン王)は何人かいますが、他はほとんど「○世」がつかない=一人しかいない名前ですしね。ヴィクトリア女王とか。

さて、どんな基準であだ名をつけていたかというと、概ね二つに分類されます。
一つは「美男王」のように、身体的特徴からつけたもの。ブタゴリラみたいな感じですね。「禿頭王」とか「肥満王」、「長身王」とか見たまんまでつけられていて、こんな呼び勝たされても全くもって嬉しくなさそうです。

もう一つは言動や功績から何となくイメージした単語をつけたと思われるもので、こっちのほうがひどいかもしれません。
どちらかというとpgr的な意味が多いような気がするのはワタクシだけでしょうか。
最初に領地を分けてもらえなかった上、百年戦争で大幅に領地を失ってしまった「失地王」ジョン(イングランド)がワーストですかね。「敬虔王」ロベール2世(フランス)とか良いイメージのものもあるんですけども。

 

さすがに「遍在する蜘蛛」は意味がわからん

また、ロシアには「雷帝」という実に厨二心をくすぐられる皇帝がいました。16世紀のイヴァン4世という人です。
別に雷の魔法が使えたというのではなくて、雷のようにおっかない人だというのでそう呼ばれました。おそろしあには五百年もの歴史があるんですねえ。
もっと時代を遡ると「哲人皇帝」と称されたローマ皇帝・マルクス・アウレリウス・アントニヌスあたりもカッコイイですね。

どっちにも分類しかねるのが、フランス王ルイ11世の「遍在する蜘蛛」です。
主に敵対する人々から言われたそうなのですが、由来が全くわかりません。迷信深くて言動がちょっと不気味だったようなので、その辺から来たイメージでしょうか。

国別に見てみると、フランス・イギリスではいい言葉と悪い言葉が両極端な傾向があり、ポルトガルでは良いあだ名をつけることが多いような気がします。
度々国名が変わっていますが、現代のスペインに当たる地域にあった国(アストゥリアスとかカスティーリャとか)ではマイナスなあだ名が多いようです。

「残酷王」とか「狂女王」なんて出てくるのはスペインくらいのものです。多分。「狂女王」とされたフアナについては、現代で言うヒステリーが酷かった程度の気がしますけどね。

フランス王ルイ11世の遍在する蜘蛛が最強かも/Wikipediaより引用

フランス王ルイ11世の遍在する蜘蛛が最強?/Wikipediaより引用

 

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日本では「地名+動物」の法則

日本では天皇=神様扱いの時代が長かったため、あまりあだ名をつけるということはなかったようです。
そもそも名前を呼ぶのも畏れ多いということで「お上」とか「賢きあたり」なんて呼び方をしていましたから、当然といえば当然ではあります。例外は源頼朝に「大天狗」と呼ばれた後白河法皇くらいでしょうか。
反対に武家政権になってからや戦国時代に入ってからはいろんなあだ名が出てきます。

面白いのは、ヨーロッパでは「○○王」というようにあくまで「形容詞」+「王」なのに対し、日本や中国では「地名」または「特徴」+「動物の名前」が多いことです。
「独眼竜」なんかがいい例ですね。元々は中国の李克用という人物が隻眼でありながら優れた将軍であったことからつけられたもので、それになぞらえて伊達政宗がこう呼ばれたため有名になりました。
他にも「佐和山の狐」石田三成、「羽州の狐」最上義光、忘れちゃいけない「越後の龍」上杉謙信、「甲斐の虎」武田信玄などなど、枚挙に暇がありません。

多分「神様は人間のためにいろいろ作ったんだから、人間が一番エライんだよ!」とするキリスト教的な考え方と、「世の中には人間以上に知恵や悪巧みに優れた生き物がいる」とする東洋的な考え方が現れているのでしょうね。

そんな中「狸」の一文字で通じる家康ぱねえ。

人名暗記は歴史嫌いの第一歩ですけれど、こういう面から君主一覧などを見てみるとちょっと面白く感じるかもしれませんね。
どっちかというと教科書的に重要な人より、マイナーな人のほうが面白いですがw

 

長月 七紀・記

 




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参考:フェルナンド1世 (ポルトガル王)/Wikipedia

 

 




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