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薬師寺(Wikipediaより)

飛鳥・奈良・平安時代 その日、歴史が動いた 寺社・風習

天武天皇が建立した薬師寺に秘められた愛とは?

更新日:

 

愛の力は偉大です。
困難な状況を恋人やパートナーの励ましによって乗り越えたという例は枚挙に暇がありませんし、”ボスニアのロミオとジュリエット”のように、悲劇が待っているとわかっていても愛を貫いた人々もいますよね。

日本語には元々”愛”という単語や概念が薄かったので、そうした感情には淡白だったかと思いきや、奈良時代に一風変わった愛の奇跡を起こした(っぽい)人がいました。

法隆寺や東大寺にまぎれていても世界遺産の薬師寺

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天武天皇九年(680年)の11月12日は、天武天皇が薬師寺建立を発願したとされている日です。
修学旅行の定番コースですが、中高生のときってだいたいの人が「お寺の区別なんかつかねーよ!」という感じですから、あまり興味のなかった方が多いのではないでしょうか。
今回は薬師寺に隠された?愛の物語をお話しましょう。
奈良時代に限らず、天皇含めお偉いさんといえばお寺を作るのが趣味のようなもの。
もちろんただのヒマ潰しではなくて、ご利益や何らかの祈願をするために建てるわけですが、薬師寺の場合も例外ではありませんでした。
天武天皇は、当時体調を崩していた皇后(後の持統天皇)の病気平癒を祈ってこのお寺を建てさせたのです。
それはこのお寺の名前やご本尊にも現れています。

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病気の奥様のために祈っていたら自分が…

この場合の”薬師”とは薬師(くすし)や薬剤師のことではなく、薬師如来という仏様のこと。書いて字の如く、病気回復その他を司り、人々を幸せにするという仏様です。
この方は十二誓願という12個の誓いを立てて仏様になったということなのですが、その中には「成仏するために男性になりたいと思う女性を助ける」なんてのもあります。いつ頃薬師如来の存在が固定化されたのかははっきりしませんが、トランスジェンダーのはしりとでもいえましょうか。
他にも「寒さや虫刺されで困っている人に衣服を与えて助ける」などもありますので、元は随分細かいところに気の付く人だったんでしょうねえ。
こうしたわかりやすさと具体性のため、特に日本で信仰を集めた仏様です。現世での(細かい)苦しみから解き放ってくれるというのですから、そりゃ信じたくもなりますよね。

薬師如来(Wikipediaより)

薬師如来にはお供の仏様がお二方いらっしゃいまして、薬師寺の像も”三尊像”といわれる三人(仏)一組のタイプです。
日光菩薩・月光菩薩といって、薬師如来を中心として左右に控えるような形で作られています。
月光菩薩は特撮の名作「月光仮面」の元ネタだそうで。魔改造にも程があんだろ。

亡き夫の冥福を祈り建造を引き継いだ妻持統天皇

そんな経緯があって、天武天皇は薬師如来を本尊としたお寺を建て始めたわけですが、完成前の685年ごろには天皇自身が病になってしまいます。
このとき代わって政務を執っていたのが、元々平癒を願われていたはずの皇后だったというのがなんとも言えません。
ワタクシのような俗物は「代わりに仕事できるくらいなら、もう建てる必要なくね?(´・ω・`)」とツッコミを入れたくなってしまうんですけども、彼女も天武天皇の意向をそのまま引き継いで、薬師寺の建立を続けさせました。

しかし、皇后が快癒した代わりなのか、天武天皇は落成を見ることはできずに亡くなってしまいます。残念。
薬師寺の完成年ははっきりしていませんが、698年には「ほとんど建物ができて、お坊さんに住んでもらってるよ」という記録があるようなので、天武天皇の薨去から十年前後で落成したとみていいでしょう。

天武天皇側から見るとビミョーな雰囲気が漂いますが、ご本人としては「お寺ができる前から皇后を回復させてくださるなんて、薬師如来様は何とありがたいお方なんだ!」と感謝感激雨あられだったかもしれませんねえ。
愛の強さが仏様のお眼鏡に叶った……と考えれば深イイ話でしょうか。
薬師寺は年間行事が多く、またコンサート会場としても度々使われているため、「お寺なんて堅苦しくて行く気にならないよ」という方はそういう日に立ち寄ってみるといいかもしれませんね。
ここまで書いておいてナンですが、ワタクシも行ったことがないのでいずれ行きたいと思います。腱鞘炎も治してくださらないかしらん。

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(唐招提寺と薬師寺は、東大寺や法隆寺やらから離れてますからね~)

長月 七紀・記




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参考:http://ja.wikipedia.org/wiki/薬師寺

 




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