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その日、歴史が動いた

5月11日誕生日 頭の中を見てみたい人No.1サルバドール・ダリの人生とは

更新日:

日本ではとかく「他の人と同じであることが当たり前で素晴らしいこと」ということになっていますが、その一方で「個性がないと怒られる」という摩訶不思議な状態が続いていますよね。
さらに、奇抜な物や人を賞賛しては真似をして流行が生まれたりするのですから、もうワケワカメとしか。まあ、そういうものを生み出す側としては他人の評価などどうでも良いのでしょうけどね。
本日はそんなうちの一人、「わが道を行くにも程があるだろ」という芸術家のお話です。
1904年(日本では明治三十七年)5月11日、後々スペインの芸術家として有名になるサルバドール・ダリが誕生しました。
近代美術をお好きな方なら「記憶の固執(柔らかい時計)」という歪んだ時計がいくつも描かれている絵でご存知でしょうかね。
この絵だけでも常人とは違った感覚を持っていることが何となくわかりますが、彼の一生を見ていくと、最早理解の範疇を超え過ぎていてわけがわかりません。
……とだけ書いて終わらせるのも乱暴すぎるので、できるだけ深く考えないようにしながら話を進めていきましょう。

とはいえ幼い頃から絵画に興味があったり、名のある画家に才能を認められたりといったところまでは芸術家としてごくごく普通でした。
生まれたのはスペイン北東部のフィゲラスという町で、18歳のときマドリードの美術学校に入り、画家だけでなく詩人や映画監督など、多方面の芸術家たちと知り合いました。
21歳の時には初めて個展を開いており、早くから一般にも認められていたようです。
このときの作品の一つが日本の「池田20世紀美術館」というところにある「ヴィーナスと水兵」なのですが、まあこの時点だと割と一般的にも受け入れられやすそうな感じの絵です。

その後何がどうなって「記憶の固執」のような絵になっていったのかというと、シュルレアリスムという概念、そしてそれに該当する各方面の芸術家たちとの交流からでした。
シュルレアリスムはフランス語読みで、日本では英語の発音と混ざって「シュールレアリズム」と呼ばれていることが多いですね。
「シュール」とついている通り、悪く言えば常人には理解しがたいような非現実的に見える描写、良く言えば幻想的な表現をする芸術のことをさします。
有名どころではゴヤ(過去記事:『進撃の巨人』の元ネタ? スペイン画家フランシスコ・デ・ゴヤの絵が尖り過ぎ! 【その日、歴史が動いた】)やピカソなどもシュルレアリスムの画家として知られていますね。
こう書くと何だかスペインのお家芸のようですが、ドイツやアメリカにもこうした芸術家はいます。スペイン人に多いのも間違いないですが。

ダリの作品は写実的・具体的でありながらもどこか不気味さを感じさせますが、夢の中のような幻想的な部分があるためか、シュルレアリスムに分類される芸術家の中でも人気が高い人です。
他にも香水(中身・ボトル両方)やタロットカードなどのデザインも手がけているので、他の芸術家と比べて一般の人の手に直接触れるものが多いからかもしれません。
もう少し身近な例でいうと、キャンディの「チュッパチャプス」のロゴの原案はダリが描いたのだとか。どうでもいいですが、チュッパチャ”ッ”プスじゃないらしいですね。へぇへぇへぇ。

もともとスペイン発祥のチュッパチャプス(Wikipediaより引用)

そのセンスは芸術だけでなく日常生活にも現れており、「茹でた隠元豆のある柔らかい構造(内乱の予感)」という作品を後々になってから「スペイン内戦の予言だ」と自画自賛したことがあります。確かに自分自身を引きちぎっているような表現ではありますが、予言って起こる前に言わないと予言にならないんじゃ……?

ggccaatt.netより引用

それでいて「天上天下唯我独尊」だったのかというとそうでもなく、他の画家ではフェルメールを高く評価していました。こちらは「真珠の耳飾りの少女」で有名な人ですね。

また、ロンドンで講演会をしたときには「潜水服を着て登壇する」というのっけから注目度MAXな姿で現れたこともあります。が、途中で酸欠になり死に掛けるという伝説も残しました。気付けYO!
ちなみにこの二つ、同じ年(1936年)のことだったりします。濃すぎるとしか表現できない。

そんな感じでダリに関しては奇抜なエピソードのほうが圧倒的に多いのですが、優しい面も持っていました。
25歳のときに知り合ったガラ・エリュアールという女性と結婚したのですが、彼女に先立たれたときには「人生の舵を失った」とまでいうほど落ち込み、翌年の5月を最後に創作活動をやめてしまったほどでした。それ以降、フランスとの国境付近にあるジローナという町に城を買ってそこに引きこもってしまったといわれています。
なぜかその2年後(※80歳)のときに寝室で大やけどをしているのですが……寝タバコですかね? ボヤの原因になりやすいので画面の前の皆さんもやめてくださいね。

変人っぽいけど人間的にはまともだった?ダリ氏(Wikipediaより)

基本的には妻亡き後引きこもり生活だったようですが、たまには外出していたようで、亡くなったのは故郷の町・フィゲラス滞在中のことでした。
85歳という長寿でしたが、死因が心不全といわれるとなんだかきな臭い感じがするのは推理小説の読みすぎですかね。

また、オセロットという大型の山猫を飼っていて、旅行にも連れて行っていたとか。どうやって運んだのかは謎ですが、一緒に写った写真もいくつか残っています。
このオセロットは「Babou」という名前だったそうなのですけども、残念ながら性別や読み方がわかりませんでした(´・ω・`) もしご存知の方いらしたら教えてくださいませ。
そういった優しい面があることを知った上で、最後の作品である「時間のプロフィール」という彫刻を見ると、何となくこの歪んだ時計がダリの涙のように思えてきます。
作品のセンスにしろ妻やオセロットへの愛情にしろ、他人からは奇抜に思えても、ダリ本人にとっては至極当然のことだったのでしょう。
となると、数々の作品もまたダリの頭の中を(当人比で)素直に表したものなのかもしれません。
いずれにせよ、彼が優れた芸術家であることは変わりないですし、今後も人気のある芸術家でありつづけるのでしょうね。

長月 七紀・記

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参考:サルバドール・ダリ(wikipedia)
http://www.nichireki.co.jp/ikeda/collection.html
http://www.parfums-salvadordali.jp/jp/dali-perfume/art-of-perfume.html
http://www.ggccaatt.net/2015/01/08/サルバドール-ダリ-茹でた隠元豆のある柔らかい構造-内乱の予感/





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