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その日、歴史が動いた 災害・事故

地球規模で異常気象を撒き散らした1815年のタンボラ山噴火 インドネシアから世界へ

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「天災」はその字面だけでも恐ろしいものです。
科学や技術がいくら発展しても、大自然のエネルギーを前に「人間はなんと無力な存在なのだろう」と感じることも珍しくありません。古代の人が天候を神と感じたのも無理からぬことです。
本日はその中でも、文字通り地球上の多くの歴史に影響を与えた一件のお話です。

1815年(日本では江戸時代・文化十二年)4月10日、インドネシアのタンボラ火山が噴火しました。

先日の雲仙岳に引き続き「また火山の話か」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、こちらの噴火は、それまでの200年で最大の噴火とも呼ばれる超大規模なものでした。

大規模な噴火というと、近年では2010年のエイヤフィヤトラヨークトル山(アイスランド)のものがありますけれども、あれすら上回るほどの規模と思われます。
最近の研究では「タンボラ火山の前にも、大規模な噴火をした山があったようだ」という流れになっているのですが、まあそれはそれということで。

タンボラ山噴火の降灰分布図/Wikipediaより引用

 

標高4,000メートルの山が吹き飛び2,850メートルへ

上記の通りタンボラ火山はインドネシアにあります。しかし、この噴火により北アメリカやヨーロッパ、中国での被害も記録されるほどです。
日本ではなぜかこの時期、大規模な飢饉などは記録されていません。ときの将軍は11代家斉で、他に大きな出来事もありませんから、記録が漏れたというわけでもないでしょう。
遠方のヨーロッパやアメリカにも影響が出ていて、すぐ近くの中国や台湾でも異常気象が起きているにもかかわらず、日本だけ免れるというのは摩訶不思議ですね。朝鮮半島や琉球の記録があればヒントになりそうなのですが……残念ながら見つかりませんでした。

また、地元(というのもビミョーですが)インドネシアの記録もありません。
これは当時、インドネシアが国として成り立ったばかりのオランダ(ネーデルラント連合王国)のものだったからと思われます。
オランダ本国やヨーロッパでもヤバイ状態だったので、地球の裏側に等しい植民地の記録なんて気が回らなかったんですかね。

タンボラ火山自身も4000メートルほどあった標高が吹き飛び、2850メートルになっているので、相応の被害が出ているはずなのですけれども。
では、その冗談抜きでヤバかった世界各地の被害を見てみましょうか。

阿蘇山を彷彿とさせるようなカルデラですね/Wikipediaより引用

 

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北アメリカでは穀物相場が7倍以上に急騰!

・北アメリカ
霜で農作物が壊滅的な被害を受け、穀物価格が急騰しました。だいたい7倍以上(!)です。
この記事を書いている時点でお米の平均価格が2000円/5kgなのですが、これが7倍になったとしたら1万4000円/5kgです。日本人をやめたくなりますね。
その他、「5月に吹雪・積雪が起きた」「7~8月に河川が凍結した」など、一言で異常さがわかる気象が多く記録されています。

・ヨーロッパ
ヨーロッパはこの頃、ナポレオンがエルバ島を脱出した直後でした。
各地でやはり不作になり、食料を巡る争いが起きてナポレオンの始末どころではなかったようです。
スイスでは非常事態宣言が出たほどでした。
ハンガリーやイタリアでは、タンボラ山の火山灰が含まれた赤い雪が一年中降っていたといわれています。

・清(中国)
異常なほどの冷夏で稲や畑が壊滅した上に、季節風の変化により長江で大洪水が起き、やはり農業に深刻な被害を与えたそうです。
上海の東、つまり南部である江西省や安徽省でも夏に雪が降ったとか。

・台湾
雪や霜が記録されています。
今年(2016年)の1月にも世界的な寒波のために、台湾や世界各地で死者が相次ぎましたが、おそらくこの1810年代後半も、多くの犠牲者が出たのでしょうね。
現代ほど科学の発達していない時代では、「この世の終わりだ」と思った人も多かったでしょう。

しかし、この大災害により、新たに考えだされたものもあります。

自動車や化学肥料、フランケンシュタインです。

 

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せっかくのバカンス→フランケンシュタインの誕生で意味不明

もともと寒冷なドイツではその傾向が強かったようで、複数の例が見られます。
カール・フォン・ドライスという貴族の発明家が「馬の飼料が足りない? なら、馬に頼らない方法を考えればいいじゃない」と大胆な発想の転換をし、「ドライジーネ」という自転車の原型となるものを作りました。

また、科学者のユストゥス・フォン・リービッヒはこのとき飢餓を経験したのがもとで「またあんな目にあってたまるか!」と闘志を燃やし、後々化学肥料を生み出したといわれています。

一風変わっているのが、イギリスの小説家メアリー・シェリーです。
彼女は友人とスイスでの休暇中にこの災害にみまわれ、せっかくのバカンスを屋内で過ごさなくてはなりませんでした。
意気消沈するかと思いきや、メアリーたちは「一人一本ずつ怪談を書く」というエキセントリックなヒマ潰しをしはじめます。そしてメアリーが書いたのが、かの有名な「フランケンシュタイン」でした。
これにより、メアリーは「SFの創始者」ともみなされています。

 

熱帯地方のためお湯に浸かる習慣がないだけで温泉はある

……悲惨な光景ばかり想像したままだと(`;ω;´)な気分で終わる感じになってしまいますので、ちょっとだけ嬉しい話題でおしまいにしましょうか。

インドネシアに火山が多いということは、温泉も多いということになります。が、何故か温泉地としてはあまり知られていません。
というのも、「熱帯地方のため、お湯に浸かるという習慣がない」んだそうです。地元の人が入らないのなら、旅行客に広まらないのも当然の話ですよね。

最近は温泉を備えた宿泊施設も増えてきているようですので、「温泉行きたいけど海外も捨てがたいなあ」なんて方は、いっちょインドネシアを候補に入れてみてもいいかもしれません。

ジャワ島・バンドン郊外の2つの温泉「チアトル」と「チパナス」/AB-ROADより引用

長月 七紀・記

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参考:タンボラ山/Wikipediaより引用 夏のない年/Wikipedia AB-ROAD

 





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