植村直己 (KAWADE夢ムック)

明治・大正・昭和時代 その日、歴史が動いた

植村直己がマッキンリー登頂!世界トップクラスの冒険家は朴訥な人柄だった

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”冒険”は、ゲームや漫画の話だけではありません。

現代でも、前人未踏の地などに挑む「冒険家」や「探検家」は存在していて、例えば世界七大陸の最高峰登頂を目指す人なんかが注目されがちですよね。

命がけで何考えてるんだ?
というツッコミもあるかもしれませんが、その達成感は何物にも耐え難いものがあるようで、いつの時代も絶えない職業でもあります。

今回は日本にもいた偉大な冒険家に注目。

昭和四十五年(1970年)8月30日、冒険家の植村直己さんがマッキンリー山の登頂に成功しました。

これにより彼は、世界初の五大陸最高峰を踏破するという偉業を成し遂げています。

 

植村直己が世界初!五大陸の最高峰に登頂

ついでですので他の山の名前と、それぞれどこにあるのかを書いておきますね。

(   )の中は植村さんが踏破した年月日です。

・ヨーロッパ - モンブラン(1966年7月25日)
・アフリカ - キリマンジャロ(1966年10月25日)
・南アメリカ - アコンカグア(1966年2月5日)
・アジア - エベレスト登頂(1970年5月11日)
・北アメリカ - マッキンリー(1970年8月30日)

列記してみるとなかなかのハードスケジュールですね。
これ以前からいろいろな山に登っているので、登山技術は相当なものだったのでしょう。

登山は標高だけでなく、当日の天候や地形等によって難易度が大きく左右されるため、挑み始めて4年程度で全制覇というのは、やはり偉業という他ありません。

キリマンジャロなどは一般の人でも10日くらいかければ登れるらしいのですが、全てがそういうわけではないですし。

 

身も心も現地に溶けこんでから

さて、植村さんの冒険には、いくつか特徴があります。

一つは、単独もしくはごく少人数での達成を基本としたこと。大規模なチームを組んで冒険に挑んだことはほとんどありません。

もう一つは「現地に溶け込んでから目標達成を目指す」ということでした。

冒険家や登山家は体を現地の気候に慣らしてから踏破に挑戦していくものなのですが、植村さんは気候だけでなく、現地の習慣にも溶け込んでから冒険を始めていたのです。

例えば、犬ぞりでの単独北極点踏破を目指したときには、現地に近いグリーンランドで半年近く犬ぞりの訓練と現地の生活を平行して行っていました。

どのくらい溶け込んでいたか?
というと、現地でも好みの分かれる伝統料理が大好物だったとか。

キビヤックというちょっと特殊な発酵食品で、ここで調理法と食べ方を事細かに書いてしまうとおそらく半数くらいの方が気分を悪くされそうなのでやめておきます。

ちなみにヤバさの一端をお伝えするために書きますと、世界の臭い食べ物ランキングの4位。
焼きたてのくさやよりも臭うそうです。( д ) ゚ ゚

 

日本から持ち込んだ道具で命を救われることも

しかし、何もかも現地の方法でやったわけではなく、独自にアレンジしたり日本から持ち込んだ道具を使うこともありました。

クレバスと呼ばれる裂け目に落ちたときでも這い上がれるように竹竿をストッパー代わりにし、そして実際に助かった経験もあり(最後はクレバスに落ちて亡くなったとされております)、犬ぞりには強化プラスチックを組み込んで強度と軽さを上げたり、合理的な工夫を加えています。

長野県の農家生まれだったので、自然に向き合うセンスがあったというか。現地の環境に合う道具や手法を考えるのが得意だったのでしょうね。

意外かもしれませんが、性格的には繊細で用心深い人でもあったそうです。
だからこそ上記以外にも世界初の偉業を成し遂げることができたハズです。

また、饒舌ではないもののご自身の体験を語るのはお上手だったそうで、講演会では多くの人が感激したとか。

こういう厳しい環境へ行く方はスーパーマンのような完全無欠の存在と思ってしまいがちですけども、こんなにすごい方でも不得意なことやいろいろ工夫をして成功していったんだと思うと、ちょっとした指標になるかもしれませんね。

植村直己さんは多数の著書も出しており、いずれもご本人の人柄がよく現れた良書だと思われますので、よろしければどうぞ。

長月 七紀・記

【参考】
『植村直己 (KAWADE夢ムック)』(→amazon link
『青春を山に賭けて』(→amazon link
『北極圏1万2000キロ (ヤマケイ文庫)』(→amazon link
植村直己/Wikipedia

 



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