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三十八間総覆輪筋兜(歴史館HPより)

最上家 歴史ウォーカー

局所的に人気高騰の戦国武将最上よしあっきーの聖地「最上義光歴史館」ルポ

更新日:

戦国ファンの間で、局地的に人気の最上義光(よしあき、よしみつじゃないよ)。

そんなヨシアキ愛にあふれる当編集部員が、よしあきの聖地、最上義光歴史観を訪れた。わかってもらえる人だけわかればよろしい、そんなルポなのです。どうぞ最後まで読んで、よしあきへの関心を高めていただきたい。

最上義光 (人物文庫)

 山形城周辺には山形美術館をはじめ、さまざまな施設がある。歴史好きならはずせないのが「最上義光歴史館(URL)」だ。この施設は山形駅から徒歩20分ほど、「霞城公園」(山形城址)に隣接しており、アクセスもよい。基本は月曜休館だが、改装のための臨時休館日や、花見期間中の開館時間変更などもあるので、事前に公式サイトを確認しておこう。

最上義光のための最上義光による最上義光の博物館

 名前からわかる通り、最上義光の資料を集めた博物館だ。決して建物は大きくなく、最上家は改易にあったため史料も限られているという弱点を補ってなお余り有る魅力に満ちあふれた場所だ。

 この歴史館の特徴はすべて無料である点だ。入場料、単眼鏡・イヤホンガイドレンタル料、すべてがタダ!義光が背中に描かれたガイドまでも無料!ここまで徹底して無料だと何か申し訳ない気分になるほどだ。

 ボランティアガイドの皆さんは、見学時間、見学者の知識、知りたいテーマなど、細かいニーズに応えてくれる。「30分以内、基本的なところから義光の内政業績中心に」といったふうに頼んでみるとよいだろう。

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レアすぎる義光グッズを入手せよ!

 また、入場したら入り口すぐの場所にあるお土産コーナーも是非チェックしていただきたい。クリアファイル、義光のコスプレをしたご当地ゆるキャラ「はながたベニちゃん」グッズなど、ここにしかない最上義光グッズがおいてある。品数も少なく、デザインも洗練されているとは言いがたいが、なにせ義光グッズそのものが極端に少なく駅売店などにもないから、たいへん貴重なのだ。

ゴクリ、このはながたベニちゃんが義光コスプレだと!

ゴクリ、このはながたベニちゃんが義光コスプレだと!

 書籍コーナーもチェックして欲しい。義光は知名度のわりに関連本も少ないのだが、彼に関する数少ない本もこちらで販売している。無料の「歴史館だより」ももらっておきたい。なお、書籍と「歴史館だより」は遠隔地からも取り寄せができる。詳しくは歴史館ホームページをご覧いただきたい。また、これから山形市を観光したいのであれば、地図をもらっておくと便利だ。

 受付には最上義光と駒姫の像、山形城址からの発掘品を展示したコーナーがある。写真撮影可能な場所はここまでなので、注意したい。ペーパークラフト兜や指揮棒のレプリカを持って記念写真を撮影すると盛り上がる。(ペーパークラフトはHPで事前にダウンロードできる)トイレは館内奥に進む前にすませておくのがオススメ。

禁断の写真撮影禁止の最上家寄贈のお宝

いよいよ展示スペースだ。館内はあまり広くない。しかし、最上家当主から寄贈された貴重な品物が常設展示されている。

では収蔵品を見ていこう。

手前の展示室は、最上家や長谷堂合戦に関するものが展示されている。また、特設展開催中はそのテーマにそったものが置かれるが、通常「長谷堂合戦図屏風」(複製)が展示されている。

長谷堂合戦図屏風(歴史館HPより)

長谷堂合戦図屏風(歴史館HPより)

長谷堂合戦は慶長5年(1600)秋に起きた義光にとって人生最大の合戦で、「北の関ヶ原」とも呼ばれる。山形をめざし侵攻した直江兼続の軍勢と、最上・伊達連合軍が火花を散らした。

この屏風の右隻は9月15日の長谷堂城攻防。右上に描かれた長谷堂城に向かって攻める直江勢と、守る最上勢が描かれて居る。左隻は10月1日前後の直江兼続の撤退戦である。鉄棒で敵を倒す義光の姿や、鉄砲隊に守られながら撤退する直江兼続が確認できる。この屏風には解説シートが用意されていて、わかりやすい。

奥の展示室には一番注目を集めている最上義光所用の「三十八間総覆輪筋兜」がある。織田信長より拝領したもので、義光が慶長出羽合戦(長谷堂の戦い)において、撤退する直江勢を追撃したい際に鉄砲で撃たれたあとが残っている。かつては鍬形と利剣が失われていたが、2008年に復元されかつての姿を取り戻した。激戦と義光の無謀ともいえる勇気を伝えるものとして、館のシンボルとも呼べるだろう。

三十八間総覆輪筋兜(歴史館HPより)

三十八間総覆輪筋兜(歴史館HPより)

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義光の武器といえばもちろん鉄棒

義光愛用の武器が鉄棒であることも、最近はゲームやコミックでとりあげられ広く知られるようになってきた。実物の重さは刀の二倍であるおよそ1.8kgで、義光の怪力がよくわかる。あまりの重さから実際に使っていたか疑問に思われるかもしれないが、当時の史料によれば「話をするような時でも鉄棒を握っていた」とあるそうだ。ちなみに鉄扇も並べて展示してある。

政宗の「おじさん、ぼく 虐殺しました、いえーい」との手紙も

並べて展示といえば、義光と甥・伊達政宗の書状を比較するのもおもしろい。ちなみに政宗のものは「小手森城の撫で切り」を報告するものだ。

義光も政宗も達筆で有名なのだが、両者の性格の違いがあらわれている。義光のものは下書きを清書したであろう、まっすぐでバランスがよく流麗な筆跡である。

一方で政宗は斜めに曲がり勢いが強く、あとで思い出して付け加えたと思われる追伸欄には、かなり窮屈そうに文字をおしこめてある。几帳面で慎重な義光と、大胆だがやや思慮に欠ける面もあったまだ若い政宗の性格差が凝縮されているかのようである。

義光ファンのみならず、政宗好きや幅広い歴史好きにおすすめだ。

義光の書状は他にも有名な「命のうちに今一度、最上の土を踏み申したく候。水をいっぱい飲みたく候」と記された肥前名護屋の陣で書かれたものなどが収蔵されている。義光のやわらかく流麗な筆跡に注目だ。

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繰り返す! 本当にすべてタダでいいのか?!

その他、長谷堂合戦で奪った直江勢の軍旗、駒姫辞世の句複製など、最上家の栄光と悲劇を物語るさまざまな収蔵品が楽しめる。確かに狭いかもしれない。収蔵品数も少ないかもしれない。しかし、満足度を考えるとやはりこう思えるだろう。「これが全部、タダでいいの!?」と。




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民に優しい義光は、財布にもやさしいご当地名君として愛されている。その集大成とも言える「最上義光歴史館」は、やはり訪れるべき場所なのだ。

 


							



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