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ナイアガラの滝

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ナイアガラの「地下鉄道」で奴隷逃亡の過酷な歴史を偲ぶ【この夏オススメの海外史跡vol.5】

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好評企画(自分で言ってどうする)の第5弾!

今回は、あのナイアガラの滝近くにある「ナイアガラの滝地下鉄道ヘリテージ・センター」(NIAGARA FALLS UNDERGROUND RAILROAD HERITAGE CENTER)を紹介してみましょう。

 

アメリカの奴隷を逃がす組織としての隠語だった

賢明なる武将ジャパンの読者の皆様に於かれましては、次のような疑問を抱かれるかもしれません。

『ナイアガラって、カナダとの国境近くやし、滝以外に何かあったっけ? 観光施設はあったやろうけど、地下鉄は記憶に無いなぁ』

とまぁ、そんな疑問はごもっともです。
実はこれ、我々が日々の生活で慣れ親しんでいる鉄道の一形態を指すのではなく【ある種の隠語】です。

南北戦争前のアメリカにおいて、アフリカ系アメリカ人をカナダに逃がす為の秘密組織を
【地下鉄道】
と呼んだのです。

センターの運営趣旨を記したHPには、次のように書かれています。

地下鉄道で自由や奴隷制の廃止を求めた人達の織りなす真の物語を知る事こそ、このような制度の廃止と平等な社会の実現に向けた行動こそが現代の正義だと啓蒙させるでしょう。
ヘリテージ・センターは、ナイアガラの滝地下鉄道の様子を追体験できる博物館を運営しております。

ナイアガラの滝国立遺産エリアと共同で、国立公園局のプロジェクトとしてヘリテージの委員会が起ち上げました。
ナイアガラの滝のアムトラック駅に併設された1863年建造のカスタムハウスに設置されています。

地下鉄鉄道遺産としては、ナイアガラの滝の市の領域をまたいだ地域が対象となっております。即ち、 ナイアガラ川、ナイアガラ渓谷、そしてこれらと関連する、優美な自然資源や景観なども含まれるのです。

【中略】

委員会としては、地下鉄道と廃止措置運動に関連する豊かな地域の遺産について教育し、地域社会に伝え、ナイアガラの滝の歴史的、文化的、経済的、建築的資源を保護していく事を使命としております。

センターでは、迫害された人々の自由を促進した地元の人達の歴史的な役割を示す史料などを保存しております。
自由を探求した人達、自由なアフリカ系アメリカ人、および奴隷廃止を目指した人達によるネットワークに関連する場所や物語を示す事により、アメリカの歴史の中で強力なテーマを見る人に想起させ、最も基本的な自由の権利を達成しようと、自らの人生を危険にさらした男女の勇気を称えるものなのです。

サイトの地図も、引用させて頂きました。なるほど、広範囲ですね。

 

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全米各地に張り巡らされた「地下鉄道」の網

ちなみに、ウィキペディアの英語版によりますと、こうしたネットワークはナイアガラだけではなく、各地に存在していたそうです。
つまり、カナダだけで無く、メキシコや自由州と呼ばれた奴隷制度を認めない州などへの逃亡ルートもあったのです。

最盛期には年間1000人が逃亡。
一方で、裁判になったケースは5000件だったとの事です。
経済的な影響は小さかったものの、奴隷を保持する側にしたら心穏やかでは無かったとしています。

また、当時の逃亡奴隷法という法律で、奴隷を保持する側や代理人に対して、自由州の公的機関は支援するという義務があったものの、有名無実でした。そこらも地下鉄道が発達した所以でした。

ただし、逃げるのは命がけでした。

見つかる危険があるので、ルートや安全な潜伏場所などに関する情報は口伝え。
また、当時の南部の新聞には、
「逃亡奴隷に関する情報を募集します」
「捕獲して連れ戻してくれたら相当額の報酬を提供します」
といった広告が満載されていました。

そして、カナダとの国境では、「奴隷キャッチャー」との異名を取る連邦警察官や、専門の賞金稼ぎが、立ちはだかっていたのです。

 

開館間もない施設~悲惨な歴史を繰り返さないためにも

なお、サイトのHPによりますと、オープンは2018年5月4日だそうですから、出来て間もないのですね。
地元では35年越しの課題となっており、それが遂に実現したと誇らしげに語る委員会のトップを務めるビル・ブラッドリー氏の様子が語られています。

また、上記のカスタムハウスについての説明も書かれています。
これは、カナダに渡った後の元奴隷が生活できるようにと、ウェイターとして雇った国際ホテルで、これを移設・再現したものとの事です。

ウェイターの衣装をまとったのが、冒頭にサイトから引用させていただいたイラストとなります。

気になるお値段の方ですが…すんません、分かりませんでした。
ただ、そんなに高くは無い筈です。

また、肌の色の違いだけで抑圧された人達がいた事や、自由を勝ち取る為に様々な人が協力したという歴史の勉強代としては納得できるかと。
滝の雄大さだって楽しめますし、ね。

南如水・記




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【参考】
地下鉄道ヘリテージ・センターHP

 



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