ある種の神秘性やカリスマ性をヒトラーが今なお持ち得ているのは、遺体が遂に見つかっていない所にあるのでしょう。連合国側では、本当に自殺したのかどうかに懐疑的だった時期もあったようで、アメリカのFBIは「アルゼンチンに潜水艦で脱出した」と信じ込み、捜査員を派遣していた事が機密文書から明らかになりました。
英国のexpress.co.ukが報じています(2014年4月15日付け)。
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機密指定解除によって明るみに
ベルリン陥落後の約20日後に、「南米で潜水艦からヒトラーと2人の女性と複数のドイツ人が上陸するのを助けた」と主張するアルゼンチン人(どうも犯罪をやらかして逃亡中だったようですね)。
そのお尋ね者が言うには、ヒトラーと同行者は荷馬に乗ってアンデス南部の丘陵地帯に向かったそうです。そこにはドイツ人が入植した強力な集団が陣取っていたのだとか。
で、それを深刻視した当時のエドガー・フーバー長官が現地に捜査員を派遣していた事が、解禁された機密指定文書から明らかになりました。
ちなみに、これが当時の文書だそうです。
このお尋ね者は、情報と引き換えに保護を求めており、文書では名前が記載されていません。
アメリカの新聞にすっぱ抜かれ
やがて、これがアメリカの新聞にすっぱ抜かれます。ロサンゼルス・イグザミナ紙が1945年7月29日付けで「ヒトラーは喘息と胃潰瘍を患っており、口髭を剃って潜伏中だ」と報じたのです。捜査員にしたら、急がねばならなくなった訳です。
お尋ね者は、ヒトラーの居場所を知っていると仄めかしていました。FBIに対し「もしアルゼンチンのサンアントニオにあるホテルに行くのなら、ヒトラーが潜んでいる牧場の場所を知っている人間を紹介するぜ」と提案したのです。
「警備がもの凄いのは言うまでも無いし、行くと命を落とすかもよ」とも話していたそうです。
ところが、1945年9月21日付けの文書で、「情報が十分で無いので、ヒトラーの居場所を特定するのは不可能と思われる」と捜査員は結論。アルゼンチンから引き揚げた模様です。これがその文書です。
その後は怪情報が飛び交いました。1つは、髭を剃ってニューヨークに潜伏しているというもの。また、ナチのシンパと共にスイスにいるとの情報もあったそうです。
「ブラジルで95歳まで生きた」との情報も
ちなみに、これとは別に同紙では今年1月24日付けの記事で、ヒトラーがブラジルで95歳まで生きたという話を紹介しています。これによると、アルゼンチン→パラグアイ→ブラジルという経路を辿り、ボリビアと国境を接しているマットグロッソ州のノッサ・セニョーラという1万2000人ほどの街に潜伏。アドルフ・ライプチヒと名乗り、「ドイツ系の老人」として1984年まで余生を過ごしたというのです。
これを主張しているのはナチスの追跡をテーマにしている作家のシモーニ・レネ・グエリオ・ディアスと言う方でして、ヒトラーがブラジル人女性の恋人と肩を組んでいる写真を証拠としているのですが…ピンぼけなんですよね(苦笑)。どこまで信じて良いのやら。
死してなお世間を騒がせているという所でしょうか?
takosaburou・記