武者震之助の歴史映画レビュー 欧州

大人になってホロリとさせられる……映画『ハイジ アルプスの物語』

なんか毒々しいっつうか、普段はトンデモ映画ばっかりチョイスしているのに、たま~にこういうのを取り上げたくなるんですね……。

映画『ハイジ アルプスの物語』、なんとなく見たんですけど。
すみません、初めは完全にナメきってました。

「ハイジでしょ? ファミリー映画でしょ? あらすじ知っているしどうでもいいかな〜」くらいで。

それが開始10分くらいで涙が頰を流れていた……そんな作品です。

基本DATA info
タイトル 『ハイジ アルプスの物語』
原題 Baahubali: The Beginning
制作年 2015年
制作国 スイス、ドイツ
舞台 スイス・アルプス地方、ドイツ・フランクフルト
時代 19世紀
主な出演者 アヌーク・シュテフェン、ブルーノ・ガンツ
史実再現度 歴史的背景をもとにしたフィクション
特徴 ハイジそのもの! ハイジそのもの!

 

あらすじ

あらすじはアニメと同じだよ!
アルプスの大自然、チーズおいしそう、おんじが恋しい、白パンをおばあさんに食べさせたいんだ。
クララが立った!

 

ウッワァー、アルプスの大自然だよ! 本物だよ!!

高畑勲さんの代表作『アルプスの少女ハイジ』は、再放送も盛んですので、私も何度か見たことはあります。

ただ……どうしても、もっと戦闘シーンなんかがある、少年漫画原作アニメが好きで。そこまで真剣に見たことはありませんでした。

ところが、です。
本作を見ると眠っていた記憶が蘇るように、バッチリ思い出してくるのです。

アニメで描かれたあの景色が、かわいいヤギが。美味しそうなパンとチーズが出てくるだけで、感動してしまいます。

アルプスを駆け回るハイジも、そのまんま。まさにハイジです。

ハイジはハイジとしか言いようがありません。

おんじの頑固さ。
ペーターの田舎の牧童感あふれる風情。
クララの儚げな美少女ぶり。

キャストも全員、選りすぐっただけあった、そのまんま。まさにイメージ通りで、その時点で尊いという思いしかありません。

あれ、そんなにハイジが好きだったっけ……と戸惑いながらも、もう感動しかないのです。

 

ヒトラーを熱演したブルーノ・ガンツが

本作はファミリー向けですが、だからといって大人の鑑賞に堪えないわけではありません。

むしろ大人目線で見ればこそ、わかる部分もあります。

おんじを演じるのは『ヒトラー 最期の12日間』でヒトラーを熱演したブルーノ・ガンツなのです。

『ヒトラー 最期の12日間』パロディ動画だけじゃなく本編で凄惨な過去を直視

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アニメを見ているときはただの気難しいおじいさんとしか思いませんでしたが、彼の過去はスイスの傭兵なのですね。

山岳地帯であり、めぼしい産業がなかったスイスでは、傭兵が主力産業でした。

フランス革命の時、蜂起した民衆に虐殺されたスイス傭兵が出てくるのも、そうした背景がありました。
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