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大人になってホロリとさせられる……映画『ハイジ アルプスの物語』

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主力産業とはいえ、田舎の村の人々からすれば、人殺し。しかもおんじの場合、そこそこお金があったのに、ギャンブルで身を持ち崩し兵隊になったというのですから、そりゃ後ろ指指されますわな。

そう考えると、無邪気に見えるハイジの身の上も、なかなか大変だろうな、ということが見えてきます。

ハイジを育てておきながら、邪魔になったらおんじに預け、金儲けできるとなればフランクフルトに連れて行く。

デーテおばさんも身勝手ですよね。

ただ、人の命が軽視され、子供の福祉なんて概念がない時代です。

あれも当時としてはごく当たり前の対応なのかも……。

 

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大人の目線で見えてくること

憎まれ役のロッテンマイヤーさんも、境遇を考えるとなかなか大変な人物です。

当時、「ガヴァネス」という女性がいました。女性の家庭教師であり、クララのようなご令嬢やご令息の指導をする女性です。

ただ、恵まれない境遇の場合が多いのです。

働かなくても食べて行けるほどの財産はない、結婚できるほどの持参金もない、落ちぶれた上流階級女性の就職先。結婚できるあてもない、哀れな女性というイメージもありまして。

『ジェーン・エア』のヒロインもこれにあたります。

社会からは「まあ、あの人結婚できないのよ。可哀相ね」と思われ、クララやハイジのような子供からはガミガミおばさんと煙たがられる。

そう考えると、なかなか気の毒な女性です。

恵まれた環境にいるかに見えるクララのお父さんも、なかなか気の毒です。

愛妻を失い、商売に追われるばかりで、一人娘の成長もじっくり見守れないのですから。

と、大人になったら、本作の大人たちが抱えていたホロ苦さもわかってしまう……。そんな作品です。

ついでに書いておきますと『アニメで読む世界史』という本には、世界名作劇場で取り上げられた作品の、時代設定について解説されていてお薦めです。

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著:武者震之助

【参考】
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