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ダ・ヴィンチやビスマルクはどんな料理を食べてたん!?『歴メシ! 世界の歴史料理をおいしく食べる』

更新日:

2017年夏の発売以来、ジワジワと売れている。
硬派で知られる柏書房さんから出された一冊が「音食紀行」さんの『歴メシ! 世界の歴史料理をおいしく食べる』です。

 

日本の家庭でも比較的作りやすい

古代メソポタミアからビスマルクまで。
ドコかで一度は聞いたなぁという世界史ビッグネームの時代から、当時の料理を現代に蘇らせてみようという一冊。

 

本書の魅力はいろいろありますが、最大の特長は「日本の家庭でも比較的作りやすい」点ではないでしょうか。

実は、歴史的なレシピ集というのは、海外でもわりと出ていまして。
『ロイヤル・レシピ―英国王室料理』
『アリスの国の不思議なお料理』
『シャーロック・ホームズ家の料理読本』
等の邦訳もあります。

ただし、こうしたものを日常の延長で作ろうとすると、高確率で詰みます。
というのも……。

・材料が入手できない!
・いちいち分量が多い! まず卵を1ダース割ってください、とか……
・描写ザックリでよくわからない!
・写真がなくて完成状態が想像できない!
・宮廷料理人の技なんて再現できない! レベル高っ!

ご覧のとおり、ハードルが高いんですばい。
藤原シシン氏のように気合いの入った方でないと、なかなか再現できません→参照

藤村シシン『古代ギリシャのリアル』が空前絶後のぉおおおお~極彩色!

考えてみれば、織田信長徳川家康にふるまったレシピを再現した、宝善亭の「信長御膳」も相当大変だったと言います。

以下のリポートにもありますように、プロでも大変なものを、素人が真似しようと思ってもどだい無理な話。

信長御前を実食し、家康の歓喜重圧を楽しむ! 舌で味わう歴史エンタメが名古屋にあった!

その点、『歴メシ! 世界の歴史料理をおいしく食べる』はレシピにもよりますが、日本の台所事情でも再現できるようになっており、大変貴重な一冊なのです。

 

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昔の食べ物=マズイって思ってない?

昔の食べ物なんてマズイ。
そう思っている方もおられるかもしれませんが、要は、どの階層が食べていたかにもよるでしょう。

本書は基本的に、現代人が食べても結構イケるものを中心にセレクトしているため、安心できます。
ラインアップはこの通り。

第1章 ギルガメシュ王の計らい
第2章 ソクラテスの腹ごしらえ
第3章 カエサルの祝宴
第4章 リチャード三世の愉しみ
第5章 レオナルド・ダ・ヴィンチの饗宴
第6章 マリー・アントワネットの晩餐会
第7章 ヴィクトル・ユーゴーのごちそう会
第8章 ビスマルクの遺言

気になりません?

こんなビッグネームの時代・文化でどんな味を召し上がっていたのか。
時代が降るにつれて食べる人の身分が低くなっているのも、歴史の潮流が顕れていて興味深いです。

第6章まではほとんどが王侯貴族用のレシピですが、第7章は市民がお客さんのレストランレシピ。
そして第8章には労働者が愛するレシピまで入り込んできます。

 

再現レシピが誤解と偏見を解消する!

本書で誤解と偏見が解消されることもあります。
「第4章 リチャード三世」の愉しみです。

リチャード3世はワイン好きの美食家 遺骨から判明

発掘された遺骨調査で、ワイン好きの美食家であることが判明したリチャード3世。
イギリス料理というと質素で味にはこだわらない、要はマズイというイメージですが、シェイクスピアの時代あたりまで彼の国は美食家で有名だったそうです。

それがなぜマズくなっていったか?

・粗食をよしとするプロテスタントの普及
・産業革命以降庶民の労働時間が増加し、調理時間が激減
・寄宿学校の食事が粗末すぎて上流階級子弟の味覚がおかしくなる
・第二次大戦期の粗食レシピがそのまま残った
と、諸説ありますが、ともかく時代がくだるにつれて味が変化したのは間違いないようです。

この4章は、見た目もカラフルで滋養にあふれ、美味しそうなレシピでいっぱいです。
「いい意味で裏切られた」という感想も多いとか。

 

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ルネサンスと「ベルばら」時代はレベルがちがーう!

本書でグッとレベルが上がるのが、第5章から。

「第5章のレオナルド・ダ・ヴィンチの饗宴」
「第6章 マリー・アントワネットの晩餐会」
と、まぁ、いかにも再現が難しそうで、そのぶんとにかく豪華です。

特に第6章は作りながら、オスカル気分も味わえるはず。
塩だけ入れた湯に野菜の切れ端を浮かべたものと比較して、食事とロザリーの出してくれた粗末なスープを前に「これだけ……!?」と動揺するオスカルごっこもできます。

これぞ食べるコスプレって感じですね。

 

味は歴史とともに変わる

「第7章 ヴィクトル・ユーゴーのごちそう会」と「第8章 ビスマルクの遺言」まで進むと、現代人の食べているものにかなり近づいてくることがわかります。
第7章ではフランス革命がもたらした食文化の変化についても解説されており、歴史と味の関係がよくわかります。

味は歴史とともに変化してきました。
香辛料。
新大陸からもたらされた新たな野菜。
今ではありふれている胡椒やジャガイモも、かつては高価な珍味であったと、改めて理解できます。

本書の素晴らしいところは、レシピの再現だけではなく、なぜこうしたレシピが当時存在したか、どのような歴史を経てそうなったか、きちんと解説してくれるところです。
美味しそうだなぁ……と思うだけというのも勿体無い。
そこに至る過程まで脳内で味わえます。

歴史を知り、味わう。
そんな贅沢な経験がこのお値段で叶えられるって、本って本当に素晴らしいですね。

皆様もご自宅のキッチンを是非タイムスリップさせてみてください!

 

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実際に作ってみた!

「第4章 リチャード三世の愉しみ」よりマーメニー(黄金色のビーフシチュー)

びっくりするくらい簡単。素朴で優しい味わいです。牛乳を大量消費するため、牛乳が余った時にもオススメ。パンにも白米にもあいそうな味わいです。

 

「第8章 ビスマルクの遺言」よりフランケン風焼きソーセージ

これもかなり簡単です。リンゴとソーセージってそんな組み合わせ、本当にありなのかとドキドキしながら食べてみました。ほのかな甘さと酸味がソーセージにマッチ! これはありです。冬の食卓にぴったりですよ!

文:小檜山青




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【参考】

 



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