ギリシャ

アテネで第一回近代オリンピックが開催されるまで

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1896年(明治二十九年)の4月6日、ギリシャの首都・アテネで第一回近代オリンピックが開催されました。

「近代」という通り、古代に行われていたオリンピックとはかなりの違いがあります。
というか、再現しちゃうとマズイことが多々ありました。

では、例によって要点をかいつまんで進めて参りましょう。

 

もともとはゼウスに捧げる儀式の一つ

古代ギリシャで「オリンピック」(ギリシア語では”オリンピュア”)という名の競技会が行われはじめたのは、紀元前9世紀ごろのことです。
ギリシア神話の最高神・ゼウスに捧げる儀式の一つとして、青年たちが神殿の前で身体技能を披露すると同時に各種目を競い合う大会でした。

オリンピュアというのは元々ギリシャの都市の名前で、他にもネメアーやイストモス、ピューティアといった都市でそれぞれの祭神に捧げる競技会が行われていたといいます。

そしてここからが「再現してしまうとマズイ」話なのですが、こうした競技会は基本的に男性のみで行われました。捧げる相手がみんな男の神様だったからです。

さらに、武器やルール違反な道具を隠し持つことができないよう、競技者は全裸での参加が義務付けられていました。いろいろすげえな。

 

女性は原則的に立入禁止だったが…

そんな状態なので、当然のことながら女性は基本的に立ち入り禁止でした。

が、色々と例外はあったようです。
女性の神官は観戦できたことが記録されており、他にも「未婚女性はOK」とか、「競技会が終わるまでは外で待っていた」とか、「フィールド以外なら競技場に入ってもよかったのでは?」という説があります。

古代オリンピックの想像図(1915年作)/wikipediaより引用

また、戦車(現代的な感覚でいえば馬車)だけは女性が参加することも認められていたので、全くいなかったというわけではないとか。
これは「実際に競技するのは馬なんだから、乗ってるヤツじゃなくて馬の持ち主を表彰すべき」というよくわからん理由だったそうです。つまり、女性オーナーの馬は参加できたということですね。融通が利くんだか利かないんだか。

また、女子のみのヘーライアという競技会が行われたこともあったそうです。
これはゼウスの妻・ヘラに捧げるもので、競技は短距離走のみ。さらに現代の感覚だと「ソレ明らかに動きにくくね?」という特有の服装で行われたためか、あまり広まることはなかったとか。

 

不正が横行した上、キリスト教徒がお怒りになる

勝者には神殿に像を作ることが許され、また勝者のために宴が開かれるなどの栄誉が与えられました。
現代のオリンピックでも使われているオリーブの枝の冠も、古代オリンピックの時代からあったそうです。

さらに税金を免除されたり、莫大な賞金が出ることもあったとか。

そんな感じで概ね盛況だった古代オリンピックは、やがて時代の流れと共に廃れていきます。

理由は大きく分けて二つ。
勝者への報酬が大きすぎたこと、そしてキリスト教の伝播でした。

報酬欲しさに不正を働く者が増えた上、キリスト教からすれば「主の他の神に捧げる行事なんぞけしからん! 異教徒どもめ!!」という感じですから、廃れないほうがおかしいというものです。

かくして4世紀ごろ、オリンピックは終わることになりました。

古代オリンピックは観客も超絶タフネス!酒あり、虫あり、動物の血あり

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19世紀に復活! 委員会を設立したのはフランス貴族

それを19世紀末に復活させたのは、フランスの貴族ピエール・ド・フレディでした。

通称・クーベルタン男爵のほうが有名ですかね。
ピエール自身もラグビーが好きで、レフェリーの資格を取るほどのスポーツマンでした。

ギリシャの歴史を調べているときにオリンピックのことを知り、「これは素晴らしい! ぜひ復活させよう!」と一念発起。
演説をして多くの賛同者を得ると、国際オリンピック委員会を設立し、自身も要職を務めます。

第一回アテネオリンピック/wikipediaより引用

第一回アテネオリンピックのレポート表紙/wikipediaより引用

あの「五輪」マークもピエールの考案だそうですよ。

何を表しているのかについては諸説あり、
「五大陸をそれぞれ違った色で表している」
「火を赤・水を青・木を緑・土を黒・砂を黄色で示している」
「スポーツの5大鉄則である情熱・水分・体力・技術・栄養のことだ」
などなど、これまたいろいろな説があります。

「あの五色で全ての国の国旗を表すことができるから」という説もありますが、それだと白は?背景ということで、なのかな。

第一回アテネオリンピックの100m走競技場/wikipediaより引用

第一回アテネオリンピックの100m走競技場/wikipediaより引用

現在の国際オリンピック委員会については、いつの大会でもアレコレ黒い疑惑が湧き上がりますが、ピエールは徹頭徹尾スポーツマンシップを貫いた人物で、こんな言葉も残しています。

「自己を知り、律し、打ち克つこと。これこそがアスリートの義務であり、最も大切なことである」

当たり前のようなことですが、現代でも不正を企む選手や国家が絶えないことを考えると、ピエールの理念が広く浸透しているとはいえなさそうですねえ。

第一回アテネオリンピックの優勝メダル/wikipediaより引用

第一回アテネオリンピックの優勝メダル/wikipediaより引用

2019年大河ドラマはオリンピックがテーマの『いだてん』です。

日本が初参加したストックホルムから、1964年東京五輪までが描かれます。
二度目となる2020年の東京大会を控えて、何かと騒がしいドタバタもありますが、ぜひとも成功して欲しいですよね。

長月 七紀・記

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【参考】
アテネオリンピック(1896)/wikipedia
古代オリンピック/wikipedia

 



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