ファティマの聖母

左からルシア、フランシスコ、ジャシンタ/wikipediaより引用

ポルトガル

「ファティマの聖母」と呼ばれる奇跡と予言 アナタは神を信ジマスカ?

「あなたは神を信じますか?」と聞かれたら、おそらく半数以上の日本人が「お前、頭大丈夫か?」と聞き返したくなるでしょう。

しかし、世界ではおそらく「はい」か「いいえ」のどちらかを返す人のほうが多いハズ。

本日は「はい」と答えるであろう、とある宗教の敬虔な信者が体験した不思議な出来事です。

1917年(日本では大正六年)5月13日、「ファティマの聖母」と呼ばれる一連の奇跡が始まりました。

有名な話ですし、たまにオカルト系の番組や雑誌で取り上げられているので、ご存じの方も多いでしょうか。

さっそくどんな出来事だったのか見ていきましょう。

 

3人の少年少女たちの前に聖母現る

「聖母」とはもちろん聖母マリアのこと。

「ファティマ」はポルトガルの街の名前です。首都・リスボンの北東、車で1時間半くらいの距離にあります。

このとき聖母が姿を見せたのは三人の少年少女でした。

ルシアとジャシンタという二人の女の子と、フランシスコという名の男の子。

TOP画像の3人(左からルシア、フランシスコ、ジャシンタ)になりますね。

以下、聖母の発言とされるものを抜粋していきますと……。

まず5月13日に、聖母は「毎月13日の同じ時間にここへ来てください。このことは誰にも言わないように」と言いました。

しかし、ジャシンタが我慢できず家族に話してしまい、村中の笑いものになったそうです。そりゃあな。

三人は約束通り6月13日にまた同じ場所を訪れました。野次馬も数十人一緒に行きましたが、聖母は再び現れています。

ちなみにその後も野次馬は増え続けるのですが、特に気にしなかったようです。最初からバチカンに来ればいいんじゃ……とは言わない。

このときは「ジャシンタとフランシスコは間もなく天へ連れて行くけれど、ルシアにはまだ役割があります。でも私は決してあなたを見捨てません」という、子供にとっては残酷な発言をしました。

実際に、ジャシンタとフランシスコはそれぞれ10歳になる前に亡くなり、ルシアだけが97歳まで生きることになります。

 

「私の言うとおりにするのなら、ロシアは回心するでしょう」

7月13日には5000人もの人が、「第一~第三の予言」とされるものを聞いたとされています。

この日がファティマの聖母出現のハイライトともいえるでしょう。

当時の新聞/wikipediaより引用

三人の少年少女に地獄の光景を見せ、「今行われている戦争はもうすぐ終わるけれど、もし人々が神に背き続けるなら、また大きな戦争が起こるでしょう」といいました。

さらに、「もし人々が私の言うとおりにするのなら、ロシアは回心し、戦争は起きないでしょう。しかし、そうでない場合は夜に不思議な光が起き、神に寄ってさまざまな罰が下るでしょう」とも言いました。

これは「第一次世界大戦の終結と第二次世界大戦勃発の予言」とされています。

なぜ戦争の予言はできるのに、回避するための具体的な方法とか安全地帯の予言はしてくれないんでしょうね。

具体的な対策を教えてくれないのに、ただ「悔い改めよ」だけ言われて信じる人がどれほどいるのでしょうか。

予言をしに来るくらいなら、人間がそういう考えに至るであろうことも予測できそうなものですが。

ロシアに関する点については、ロシア革命、もしくは最後の皇帝ニコライ2世一家惨殺の予言とも取れます。実際、この年の11月にロシア革命が起きており、さらに翌年7月に皇帝一家が殺害されているためです。

ちなみに、ニコライ2世一家はヨーロッパの王族がかくまえば助かる可能性はありました。

特にデンマーク王家はニコライ2世の母を戦艦で救出していますので、さらに手を広げることも不可能ではなかったでしょう。

また、ニコライ2世はヴィクトリア女王のひ孫であるため、イギリス王家もやろうと思えば救出はできたと思われます。方法はともかくとして。

そもそも、ロシアを回心させたいならロシアに行かないと効果が見込めないと思うのですが……行ったけどダメだったんですかね。

 

少年少女は当局に拘束され、約束の場所へは行けず……

次は8月13日ですが、この予言のことを聞いた当局が朝から三人を拘束していたため、約束の場所に行けませんでした。

そのため8月19日に予言がくだされています。

「もしあなたたちが私の言うとおりの日に来ていたら、もっと素晴らしい奇跡が起きていたでしょう。聖ヨセフとイエス、ロザリオの聖母、苦しみの聖母を見ることになるでしょう」(超略)
という、今までにもましてよくわからん内容でした。

神様もたった数日くらい待ってくれればいいのに、ケチですねぇ。宇宙を作ったのだとすれば、少なくとも46億年は経っているのですから、数日なんてほんの一瞬という感覚だと思うのですけれども。

9月13日のことはUFO出現のようなことしか伝わっていないので、飛ばして10月13日、最後の出現について話を進めましょう。

このとき初めて聖母は「ロザリオの聖母」であると名乗り、ファティマに聖堂を建てるよう頼みました。

かけつけた当時の人々/wikipediaより引用

群衆が見ているとはいえ、年齢一ケタの子供に何という無茶振りでしょうか。

あとは「悔い改めよ」ということを繰り返したのですが……全知全能であるはずの神がなぜ背かれることを防げないんですかね……(´・ω・`)

さて、当時の超常現象についてはいいとして、たぶんこの奇跡の話で一番有名な「第三の予言」に移りましょう。

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