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【ポエニ戦争】
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ザマの戦い 激アツの展開に括目
ハンニバルは兵と象を補充してローマ軍に相対しました。
しかし
「象は基本的に直進しかできない」
「方向転換するのに時間がかかる」
という弱点がローマ軍にバレていたため、そこを狙われて戦象部隊が壊滅してしまいます。あちゃー。
それでも騎兵同士の戦いは互角で、熾烈な戦闘が続きます。
そして、ここでもう一つ、両軍のとある「違い」が命運を分けます。
カルタゴ軍の歩兵が傭兵だったことです。
一方のローマ軍の歩兵は今でいう公務員のような扱いだったため、「国を守る」「国のために戦う」という意識は、ローマ軍のほうが上でした。
このため、歩兵同士の戦闘でローマ軍の優位が明らかになると、少しずつカルタゴ軍は不利に追い込まれていきます。
それでもハンニバルは、待機させていた経験値の高い部隊などを使って中央突破をはかるなど善戦しました。
こういう一進一退の展開って胸アツですよね。
しかし、ローマ軍の騎兵が回復するほうが先でした。
彼らはカルタゴ軍の背後をつき、前線の部隊と連携してカルタゴ軍を完全に包囲しました。
仕掛けられた側から見てみると、まさに「どうあがいても絶望」状態。
そんな状況を理解してしまった者からパニックを起こし、カルタゴ軍は壊滅してしまったのです。
第三次ポエニ戦争で決着
ハンニバルは何とか脱出し、その後もカルタゴのお偉いさんになりました。
ザマの戦いでの敗北によって、カルタゴは実質的にはローマの傘下に入ることになります。
しかし、カルタゴ本土のダメージは少なかったため、賠償金の支払いがスムーズに終わるほどの豊かさを保っていました。
後世のいろいろな国が、敗戦国から根こそぎ持って行っているのと比べると意外ですね。
そのため、とあるローマのお偉いさんは常日頃から「カルタゴは滅ぼされるべきだ」と主張していたとか。
しばらくの間はハンニバルの力やカルタゴの潜在能力を恐れてか、ローマから侵攻することはありませんでしたが、約50年後、両国は再び争うことになります。
そして第三次ポエニ戦争が始まり、カルタゴは、ローマ軍に包囲される羽目に……。
地図をご覧のとおり、カルタゴはすでに大半の領土を失うほどの状態でした。
こんな状態で、実に3年もの攻防戦を繰り広げますが、最終的には力尽きてローマに敗北。
街は無残にも破壊され、住民も戦死あるいは奴隷にされて、国は消滅するのでした。
長月 七紀・記
【参考】
ザマの戦い/wikipedia
ポエニ戦争/wikipedia