こちらは2ページ目になります。
1ページ目から読む場合は
【英葡永久同盟】
をクリックお願いします。
お好きな項目に飛べる目次
ポルトガルが没落し、英国が世界中へ
ポルトガルは諸々の理由で交易の表舞台から没落します。
イングランドは入れ替わるような時期に七つの海へ乗り出していきました。
その目的が植民地であり、交易による利益であり、そして紅茶だったことは言わずもがな。
18世紀のはじめ頃にはイングランドの一般家庭にも紅茶が広まりました。
また、同じく18世紀の後半には、植民地アメリカがイングランドへの反抗の一環として紅茶を捨てたり飲まなくなったことにより、国内での需要が増したといいます。
※1773年にはアメリカ独立運動につながるボストン茶会事件が起きています
一般人が飲んでいた紅茶には、粗悪品も多かったようですが……。
出がらしならばいいほうで、いろいろな意味でいけない添加物が入ったものも多かったそうです。怖すぎ。
同盟を破棄すると戦争開始になりかねん
いまやイギリスと言えば紅茶。
紅茶といえばイギリスというイメージが強いですけれども、元はポルトガルだったんですね。
しかし、紅茶がポルトガルにもたらされるきっかけは大航海時代であり、その大航海時代が始まるきっかけは、イングランドから嫁いできたフィリッパの息子である……というのも、なかなか面白いものです。
近代においてはポルトガルがメシュエン条約(※1)でかなり割を食ったこともありました。
その後も今日に至るまで同盟が続いているというのはスゴイですよね。
まあ、同盟破棄=戦争開始とほぼ同義ですから、真っ向からケンカを売る力がなかっただけ……といえばそれまでなのですけれども。
イングランドはこの条約による諸々の利益によって工業化・近代化を進めました。
つまり同盟国を踏み台にして世界の工場になったと言えなくもありません。
今となってはそもそもイギリスやポルトガルが戦争に参加することもほぼないでしょう。
同盟を破棄する理由も同様ですから、めでたしめでたし……ですかね。
※1 イングランドの毛織物とポルトガルのワインをお互いに優先して輸入するという条約。一見公平だが、ポルトガルの毛織物業界が大打撃をくらって経済が低迷する一因にもなった。
長月 七紀・記
【参考】
英葡永久同盟/wikipedia
キャサリン・オブ・ブラガンザ/wikipedia
紅茶/wikipedia