最近は季節に関係なく売られているのがアイス。
中でもセブンティーンアイスのラインナップのシャーベット、美味しいでっせ(って誰も聞いてないか)。
さて、このシャーベット、実はルーツは今のトルコにあるのって知ってました?
てっきりイタリア当たりだと思っていたワタクシメは、少々ビックリ。
アラビア語の「飲む」という言葉がの意味が二転三転し
answers.comというサイトの記事によると、最初に英語の文献に登場するのは1603年。
オリジナルのアラビア語はšarbaと表記します。
それがオスマン・トルコでは、sherbet に、そしてペルシャではsharbatに、それぞれ変化していきました。
ちなみに、語源そのものはアラビア語で「飲む」に由来しています。
それが何時しか伝播してゆき、英語になりました。
で、どうも、伝わる過程で二転三転していたようなのです。
まず、トルコやペルシャに伝えられた時点で、既に「甘くて絞りたてのフルーツ・ジュース」という意味合いで使われていた模様。
当時の中東では愛飲されていたとの事です。
「 フルーツジュース」がヨーロッパで「炭酸飲料」のことに
ところが、これが欧州に渡ると、どうした訳か炭酸飲料を指す言葉になってしまいました。
「何で?」って感じですが、中東での飲み方は氷を入れた水に溶かして飲むというのがオリジナル。
それが今のようなフローズンになったのは、19世紀に入ってからで、1891年の記録文書に残っているのです。
つまり、古くもあり、新しくもある飲み物なのですね。
ややこしいのはsorbet という英単語もある事でしょうか。
綴りが良く似ていますが、これは元はフランス語のソルベという氷菓子を指します。
「コース料理の合間に出されるフルーツ味のアイス」でして、こちらは英語辞典に初出するのは、さきほどより少し古い1585年(秀吉が関白になった年)だそうです。
あぁややこしい。頭がクラクラするぞ(苦笑)。
オリジナルのシャーベットのレシピは?
そうなると、オリジナルのシャーベットって、どんなのよと思ってしまいますよね。
wisegeek.comというサイトに、簡単な解説がありました。
まず、ベースは搾りたてのフルーツ。
これにシロップを加えていくというのが流れ。
当時の中東ではフルーツが高く、一般庶民には手が届きづらかったのだそうですが、そうした人達に「食べた気分になる」として好まれたのがシャーベットだったんですって。
ちなみに、使われるフルーツですが、オレンジやレモン、石榴やタマリンド(中東などに分布するマメ科の植物・ジャムやチャツネの薬味として使われる事が多い)、それにチェリー。
時にはバラの花も入れる事があるそうですから、庶民も愛飲しながら、ちょっと高級感もあるという所でしょうか。
なお、シロップは砂糖と蜂蜜で出来ているのだそうです。
「うーむ。アラブ世界って、暑いってイメージがあるけどなぁ。温かった?」
と疑問をお持ちの方もおられましょう。
当時も冷たくして飲めるのは、雪や氷を手に入れられたエリート層に限られていたのだそうですって。庶民はブレンドされた飲み水として口にするしか無かったそうです。
バラを入れたりするのは、せめての彩りだったのかもね。
ともあれ、それが一変するのが、近代。冷蔵技術が発達し、中東だけでなく様々な所で今のような形でシャーベットが食べられるようになったのです。
中東では婚約のときに振る舞われる
ちなみに、中東では結婚の誓いにサインした際、新郎新婦の家族に振る舞われるのがシャーベットだそうで。
また、ラマダン明けに口にされる場合もあるのだとか。
そういや、披露宴でシャーベットを出す場合がありますが、これも元はアラブに起源があるのかもしれませんね。
ちなみに、turkishcookbook.comというサイトに、トルコのシャーベットの写真があったので引用させて頂きます。
ソフトドリンクって感じですね。
これとくまモンのシャーベットとを比べると、時代の変遷と言うか、有為転変を感じさせられます。
南如水・記