剣術系の漫画やアニメを見ていると、定番のセリフって出てきますよね。
「喰らえッ! 奥義○○○○剣!!」みたいな。
主人公が技を繰り出せば、どんな相手でも屈服せざるを得ない――厨二心を刺激するやつです。
あんなもんフィクションだから存在するんだとお思いですか?
いえいえ。
これが信じられないかもしれませんが、実際の武術剣術には【思わず叫びたくなる】カッコ良すぎるネーミングが実在するのです。
ただし、多くの流派では攻防の動作を一つのルーティンとしてまとめた「形(かた)」の単位で名前が付いているのが普通です。
「逆手に持った剣に“気”を溜めて爆風とともに敵にぶつける」的な単発の太刀筋はほとんどありません。
悪しからず、ご承知ください。
ともかく、いってみよう!
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其の壱 金翅鳥王剣(こんじちょうおうけん)
◆小野派一刀流剣術
さっそくきました!
オトコゴコロをくすぐられますねえ!
「金翅鳥王(こんじちょうおう)」とはインド伝説の神鳥「ガルーダ」のこと。
剣を大上段にとり、気魄で相手を圧しながら制するという高度な技だそうです。
其の弐 八相発破(はっそうはっぱ)
◆直心影流剣術(じきしんかげりゅう)
響きがいいじゃありませんか!
「ハッソウハッパ!!」
この流派ではそれぞれ春夏秋冬になぞらえた「法定(ほうじょう)」という四つの形によって呼吸を鍛え、気を練ることを主眼としているそうです。
「八相発破」はその一本目、「春」の気を表わす技。
これらは「動く禅」ともよばれ現代剣道の修行者にも好んで稽古する人がいるそうです。
其の参 斬釘截鉄(ざんていせってつ)
◆柳生新陰流兵法剣術
でました、みんな大好き柳生新陰流!
「釘を斬り、鉄を截つ」ってなんだかすごいですね。
きり込んでくる相手の太刀を半身でかわしながら小手をきるというカウンターで構成されているそうです。
其の肆 一の太刀(ひとつのたち)
◆卜伝流剣術(ぼくでんりゅう)
時代劇が好きな人ならみんな知っているといっても過言ではないほど有名な奥義。
その実体は現在でも伝承者しか知らないといわれています。
一説には天・地・人の三つを合致させて一刀のもとに相手をきり伏せる技だともいわれています。
有名なのに誰も知らない、神秘の剣ですね!
其の伍 陰陽進退(いんようしんたい)
◆夢想神伝流居合(むそうしんでんりゅう)
小太刀二刀流ではありません。
明治から昭和に活躍した伝説の剣聖「中山博道」が学んだ古流に工夫を加えて編み出した居合の流派に伝わる技。
倒したはずの敵が反撃してくるのをさらに防御して制する技です。
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