悲劇の豪華客船として、大概ネタが尽きたかと思われがちなタイタニック号ですけど、探せばまだまだ出てくる?
当時、既にトレーニングジムがあったんですって。
先進的ですね。英国のデイリー・ミラー紙(→link)が報じています。
インストラクターの1人が脱出に成功し、写真を保存
「へ〜」と思わされるのは、20世紀初めにフィットネスという概念があった事でしょうか。
専用のインストラクター職まであったのだそうです。
つまり、それで御飯が食べられるプロとして、社会に認知されていたって訳。
タイタニック号に乗り組んだトーマス・マッカリーという人が脱出に成功し、船内のジムの写真を保存し、それが今回世に出たという訳です。
サイトより引用させて頂きます。
どうやら、これはPR写真のようですね。エアロバイクの元祖みたいなのが2台あるのが分かります。歴史的にも貴重でしょう。
「施設には当時の最新鋭の機器が揃えられていた、電子ラクダや電子ホース、サイクリングマシン、ローイングマシン、ウェイト機器やサンドバックなどだ」と記事にはあります。
電子ラクダって何?とお思いの方もおられましょう。こういう機器なのだそうです。
wikia.com(→link)というサイトから引用させて頂きました。要するにエクササイズ・ライディング・マシンの元祖なのです。
これが御子孫に当たりましょうか。小ぶりになっている訳ですね。もっとも、当時の豪華客船の設備として、仰々しく大きめに作られていた可能性もありますが。
電子ホースというのも、基本的にはこのマシンと同じです。当時、何らかの理由で別の名称があったようです。
ローイングマシンとは漕ぐマシン。腕力を鍛えるためのものですね。後の2つは、お分かりでしょう。
1等船客に使ってもらうはずだった
ちなみに、サイクリングマシンにはダイヤルが付いており、「貴方は××分漕ぎました」と表示してくれたそうですから、先進的なコンセプトですね。
ジムは女性には午前9時から正午まで、男性には午後2時から6時まで使えるようになっていました。
にこやかに男女が使っているのは、きっとPR用の写真なのでしょう。
うしたマシンは1シリングで利用可能でした。
インストラクターが付きながら、あれこれ指導してくれるという仕組みで、主に1等先客に利用して貰うはずだったそうです。
この他にも、サウナ風呂やスカッシュ・コート、スイミング・プールなどもありました。短い船旅ながら、健康に留意していたのですね。
生き残った人(アーチボルド・グレイス)がこんな証言も残しています。
「朝食前に早めに起床し、プロのテニスプレイヤーと30分間ウォーミングアップし、その後で深さ6フィートの塩水の温水プールで泳ぎリフレッシュした」
コンセプトとして、今のフィットネス施設と変わりないのが分かります。部屋も広い。
これだけの設備が、サウナ風呂とかスカッシュ・コートともども海の藻屑と消えてしまったのですから、実に悲しい話ですよね。
南如水・記