奈良時代の政治は天皇・上皇を中心に、藤原一族とその他の諸勢力が次々に入れ替わる。
受験生泣かせの展開でもあるが、その一方でストーリー展開としてはこの上なく魅力的でもあり、一度ハマれば病み付きになる可能性も少なくない。
その中でも最強キャラの一人になっているのが孝謙天皇(孝謙上皇・称徳天皇)であろう。
彼女の周囲では、有能な貴族たちも振り回されっぱなし。
後に「一強時代」を迎える藤原一族とて、足元覚束ないリスクを負わされ、そして沈んでいくこともある。
そんな苦境の仲、藤原仲麻呂はいかにして台頭していったか?
◆大炊王とは、後の淳仁天皇です。
日本史受験でもあまり際立った存在でないのは、やっぱりこの時代に孝謙天皇がおられたからでしょう。
彼女も気軽にこの話を受け入れますが、藤原仲麻呂にはやはり腹に一物あり、これを機に権力の独占を狙っていたのでありまして。
果たしてうまくいくのでしょうか……。
◆藤原仲麻呂の台頭前に権勢を誇っていた橘諸兄。
後に藤原広嗣を追い込むなど、その手腕も切れ味相当でしたが、藤原仲麻呂に敗北して、その息子・橘奈良麻呂も復活に失敗してしまいます。
アダ名が大好きな孝謙天皇は、この乱で処罰された者達を貶めます。
前回報じたように「道祖王」は「麻度比(まどひ・浮浪人とか道から外れた人という意味)」。
「黄文王(きぶみおう)」は「久奈多夫禮(くなたぶれ・愚か者という意味)」。
「賀茂角足(かものつのたり)」は「乃呂志(のろし・鈍い人という意味)」。
どんだけやねーん!
【参考】他にはこんなお話も……
和気清麻呂が道鏡のせいで「別部穢麻呂 わけべのきたなまろ」に改名させられて
続きを見る
◆橘奈良麻呂の乱で敵はいなくなり最高権力者となった藤原仲麻呂さん。
恵美押勝の名を賜り、淳仁天皇のもとで自らの政治を進めます。
これが税負担を軽くするなど庶民にとっては優しい政策だったが、光明皇太后がなくなったり、有能な部下たちを失ったりするとその権勢に翳りが見え始めていくのでした。
一方、そのころ孝謙天皇は病に際して……ご存知、僧・道鏡がついに登場なり!
◆道鏡の力をなんとか削いでおきたい――。
そう考えた恵美押勝は、淳仁天皇を通じて、孝謙上皇に道鏡の重用を諌めます。
しかし、これがマズかった。
孝謙上皇が政治復帰、つまりは権力を再び取り戻すべく大いに動きだし、そして対立の構造は深まってまいります。
淳仁天皇&恵美押勝(藤原仲麻呂)
vs
孝謙上皇&道鏡(他に吉備真備など)
果たして、その行方は如何に!?
※次週へ続く
【過去作品はコチラから→日本史ブギウギ】
著者:アニィたかはし
武将ジャパンで新感覚の戦国武将を描いた『戦国ブギウギ』を連載。
従来の歴史マンガでは見られない角度やキャラ設定で、日本史の中に斬新すぎる空気を送り続けている。間もなく爆発予感の描き手である(編集部評)