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【大森貝塚】
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貝殻の炭酸カルシウムが保存料の役割を!?
ちなみに貝塚が一番集中しているのは日本含めた東アジアとロシアの極東地域だそうで。
中でも東京湾沿岸、さらに千葉県が一番多く見つかっているそうです。
確かにワタクシの実家方面にも”貝塚”のついた地名があったり貝塚そのものがあったり、遠足で行った覚えがあります。
どこの貝塚でも人骨が出てきているようなので、もし貝塚に足を運んだ際それっぽいものを見つけたら、とりあえず警察を呼んでおくのが良いでしょう。貝塚じゃなくてもそうか。
貝塚でいろいろなものが出てくるのは、貝殻の中に含まれている炭酸カルシウムが保存料のような役割をするという理由のようです。
日本の土質的に動物や人の骨は分解されやすいため、他のところではあまり残らないのですが、貝塚だけはこの働きのおかげで、当時の暮らしや食生活を知る貴重な手がかりになっているとか。
貝を食えば食うほど保存に強くなっていく
ご先祖様方はただ単に「海が近いんだから、その中にあるもん食えばいいじゃん」ってな感じだったでしょう。
が、後世から見るとありがたい話です。
貝なら鳥や獣ほど捕る手間かからないでしょうしね。
一つ一つが小さい分、皆が満腹になるためにはかなりの量が必要だったでしょうが、それもまた骨や土器の保存に役立ったことになります。
偶然の奇跡とはいえスゴイ話だ。
大森貝塚に限らず、恐竜の化石や死海文書など「地元の人がたまたま見つけたものが世紀の大発見でした」なんてことはままありますよね。
★
最後になりましたが……。
この大森貝塚を巡っては、あのシーボルトの息子であるハインリヒ・フォン・シーボルトも「第一発見者である」という主張をしており、モースと争っていたことがありました。
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父に対して「小シーボルト」というあだ名のハインリヒ。
兄のアレクサンダー・フォン・シーボルトもまた長くお雇い外国人を務めるなど、日本と関わり深い一家でした。
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【参考】
国史大辞典
大森貝塚/wikipedia