日本はずっと「日本」のままなのであまりピンときませんが、他の多くの国では独立記念日もしくは建国記念日が盛大に祝われます。
特に元植民地だった国や、近代に入ってから大きく変革を遂げた国ではそうした傾向が強いようで。
1776年(日本の安永五年)7月4日、アメリカ独立宣言が採択され、現在も「アメリカ独立記念日」として祝われるきっかけになりました。
注目したいのは、
【イギリスから実際に独立した日】
ではないということでしょう。
終わりまでの時系列をざっと見ますとこんな感じです。
◆1781年10月 ヨークタウンの戦い
→実質的な戦闘が終了
◆1783年9月 パリ条約の締結
→アメリカ独立戦争(アメリカ独立革命)が終わり、正式に国家として認められる
やはり明確に意思表示をした1776年7月4日が「アメリカ国民としてまとまった日」であり、精神的に独立国家になった日とみなしたのでしょう。
ちなみに英語だと"The Unanimous Declaration of the thirteen United States of America"という名前だそうです。
直訳だと「アメリカ合衆国13州による満場一致の告知」ということになります。
”独立”って意味は入っていないんですね。意外。
ついでに同時期の「宣言」であり、混乱しがちな
【フランス人権宣言】
とは、書き方が全く異なります。
TOP画像にあるように、アメリカのほうが長ったらしくて読みづらい。
一方、フランス人権宣言は箇条書きです。
パッと見て、数字が順番に連なっているのがご覧いただけるでしょう。
ワタクシ、学生時代に「箇条書きにしてあるのがフランス人権宣言で、そうじゃないほうがアメリカ独立宣言って覚えなさい」とありがたい覚え方を教わった記憶があります。先生それでええんか。
独立宣言ってすっごくワガママ
では、独立宣言、肝心の中身は?
というと、この時点では「人民の人民による人民のための政治」なんぞ全く考えていなかったようです。
なんせ
「イギリス国王ブッコロ!」
「インディアンのヒキョー者!!」
「俺たち最高ヒャッフー!!」
「U・S・A!U・S・A!」(超訳)
ということを、手を変え品を変え状態でグダグダになっています。
現行のアメリカの法律がどんな感じに書かれているのかはわかりませんが、建国前からこの調子ってのも大雑把ですよね。
もちろん歴史的には重要な出来事です。
ただ、中身の文章が大切か?と問われたら、ハテナマークをつけたくなってきます。
そして現在では、全く違う意味で重要な日になっているようです。
独立記念日はパレードやコンサートなどのイベントだけでなく、各種小売業の一大商戦になっているんですね。
たしかにクリスマス商戦はありますが。
祝日はお店も休みになり、他のキリスト教由来の祝日は毎年日付が変わり、常に【7月4日固定】で盛り上がれるってのは大きなビジネスチャンス。
当日を含めた三日間あるいは一週間を「独立記念日セール」としてあっちもこっちも特売合戦をするそうです。
中には乗用車までポーンと値引きしてしまうところもあるそうですから、気前がいいというかお祭りバンザイというか。
ホットドック早食い選手権も独立記念日に
かつて日本人の小林尊さんが連続優勝していたことで有名な”ネイサンズ国際ホットドッグ早食い選手権”。
これも独立記念日に移動しています。
大会自体が「四人の移民たちがある日、”誰が一番愛国的か”を決めるためにホットドッグの早食いを始めた」という経緯で始まったものなので、「愛国心を表すには独立記念日がイイ!」という理由なんでしょう。
大食いのどこがどうなって愛国心を意味することになるのかはちっともわかりませんが。
内需を促進してスバラシイとか?
現代ではこんな感じなので、かつて独立戦争で戦った人々からすれば「遊んでんじゃねーよ!」とか「いいなあ楽しそう。俺も混ざりたい」と真っ二つに分かれそうですね。
それだけ平和になった証でしょう。
他国のイザコザはエゴ丸出しでかき回してますけどねHAHAHAHA!
長月 七紀・記
【参考】
アメリカ独立宣言/wikipedia
独立記念日/wikipedia