平安に都を移して様々な政治改革に取り組んでいた同天皇は、残念ながら2人の帰国前に崩御されてしまったのは前回報じた通りです。
時を少し遡り、まだご生前だった頃、宮廷内が少しずつザワザワし始めた頃。
桓武天皇とその皇子との間には、静かな対立が生まれていたのでした――。
日本史ブギウギ、第34話、スタート!
◆安殿親王は桓武天皇の第1皇子。
注目度は低いですが、後に平城天皇となられる御方です。
参内を命じられてバックレるなど。父とは関係が不仲だった、と思しき記録があり、その一因とされているのが藤原薬子さんでした。
◆来ましたね、平安恋愛スキャンダル界のビッグネームの一人。
道鏡に次ぐドキドキキャラかもしれません。
藤原薬子さんは、式家・藤原種継の娘。
父の種継は、桓武天皇に重用されながら、長岡京造営中に矢で射たれて命を落とすという、スキャンダラスな死を迎えており、なかなか複雑な人間関係が構築されてしまうのでした。
安殿親王と薬子は、深い仲になって参ります。
◆学問の神様こと菅原道真。
ではありません。菅野真道。
平仮名で「すがわら の まみち」です。
なんだかややこしい字面でありますが、この真道さんは渡来系一族であり、本人も後に従三位・参議まで出世したなかなかの人物でありました。
歴史的な出番は何と言っても「徳政論争」でしょう。
彼自身が平安京の造営にも携わっていたせいか。藤原緒嗣との「徳政論争」では軍事・都造営の負担軽減を訴える緒嗣の主張に負けてしまいます。
が、後の平城天皇にも重用されており、同天皇の即位後に従三位まで上り詰めたのでした。基本的に藤原氏が強すぎるんですね。
◆早良親王とは、藤原種継暗殺事件のときに皇太子の地位を廃された桓武天皇の弟です。
ハンガーストライキで無実を訴えた早良親王でしたが、その疑惑が晴れる前に薨去(こうきょ)してしまうという哀しき最期。
その怒りの矛先は、安殿親王へ……なぜに???
※次週へ続く
【過去作品はコチラから→日本史ブギウギ】
著者:アニィたかはし
武将ジャパンで新感覚の戦国武将を描いた『戦国ブギウギ』を連載。
従来の歴史マンガでは見られない角度やキャラ設定で、日本史の中に斬新すぎる空気を送り続けている。間もなく爆発予感の描き手である(編集部評)